ページが見つかりませんでした – モロトメジョー税理士事務所 https://useacc.com 銀行融資専門、税理士レスの経理・財務を支援する横浜の税理士 Wed, 27 Mar 2024 21:55:28 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 https://useacc.com/wp-content/uploads/2017/03/ikari-icon-e1490949333973.png ページが見つかりませんでした – モロトメジョー税理士事務所 https://useacc.com 32 32 決算書をつくるのが苦手な税理士の見極め方 https://useacc.com/2024/03/28/not-good-at-creating-financial-statements/ Wed, 27 Mar 2024 21:55:26 +0000 https://useacc.com/?p=42569

決算書をつくるのが苦手な税理士もいます。すると、対税務署に偏り、対銀行が不十分な決算書となり、ひいては銀行借入がしづらくなります。なので、社長自身が気をつけましょう、というお話です。 税理士を非難する意図はございません […]]]>

決算書をつくるのが苦手な税理士もいます。すると、対税務署に偏り、対銀行が不十分な決算書となり、ひいては銀行借入がしづらくなります。なので、社長自身が気をつけましょう、というお話です。

税理士を非難する意図はございません

決算書をつくるのは税理士に任せている、という中小企業は少なくありません。では、その税理士が決算書をつくるのが苦手なこともある、といったら驚かれるでしょうか。

ちなみに、ここでいう「苦手」とは、決算書の内容が「対税務署に偏る」ことをあらわします。言い換えるなら、「対銀行が不十分」だということです。つまり、税務署に対しては問題がなくても、銀行に対しては問題がある決算書だといえます。

もちろん、「銀行から借入はしません」というのであれば、それでもかまわないわけですが。多くの中小企業は、事業の持続・成長に銀行借入が欠かせないものとなっています。

にもかかわらず、対税務署に偏った決算書でもよいですか。結果として、銀行借入しづらくなるようなことがあってもよいですか。困りますよね、ということで…

決算書をつくるのが苦手な税理士の見極め方について、お話をしてみます。税理士自体を非難する意図はなく、社長自身が自社の決算書に注意を払いましょう、との趣旨です。なので、決算書を確認するときの視点に、以下を加えることをおすすめします↓

決算書をつくるのが苦手な税理士の見極め方
  • 特別損失がない
  • 利益を減らそうとする
  • 流動・固定の分類がおかしい

それではこのあと、順番に解説をしていきます。

決算書をつくるのが苦手な税理士の見極め方

特別損失がない

損益計算書を見たときに、特別損失がないケースがあります。だからといって、即、決算書をつくるのが苦手な税理士がつくった決算書だ!というわけではないものの。

もしかしたら、本当は特別損失なのに「販売費および一般管理費(以下、販売管理費)」に区分されているかも…ということは疑ってみるのがよいでしょう。

特別損失だろうが販売管理費だろうが、対税務署としては問題ありません。最終利益や納税額にも差はありません。ゆえに、そのあたりの区分が不十分だということもあるのです。

では、本当は特別損失なのに、販売管理費に区分されている金額が100万円あったとしたらどうでしょう。

特別損失であれば、営業利益や経常利益といった「本業部分の利益」に影響はあたえませんが、販売管理費であれば、影響を与えることになってしまいます。つまり、販売管理費とすれば、営業利益や経常利益は「ムダ」に100万円少なくなってしまうわけです。

銀行は、融資先の本業の評価として、営業利益や経常利益を見ているため、それらの利益がムダに少なくなるのは、会社にとってよくないことだとわかるでしょう。

よって、特別損失か販売管理費かの区分が大切です。銀行が、決算書の販売管理費を眺めているだけでは、それが特別損失かどうかはわからないことがほとんどでもあります。

たとえば、役員退職金などは、毎年発生する費用ではありませんから特別損失がよいでしょう。また、社員に対する退職金でも、毎年のように退職者がいるわけでもなく、金額も大きいということであれば、特別損失とするほうがより実態をあらわします。

ほかにも、特定の事業からの撤退や店舗閉鎖に関する費用、事務所や営業所の改装費用、社員採用時に人材紹介会社に支払う紹介料など、いろいろと考えられるところです。

なお、逆に、本当は販売管理費なのに、「ムリ」に特別損失にしようとしている決算書も見かけます。銀行対策とおもわれますが、銀行からは「姑息な手段」と見られるために悪影響です。

あくまで、実態にあった区分に努めましょう。

利益を減らそうとする

税理士は、税金を減らしてナンボだろう!と、おもわれるかもしれません。その昔(まだ若かりしころ)、わたしはとある社長から、そのように言われたことがあります。同時に、「税金が高い!」と叱られもしました…

そこまでのことはないにしても、税理士には「お客さまの税金を減らしたい」との思いがあるものです。そのほうがお客さまからは喜ばれるから、ということもあるでしょう。

そこで税理士は、ときには節税の提案もするわけです。このとき、節税の手段が「経理を増やす」ものである場合、利益が減ることになります。利益が減るから税金も減るのですが、「対銀行」としては問題です。

銀行が「赤字を嫌う」というハナシはご存知のことでしょう。これは、銀行が「利益=返済力」と見ているからです。ゆえに、赤字の会社は返済力がない。だったら融資はできないぞ、と。

だとすれば、利益を減らす節税によって、銀行借入しづらくなることはわかるでしょう。それがわかったうえで、それでも利益を減らそうとしているのかどうかには注意が必要です。

もちろん、節税すること自体に問題はありません。ただ、銀行借入をしたいのであれば、バランスをとりましょう、というハナシをしています。節税か納税かのバランスです。

銀行からの評価を上げるには、利益が欠かせません。利益を出せば、その分だけ税金は増えます。では、どこまで利益を出し続ければよいのか。その目安は「利益剰余金」にあります。

詳しくは別記事に書きかましたので、ご参考にどうぞ↓

節税か納税かのバランスを考慮せず、利益を減らそうとする決算書には気をつけましょう。

流動・固定の分類がおかしい

ここまでは、損益計算書の内容についてでした。さいごは、貸借対照表についてです。その貸借対照表について、流動・固定の分類がおかしい決算書が散見されます。

これもまた、決算書をつくるのが苦手な税理士の見極めになるでしょう。まず、資産には「流動資産」と「固定資産」とがあります。そして、負債にも「流動負債」と「固定負債」とがあります。

それらの「流動」と「固定」の分類がおかしいと、銀行からの評価が悪くなることもあるのです。

たとえば、返済期日が1年超の借入金について、正しくは固定負債に分類すべきところを、流動負債に分類している場合はどうでしょう。その分、流動負債が多くなってしまいます。

すると、いわゆる「流動比率(流動資産÷流動負債)」が悪化するのが問題です。流動比率は高いほうが安全性が高いと見られるものであり、流動・固定の分類を誤ることで流動比率を「ムダ」に下げるのは避けたいところです。

逆に、返済期日が1年以内の借入金について、正しくは流動負債に分類すべきところを、固定負債に分類している場合はどうでしょう。流動比率が高くなるからいいじゃないか、というわけにはいきません。

銀行から見れば、「分類を操作して、流動比率を高く装っているのでは?」と疑われることもあるため、やっぱり自社に対する評価が下がることもあるでしょう。

なので、流動・固定の分類は正しくおこなうことが大切です。資産に関しても、流動と固定の分類が誤っている決算書はあります。が、分類を誤ったところで、納税額が変わるわけではなく、対税務署の点では問題がないことから、分類に無頓着な決算書はあるものです。

銀行借入したいのであれば、税理士任せにはせず、社長自身が確認できるようになりましょう。そのうえで、必要に応じて、社長が税理士に誤りを指摘できるようになることです。

まとめ

決算書をつくるのが苦手な税理士もいます。すると、対税務署に偏り、対銀行が不十分な決算書となり、ひいては銀行借入がしづらくなります。

かといって、税理士を非難するばかりではなく、社長自身もまた自社の決算書に注意を払いましょう。そのときの視点として、今回のお話が役に立つものと考えます。

決算書をつくるのが苦手な税理士の見極め方
  • 特別損失がない
  • 利益を減らそうとする
  • 流動・固定の分類がおかしい
]]>
銀行融資を受けるなら、いくらまでの赤字なら許されるのか。その目安 https://useacc.com/2024/03/27/estimated-deficit-amount/ Tue, 26 Mar 2024 21:07:48 +0000 https://useacc.com/?p=42564

銀行融資を受けるなら、赤字はマズい。とはいえ、赤字になってしまうことだってある。では、いくらまでの赤字であれば、それでも融資を受けられる望みはあるのか。その目安をお話しします。 赤字がマズいことは知っている 会社が銀行融 […]]]>

銀行融資を受けるなら、赤字はマズい。とはいえ、赤字になってしまうことだってある。では、いくらまでの赤字であれば、それでも融資を受けられる望みはあるのか。その目安をお話しします。

赤字がマズいことは知っている

会社が銀行融資を受けるにあたって、「赤字はマズい」というのはご存知のことでしょう。赤字は返済力の不足を意味するため、銀行としては融資をする「道理」が立たないからです。

とはいえ、事業を続けていれば、調子の良いときもあれば悪いときもあります。つまり、赤字のときだってある、ということです。では、いくらまでの赤字ならば許されるのか?

赤字とはいえ、それでも融資が受けられるとしたら、いくらまでの赤字であれば望みがあるのか。極論、ケースバイケースではありますが、それではハナシにならないので、ここでは「ひとつの目安」を提示することにします。

その目安とは…

債務超過にはならないように

銀行融資を受けたいのであれば、もっとも避けたい財務状態が「債務超過」です。文字どおり、債務が超過している状態をいいます。決算書(貸借対照表)でいうと「資産<負債」の状態です。

この場合、資産をすべて現金化しても負債を解消できないことから、きわめて危険な状態だといえます。ゆえに、すべての銀行がすべからく嫌うのが「債務超過の会社」です。

ところで、債務超過とは「純資産<0」と言い換えることもできます。その純資産を算式で表すと、「資本金+利益剰余金」です。このうち、資本金が株主からの出資であることは問題ないでしょう。

問題は、利益剰余金です。なにが問題かといえば、「利益剰余金とは何なのか」を知らない社長が少なくないところにあります。では、利益剰余金とは何なのか?

