勤務税理士がひとり開業を選ぶとき、なくてはならない4つのモノ

退職届

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勤務税理士からフリーランスになって1ヶ月。
なぜ、勤務税理士を辞めたのか。
なぜ、ひとり開業することを選んだのか。いま、あらためて考えてみたことをお話しします。

なくてはならない4つのモノ

もともとは開業に対する強い意志はありませんでした。
それでも退職を考えたとき、たどり着いた答えが開業。
フリーランスという道だったのです。

なくてはならない4つのモノ

実際にフリーランスになって1ヶ月。
ひとり開業するにあたって「なくてはならなかったモノ」は何か。
当時は手探りだったけれど、いまになって理解できたモノもあります。

なくてはならない4つのモノ
1.性質
2.信念
3.周囲の理解
4.お金

性質

当然ですが、フリーランスはいつも「ひとり」です。
もちろん、「提携先」「お客さま」「家族」など、人との関わりはあります。
それでも基本は「ひとり」です。
時間の過ごし方も、物事を最終的に決めることも、責任を負うこともすべて。

変な言い方になりますが、これは「想像している以上にひとり」です。
自分が大学卒業以来、18年間勤め人だったこともあるでしょう。
職場があり、上司や同僚がいる、組織に守らていることがあたりまえでした。
ひとりになると環境は一変します。

この環境を良しとできるかどうか、私は「性質」だと考えます。
その人の生まれつきのタチ。その人に備わった特徴として、「ひとり」を受容できるかどうか。

18年も勤め人をしていると、多かれ少なかれ部下を持つでしょう。
管理職としての管理業務も増えてくるでしょう。
組織にいる以上、それは「役割」として大事なことです。
組織のビジョンやルールを通じて個々人が役割を果たすからこそ、全体として大きなパワーを生み出すことができるのが組織の強みです。

ですが私は、そこに組織の強みよりも、自分にとっての「不自由さ」をより強く感じ始めてしまいました。
組織に問題があるわけではなく、明らかに私自身の「資質」の問題です。

資質とは能力であり、性質とはタチだと理解しています。
能力上の限界が、自分のタチをあらためて気づかせてくれました。
大勢の中にいるとどうしてもいつも一歩引いてしまう自分に、「ひとり」は「覚悟のほど」を突きつけてくれます。
その状況を、いま自分は心底「良し」としています。

「ひとり」を選ぶとき、自分のタチと向き合うことは欠かせません。

信念

タチが合ったとしても、ひとりの環境はやさしくない部分もあります。
「組織のあたりまえ」として先にお話しした通りです。
ではやさしくない環境、ともすれば厳しい環境をのりこえるには、「強い思い」も必要だと言えます。

そう、信念です。

思いの強さや種類はどうあれ、人それぞれが胸に抱く信念。
その信念は「ひとり」にとってのよりどころでもあります。
貫く思い、遂げたい思いはあるか、ということですね。

自分はそれこそ、ひとりになって1ヶ月。
厳しい時があるのだとすれば、それが訪れるのはこのあとでしょう。
そこを乗り越える力としての信念は、
自分に対して明らかにしておくべきと考えています。

何より仕事をするうえで、お客さまや社会に対する姿勢としても欠かせません。

※私の信念については、プロフィールをご覧ください。

お金

急に現実的になりましたが、「先立つものは・・・」です。
どんなに強い思いがあっても、お金がなくなったらジ・エンドです。
思いを遂げるためにも、その原資を確保する必要があるのは言うまでもないでしょう。

ではどれだけ確保すべきか。
1年間まったくの無収入だったとしても、従来通りの生活ができるお金。
自分はそのように定義しました。
同時に、1年間やってみて、事業としての「めど」が立たなければあきらめる
とも決めました。

最悪を想定しての「1年間まったくの無収入」です。
事業をあきらめ就職するにしても、それまでのいくらかの貯金は残す算段です。
また、「めど」とは最終目標としての利益を出すということではなく、最終目標への手ごたえができるかどうかで考えています。

