「自分で経理」はフリーランス・ひとり社長によく似合う!「独学経理」とはちがいます

独学疲れ

経理は自分でやるべきか、税理士に任せるべきか・・・
フリーランス・ひとり社長の経理についてお話しします。

「自分で経理」はそれほどたいへんでも、高コストでもない

フリーランス・ひとり社長の事業について、経理をどうするか迷っているのなら。
結論として、「自分で経理」することをおすすめします。
よくわからないけど自分でやってみる、という「独学経理」とはちがいますのでご注意を。

経理は開業時も、その後も悩みごと

まずはじめに。
事業をされる方にとっての経理の位置づけについて、データをひとつご紹介しておきます。
日本政策金融公庫が開業にあたり融資した企業を対象に行ったアンケート結果です
(「日本政策金融公庫総合研究所 2015年度新規開業実態調査」)。

問.不足していると感じていた・感じている知識・能力は何ですか(複数回答可)

この問いに対して最も多かった回答が、「経理・税務・法律などの知識」でした。
さらに興味深いのは次の点です。

起業家を志したとき 76.3%
開業時点      69.8%
開業1年後      54.6%

起業しようとしたときには76.3%の人が「経理・税務・法律などの知識」に不足感。
その後、開業時点でも69.8%。
開業後1年たっても54.6%の人が、依然、不足感を持ち続けていることを表しています。
実に半数以上の事業者が、開業1年後も状況に変わりがない。

ちなみに、この「経理・税務・法律などの知識」に対する不足感は圧倒的です。
次点の「営業力」でも、それぞれ48.5%、39.8%、35%。
いかに「経理・税務・法律」面での苦労や悩みが多いかを示しています。

残念ながら上記結果のうち、「経理」が単独で占める割合まではわかりません。
とはいえ、経理について「少なくはない事業者が抱く悩みのひとつ」と考えても問題はないでしょう。

そんな悩める経理にあたり、最初の選択肢が「経理は誰がやるのか?」です。
自分(自社)でやるか、税理士など外部に任せるか・・・
上記のアンケート結果は、少なくとも開業1年後時点では、「最初の選択」の成果が不確かであることを示しているようでもあります。

知りたいときにわからないストレス

それでは本題。
フリーランス・ひとり社長に「自分で経理」をおすすめする理由について考えていきましょう。

と言ってみたものの、わたしが考える「おすすめ理由」はたった1つです。
自分で経理ができると、

お金の状況について、知りたいときに自分で調べられる

これに尽きます。

他に理由がないわけではありませんが、それは「経理を外部に任せるメリット」と言われているものの打消し。
積極的な理由ではありません。
「メリットの打消し」についてはあとでお話しします。

話を戻します。

事業をしていると、お金にまつわるさまざまなことが年中気になるようになります。
わたし自身も独立開業して、強く実感しています。
「お金」のことを考えない日は、ただの1日だってありません。

入金待ちの金額はいくらだ?いつ入金されるんだ?
お金が足りなくなる時期はないかな?
今月はいままでいくら経費を使っているのかな? などなど

ちょっとしたときに、いろいろなことが気になります。
内容自体はたいしたことがなかったりします。

なんか最近、贈答やら飲食代やら多い気がするなぁ。
どのくらい使っているんだっけ?
そんな些細なことを、ふと思いついたりするわけです。

自分で経理をしていれば、思いついたときに会計ソフトを開けばすぐにわかります。
ところが経理を外部に任せていると、その「たいしたことない」ことですら先送り。
手元に最新の情報がないのだからしかたありません。

これはけっこう「ストレス」です。
「たいしたことない」にもかかわらずわからないので、なおいっそうモヤモヤします。
こんなときには、顧問税理士からもらった「先月のレポート(試算表)」をみてもなんの足しにもなりません。

経理の結果を「深く分析」することも重要ですが、最初はもっと「手前」の問題。
「自分が知りたいことがわかる経理」で十分なのです。

さきほどの「贈答やら飲食代やら」でいえば、おこづかい帳をつけるレベル。
しかも会計ソフトをうまく使えば、難しいことも手間も、それこそたいしたことはありません。

自分で経理を続けていると、おのずと「知りたいこと」は増えていきます。
そのときに「わかる」ようにレベルアップをはかる。
「知りたい→わかる」の繰り返しで、経理は身についていきます。