創業から現在までの「税引後利益の累計額」です。つまり、黒字であれば利益剰余金は増えるし、赤字であれば利益剰余金は減ります。そして、過去の黒字よりも赤字が多ければ、利益剰余金はマイナスになります。

結果、利益剰余金のマイナスが資本金の額を超えると、「純資産<0」となり債務超過です。と、ここまでお話をすれば、いくらまでの赤字であれば望みがあるかがわかるでしょう。

そう、「債務超過にはならないところまで」です。

たとえば、前期の決算書を見たときに、「資本金 300万円、利益剰余金 マイナス200万円」だったとします。この場合、当期の税引後利益が「マイナス100万円」を超えて赤字になるようだと債務超過です。

よって、事例のケースでは「許される赤字は100万円まで」が、1つの目安になります。というわけで、社長は常に、決算書の利益剰余金の額を把握しておくようにしましょう。

どれだけの黒字を出せばよいのか

ここまで、いくらまでの赤字が許されるのかについてお話をしました。いっぽうで、赤字ではなく黒字を出せばよいということにはなりますが、どれだけの黒字を出せばよいのか?

黒字を出すのもカンタンではなく、際限なく黒字を増やせるものでもありませんから、目安がほしいということもあるでしょう。ここでもまた、利益剰余金がヒントになります。

繰り返しですが、赤字が積み上がると利益剰余金がマイナスになるといいました。そのマイナスが資本金を超えると債務超過になる、ともいいました。そして、会社は債務超過を避けねばなりません。

ということを考えたときに、「できれば3年ていどの赤字に耐えられるくらい」の利益剰余金があると安心だといえます。

たとえば、「資本金 300万円、利益剰余金 600万円」の会社があったとして。自社のこれまでを振り返ってみたときに、1年で赤字が300万円くらい出ることが想定されるとしたら。

仮に3年のあいだ、300万円の赤字が続けば、利益剰余金はマイナス300万円です(600万円ー300万円×3年)。このとき、純資産は「資本金 300万円+利益剰余金 マイナス300万円」なので、ギリギリ債務超過を免れることができます。

以上をふまえて、事例の会社では「利益剰余金が600万円になるくらいまで黒字を出す」というのが1つの目安です。少しずつでも黒字を出して、利益剰余金を600万円まで積み上げることになります。

すると、少々のあいだ赤字が続いても債務超過にはなりません。銀行から見ても、赤字に耐えられる会社として、自社の評価を上げることにもつながります。

自社が目指す財務状態として、「できれば3年ていどの赤字に耐えられるくらい」を目標にしてみましょう。

利益を出すにはどうすればよいのか

債務超過を避けるためにも、目標となる利益剰余金を積み上げるためにも、黒字が必要であることはわかりました。つまり、会社は利益を出さねばならないということです。

いやいや、そんなことはわかっているし、それがカンタンではないから苦労をしているんだ。そう、おもわれるかもしれません。では、どうしたら利益を出すことができるのか?

やはり、ケースバイケースではありますし、具体的な手段はいろいろあるでしょう。それでもあえて、多くの中小企業に役立つであろう手段を挙げるとしたら「値上げ」です。

自社の商品・サービスの販売価格を引き上げる。これにより、利益が増えます。あたりまえのことではありますが、そのあたりまえができていない中小企業はけして少なくありません。

そのあたりは、各種の統計・調査結果でもあきらかです。ではなぜ、値上げができないのか。商品力がないから?たしかに、そのケースもあるでしょう。

ですが、それよりも多いのは「値上げができるのに、値上げをしていない」というケースです。値上げをしたら既存のお客さまにご迷惑をかけてしまう、客離れが起きてしまう…などの不安から値上げをしない社長がいます。

とはいえ、長い目でみれば、コストは上昇を続けているわけで(人件費や物価の高騰)、コスト削減だけでどうにかできるものでもありません。大企業がこぞって値上げをしているのが、その証拠です。

にもかかわらず、資金力で大企業に劣る中小企業が、価格を据え置いてやっていけるわけがありません。

長きにわたって値上げをしていない、価格を据え置いている会社ほど値上げに踏み切りましょう。相対的に見ても「安すぎる」水準にあるはずですから、お客さまの許容度も高いといえます。

すると、値上げをしたことで多少の客離れはあっても、値上げをした分、トータルの利益としてはむしろ増えるケースが多いものです。

また、客離れについては、誤解を恐れずにいえば「お客さまを選ぶ」ことでもあります。価格が安くなければ買ってくれないお客さまは、本当のお客さまとはいえません。よいお客さまとお付き合いをしましょう。

そのためには、値上げをしつつ、より品質を上げていく努力が必須です。それがまた、次の値上げの厳選にもなります。

まとめ

銀行融資を受けるなら、赤字はマズい。とはいえ、赤字になってしまうことだってある。では、いくらまでの赤字であれば、それでも融資を受けられる望みはあるのか。その目安をお話ししました。

ひるがえって、どれだけの黒字を出せばよいのか。そもそも利益を出すにはどうしたらよいのかも、押さえておくようにしましょう。資金繰りの良し悪しにかかわるところです。

]]>
社長にイマイチ理解されていない短期継続融資の効果とは https://useacc.com/2024/03/26/effects-of-tankikeizoku-yuushi/ Mon, 25 Mar 2024 21:49:43 +0000 https://useacc.com/?p=42557

社長にイマイチ理解されていない、短期継続融資の効果。ゆえに、会社にとってメリットがあるはずの短期継続融資の利用が進まない…といった現状があるようです。そのあたりを深堀りします。 短期継続融資の利用が進まない 会社の銀行融 […]]]>

社長にイマイチ理解されていない、短期継続融資の効果。ゆえに、会社にとってメリットがあるはずの短期継続融資の利用が進まない…といった現状があるようです。そのあたりを深堀りします。

短期継続融資の利用が進まない

会社の銀行融資について、「短期継続融資」という借りかたがあります。文字どおり、短期(1年以内返済)の融資を継続する、という借りかたです。

たとえば、返済期日を1年後とする手形貸付で、運転資金を600万円借りる。期日が来たら、銀行の審査のうえで期日を更新してもらう。実質的に、600万円を借り続けていることになる。

これが、短期継続融資です。

手形貸付に代えて、当座貸越もまた短期継続融資にあたります。当座貸越とは、銀行が決めた限度額の範囲内で、会社が自由に借りたり返したりをできる借りかたです。

いずれにせよ、短期継続融資の対象は「経常運転資金」になります。算式であらわすと、「売上債権(売掛金・受取手形)+棚卸資産ー仕入債務(買掛金・支払手形)」です。

というわけで、経常運転資金分のおカネを借りるのであれば、短期継続融資で借りましょう!とのハナシがあります。ところが、短期継続融資の「効果」が、社長にイマイチ理解されていない。ゆえに、短期継続融資の利用が進まない…といった状況があるようです。

そこでこのあと、短期継続融資の効果についてお話をしていきます。いうなれば、会社側のメリットであり、ぜひ理解を深めておきましょう。具体的には、次のとおりです↓

社長にイマイチ理解されていない短期継続融資の効果とは
  • 資金繰りがラクになる
  • 他行へのアピールになる
  • 銀行との関係性が密になる

これらの効果について、順番に解説をしていきます。

社長にイマイチ理解されていない短期継続融資の効果とは

資金繰りがラクになる

繰り返しになりますが、短期継続融資とは「短期(1年以内返済)の融資を継続する」という借りかたです。言い換えると、「借りっぱなし」にできるということでもあります。

さきほどの例を再掲すると…

たとえば、返済期日を1年後とする手形貸付で、運転資金を600万円借りる。期日が来たら、銀行の審査のうえで期日を更新してもらう。実質的に、600万円を借り続けていることになる。

では、この600万円を、毎月返済がある証書貸付で借りたとしたらどうでしょう?返済期間が5年(60か月)であれば、毎月10万円の元金返済が必要になります。

1年たてば120万円、2年たてば240万円のおカネが減るのであり、その分だけ資金繰りが悪くなるのが問題です。

これまた繰り返しになりますが、短期継続融資の対象は「経常運転資金」だといいました。経常運転資金とは、会社が事業を続けている限り必要なおカネです。

借入当初は、600万円の経常運転資金が必要だから借入をしたのに、毎月返済を続けていれば、その600万円分のおカネはどんどん目減りしていきます…だから、資金繰りが悪くなるのです。

ところが、経常運転資金を短期継続融資で借りることができれば、毎月の返済はありません。結果、資金繰りがラクになる!というのが、短期継続融資の効果の1つです。

でもさぁ、銀行から「返済しろ」といわれたらどうするの?と、不安におもわれるかもしれません。つまり、手形貸付の期日になって、銀行が期日を更新してくれなかったらどうするのか。

たしかに、そういうこともあるでしょう。しかし、そんなことをすれば会社の資金繰りが厳しくなるのは、銀行も承知しています。ですから、むやみやたらと返済を求めたりはしませんし、求めるとしても一括返済までは求めないものでしょう。

毎月分割返済で対応する、ということです。であれば、「証書貸付に戻るだけ」なのですから、まずは、可能な限り短期継続融資で借り続けることをおすすめします。

他行へのアピールになる

短期継続融資がおすすめですよー、というお話をしましたが。だれでもかれでも、どんな会社でも短期継続融資で借りられるわけではありません。

さきほどから、短期継続融資とは「借りっぱなし」にできる借りかただと繰り返しています。これが、会社側のメリットであるならば、銀行側のデメリットになることはわかるでしょう。

銀行にしてみれば、「貸しっぱなし」になるのであり、それだけ回収不能リスクが高まることを意味しているからです。なので、短期継続融資は「優良な会社」が前提となります。

もう少し具体的にいうと、利益がきちんと出ている会社や、預金もじゅうぶんにあって資金繰りに不安が少ない会社です。

いやいや、それだけ優良な会社であれば、もうおカネがいらないのでは?と、おもわれるかもしれません。それでも短期継続融資を受けることには、さらなる効果があります。

短期継続融資で借りられるということは、それだけ優良な会社の証であり、短期継続融資で借りているということは、他行に対するアピールになる。これもまた、短期継続融資の効果です。

