固定費を減らしてはいけない理由~固定費削減にまつわる2つの誤解

固定費削減

ムダな固定費を減らせっ!

「固定費」と言うと、何かと「削減」の言葉がついてまわるものですが。

でも、ちょっと待った。減らすよりもまず先に、考えるべきことがありますよ。

固定費を減らす、なんてカンタンに言うな

数値計画を立てる、立てた計画と現実との差異をはかる。そんな折、おもむろにテーマに上る「固定費削減」の言葉。もっともらしく聞こえはするけれど…

固定費削減には、気を付けるべき「2つの誤解」があることに注意が必要です。2つの誤解とは、

  • お金を使うこと=悪
  • コスト削減=善

この「2つの誤解」が、実は、気軽な「固定費削減」の言葉を許している。そんなお話をしていきます。

 

「お金を使うこと=悪」という誤解

固定費をはじめ、コストにはお金の支払いがつきものです。この「お金の支払い」が誤解を生んでいます。

固定費の本質

「固定費削減」のきっかけとして、固定費の支出という「お金が出ていく」一面が注目されることがあります。

たしかに、その固定費の支出をやめればお金は減らないし、その分だけ利益も多く残ります。

ところが、よくよく考えれば誰もがわかるとおり。固定費の本質は「お金が出ていく」ことにあるわけではなく。

その本質は、固定費という「お金を使うことで、代わりに価値を得る」ことにあります。

つまり、固定費を削減するかどうかは、その支出の「価値」があるかどうかで判断すべきだということです。

にもかかわらず、「価値」はさて置き、「お金が出ていく」ことがワルモノ扱いされてしまうのはなぜなのか?

金額の大きさゆえのインパクト

固定費の「お金が出ていく」一面が注目を浴びる理由に、金額的インパクトが挙げられるでしょう。

事務所家賃、自動車の維持費、人件費など。固定費には、金額が大きなもの、コストに占める割合が大きなものが少なくありません。

手っ取り早く、それらの固定費の支出をやめてしまおうかという理由にもなりえます。出金額の大きさが気になって理由になる。

それらは誤った理由です。正しくは、さきほど触れた通り「支出の価値」ではかるべきことです。

固定費削減を口にするとき。出金額の大きさだけが理由になっていないか、あらためて問いかける必要があります。

 

「コスト削減=善」という誤解

固定費をはじめ、コストには「削減」への圧力がつきものです。この一律的な「削減」が誤解を生みます。

固定費は無くならない

さきほどの誤解の裏返しでもありますが。コストは削減するものだ、すべきものだ、という固定観念があったりするものです。

たしかに、コストが多いより、少ないほうがいい、というのはひとつの考え方でしょう。

ところが、固定費に関して言えば、それが必ずしも当てはまらない。ほんとうの固定費はそんなカンタンに削減できないからです。

たとえば、固定費削減だと言って。事務所をすぐに無くすことができますか? クルマを手放せますか? ヒトを解雇できますか?

ほんとうに減らす・無くすとなれば、相応の制限や制約を受けることになる。削減が一筋縄ではいかないのが「固定費」です。

そうカンタンに減らす・無くすことなんてできないのが、固定費の固定費たるゆえん。固定費はその文字ヅラ以上に、強く、しつこく「固定的」なのです。

小さな固定費の扱い方

事務所やクルマ、ヒトはそうカンタンに削減できないのはわかる。でも、もっと小さい固定費の削減ならばできるだろう、と。たしかにできます。たとえば、

  • 節電のためにこまめに消灯
  • コピーは裏紙を使う、カラー印刷はしない、2アップ以上で印刷

など。小さな固定費削減はたしかにあります。

けれどもこれを受け入れる「ヒトのキモチ」はどうでしょう? 想像力を働かせてみてください。こんなカンジでしょうか。

  • 節電のためにイチイチこまめに消灯。気ぜわしいし、めんどうだ
  • 裏紙を使え、カラー印刷はやめろ、2アップ以上で印刷しろ、ってどうにもケチくさい

「ヒトのキモチ」なんてコスト削減とは関係ない、と切って捨てるのもひとつでしょう。でもこれらの言い分にも一理あります。

  • 節電のチェック、節電の実施に「時間」を使っている
  • 裏紙のセットに「時間」をかけている

など、当初の固定費は減ったものの、別なカタチで現れる悪影響というものもあるわけです。

たしかに節電は大事ですが。わずかな電気代を減らすために電気を消して回ったり、そのチェックをしたりする「人手」や「時間」はどうなんでしょう?

用紙代を節約するために、都度、裏紙をセットしているのはどうなのか?そこには、本末転倒とも言える「生産性の低下」が存在しています。 

誤解を恐れずに言えば。電気代にしても、用紙代にしても、「ある程度」のムダを含めて固定費だ。そういう割り切りも必要なのではないか、ということです。

使ってナンボの固定費

では、固定費についてはどのように考えればよいのか?

固定費の「対象」を十分に使うことです。たとえば、

  • 家賃の対象である「事務所」を十分に使う
  • 自動車維持費の対象である「クルマ」を十分に使う
  • 人件費の対象である「ヒト」を十分に使う

「使う」という言葉が、乱暴に聞こえるかもしれませんが。要は、固定費の「対象」をよく動かして、活かすこと。

ここを疎かにして「固定費削減」を論じるケースは少なくないのです。固定費の「対象」に、一度目を向けてみましょう。

滅多に使われない会議室、運行記録も取られていないクルマ、生産性に明らかな差がある社員たち…  まずは、ここからです。

固定費は、その「対象」をうまく使ってナンボなのです。固定費は減らすよりもまず、うまく使えているかどうかを考える必要があります。

 

まとめ

固定費削減をめぐる「2つの誤解」について見てきました。

  • お金を使うこと=悪
  • コスト削減=善

の常識にとらわれない目が、固定費削減には必要です。

固定費は減らすよりもまず、うまく使えているかどうかを考えましょう。

 

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  きょうの執筆後記
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