ちなみに、「事業をあきらめる」という言葉をかんたんに使っていますが、そんな心持ちで開業しているわけでは当然ありません。
妻とこども2人の家族も守る立場の身として、あくまで想定されるリスクのひとつとして使っている言葉ですのであしからず。

また、自分は横浜市の制度融資「横浜市ベンチャー促進資金」も受けています。
融資についての考え方はひとそれぞれだと思いますが、開業のタイミングで融資は「受けておいた方がよい」というのが自分の考えです。

融資には必ず「理由」がなければいけません。
開業時には、設備や運転資金を理由として融資を受けることができます。
しかし、開業後に「思ったよりも収入がなく、お金がなくなった」を理由に借りることは非常に難しくなります。

開業するとわかりますが、「お金が減っていく恐怖」はすごいものがあります。
必要なものにまで「恐怖」で投資ができなくなるという誤判断は避けたいものです。
リスクへの備えもありますが、メンタルの支えとしてもお金は役立ちます。
また、わが身を斬ってお金を借りる経験も必要なことと考えています。

周囲の理解

あとから身に染みてわかったいちばんのことがこれです。
周囲とは、家族はもちろん、前職の職場・お客さまです。

開業という決断は本人のこととはいえ、家族に相談をしない人はあまりいないかもしれません。
私は妻、お互いの両親に話をしました。
反対をされることはなく、それぞれにアドバイスや励ましをもらいました。

繰り返しになりますが、やさしくはない環境に身を置くにあたり、はじめの段階で一番身近な家族の理解が得られていないのはつらいでしょう。
私事ですが、多くを言わず「いいんじゃない」と言ってくれた妻の一言は、
開業への勇気を強く支えてくれたと感謝しています。

前職の職場から、開業にあたたかな理解をいただいたことも大きなことでした。
退職は少なからず迷惑をかけることであるにもかかわらず、こちらのことを最後まで親身に考えていただきました。
また、開業後もつながりを持たせていただいています。ほんとうに感謝の念が絶えません。
ここまで気持ちよく「見送っていただく」ことは稀有なのかもしれませんが、退職して去る側としては少なくとも跡を濁すようなことはあってはいけない。
退職して時間が経つほどに思うところです。

また、前職でお世話になったお客さま。
退職の話、開業の話をした際に、あたたかな応援をいただきました。
やはり、ご迷惑をおかけするにもかかわらず、です。

私が言いたいのは、理解・応援をいただいたこと自体ではありません。
周囲の理解を得るためにどうあるべきか、ということです。
自分が自信をもって言えるのは、終始一貫して「正直」であったということです。
カッコ悪くも本音であれば弱さを見せ、語りました。弱音ばかりでなく自分の意志も語りました。
それが「賛成」につながるかはわかりませんが、「理解」には近づけるのだと思います。

退職・開業を通じた自らの姿勢のあり方が、その身に反ってくることを心しておくことです。
世の中は広いようでいて狭いもの。いつどこで再び出会うかもわかりません。

さいごに

いまこうして無事(続くかどうかは別として・・・)、フリーランスをはじめられました。
「ひとり、ひとり」とずっと言ってきましたが、実のところ本質的にはひとりなわけがありません。
お話しした通り、多くの支えがあっての今。これからもそうです。
その支えに応えていく、「ひとり(フリーランス)」とはそのための手段でしかありません。
「ひとりだけどひとりじゃない」、そんな綺麗事を本気で言えるフリーランスをめざします!

本投稿に掲載されている情報は投稿日現在の情報です
 閲覧日時点とは情報が異なる可能性がございますのでご了承ください

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  きょうの執筆後記
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「ひとり開業」の道を見せていただいたのが、税理士・井ノ上陽一さんでした。
まだお会いしたことはありませんが、書籍・ブログを通じて学ばせていただいています。
ここで勝手に感謝の意を示させていただき・・・いつもありがとうございます!

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!