たとえば、A銀行から短期継続融資で借入をしているとします。B銀行はそれを知って、「短期継続融資ができるほどよい会社なら、ウチも貸したい!」となるわけです。

銀行が「貸したい」と考えるようになれば、当然、会社は融資を受けやすくなりますし、融資条件の交渉もしやすくなります(金利の引き下げ、経営者保証の解除、プロパー融資など)。

すると、資金繰りは「ますます」よくなるのがメリットです。

利益が出ているときこそ、預金があるときこそ、短期継続融資の借入に動きましょう。そのタイミングを逃して、のちに資金繰りに窮する会社は、けして少なくありません。

銀行との関係性が密になる

短期継続融資は、銀行にしてみれば、回収不能リスクが高まる貸しかたであることは前述しました。貸しっぱなしになることは、銀行にとっての不安材料なのです。

よって、短期継続融資で貸したあとも、銀行は継続的に融資先の状況把握に努めることになります。状況が悪くなっていないか?悪くなっていれば、早く回収に動かねば!といった具合です。

これを聞いて、なんだかうっとうしいなぁ…と、おもわれるかもしれません。ところが、そこにはメリットもあります。銀行が、自社に関わる機会が増えるというメリットです。

たとえば、銀行担当者が自社に訪問する頻度が増えるとか、試算表や資金繰り表などの提示を定期的に求められるようになるとか。たしかにうっとうしい側面があるいっぽうで、銀行が自社の商売や状況を深く理解しやすくなります。

すると、以降の融資は、より柔軟に検討しやすくもなりますし、融資以外の提案(ビジネスマッチングや各種コンサルなど)を銀行もしやすくなるので、会社にとってはメリットでしょう。

これに対して、毎月分割返済の証書貸付だと、銀行はそこまで熱心に関わろうとはしないものです。なぜなら、放っておいても毎月返済が進んでいくので、その分、回収不能リスクは勝手に減っていくからです。

なので、いまはラクでも(うっとうしくなくても)、中長期的に見れば、融資が受けにくくなったり、融資以外の支援が受けにくい…というデメリットがあることは理解しておきましょう。

以上をふまえて、銀行との関係性を密にするためにも、短期継続融資の利用をおすすめするところです。

まとめ

社長にイマイチ理解されていない、短期継続融資の効果。ゆえに、会社にとってメリットがあるはずの短期継続融資の利用が進まない…といった現状があるようです。

というわけで、そのあたりを深堀りしました。短期継続融資を利用するかいなかで、会社の資金繰りの良し悪しには差が出ます。可能であれば、短期継続融資の利用をおすすめするところです。

]]>
銀行融資を受けたいなら、粉飾の疑いを晴らす必要性が高まっている https://useacc.com/2024/03/25/growing-need-to-clear-up-suspicions-of-window-dressing/ Sun, 24 Mar 2024 21:27:45 +0000 https://useacc.com/?p=42512

金融庁が融資審査の緩みを検証する、とのニュースがあります。すると、粉飾に対する銀行の目は厳しくなるでしょう。だとすれば、粉飾をしていない会社も注意が必要ですよ、というお話です。 金融庁は警戒を強めている いわゆる「コンプ […]]]>

金融庁が融資審査の緩みを検証する、とのニュースがあります。すると、粉飾に対する銀行の目は厳しくなるでしょう。だとすれば、粉飾をしていない会社も注意が必要ですよ、というお話です。

金融庁は警戒を強めている

いわゆる「コンプラ違反」で倒産する企業が増加していることから、金融庁が融資審査の緩みがないか立入検査を含めて検証する、とのニュースがあります(2024年2月27日付・日本経済新聞)。

コンプラ違反にもいろいろありますが、今回は粉飾決算について。昨年(2023年)には、約50もの銀行をそれぞれ異なる決算書で欺いていた…という世紀の大粉飾(の末に倒産)もありました。

金融庁が警戒を強めるのも、むべなるかなです。

この点、「ウチの会社は粉飾決算などしていないし、関係ない」と考える社長は気をつけましょう。粉飾かどうかを疑うのは、社長ではなく銀行です。社長がどう考えていようと、銀行が疑うときは疑います。

疑われたらどうなるか?いうまでもなく、融資が受けにくくなるでしょう。いやいや、それは困るというのであれば、銀行から疑われているかどうかを見極める目を持つことです。

でも、どのようにして見極めればよいのか。役立つ指標としてまず、「営業運転資本回転期間」を取り上げてみます。

営業運転資本回転期間で見極める

営業運転資本回転期間とは、あまり聞き慣れない指標かもしれませんが。経済産業省が提供している経営診断ツール「ローカルベンチマーク」で採用されている指標の1つです。

営業運転資本回転期間を、算式であらわすと…

営業運転資本回転期間 ={(売掛金+受取手形)+棚卸資産ー(買掛金+支払手形)} ÷(売上高 ÷ 12)

このうち「(売掛金+受取手形)+棚卸資産ー(買掛金+支払手形)」は、経常運転資金などとも呼ばれるものであり、会社が事業を続けている限り必要になるおカネです。

いっぽうで、「売上高 ÷ 12」は平均月商(1月あたりの平均的な売上高)をあらわします。よって、営業運転資本回転期間は、経常運転資金が平均月商の何か月分あるかの指標です。

以上をふまえて、自社の営業運転資本回転期間が、同業他社の営業運転資本回転期間と比べて大きいかどうかを確認してみましょう。あまりに大きい場合には、銀行が粉飾を疑う可能性が高まるからです。

ではなぜ、営業運転資本回転期間が大きくなると粉飾が疑われるのか?それは、「売掛金・受取手形」と「棚卸資産」の水増しが、粉飾決算の王道だからです。ゆえに、粉飾をする会社の営業運転資本回転期間はおのずと大きな値となります。

では、自社の営業運転資本回転期間が、粉飾などしていないのに大きい場合はどうするか。社長のほうから銀行に対して、きちんと説明をすることです。つまり、「経常運転資金(売掛金・受取手形や棚卸資産)が大きい理由」について、伝えることが大切になります。

たとえば売掛金については、「決算直前にまとまった売上があったから」とか、「決算日が休日だったので入金が翌日にズレ込んだから」とか。

また、棚卸資産については、「豊富な品ぞろえが自社の強みだから」とか、「同業他社よりも短納期を売りにするため、在庫を多めにしているから」とか。

このあたりが銀行に伝わらないと、粉飾を疑われて、融資が受けにくくなる可能性が高まります。

ちなみに、自社の営業運転資本回転期間が同業他社よりも大きいかどうかは、ローカルベンチマークを利用することで判定可能です。ローカルベンチマークは、Excelファイルをダウンロードしてすぐに使えるものなので(無料)、ぜひ利用してみましょう。

経常収支比率・経常損益比率でも見極める

銀行から疑われているかどうかを見極めるための指標は、ほかにもあります。それが、経常収支比率と経常損益比率です。これまた、あまり聞き慣れない指標かもしれません。まずは、経常収支比率の算式から…

経常収支比率 = 経常収入 ÷ 経常支出

では、経常収入と経常支出とは…

  • 経常収入 = 売上高-売掛金・受取手形増加額+営業外収益
  • 経常支出 = 売上原価+販売管理費+棚卸資産増加額ー買掛金・支払手形増加額ー減価償却費ー引当金繰入額+営業外費用

なかなかに込み入った算式であり、なんのこっちゃ?ということかもしれませんが。端的にいえば、経常収入とは「自社の事業で増えるおカネの額」であり、経常支出とは「自社の事業で減るおカネの額」をあらわしています。

だとすれば、経常収支比率とは「増えるおカネ」と「減るおカネ」のバランスであり、100%以上が望ましいことだとわかるでしょう。逆に、100%未満であれば、「経常収入<経常支出」の状態であり、事業を続けるほど、おカネが減っていくことになってしまうからです。

では、いっぽうで経常損益比率とは?算式であらわすと…

経常損益比率 = 経常収益 ÷ 経常費用

では、経常収益と経常費用とは…

  • 経常収益 = 売上高+営業外収益
  • 経常費用 = 売上原価+販売管理費+営業外費用ー減価償却費ー引当金繰入額

ここで、経常損益比率と、前述した経常収支比率の算式とを見比べてみましょう。具体的には、経常収入と経常収益とを見比べる、経常支出と経常費用とを見比べる、といった具合です。

すると、両者の違いは「売掛金・受取手形増加額」と「棚卸資産増加額」、「買掛金・支払手形増加額」との違いだとわかります。勘のよい社長であれば、ここでピーンと来るでしょう。

売掛金・受取手形や棚卸資産、買掛金・支払手形とは、経常運転資金を構成する要素でした。つまり、経常収支比率と経常損益比率との違いは、経常運転資金の増減を考慮するかどうかの違いなのです。

経常収支比率では経常運転資金の増減を考慮し、経常損益比率では考慮しない。そのうえで、自社の数字をあてはめて計算した経常収支比率と、経常損益比率との数値をどう見るか?

両者の数値に差が大きいほど粉飾の可能性が高い、というのが銀行の見方です。具体的には、「10%以上の差」が目安になります。

ただし、1つの決算期だけであれば「そういうこともあるだろう」との見方もあり、2期連続や3期連続で10%以上の差があるようだと、粉飾の可能性を強く疑われるものです。長い目で見れば、経常収支比率と経常損益比率とは、ほぼほぼ一致するはずなのにね、という見方でもあります。

ゆえに、社長はじぶんでも、経常収支比率と経常損益比率との差を計算してみて、差が大きく、その状態が続くようなら、経常運転資金の増減理由について、銀行に説明するようにしましょう。

まとめ

金融庁が融資審査の緩みを検証する、とのニュースがあります。すると、粉飾に対する銀行の目は厳しくなるため、粉飾をしていない会社であっても無関心ではいられません。

そこで、銀行から疑われているかどうかを見極める目を持ちましょう。具体的には、営業運転資本回転期間や経常収支比率・経常損益比率を理解することです。

結果、疑われていそうであれば、社長のほうから銀行に対して状況の説明をすることが大切になります。

]]>
改良湯/老舗銭湯の気概みなぎるサウナは圧巻クォリティ https://useacc.com/2024/03/24/kairyouyu/ Sat, 23 Mar 2024 23:40:24 +0000 https://useacc.com/?p=42522

改良湯(東京都・渋谷区)に行ってきましたので、レポートです。老舗銭湯の気概みなぎるサウナは、ハード面でもソフト面でも圧巻のクオリティでした。人気のワケにもなっとくの素晴らしい銭湯サウナ、超絶おすすめです! 大正時代創業の […]]]>

改良湯(東京都・渋谷区)に行ってきましたので、レポートです。老舗銭湯の気概みなぎるサウナは、ハード面でもソフト面でも圧巻のクオリティでした。人気のワケにもなっとくの素晴らしい銭湯サウナ、超絶おすすめです!

