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ウォーターフォールチャートが見せる2つの世界【仕事に役立つエクセル】

ウォーターフォールチャート

「ウォーターフォールチャート?知らん。」というあなたも。「あぁ、見たことはあるけど、つくれないなぁ・・・」というあなたも。

この機会にサクッと覚えてみませんか?エクセルでウォーターフォールチャートの作り方。

これが作れれば、仕事でよくある「2つの世界」をグラフで表すことができますよ。

目次

ウォーターフォールチャートが見せてくれる「2つの世界」

今回お話しするウォーターフォールチャート。高いところから低いところへ連なるグラフの様相から、「滝グラフ」とも呼ばれています。

コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーにより、顧客向けプレゼンテーション手法として普及しました。プレゼン資料などで目にしたことがある、という人は多いのではないでしょうか。

で。あなたは自分で作れますか?はい、きょうから作れるようになります。

はっきり言って。ウォーターフォールチャートは使えます。プレゼンはもちろん、自らの分析にまで幅広く使えます。あとは発想しだい。

ちなみに、ウォーターフォールチャートが力を発揮する「2つの世界」があります。それは、

  1. 増減の世界
  2. 構成の世界

たとえば、増減の世界であれば、「会員数の理由別増減」「損益・収支」など。こんな感じです。

会員数の増減

会員数の理由別増減

損益・収支

損益・収支

構成の世界であれば、「商品別売上構成」など。こんな感じ。

商品別売上構成

商品別売上構成

どうでしょうか。ただ数字だけで表すよりも、よりわかりやすく、よりその世界観を感じることができるのではないでしょうか。

このような世界は、身近にあふれています。2つの世界を見つけたら、ぜひウォーターフォールチャートで表現してみましょう。

 

エクセルでのウォーターフォールチャートの作り方

それでは、さっそく。エクセルを起動してウォーターフォールチャートを作ってみましょう。

ここからは、Excel2016を使用しての説明になります  

元データを準備しよう

さきほど紹介した「自社の商品別売上構成」を例に作成することにしましょう。元データを確認します。

元データ

さて、これをフツーにグラフ化しようとすると、だいたいこうなります。

棒グラフ

なんとも「面白くない」グラフができてしまいました・・・これは「構成の世界」だよね。ということでウォーターフォールチャートに挑戦します。

まずは元データを書き換えよう

まず、元データをウォーターフォールチャート用に書き換えます。インパクトを出すために、売上額の小さい順に並べ替えます。

並べ替え

  1.  B4セルからC10セルを選択(計欄は選択しない)
  2.  「データ」タブを選択
  3.  「並べ替え」をクリック
  4.  並べ替え条件を上図のとおりに設定
  5.  OKボタンをクリック

これで「スーパーeco弁当」を先頭に「華のOL弁当」まで金額の小さい順に並び替えできたはずです。

続いて、ウォーターフォールチャートのポイントを2つお話しします。ここがキモです。「下端」と「上端-下端」という2つの考え方です。はじめに、それぞれのイメージを示します。

イメージ図

赤線が「下端」、青い括弧が「上端-下端」です。上図のイメージをもとに、先ほどの元データに「下端」と「上端-下端」のデータを追加します。次のようになります。

元データ 修正後

「スーパーeco弁当」は「ゼロ」から「300」までのグラフだから、「下端はゼロ」「上端-下端は300」です。

次の「ムキマッチョ弁当」は「スーパーeco弁当」の「300」からの続きなので「下端は300」。そこから「300」上に伸びるので「上端-下端は300」。というように、グラフをイメージしながら入力します。

もちろん、算式を組んでしまう方がラクですが、算式もケースバイケースです。あえて算式は開示しませんので、算式を組む場合には自分で考えてみましょう。

いよいよグラフ化

では、作成したデータをもとにグラフ化です。

グラフ化①

  1.  B4からB11を選択、Ctrlキーを押しながら、D4からE11も選択
  2.  「挿入」タブをクリック
  3.  「縦棒/横棒グラフの挿入」をクリック
  4.  「積み上げ縦棒」をクリック

続いて、グラフの設定をはじめます。

グラフ化②

  1.  棒グラフの「下端」部分を右クリック、表示されるウィンドウメニューから「データ系列の書式設定」を選択
  2.  要素の間隔を「0%」に変更

これで棒グラフ間のスキマがなくなります。続いて、青色の棒グラフが邪魔なので消します。

グラフ化③

  1.  棒グラフの「下端」部分を右クリック、表示されるウィンドウメニューから「データ系列の書式設定」を選択
  2.  「塗りつぶし」で、色は「白」を選択

ここまでで、次のようなグラフになっているはずです。

グラフ化④

ウォーターフォールチャートの「原型」はできました。あとは細かい設定を「好み」で行います。わたしなら、

  1.  棒グラフの「枠線」の「色」を「白」にする(グラフ同士の境目をつくるため)
  2.  グラフタイトルを書き換えて、フォント調整する
  3.  グラフ下の「凡例」を削除する
  4.  目盛線を削除する(線があるとスッキリしないので)
  5.  縦軸の単位を大きくする(細かいとスッキリしないので)
  6.  売上額のデータラベルを追加する
  7.  グラフの色、文字の色、文字の大きさなどを調整する

できあがりがこちらです。

グラフ化⑤

どのような商品から売上が構成され、どの商品が売れ筋かがわかりやすく表現できました。

 

まとめ

ウォーターフォールチャートの作り方。思ったよりもカンタンだったのではないでしょうか。

グラフは「発想」です。ぜひ、いろいろなグラフの形を知り、データが持ついろいろな世界観を、よりわかりやすく表現してみましょう。

データを深く理解することにも役立ちますし、プレゼンなど人に伝える場面でもチカラを発揮します。

いいグラフづくりのコツは「データが持つ結論を、いちばん表現できるカタチを探す」ことです。

 

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  きょうの執筆後記
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グラフ化するときに、エクセルのグラフ挿入機能でただグラフ化すると。それはそれは「とても平たいモノ」になります。
「いったい何を伝えたいの?」というグラフで、グラフを見る人が「結論」を探さなければいけません。
良いグラフというのは、見る人に一発で「結論」を提示するようなグラフ。そう考えながら、グラフは作るようにしています。

ウォーターフォールチャート

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