はじめから身の丈を超えて、むずかしいことをはじめる必要はありません。
繰り返しになりますが、
「自分が知りたいこと」がわかるレベルで経理をはじめればよいのです。

「独学経理」と「自分で経理」はちょっとちがう

「自分で経理」という話をしていると、「独学経理」というものがでてきます。
文字通り、自分で経理の方法を学び、実践すること。

とても素晴らしい姿勢だとは思いますが、わたしはおすすめしません。
時間がかかりすぎるうえに、その結果、ただしい方法が身に付くかどうかもわからないからです。

その過程で「自分で経理」をすることに翻弄されると、「自分が知りたいこと」以前に「帳簿付け」が目的になってしまいます。

また、「独学経理」をはじめる動機に「低コスト」も挙げられます。
たしかに、外部委託コストは決して安くはありません。
ですが、せっかく「自分で経理」をしていても、学ぶ時間が多すぎたり、身につけた方法にもムダが多ければ結局は「高コスト」です。

ということも踏まえて。
最初はお金をかけてでもきちんとした「型」を学ぶのがよいでしょう。
税理士などの専門家はきちんとした「型」を知っています。
なにごとも「我流」は、基本の型のあとに取り組むべきもの。

最初にお金がかかっても、「外部委託し続けるコスト」に比べれば断然低コストなはずです。
「独学経理」については、目先ではなく、長い目で考えるようにしましょう。

自分・de・経理
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経理を外部に任せるメリットはほんとうか?

さいごに。
「経理を外部に任せるメリット」の打消しについてお話しします。
一般に「経理を外部に任せるメリット」と言われているものに次のようなものがあります。

・「本業」に集中できる
・自分(自社)が経理に充てる時間の方が高くつくので結果割安
・専門分野は専門家に任せるべき

たしかに、経理を自分でやるとなれば、一定の時間はとられます。
ただ、フリーランスやひとり社長の事業に関していえば、ほとんどのケースでそれほどの時間はかかりません。
もちろん、きちんとした「型」を身につけていれば、ということですが。

フリーランス型税理士のわたしは、帳簿付けは毎日10分~15分くらいです
(月初には「月締め」の作業として、別に1時間ほどかけています)。
開業したばかりということはありますが、そもそもひとりですから「経理の対象になる取引」が多くありません。
これは一般的には多くあてはまることだと思います。

毎日でなくても良いのですが、わたしは「知りたいことが知りたいときにわかる」ように、あえて毎日経理をやっています。
毎日とはいっても、「経理の対象になる取引」が無い日もありますので、経理作業が発生しない日もあります。

「お前は税理士なんだから早くて当然」と言われればそれまでですが、税理士だからという理由だけで早くできるようにはなりません。
わたしの場合は、キャッシュレス(現金をなるべく使わない)を進めたり、クラウドサービスを活用するなどして、入力作業を軽減する「工夫」をしています。

「毎日10分~15分」をどうとらえるかは人それぞれですが、「知りたいことがわかる」というメリットを考えれば、とるに値するコストだと考えています。

もうひとつ。
「専門分野は専門家に任せるべき」というのには同感です。

ですが、いまや「経理」は言うほど専門性が高いものではありません。
だからこそ、一般の方にも会計ソフトやクラウドサービスの普及が進んでいるのです。
技術の進歩も目覚ましく、その傾向はますます強まることでしょう。

専門家である税理士に顧問料を払うのであれば、経理の先にある「ほんとうの専門家サービス」のために払うべきです。
顧問税理士から提供されるのは「毎月のレポート(試算表)」だけです、というのではさびしいものがあります。
そのためには技術の進歩を自ら操って、自分で経理をするというのは必要なことでもあります。

少々余談ですが、税務申告は税理士に任せたほうがよいでしょう。
税法は毎年の変化もありますし、「型」に負えない複雑なところもあります。
経理は自分で、税務申告は税理士に。このパターンがよいのではないでしょうか。

税務申告だけであれば、委託コストは抑えられます。
申告時以外に困ったことがあっても、アドバイスを求めることができる先となります。

まとめ

「経理の対象になる取引」がそれほど多くないフリーランス・ひとり社長の経理は、本来それほどの時間がかかるものではありません。

経理を税理士などに外部委託をしている、自分でやっているがだいぶ時間がかかっているのであれば、経理について再検討してみましょう。
ポイントは「何のために経理をやるか」と「経理の型(方法)」にあります。

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  きょうの執筆後記
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昨日は終日オフ。
朝はテニススクールのレッスン。その後はこどもたちの「漢字検定」受験の付き添い。
しかしまぁ、すごい人でした。
だいたい「こども+親(場合によっては2人)」ですからね。受験者の倍以上です(笑)
周辺のお店で昼食をとりましたが、そこかしこが「特需」でした。
漢字検定にも「一定の経済効果」を目の当たりにしました。

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