大正時代創業の老舗銭湯がかもしだすモダン

こんにちは、サウナ好き税理士のモロトメジョーです。きょうも、サウナしてますか?

というわけで、3日に1回のペースでサウナ通いをしているわたしが、きょう紹介するのは「改良湯(東京都・渋谷区)」です↓

image1

壁面に描かれたクジラで有名な銭湯です。1916年(大正5年)に創業の老舗銭湯ではありますが、リニューアルを繰り返してモダンなフンイキをかもしだしています。モダンは外観だけではなく、浴室内だって…↓

image3
改良湯・公式WEBサイトより引用

営業開始は12時から。というわけで、10分くらい前には到着したのですが、すでに待機列ができていました。営業開始時点では、老若男女10人くらいが並んでいた感じです。さすがの人気銭湯ぶりをうかがえます。

で、わたしの目的は「サウナ」です。改良湯は、サウナーのあいだでも大人気であり、以前から行ってみたいなぁとおもっていました。というわけで、念願の改良湯サウナ(男湯側)をこのあとレポートです。

ちなみに、男湯のサウナと女湯のサウナとではだいぶ違うようなので、女性の方はご注意を。端的にいうと、男湯のサウナのほうがより充実しています。ただ、男湯と女湯の入れ替え日もあるので、そちらを利用するのもいいですね。

改良湯のサウナを詳しくレポート

まず、結論からいきます。老舗銭湯・改良湯のサウナは、圧巻のクオリティです。利用料金は、銭湯の入浴料520円に、サウナ料金でプラス450円の合計970円なり(大小のタオル付き)。この料金でこのクオリティは、銭湯サウナでも指折りレベルです。

では、なにがそんなによいのか?順を追って、まずはサウナ室からいきましょう。

静かな室内が一転、エンタメも楽しめるサウナ室

いわゆる「対流式サウナ」です。サウナストーンを積んだストーブが熱源であり、その熱による空気の対流によって温めるタイプのサウナになります。室内の中央にストーブがあって、そのストーブを挟んで左右に座席という配置です↓

image2
改良湯・公式Instagramより引用

詰め詰めに座れば、ぜんぶで15人くらい座れます。で、営業開始直後は詰め詰めになりました。うーん、さすがの人気サウナです。人が多くなると、フツーは落ち着かなくなるものですが、そういう感じがしない。なぜだ…?

あぁ、みんな静かなんだ。と、気づきました。会話は厳禁であり、みなが静かに過ごしているのですね。汗をピチャピチャと手でカラダに塗りたくる…なんて人もいなくて、とても静か。テレビもなくて静かなのも良きです。

また、混み合ってくると、次に入室してきた人のために詰めて座席を空ける、といった気遣いも。みなさん紳士です。

それはさておき、この日の室温計は90℃くらい。じゅうぶんにアチアチです。また、20分おきにオートロウリュ(サウナストーンに水をかける)があります。湿度も加わり、さらにアチアチで気持ちがいい。

そんなこんなで3セットほど楽しんで、13時くらいになったところで急に、浴室内に「赤いスイートピー」が大音量で流れ始めました。いやいや、何ごとなの?と、ちょいビビりしていたところ、イベントがはじまる予感を察知。

サウナ室の前には、もろもろ機材が置かれていたので「これはもしや、ゲリラ的な熱波イベントのたぐいでは?」と、すみやかにサウナ室内に入ると、さいわいにも空席あり。しばらく待っていると、お姉さんが登場です。

やがてBGMは「プレイバックPart2」に替わり(選曲がシブいっ!)、ロウリュをしながら、お姉さんがタオルパフォーマンスで熱波が送られます。おー、エンタメ。これが銭湯サウナで味わえるとは、コスパ良すぎでしょう。

これでおわりかとおもいきや。BGMは「情熱の薔薇」に替わり、第二幕に突入です。お姉さん、がんばりすぎ。ふたたび熱いタオルパフォーマンスに加え、ブロワーを使い熱風を吹きかけてきます。しかも、ブロワーが近い!

顔面の目の前でブロワーされる感じです。ヤケドするんじゃ?と、おもいましたがもちろんそんなことはなく。代わりに、あまりの風圧でサウナハットが吹き飛びました(笑)なので、ブロワー時はサウナハットは手で押さえましょう。

というわけで、2曲分の熱波イベントが終了。サウナ室内では、大拍手です。いやー、これが銭湯サウナというのは、ちょっと信じられない。よい意味で、想定外でした。エンタメ性も含めて、素晴らしいサウナでした。

水風呂は銭湯らしからぬキンキン度

サウナでアチアチに汗をかいたら、次のお楽しみは水風呂です。で、改良湯の水風呂はキンキンでした。この日の水温計だと、11℃くらい。銭湯サウナにしては攻めすぎでは…?と心配にもなりますが、僕は好き〜

image4

画像からはわかりにくいですが、入口が狭くて奥行きがある。洞窟感のあるつくりです。広さとしては、4人くらい入れますから、サウナ室に人が多くても、水風呂待ちが発生しているようすはありませんでした。

ところで、前述の熱波イベントのあとは、水風呂に「氷」が放り込まれます。どうも改良湯は、攻めるのが好きみたいです。そんなことを考えながら、水風呂に浸かっていると、さきほどのお姉さんがブロワーを持って登場。

そして無言で、顔面の目の前にブロワーを近づけたかとおもうと、スイッチオン。水面から水しぶきが飛び散り、顔面に降りかかります。いや、マジでちょっと苦しい。呼吸がままならず、息が苦しいっす…でも、気持ちいい。

お姉さんは満足げに見えるし、水をかけられる側も満足げだし、たぶん利害は一致しているのでOKです。というわけで、水風呂もまたクオリティが高く、エンタメにも満ちている改良湯なのでした。

外気浴まで完璧かよ。

おどろくべきことに、ちゃんと外気浴スペースがあります。施設自体は、けして大きくはない銭湯なのですが、とても立派な外気浴スペースがあるのには驚きしかありません。

image5
改良湯・公式Instagramより引用

広さ的にはコンパクトではありますが、9脚のととのい椅子が置かれ、数としてはじゅうぶんです。全4セットのあいだ、満席で待つということもありませんでした。

内気浴も悪くはありませんが、自然の風を感じられる外気浴には、いっそうの気持ちよさがあるものです。それを銭湯サウナで(しかも渋谷区!)楽しむことができるとは。老舗銭湯の気概を感じざるをえません。

こうして、改良湯は「ハード面」のよさもありながら、熱波イベントのような「ソフト面」のよさもあるのが魅力です。そのあたりは、脱衣所にもあらわれています↓

image6
改良湯・公式WEBサイトより引用

ちょっと見づらいかもですが、ロッカーのサイズは大小あって、かなり大きなサイズもあります。わたしはふだん、大きなリュックを背負っているので、それがスッポリ入って余りある、このサイズ感はとても助かるのです。

というわけで、ロッカーに関しても「ハード面」での充実ぶりを感じます。そのうえ、わたしが何も言わずとも、番台では大きなロッカーを割り当ててくださいました(改良湯は、番台でロッカーの鍵を渡す形式です)。

偶然ということもあるかもしれませんが、おそらく、わたしの荷物を見たうえで大きなロッカーを割り当ててくださったものと想像します。だとすれば、そのあたりの「ソフト面」もまた、充実をしているということです。

まとめに代えて

改良湯(東京都・渋谷区)に行ってきたので、そのレポートをしました。結論、老舗銭湯・改良湯のサウナは、圧巻のクオリティです。ハード面もソフト面も良き。利用する人たちのマナーも良くて、それも気持ちがいい。

ただ、時間帯によってはかなり混雑して、入店待ちもありそうなのでそこは注意です。

さいごに、サ飯(サウナ後のご飯)についても、ちょこっとご紹介。まずは、改良湯からは徒歩9分ほどの場所にある、九十九ラーメン・恵比寿本店です↓

image7

いただいたのは、お店の一番人気「元祖 マル究チーズラーメン(半ライス付き・1,150円)」です↓

image8

モリモリに盛られたチーズのインパクトよ。味噌とんこつとの相性も抜群。サウナ後の塩分補給として、申し分なし!カロリーはちょっと気になりますが、ちっちゃいことを気にしてはいけません。

いやー、しょっぱいものを食べると、甘いものを食べたくなるよねー。って、女子か。でもしかたがない、食べたいんだもの。というわけで、次に向かったのは「たいやき・ひいらぎ」です。九十九ラーメンからは徒歩6分です↓

image9

30分かけてじっくり焼き上げるというたいやきは…う、う、うまい。アラフィフおじさんがひとり、店頭でたい焼きをパクついているのもいかがなものか、ですが。まぁ、とにかくおいしい。お値段も200円はリーズナブルでしょう。

有名店でもあるようなので、改良湯に行ったときにはぜひ、立ち寄ってみるのがおすすめです。

でもさぁ、甘いものを食べたらコーヒーが飲みたくなるよねー。うん、なるなる。などと、独り言ちていたら、徒歩1分の場所に「猿田彦珈琲 恵比寿本店・別館」がありました↓

image10

一杯ずつ丁寧にハンドドリップで、安心の猿田彦クオリティ。爽やかな酸味が春らしい、猿田彦ブレンド(550円)を美味しくいただきました。サウナのあとのサ飯まで、大満足です。

]]>
なぜ、あなたのタスク管理は失敗しているのか? https://useacc.com/2024/03/23/reasons-why-task-management-fails/ Sat, 23 Mar 2024 01:19:44 +0000 https://useacc.com/?p=42518

多かれ少なかれ関心があるであろう、タスク管理について。ではなぜ、あなたのタスク管理は失敗してしまうのか?その原因についてお話をしてみます。裏を返せば、解決策につながるところです。 なぜ、あなたのタスク管理は失敗しているの […]]]>

多かれ少なかれ関心があるであろう、タスク管理について。ではなぜ、あなたのタスク管理は失敗してしまうのか?その原因についてお話をしてみます。裏を返せば、解決策につながるところです。

なぜ、あなたのタスク管理は失敗しているのか?

