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日本政策金融公庫・創業融資面談での『発言と対応』の注意点まとめ

日本政策金融公庫・創業融資面談の注意点

” 日本政策金融公庫の創業融資面談。不安だ、心配だ… ”

と言うのであれば、事前に知っておいてほしいこと。面談での「発言と対応」の注意点についてお話をしていきます。

目次

一発勝負の創業融資面談でヘタこくなかれ

これからじぶんで会社・事業をはじめる際に、ぜひとも利用をしたいのが「日本政策金融公庫の創業融資」です。

とは聞いているけれど。なにぶん、おカネを借りるのもはじめてだし、どうしていいかわからない… ということもあるでしょう。

そこで。日本政策金融公庫(以下、日本公庫)の創業融資では必ず行われる「面談」についてお話をしていきます。

具体的には、面談での「発言」や「対応」の注意点について。言い換えるなら、「立ち居ふるまい」といったところでしょうか。

面談は一発勝負です。失敗をして後悔することがないように、注意点は事前にきちんと確認をしてのぞみましょう。注意すべきは次のとおりです ↓

日本公庫・創業融資面談の注意点
  • 依頼された書類の持参を忘れない
  • 場にふさわしい服装・身なりで行く
  • 聞かれたことに端的に答える
  • 提出書類と違うことを言わない
  • 専門用語・業界用語を使わない
  • 語尾は言い切る
  • 他責やネガティブなことは言わない
  • ごまかさない・ウソつかない・怒らない
  • 専門家の同席はOK、でも頼らない

それでは、このあと順番に見ていきましょう。

【参考】面談で聞かれる「内容」については、こちらの記事をどうぞ

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日本公庫・創業融資面談での「発言と対応」の注意点

日本政策金融公庫の創業融資面談を受けるにあたって、「発言と対応」の注意点についてお話をしていきます。

依頼された書類の持参を忘れない

借入申込書や創業計画書などの必要書類を提出したのち、1週間ていどで日本公庫から面談日時のお知らせがあります。

その際、面談当日に持参をしてほしい書類についてもお知らせがあります。たとえば、運転免許証などの本人確認書類や、自己資金の存在を確認するための預金通帳など。

これらを当日、持参し忘れないようにしましょう。というのは当然のハナシなのですが、あえての念押しで。

もしも忘れてしまうと、のっけから「かなりのパニック」になってしまうものだからです。はじめての面談は、ただでさえ緊張するものなのに、ますます落ち着かない状況になってしまいます。

みずから不利な状況をつくってしまう、ということがないように。くれぐれも書類の持参忘れには気をつけましょう。

場にふさわしい服装・身なりで行く

本やネットの情報などを見ていると。服装は「スーツ」で行くべし、と書かれていたりします。

実際には、必ずしもスーツである必要はありません。たとえば、仕事柄「つなぎ(作業着)」がユニフォームなのであれば、それでもいいでしょう。

ただし、「清潔さ」がなければマイナスイメージは否めません。いくらユニフォームだとは言っても、汚れがひどい「つなぎ」などはやめたほうがいいのは当然です。

と、いろいろ考えてみると。スーツが無難だ、ということは間違いありません。スーツがあるのであればスーツがいい。

また、派手な服装・派手な装飾品は、あまりよいイメージにはならないと推測します。地味でおとなしい、のが無難でしょう。

いずれにせよ。おカネを借りに行くのだ、というじぶんの立場を忘れないことです。

聞かれたことに端的に答える

融資の面談なんてはじめてだ… となると、「なにを話せばいいんだ、なにから話せばいいんだ」と心配になるかもしれません。

でも、だいじょうぶです。面談は日本公庫の担当者が、聞きたいことを聞いてきます。

ですから、こちらは聞かれたことに答えればよいだけです。聞かれてもいないことを話す必要はありませんから、相手の質問に集中しましょう。

加えて、もうひとつ。端的に答えること。この場に限ったことではありませんが、長々と話をされるのも… ですよね。

まず「結論」を伝える。続いて、その理由や根拠などを簡潔に補足する。というようなイメージでお話をするのがよいでしょう。

提出書類と違うことを言わない

面談で回答をする際には、提出書類との「食い違い」に注意しましょう。ここで言う「提出書類」とは、おもに創業計画書を指します。

面談前に提出をしている創業計画書などの書類と、面談時の発言とに食い違いがあると、不審に思われてしまいます。

「いったいどっちが正しいの?それともどっちもテキトーなの?」などと思われてしまっては、よいことがありません。

書類を見ながらでもかまいません(むしろそのくらいのほうがよい)ので、書類と発言の内容を一致させるように気をつけましょう。

書類に書いてあるのだから、わざわざ同じことを言うのも… と思われるかもしれませんが、それでよいのです。

「声」には「文字」では伝わらない熱量や迫力があるものですし、日本公庫の担当者も書類の内容すべてを確認・暗記しているとは限らないのですから。

専門用語・業界用語を使わない

じぶんが日常あたりまえに使っている言葉も、いっぱんのヒトには馴染みがない・理解できない言葉だ、ということは多々あります。

いわゆる「専門用語」や「業界用語」と呼ばれるものです。

面談のときに、それらの言葉を多用しないように注意しましょう。理解してもらえなければ、説明にもアピールにもなりません。

ちなみに。日本公庫の担当者は「いっぱんのヒト」ではないだろう、と言われるかもですが。

担当者は「融資」についてはプロ(いっぱんのヒトではない)でも、あなたの「事業」についてはプロではありません。

ですから、なにも知らないお客さまに、じぶんの商品・サービスを説明するような気持ちで話をするのがよいでしょう。「専門用語」や「業界用語」を使ってしまうことを避けられるはずです。

