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一流の人は、本のどこに線を引いているのか/土井英司【一冊一言 #01】

一流の人は、本のどこに線を引いているのか

きょうの一冊一言(いっさついちごん)は、

土井英司さん著 『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』

この一冊から、きょうの自分に活きる一言を。見つけ出していきます。

目次

内容紹介

著者は、日刊書評メルマガ「ビジネスブックマラソン」の編集長・土井英司さん。書評家でもあり、数々のベストセラーを世に送り出したバイヤー・プロデューサーでもあります。

そんな土井英司さんが、役立つ読書術と自身のおすすめ本をあますところなく公開する。という内容の本です。

 

きょうの一冊一言

『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』から、わたしが見つけ出した一言は。

自分の考えや信念を後押ししてくれるような1文を読むと、テンションが上がって勢いよく線を引きたくなる気持ちもよくわかる。しかし、これは単なる「自己陶酔」にすぎない。

《 037ページより抜粋 》

このあと土井英司さんは、むしろ嫌悪感があっても”気になる”1行の方に線を引け、とアドバイスしています。

理解しやすいもの、納得しやすいものに「線を引く」。つまり、「同調」しやすいところがあるということです。わたし自身に関しても、たしかにそういう傾向があります。

ですが、いつまでも「自分の範疇」で本を読んでいては。結局のところ、「何も得られない」わけです。

本を読んで成長したつもりが、あたらしい自分を見つけたつもりが。より一層自分に固執した、自分に偏った人間になる。これは、「読書のワナ」とも言うべきものでしょう。

読書に限らず、人付き合い、コミュニケーションにおいても同じ事です。

居心地の良い場所には、”ほんとうの答え”はないかもしれない。

それが、きょうの一冊一言を活かすべきポイントです。

 

その他 注目の一言

一冊一言以外に、『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』から気になる一言を。

結果に線を引くな、原因に線を引け

土井英司さんは、「本に線を引く」ということについて次のようにも言っています。

ある事象を、「原因」と「結果」に分けて考えてみると、線の引き方は劇的に改善できる。結果ではなく、原因に線を引くのだ。

《 040ページより抜粋 》

「自分の考えや信念」に近いものに線を引いてしまうように。わたしたちは、しばしば「結果」に目を奪われます。やはり、「結果」自体はわかりやすいし、端的であるからでしょう。

ところがもちろん、「結果」それ自体には意味がありません。その点、土井英司さんも「○○社は20期連続増収増益をしている」という例示を挙げています。

20期連続の増収増益はスゴいことであり。思わず線を引いてしまいかねないが、あなたにとって何らプラスになることはない、と。

たいせつなのは、「20期連続の増収増益」の結果のもとになる「原因」ですよ。「なぜ?」を自身で突き詰めて、原因を探し出すのですよ。著者からのそういうメッセージです。

「20期連続の増収増益」の例は少々極端にせよ。「いちばんの原因」にまでたどり着けない、ということは多々あるでしょう。

いわゆる「なぜの深堀り」が浅いというケース。カンタンにたどり着いた原因ほど「浅い」モノはなく。トヨタ自動車には「なぜなぜ5回」のハナシもあります。

その1行に線を引く前に。もう一段のなぜを問うところに、読書の深みがあるようです。

答えは、本の外にある

線を引く、ということについてもうひとつ。

線を引く個所は、本の「なか」とは限らない。本の「外側」に線を引く個所があるかもしれないのだ。

《 165ページより抜粋 》

本を読んで、「だまされた」と嘆くレビューを書くのは三流だ、と土井英司さんは言っています。

だまされたのであれば、だまされた理由にこそ、その本の価値がある。そういうことです。たとえば、タイトルが上手い、装丁デザインがよい、など。

ほんとうにだまされたのか、だますのが良いか悪いかは別にして。あなたがその本を手に取った以上、あなたにとって必ず何かしらの価値がその本にはある。

それを見いだせないのは、本のせいではなくあなたのせい。そう考えるべきだということでしょう。

ベストセラー批判をする書評についても同様に、「なぜその本は売れたのか」を見極めるだけで価値があるのに。と言っています。

あぁ、ベストセラーをなぜか毛嫌いするワタシ・・・。こりゃダメだ、と線を引くことになった一文でした。

「なぜ」が表層には無いかもしれないことと同じく。大切なことは本に直接書かれてはいないかもしれない。テーマ、広告、デザインなど、本の「背景」にこそ引くべき線がある。

本の「外側」にまで眼を向ける視野の広さが、読書には必要です。

 

いままでの「読書の在り方」を見直したいあなたに、おすすめの1冊です 》

 

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  きょうの執筆後記
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きょうご紹介した本の帯に。「読書とは、数千行の中から自分の未来を拓く1行を見つける行為」とあります。

たくさん本を読めばいいというわけでもなく。たくさん線を引けばよいというものでもなく。ほんとうに自分に活きる1行、きょう行動できる1行を、読書から見つけ出すこと。

その大切さにあらためて気づき、ブログの記事テーマに「一冊一言」をあらたに加え。きょうからスタートした次第です。

一流の人は、本のどこに線を引いているのか

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