タスク管理について、多かれ少なかれ関心がある人がほとんどでしょう。言い換えると、タスク管理など必要ないと考える人はほとんどいない、ということです。

そもそも、タスクとは「最小の実行単位」とでも呼ぶべきものであり、あまり厳密にこだわらなければ、「ToDo」と同じようなものとして取り扱われることもあります。

この点、多くの人が何かしらのタスクリスト、あるいはToDoリストといったものをつくり、その実行管理をしていることでしょう。いわゆる、タスク管理です。

とくに仕事においては、実行漏れや実行遅れは困りますから、タスク管理に関心を持たざるをえない…というのが、正直なところかもしれません。では、そのタスク管理について。

なぜ、あなたのタスク管理は失敗してしまうのか?

いやいや、失礼な。いきなり失敗とはなんだ!と、怒り出すかもしれませんが。何を隠そう(隠す必要もないけれど)、わたしもタスク管理で失敗をし続けてきた者のひとりです。

リストにはいつまでたっても消えないタスクがある…とか。タスクを効率よく実行ができない…とか。いろんなタスク管理ツールを試してみるけど結局うまくいかない…とかとか。

その原因について、わたしが突き詰めた答えがこちらです↓

タスク管理が失敗する原因
  • タスクを並列にリストしている
  • タスクの所要時間を見積もらない
  • タスクを複数同時に実行している

裏を返すと、これらの原因に対応できれば、タスク管理はうまくいくわけです。おかげで、いまはじぶんのタスク管理に満足をしています。ということで、それぞれの原因について、このあとお話をしてみましょう。

タスク管理が失敗する原因

タスクを並列にリストしている

タスクリストを眺めたときに、タスクが並列にリストされている。つまり、複数のタスクが箇条書きされているのは「あるある」です。ところが、そのタスク管理は失敗します。

なぜなら、タスクごとの「優先順位」が無視されているからです。ちなみに、ここでいう優先順位とは、タスクの重要性というよりは「いつ実行するのか」を意味しています。

この優先順位が無視され、タスクが並列にリストされていると、手を付けやすいタスクから実行しがちです。結果として、いつまでも実行されないタスクが発生することになります。

そして、その未実行タスクを目にするたびに、ウンザリした気持ちになるのです。

というわけで、タスクには優先順位を付けましょう。というと、タスクリストを優先順位の高いものから並べ替えたり、各タスクに重要度のランク付けをする人がいます。

やめましょう。おそらく、うまくはいきません。少なくとも、わたしはうまくいきませんでした。いくら優先順位を把握しても、把握をするだけで実行しなければ、結局は未実行タスクになるからです。

では、どうするか?タスクをスケジュールに落とし込むことです。わたしは、それぞれのタスクをカレンダー上に割り振るようにしています。タスクAは3月23日に、タスクBは3月24日に、タスクCとDは3月25日…といった具合です。

具体的に、スケジュールに落とし込むことで、タスクの実行確率は上がります。スケジュールを落とし込む時点で、スケジュールとの兼ね合いを見ながら、実行の可否を検討済みだからです。

もちろん、それでも実行できないことはあるでしょう。実行日に予定外のイベントが発生してしまった…とか。そのときには、未実行のタスクをリスケジュールすればOKです。

何はともあれ、タスクを並列にリストするのはやめましょう。

タスクの所要時間を見積もらない

いましがた、タスクをスケジュールに落とし込むという話をしました。このとき、テキトーにタスクを割り振るだけでは不足があります。

いうまでもありませんが、1日は24時間であり、多すぎるタスクを割り振れば、実行できずにおわることが増えるからです。では、なぜ多すぎるタスクを割り振ってしまうのか?

それは、タスクの所要時間を見積もらないからです。つまり、それぞれのタスクを実行するのに、どれくらいの時間がかかりそうなのかをイメージせずに、ただリストしていることになります。

これでは、スケジュールに落とし込んでも、うまくいかないのは当然でしょう。

そこで、タスクをリストする時点で、そのタスクの所要時間をイメージすることが大切です。このタスクは1時間くらいかかりそうだ。これだと、3月23日のスケジュールだと実行できそうもない。でも、3月24日のスケジュールであればできるはずだ、みたいな。

なので、わたしは「〇分・タスク名」という形式で、タスクをリストに記載するようにしています。ここでの「〇分」は、じぶんがイメージをした所要時間です。

そのうえで、「〇分」を参考にしながら、各タスクをカレンダー上に割り振ります。

なお、所要時間をイメージする時点で、時間が長かったり(目安として3時間以上)、あるいは、そもそもイメージしづらい…というときには、タスクを細分化するのがおすすめです。

タスクAの実行プロセスを分けて、A1、A2、A3…などと細かくしてみる。細かくするということは、より具体性を高めるということもあるため、所要時間の精度を上げたり、所要時間をイメージしやすくなる効果があります。

以上をふまえて、タスクの所要時間を見積もらずにリストするのはやめましょう。

タスクを複数同時に実行している

さいごは、タスクの実行時点で起きる問題です。タスクを複数同時に実行しているケースがありますが、いわゆるマルチタスクであり、効率を下げることになるのでやめましょう。

ヒトの脳は、マルチタスクが苦手との研究結果があります。つまり、タスクAとタスクBを同時に実行すると、それぞれを順番に実行するよりも時間がかかったり、ミスが増えたりするのです。

いやいや、そもそも2つのタスクを同時に実行するなってできなくね?と、おもわれるかもしれませんが。ここでいう「同時」とは、タスクAとタスクBを交互に繰り返すようなケースを含みます。

たとえば、タスクAをひとまず中断して、タスクBの実行をはじめる。また、タスクBを中断して、タスクAをはじめる…みたいな。

すると、脳はタスクを切り替えるたびに「準備」を要することから、時間がかかったり、疲労をためることになり、結果として効率が下がります。途中でタスクから離れれば、再開する際には「さっきどこまでやったっけ?実行に必要な情報やツールはどこだっけ?」などと、ムダに準備が増えるのが問題です。

このような「タスクの複数同時実行」は、割り込みタスクによっても生じます。SNSやメールの新着通知があった。なので、いまのタスクを中断して、新着情報をチェックする。はい、これでもうタスクの複数同時実行です。

なので、わたしは「いま何のタスクを実行しているのか」を認識するようにしています。いまはタスクAの実行中。このとき、タスクB(SNSやメールの新着チェック)をはじめるのであれば、その認識をあらためてから、ということになります。

でも、どうやって認識をするのか?この点、わたしは「TaskChute Cloud」というアプリを使っています。このアプリでは、タスクを実行するときには実行ボタンを押し、終了するときには終了ボタンを押すことで、いま実行中のタスクを認識することができるのです。

だから、もしタスクAの実行中に、タスクBに切り替えるのであれば、タスクBの実行ボタンを押す(タスクAの実行を中断する)という動作が必要になります。この動作があることによって、「本当にいま、タスクを切り替える必要があるのか?」と自問するきっかけになるのはメリットです。

どのようなツールを使うのかはさておき、タスクの複数同時実行を避けるしくみをつくりましょう。

まとめ

多かれ少なかれ関心があるであろう、タスク管理について。ではなぜ、あなたのタスク管理は失敗してしまうのか?その原因についてお話をしてみました。

裏を返せば、解決策につながるところです。これを機会に、じぶんのタスク管理を見直してみるのはいかがでしょうか。

タスク管理が失敗する原因
  • タスクを並列にリストしている
  • タスクの所要時間を見積もらない
  • タスクを複数同時に実行している
]]>
手元の預金は月商2か月分もあれば十分、なのか? https://useacc.com/2024/03/22/deposit-balance-for-two-months-of-monthly-transactions-is-sufficient/ Fri, 22 Mar 2024 06:33:29 +0000 https://useacc.com/?p=42504

会社の財務について、「手元の預金は月商2か月分もあれば十分だ」というハナシを見聞きします。ところが、その考え方には問題があるので気をつけましょう、というお話です。 預金を持ちすぎる、というムダ 会社の財務について、「手元 […]]]>

会社の財務について、「手元の預金は月商2か月分もあれば十分だ」というハナシを見聞きします。ところが、その考え方には問題があるので気をつけましょう、というお話です。

預金を持ちすぎる、というムダ

会社の財務について、「手元の預金は月商2か月分もあれば十分だ」というハナシを見聞きします。つまり、預金残高は「年間売上高÷12か月(平均月商)」の2倍もあれば資金繰りは回るはずだ、そんなハナシです。

言い換えると、月商の2か月分を超えるような預金は「ムダ」だということでもあります。この点、「最低でも月商の3か月分、できれば月商の6か月分の預金を目指しましょう」が持論です。

が、2か月分でムダだというのであれば、3か月分・6か月分など超ムダでしかないだろう。そうおもわれるかもしれません。ところが、「中小企業」の財務においてはムダとはいえません。

手元の預金は月商2か月分もあれば十分、との考え方には問題があるからです。その問題点とは…

手元の預金は月商2か月分もあれば十分、なのか?
  • 問題1、順調が前提
  • 問題2、大企業発想
  • 問題3、外野は無責任

これらの問題について、このあと解説をしていきます。

手元の預金は月商2か月分もあれば十分、なのか?