語尾は言い切る

「… と思います」「…かもしれません」などのあやふやな語尾はできるだけ避けましょう。自信の無さ、ととられかねません。

したがって、発言の語尾は「… です」と言い切るのがキホンです。

ただし。ほんとうにわからないことまで言い切ってしまうのでは、虚勢や嘘つきのたぐいになってしまいます。

言い切った理由・根拠を問われて、返答に窮する…  これでは逆効果でしょう。

そのようなことを避けるためには、創業計画書を作成する段階から、計画の理由や根拠を明確にしておくこと・意識しておくことが欠かせません。

他責やネガティブなことは言わない

たとえば、「景気が悪い」とか「業界がよくない」とか。「他責」ととれる発言は控えましょう。

周囲や環境など「他」は変えることが困難なのですから、確実に変えられる「あなた」がどうするのか? に日本公庫は関心を持っているのです。

また、当然ながらネガティブ(否定的・消極的)な発言もよいものではありません。「うまくいくかはわかりませんが…」的な枕ことばをつけたりしないように注意が必要です。

だいたいにおいて。うまくいくかどうかなど、ある意味だれにもわかりません。やるべきことをきちんとやるから、だいじょうぶなんです! という気概でのぞみましょう。

なお、楽天的に過ぎるのは行き過ぎです。たとえば、「あなたの事業に問題点や課題はありますか?」との問いに、「なんにもないです!」では問題意識や課題発見力の欠如と見られかねません。

問題点や課題がまったくないことはそうそうないのですから、「〇〇や△△といった問題が考えられます。しかし、◇◇の対策をすることで解決をはかる考えです」などの回答を試みましょう。

ごまかさない・ウソつかない・怒らない

面談での評価ポイントとして、創業者の「人間性」が挙げられます。経営者にふさわしいヒトなのかな? そういう目で見られている、ということです。

いくら創業計画が優れていても、事業に将来性を感じても。人間性がヒドい… というのでは、融資をしたくないと思われてもしかたがありません。

言うまでもないことですが、「ごまかす」「ウソをつく」「怒りをあらわにする」ようなことは面談ではNGです。

たとえば、その場しのぎの返答などは、百戦錬磨の担当者にはすぐにバレることでしょう。また、ふだんからカッとしやすい自覚がある人であれば、感情的にならないよう注意です。

面談に限ったことでもありませんが、あくまで真摯に、そして誠実に。いちど失った信用を取り戻すことは困難です。

専門家の同席はOK、でも頼らない

税理士などの専門家に、面談に同席してもらうのはやめましょう。という注意喚起がなされていることがあります(本やネット、ウワサなどで)。

実際に同席させていただいているわたしからすれば、専門家に同席してもらうのはOKです。

ただし。面談で質問をされているのはあなたです。日本公庫は、創業者の「あなた」から答えを聞きたいのであって、他人である専門家から聞きたいのではありません。

したがって、面談の場で専門家のほうがベラベラと話し出すことはありえませんし、それを期待してもいけません。

では、同席する専門家の役割はなんなのか? いちばんは、融資をする側とされる側との「ミスコミュニケーション」を防止することです。

創業者本人だけでは、銀行(日本公庫)の言っている意味・意図がわからないこともあるでしょう。勘違いをしてトンチンカンな返答をしてしまうこともありえます。

また、創業者が言わんとしていることが、銀行にうまく伝わっていない・誤解をされているということもありえます。そのようなときに、あいだに入って「通訳」をするのが専門家の役割です。

ミスコミュニケーションは決して少なくはありませんので、心配・不安があるのであれば、支援を求めるのも選択肢です。なにしろ、創業融資は一発勝負なのですから。

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まとめ

日本政策金融公庫・創業融資面談での「発言と対応」の注意点についてお話をしてきました。

はじめての融資、はじめての面談となれば不安や心配は当然です。あらかじめ注意点を押さえて、落ち着いて面談にのぞみましょう。

日本公庫・創業融資面談の注意点
  • 依頼された書類の持参を忘れない
  • 場にふさわしい服装・身なりで行く
  • 聞かれたことに端的に答える
  • 提出書類と違うことを言わない
  • 専門用語・業界用語を使わない
  • 語尾は言い切る
  • 他責やネガティブなことは言わない
  • ごまかさない・ウソつかない・怒らない
  • 専門家の同席はOK、でも頼らない
日本政策金融公庫・創業融資面談の注意点

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