問題1、順調が前提

手元の預金は月商2か月分もあれば十分だとはつまり、預金残高は「年間売上高÷12か月(平均月商)」の2倍もあれば資金繰りは回るはずだ、ということを前述しました。

たしかに、それだけの預金があれば資金繰りは回るでしょう。基本的には、毎月の収支について「売上入金 ≒ 仕入支払+経費支払+借入金返済」が成り立つからです。なので、月商2か月分ではなく「1か月分でも十分だ」というハナシもあります。

2か月分ではムダだというのです。が、それは「順調が前提」であることを忘れてはいけません。つまり、毎月きちんと「仕入支払+経費支払+借入金返済」に見合うだけの売上入金があることが前提です。

でも現実には、必ずしも順調が前提ではありません。むしろ、事業を続けていれば、何かしらのアクシデントやトラブルに見舞われるものといってよいでしょう。

その結果、売上入金が減少すれば、「売上入金 ≒ 仕入支払+経費支払+借入金返済」は成り立たず、手元の預金を食いつぶしていくことになります。このとき、預金残高が少ないほど、資金ショート(倒産)の可能性は高まります。

いっぱんに(傾向として)、中小企業は大企業ほど安定はしていないものです。同じようにアクシデントやトラブルに見舞われたとしても、大企業ほどの耐性はない中小企業が多いともいえます。

その理由はさまざまですが、とにもかくにも、中小企業は安定しない分、資金繰りに問題をきたす(売上入金 < 仕入支払+経費支払+借入金返済)可能性が高いことは、理解をしておいたほうがよいでしょう。

事業には良いときもあれば悪いときもある。順調なときばかりではない。そのときに備えるのであれば、「手元の預金は月商2か月もあれば十分」とはいえないはずです。

預金が月商の3か月分あれば、売上入金が途絶えたとしても3か月耐えることができます。預金が月商の6か月分あれば、売上入金が途絶えたとしても6か月耐えることができるのです。

問題2、大企業発想

さきほど、中小企業は大企業ほど安定はしていないものだといいました。その理由のひとつが、資金調達力の差です。中小企業は大企業ほどの資金調達力がありません。

大企業は、信用の高さゆえに、不特定多数の人たちからおカネを集めることが可能です。出資を求めて増資をすることもできれば、新株予約権付社債を発行するなどしておカネを集めることもできるでしょう。

いわゆるエクイティファイナンスに利があるのが、大企業の特徴であり、中小企業との差になります。つまるところ、大企業は「いつでもおカネを集めることができる」のです。

だとすれば、手元に預金を持ちすぎるのはもったいない。おカネを遊ばせておくのはもったいない、という発想になります。おカネが余っているのなら、事業に投資をするなり、運用するなりしたほうがいい。

そこから、「手元の預金は月商2か月分もあれば十分だ」とのアドバイスにつながることがあります。社長は、そのアドバイスを耳にしたときには気をつけましょう。

繰り返しになりますが、「いつでもおカネを集めることができる」のは大企業だからであって、中小企業はそうではありません。事実、増資をしたくとも、第三者(社長の親族以外)からおカネを集めるのは困難であり、社債を発行するのもカンタンではないのです。

手元の預金は月商2か月分もあれば十分だとのアドバイスは、いうなれば大企業発想であり、実際に大企業出身者のアドバイスであることも少なくありません(大企業出身者を非難する意図はなく、あくまで考え方の違いを示す意図です)。

いつでもおカネを集めることはできないのが中小企業であるならば、手元の預金はできるだけ増やしておくに限ります。増やすための方法として、銀行融資が有効です。それをふまえて、わたしは「借りられるときに借りられるだけ借りておきましょう」とおすすめをしています。

問題3、外野は無責任

いつも順調であることを前提にしないのであれば、「手元の預金は月商2か月もあれば十分」とはいえないはずだと前述しました。

とはいえ、それでも「順調な時期はある」ものだし、「アクシデントやトラブルが起きる確率は少ない」との考え方もあるでしょう。だから、手元の預金は月商2か月もあれば十分なのだと。

ですが、大事なことは「社長自身」がどう考えているか、どう感じているかでしょう。わたしが知る限り、おカネがない不安を嫌がる社長が多数派です(たまたま、わたしの周りにそういう社長が集まっていることも否定はしませんが)。

たとえ、いまは使いみちがないおカネではあっても、いざというときに備えておカネを持っておくほうが安心だ。それが、銀行から借りたおカネであり、利息を負担することになったとしても。そのように考える社長は、けして少なくありません。

だとすれば、そのような社長に向かって「手元の預金は月商2か月もあれば十分」とのアドバイスは無責任なものだといえます。「だから、外野は無責任だ」などといえば、その外野からは叱られるのかもしれません。

実際、責任感を持ってアドバイスをしてもいるのでしょう。ですが、いざというときにおカネが足りなくなったとき、外野が責任を取ってくれるわけではありません。責任を負うのはほかでもない社長なのです。そういう意味で、外野は無責任でしかいられません。

もちろんこれは、いざというときのために備えておカネを借りることについても同じです。つまり、おカネを借りた場合の責任(返済義務や連帯保証など)を負うのも社長であり、外野ではありません。

結局のところ、外野とは無責任なものであり、外野のアドバイスを「参考」にしながらも、さいごは社長自身が「決断」することの必要性については、くれぐれも忘れないようにしましょう。

まとめ

会社の財務について、「手元の預金は月商2か月分もあれば十分だ」というハナシを見聞きします。ところが、その考え方には問題があるので気をつけましょう、というお話をしました。

中小企業は、大企業と財務環境が異なりますし、社長が外野の意見を聞きすぎるのもよくありません。自社にとって、必要な預金がどれくらいなのか。あらためて考えてみましょう。

手元の預金は月商2か月分もあれば十分、なのか?
  • 問題1、順調が前提
  • 問題2、大企業発想
  • 問題3、外野は無責任
]]>
マイナス金利の解除と、繰り上げ返済のデメリットと https://useacc.com/2024/03/21/early-repayment-and-lifting-of-negative-interest-rates/ Wed, 20 Mar 2024 22:08:18 +0000 https://useacc.com/?p=42500

日銀による、マイナス金利の解除が決まりました。金利も上がることだし、繰り上げ返済をしようかな…と、考えるのであれば気をつけましょう。このタイミングでの繰り上げ返済にはデメリットがあります。 マイナス金利の解除と、繰り上げ […]]]>

日銀による、マイナス金利の解除が決まりました。金利も上がることだし、繰り上げ返済をしようかな…と、考えるのであれば気をつけましょう。このタイミングでの繰り上げ返済にはデメリットがあります。

マイナス金利の解除と、繰り上げ返済のデメリットと

きょうは、2024年3月21日。つい先日、日銀によるマイナス金利の解除が決まりました。17年ぶりの利上げとなり、ちまたは「金利のある世界」がやってくる!というハナシでもちきりです。

とはいえ、まだしばらくは「どんどん利上げ」の状況ではなく(現状、それが日銀の見解でもあるし)、本格的な金利上昇はまだ先だとおもわれている社長もいるでしょう。

ただ、いっぽうで、銀行は着々と利上げの準備を進めており、融資の現場では「すでに融資金利が上がりはじめている」のも事実です。「他行が上げれば、ウチも上げる」というのが銀行の世界。この動きは連鎖していくものと推測します。

また、融資金利が上がる原因は、政策金利の上昇だけではありません。いまは、銀行再編(提携・統合・合併)が進んでいるところであり、銀行の数が減ったり、銀行どうしの争いが少なくなれば、行き過ぎた低金利(融資先獲得合戦による)は不要となります。

結果として、この先はこれまでよりも金利が上昇していくことになるわけです。

と、少し話がそれてしまいましたが、マイナス金利の解除を迎えたいま、銀行融資において社長が気をつけるべきこと。その1つが、繰り上げ返済です。

このタイミングでの繰り上げ返済には、次のようなデメリットがあることを理解しておきましょう↓

いま繰り上げ返済することのデメリット
  • 次に借りるときの金利上昇
  • 次に借りるときには借りにくい
  • 預金をほしがる銀行に応えられない

これらについて、このあと順番に解説をしていきます。

いま繰り上げ返済することのデメリット

次に借りるときの金利上昇

マイナス金利が解除されたということは、長い目で見れば、利上げが進むということです。冒頭でもふれたとおり、いまは「どんどん利上げ」ではないにせよ、中長期的には利上げが進むものと考えられます。

だとすれば、いま借りるよりも、あとになって借りるほうが融資金利が高くなる、と考えるのが自然でしょう。あとになって借りるなら、いま借りたままにしておくのが得策だということです。

ところが、いま手元におカネがあると、目先の利息支払いを惜しんで、繰り上げ返済をしたがる社長がいます。そして、あとになって「やっぱりおカネが足りない…」と借入をすることになる。結果として、金利が上がってしまい、むしろ高くつく…

ということは、考えておいたほうがよいでしょう。それでも、いま手元におカネがあると、将来、おカネが足りなくなることを想像できないものでもあります。だから、繰り上げ返済をする社長が少なくないのです。

ところが、多くの中小企業(というか、ほとんどの中小企業)が、将来にわたって借入を必要としています。つまり、「いつかはまた借入をする」という状況にあるわけです。

だとすれば、いま借りたままにしておくのも、あとになって借りるのも同じこと。いま借りたままにしておくほうが金利が低くてすむのであれば、そのほうがよいはずです。目先の金利支払いにとらわれず、長い目で金利を考えるようにしましょう。

次に借りるときには借りにくい

いずれ世の中の金利も上がり、融資金利も上がるとどうなるか。銀行は、貸し渋るようになります。

いやいや、銀行は貸してナンボの商売でしょう?金利が高いほど儲かるのだから、逆に、どんどん貸したがるでしょう?と、おもわれるかもしれません。ですが、それは違います。

たとえば、これまでA社とB社に1億円ずつ融資をしていた銀行があったとします。ではもし、融資金利が2倍になったとしたら…銀行は、A社かB社のどちらかいっぽうに融資をするだけで、これまでと同じ利息をかせぐことが可能です。

銀行が融資をするにも、手間と時間がかかります。銀行員も忙しいのですから(人手不足もあるし)、ラクにかせげるほうがよいでしょう。

この点、A社がB社に比べて、手間がかかる会社だとしたら。金利のある世界ともなれば、銀行は「B社にだけ融資をすればいっか」と考えるようになります。その分、B社の融資を増やせば、銀行はラクにかせげるようにもなるわけです。

さきほど、銀行は貸し渋るようになるといいました。正確には、「時間や手間がかかる会社には貸し渋るようになる」ということです。よって、いままでは融資を受けられていた会社も、融資金利が上がっていく過程で借りにくくなることが考えられます。

とくに、業績が悪い会社・業績改善が進まない会社や、銀行対応が悪い会社(試算表や資金繰り表などをつくっていない会社)は、注意が必要です。

次に借りるときには借りにくくなっていることを考えれば、「すでに借りられているおカネを、わざわざ繰り上げ返済することもないのではないか」という話をしています。

預金をほしがる銀行に応えられない

金利のある世界で、銀行は預金をほしがるようになります。あずかった預金を元手に、融資を増やしたり、運用を増やしたりすれば、銀行はより儲かるからです。

というわけで、大手銀行を中心に、預金獲得合戦がはじまっています。これからは、これまで以上に、銀行から預金を求められることもあるでしょう。だとすれば、預金を増やすことで、会社は銀行交渉がしやすくなるとわかります。

つまり、金利を引き下げる、信用保証協会の保証なしにしてもらう(プロパー融資)、経営者保証をなしにしてもらう、といった交渉がとおりやすくなる、ということです。

この点、預金を増やす方法として、日本政策金融公庫からの融資を利用することが挙げられます。日本政策金融公庫は融資専門の金融機関であり、預金ができないので、借りたおカネは別の銀行にあずけなければいけません。

だとすれば、日本政策金融公庫から融資を受けることで、ほかの銀行の預金を増やすことができます。逆に、日本政策金融公庫から借りたおカネを繰り上げ返済すれば、その預金が減ってしまうことに気づきましょう。

ですから、いまある日本政策金融公庫からの借入を繰り上げ返済することは、預金をほしがる銀行の思いに反することになってしまうわけです。すると、前述したような交渉がしづらくなったり、そもそも融資が受けにくくなることも考えられます。

コロナのときに借入をしたけど、据置期間もおわって返済もはじまったことだし、繰り上げ返済をしようと考える社長は少なくないようです。そのデメリットは理解しておきましょう。

まとめ

日銀による、マイナス金利の解除が決まりました。金利も上がることだし、繰り上げ返済をしようかな…と、考えるのであれば気をつけましょう。このタイミングでの繰り上げ返済にはデメリットがあります。

いま繰り上げ返済することのデメリット
  • 次に借りるときの金利上昇
  • 次に借りるときには借りにくい
  • 預金をほしがる銀行に応えられない
]]>
法人事業概況説明書が甘いと銀行融資が受けにくくなる https://useacc.com/2024/03/20/description-in-corporate-business-overview-manual-is-lax/ Wed, 20 Mar 2024 01:27:37 +0000 https://useacc.com/?p=42494

決算書一式のなかに含まれる、法人事業概況説明書について。その記載が甘いと、銀行融資が受けにくくなることはあまり知られていないようです。では、法人事業概況説明書が甘いケースとは? 法人事業概況説明書が甘いと銀行融資が受けに […]]]>

決算書一式のなかに含まれる、法人事業概況説明書について。その記載が甘いと、銀行融資が受けにくくなることはあまり知られていないようです。では、法人事業概況説明書が甘いケースとは?

法人事業概況説明書が甘いと銀行融資が受けにくくなる

会社が銀行から融資を受けるときに、決算書一式の提示を求められることはご存知でしょう。なお、決算書一式(法人税申告書一式)には、いろいろなものが含まれます。

おもなところでは、次のとおりです↓

  • 決算報告書(貸借対照表、損益計算書ほか)
  • 法人税申告書・別表
  • 勘定科目内訳明細書
  • 法人事業概況説明書

というわけで、融資を受けるときには、これら(のコピー)を銀行に渡すことになります。また、すでに融資を受けている銀行からは、毎年決算がおわると、やはり決算書一式の提示を求められることになります。

この点、法人事業概況説明書が甘い会社が散見されますので気をつけましょう。法人事業概況説明書とは、A4用紙2枚で構成される、文字どおり会社の概況を説明するための書類です。

本来、税務署のためにつくる書類ではありますが、銀行もまた、よく見ている書類であることはあまり知られていないかもしれません。では、法人事業概況説明書が甘いとはどういうことなのか?

銀行が融資を考えるうえで「必要な情報・有用な情報」が未記載であったり、記載をしていても不十分なケースです。法人事業概況説明書の記載は税理士任せであり、見たこともないという社長もいるでしょう。

そこで、法人事業概況説明書が甘いケースを挙げてみます。おもなところでは、次のとおりです↓

法人事業概況説明書が甘いケース
  • 月別の売上・仕入が甘い
  • 入金・支払条件が甘い
  • 月別の人件費が甘い

これらについて、このあと確認をしていきましょう。

法人事業概況説明書が甘いケース

月別の売上・仕入が甘い

法人事業概況説明書の2ページめには、月別の売上・仕入の金額を記載する項目があります。もっともヒドいのは、空欄になっているケースです。記載がメンドーなので省略した、ということでしょう。

ではなぜ、月別の売上・仕入の記載が甘いと、銀行融資が受けにくくなるのか。理由は、銀行が「季節変動」を把握できないからです。季節変動とは、年間を通じた商売の波をいいます。

たとえば、アイスクリームは夏によく売れて、冬はあまり売れない…みたいな。すると、アイスクリームを販売する会社の売上は、夏に多くて冬に少ないということになるでしょう。その波が季節変動です。

では、季節変動があるとどうなるか。いわゆる経常運転資金の額が変動します。経常運転資金とは、「売掛金+棚卸資産ー買掛金」で計算される金額であり、会社が資金繰りを回すために必要なおカネをあらわす金額です。

そこで、経常運転資金分のおカネを銀行融資で調達するのが、財務のセオリーだといえます。

その経常運転資金は、基本的に売上に連動するのがポイントです。つまり、売上が増えれば経常運転資金も増えるし、売上が減れば経常運転資金も減る。

にもかかわらず、銀行が売上が少ないときの経常運転資金しか把握できなければどうでしょう。つまり、月別の売上・仕入(≒ 月別の売掛金・買掛金)がわからないケースです。

すると、会社は売上が少ないときの経常運転資金分しか融資をしてもらうことができず、売上が多いときには経常運転資金が増えることには対応できず、資金繰りが厳しくなってしまいます。

なので、法人事業概況説明書には、きちんと月別の売上・仕入を記載しましょう。なお、未記載だけが問題なのではなく、現金主義で記載しているケースも問題です。

現金主義とは、入金があったときに売上を認識する、支払をしたときに仕入を認識する経理方法をいいます。ところが、業績を正しく把握するためには、発生主義による経理が必要です。

発生主義は、入金・支払とは関係なく、商品の引き渡しがあったときに売上や仕入を認識します。以上をふまえて、現金主義だと「入金・支払のタイミングしだい」で、「売上と仕入の対比(利益の把握)」ができなくなることが問題だとわかるでしょう。

ゆえに、月別の売上・仕入が現金主義で記載されていることがわかると、銀行からは「利益の把握がままならない会社」だと見られてしまい、融資の受けにくさにもつながるので気をつけましょう。

入金・支払条件が甘い

法人事業概況説明書の2ページめには、売上代金の入金条件や、仕入代金や人件費の支払条件を記載する項目があります。売上代金であれば、「毎月末日締め・翌月末入金」といった具合です。

これにより銀行は、決算書に記載された売掛金(売上代金の未回収)や買掛金(仕入代金の未払)、未払金(人件費の未払)の金額が妥当かどうかを確認しています。

たとえば、売上代金の入金条件が「毎月末日締め・翌月末入金」なのに、決算書の売掛金が、平均月商(年間売上高÷12か月)の2か月分や3か月分もあったらどうでしょう。

売掛金が多すぎるぞ、ということになるわけです。つまり、決算書の売掛金のなかには、不良債権があるのかもしれない、もしかしたら架空債権があるかもしれない、ということを疑います。

いずれも「粉飾決算」ですから、決算書自体の信用もなくなりますし、融資が受けにくくなることを理解しておきましょう。で、粉飾をしている会社が問題なのではありません。

問題なのは、入金・支払条件の記載が甘い会社です。たとえば、記載されている情報が不正確なケースが挙げられます。本当は「毎月末日締め・翌々月末入金」なのに、「毎月末日締め・翌月末入金」と記載されてしまっているとか。

なぜ、このようなことが起きるのかといえば、税理士が誤って記載してしまったり、条件が変わったことを把握していなかったりすることがあるからです。なので、社長自身も法人事業概況説明書の記載内容を確認して、誤りがあれば、税理士に伝えるようにしましょう。

また、入金・支払条件に変更があったときにも、その旨を税理士に伝えることが大切です。

月別の人件費が甘い

法人事業概況説明書の2ページめには、月別の人件費を記載する項目があります。人件費は、経費のなかでも大きな割合を占めるものであり、銀行も注目しているものです。

また、最近では「人件費高騰」や「賃上げ」も話題になっています。月別の人件費の「推移」を見ることで、そのあたりへの会社の対応を確認していることもあるでしょう。

法人事業概況説明書には、人件費とあわせて「月別の社員数(従事員数)」を記載する欄もあります。人件費の金額を社員数で割り算すれば、ひとりあたり人件費の目安にもなります。

同業他社の水準と比較して、自社のほうが高ければ、自社の業績が良いことのアピールになるものです(業績が悪ければ、良いお給料も払えない)。また、給与水準が高ければ、良い人材を確保しやすい会社、ひいては事業の持続・成長が期待できる会社との見方もできるでしょう。

というように、銀行が融資先の評価をするうえで、有用な情報が人件費なのですから、やはり記載が甘いのでは困ります。月別の人件費の記載が省略されているとか、月別の社員数の記載が省略されているとか。

また、社員数について記載はされているものの「毎月おなじ人数」というケースもあります。税理士が、毎月の社員数までは把握しておらず、便宜的に決算期末の社員数をすべての月に記載しているようなケースです。

なお、毎月の社員数の推移から、銀行は「採用状況」や「離職率」などの推測もしています。とにかく「人手不足」が叫ばれる時代ですから、そのあたりは銀行も注視をしているわけです。

であるならば、自社の人材採用・育成については、方針や予定などを銀行に伝えたほうがよいこともわかるでしょう。社長が銀行に決算報告をする際などに、法人事業概況説明書の数字を示しつつ説明するのがおすすめです。

まとめ

決算書一式のなかに含まれる、法人事業概況説明書について。その記載が甘いと、銀行融資が受けにくくなることはあまり知られていないようです。

というわけで、法人事業概況説明書が甘いケースを挙げてみました。記載を税理士任せにしていると、該当しているケースもありえます。あらためて、社長自身で確認をしてみましょう。

法人事業概況説明書が甘いケース
  • 月別の売上・仕入が甘い
  • 入金・支払条件が甘い
  • 月別の人件費が甘い
]]>
資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴 https://useacc.com/2024/03/19/characteristics-of-companies-with-poor-cf/ Tue, 19 Mar 2024 05:42:46 +0000 https://useacc.com/?p=42478

世の中には、資金繰りが厳しい会社とそうでない会社とがあります。では、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴とは何なのか?そのような会社にならないために、押さえておきましょう。 ざっくりと2つに分けられる 世の中にはたくさん […]]]>

世の中には、資金繰りが厳しい会社とそうでない会社とがあります。では、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴とは何なのか?そのような会社にならないために、押さえておきましょう。

ざっくりと2つに分けられる

世の中にはたくさんの会社がありますが、ざっくりと2つに分けることができます。資金繰りが厳しい会社と、そうではない会社の2つです。

もちろん、社長としては「前者(資金繰りが厳しい会社)」を避けたいところでしょう。ところが、けして少なくはない数の会社が、前者にあてはまっている現状があります。

では、資金繰りが厳しい会社に共通することとは何なのか?資金繰りを厳しくしないために、あるいは、すでに厳しい資金繰りから脱却するために、このあとのお話を確認しておきましょう。

ずばり、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴がこちらです↓

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴
  • 試算表がない
  • 資金繰り表がない
  • 経営計画書がない

これらについて、順番に解説をしていきます。

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴

試算表がない

1年にいちど、業績を把握するのが決算書なら、1か月にいちど、業績を把握するのが試算表です。決算書はつくるけれど(つくらないと税務申告できないから)、試算表はつくらない会社があります。

そのような会社は、資金繰りが厳しくなる傾向にあることは覚えておきましょう。ややもすると、「別に、試算表がなくても業績などだいたいわかる」と、社長は考えるのかもしれませんが。

売上はともかく、利益まで正確に言い当てられる社長はいないと言ってよいでしょう。正確にはムリにしても、だいたいですら言い当てられない社長も珍しくはありません。

毎月の棚卸(在庫)や減価償却などによる影響を、具体的な数字で把握できていない社長もいるからです。ゆえに、社長がイメージする利益と、試算表の利益とはしばしばズレが生じます。

だから、そのズレを正すために試算表が必要なのです。

そもそも、キャッシュフローのおもな構成要素が利益であることは理解しておきましょう。キャッシュフローとは「増えるおカネ」のことであり、端的にいえば「税引後利益+減価償却費」で計算されます。

というように、減価償却費をさておけば、キャッシュフローの正体とは「利益」です。それも、税引後利益なのですから、税金(法人税や消費税など)も考慮する必要があります。

さて、社長は試算表なしに、税金まで考慮はできているのでしょうか(できるはずがない)。かくして、キャッシュフローを把握できていない社長は、キャッシュフローの不足に気づくのが遅れることになります。

おカネが足りなくなってから銀行に駆け込むことになるため、銀行からは警戒されて融資が受けにくくなる。そして、ますます資金繰りが悪くなる…

社長は、試算表を甘く見ないことですし、肌感覚(試算表なしに業績を把握しようとする)を過信しないことです。

資金繰り表がない

いましがた、キャッシュフローの話をしました。が、キャッシュフローがわかるだけでも、社長にとっては不足です。なぜなら、キャッシュフローでは「おカネの動き」まではわかりません。

たとえば、いまから6ヶ月後の預金残高はどれくらいになりそうか。キャッシュフローからはわからず、さらにいえば、試算表からはわからない…ということです。

とはいえ、社長にとって大事なことは「預金残高」であることはいうまでもないでしょう。預金が尽きれば会社はおしまいです。だとすれば、将来の預金残高を把握することが、大切だとわかります。

そこで、資金繰り表です。ここでいう資金繰り表とは、月ごとの入金額・出金額を把握し、毎月末の預金残高を予測するための帳票をいいます。

向こう6か月〜1年ていどの資金繰り表があれば、社長は資金不足を早めに察知することができるため、余裕をもって資金調達(≒ 銀行借入)に動くこともできるでしょう。

また、資金繰り表があると、銀行は融資の検討がしやすくなります。おカネを貸す側にとって、「将来、返済できるだけのおカネがあるのか」は関心事だからです。資金繰り表で、返済できることがわかれば、銀行は融資をしやすくなります。

つまり、資金繰り表があると、その会社は早く対応ができるので資金繰りが悪くなりにくい、融資も受けやすくなるので、さらに資金繰りが悪くなりにくい、ということになるわけです。

逆に、資金繰り表がない会社はどうでしょう。当然、資金繰り悪化への対応が遅れますし、銀行は融資の検討もしにくくなるので、融資が受けにくくなる。そして、なお資金繰りが悪化します。

だとすれば、資金繰り表をつくるのはあたりまえのことなのですが、そのあたりまえができていない会社は少なくありません。

経営計画書がない

前述した資金繰り表をつくっている会社は、どちらかといえば少数派です。では、経営計画書はどうかというと、さらに少数派となります。中小企業に関していえば、10社に1社もつくっていないでしょう。

なぜか?おもに、理由は2つあります。計画を軽視しているから、あるいは、メンドーだからです。

まず、前者。計画を軽視するのは、計画を「占い」と勘違いをしている社長です。計画なんて、つくってもどうせそのとおりにはならない。だから、つくっても意味がない。みたいな。

ところが、大事なことは、そのとおりになるかどうかではありません。「計画(方向性)と、現状のズレをはかるモノサシ」というのが、経営計画書の本質です。

まず、計画をつくることで、社長(自社)が目指す方向性をあきらかにする(明文化、言語化する)。これにより、社内外とも共有ができますし、現状との対比もできるようになります。

ところが、計画がなければ、方向性を共有できないことから、事業を進めるにあたってはデメリットがあり、あるべき方向性と現状とのズレに気づきにくくなるのもデメリットです。

それから、もうひとつ。経営計画書をつくらない理由として、メンドーだからが挙げられます。計画をつくるには時間と手間がかかるため、それがイヤだということです。

また、計画をつくろうにもつくりかたがわからない…というのも似たようなものでしょう。わからなければ、やはり時間と手間をかけてでも勉強をすればよいだけです。

ゆえに、経営計画書がない会社に対して、銀行は「経営管理能力・意欲がない会社(社長)」との見方をすることがあります。当然、融資が受けにくくなるので、資金繰りにはマイナスです。

まとめ

世の中には、資金繰りが厳しい会社とそうでない会社とがあります。というわけで、資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴とは何なのか?について、お話をしました。

自社の資金繰りを厳しくしないために、あるいは、すでに厳しい資金繰りから脱却するために、それらの特徴を押さえておきましょう。

資金繰りが厳しい会社にあらわれる特徴
  • 試算表がない
  • 資金繰り表がない
  • 経営計画書がない
]]>
銀行に試算表を信じてもらう方法 https://useacc.com/2024/03/18/banks-dont-believe-in-trial-balances/ Sun, 17 Mar 2024 23:12:40 +0000 https://useacc.com/?p=42473

銀行に試算表を信じてもらう方法についてお話をします。融資を受けようと試算表を提示してみたものの「次の決算を見てから」と言われてしまう…というような会社は押さえておきましょう。 次の決算を見てから、と言われる 銀行融資に関 […]]]>

銀行に試算表を信じてもらう方法についてお話をします。融資を受けようと試算表を提示してみたものの「次の決算を見てから」と言われてしまう…というような会社は押さえておきましょう。

次の決算を見てから、と言われる

銀行融資に関する相談として、「銀行に試算表を信じてもらえない」というものが挙げられます。つまり、融資を受けようと試算表を提示してみたものの「次の決算を見てから」と言われてしまう…みたいな。

端的にいえば、試算表の内容は信用ならないので、決算書ができるまでは融資ができないということです。

決算日が近い場合にはいたしかたないにしても、決算日まで間がある(数ヶ月以上)にもかかわらず信じてもらえないのでは、いま融資を受けたい社長であれば困ってしまいます。

では、どうしたら銀行に試算表を信じてもらえるのか。おもな方法は次のとおりです↓

銀行に試算表を信じてもらう方法
  • 定期的に提示する
  • 決算書と整合性がある
  • 口座内での取引が多い

このあと、順番に確認を誌ていきます。

銀行に試算表を信じてもらう方法

定期的に提示する

そもそも、銀行に試算表を信じてもらえないのはなぜなのか。試算表に「ウソ」があるケースが少なくないからです。ここでいうウソには、故意もあれば、故意ではないものも含まれます。

まず、故意とは粉飾(利益や資産の水増し)です。融資を受けたいがために、粉飾をする会社はあります。さすがに決算書では粉飾をしないにしても、試算表では「ひとまず」粉飾をする会社もあるのです。ゆえに、銀行は試算表の粉飾を警戒しています。

この点、試算表を「定期的に提示している」と、銀行の警戒はやわらぐものです。定期的に提示をするとなると、会社は試算表での粉飾がしづらくなります。とくに、決算が近づいてからの粉飾は、決算書で帳尻を合わせづらくなるからです。

たとえば、期首から9ヶ月目の売上高合計が1億円だったとします。ここで、試算表の粉飾をして、売上高合計を1.5億円にしたらどうなるか。決算時点で1.5億円には届かなかった場合には、困ったことになるでしょう。帳尻を合わせるためには、決算書まで粉飾しなくてはいけません。

極端な例ではありましたが、状況としては似たようなケースがいろいろと考えられます。なので、試算表を定期的に提示することが、銀行に対して「信用の証」にもなるのです。

なお、定期的に提示するためには、試算表を定期的に作成する必要があります。年に1回、融資を受けようとするタイミングでだけ、試算表を提示するから銀行に信じてもらえないのです。

だから、試算表は毎月つくること。そのうえで4半期にいちど、銀行に試算表を提示するのがよいでしょう。毎月担当者が来訪してくれる銀行や、メール添付で送れる銀行であれば、毎月提示するのもおすすめです。

決算書と整合性がある

試算表にはウソがある。ウソには故意もあれば、故意でないものもあるといいました。故意が粉飾であることは前述したとおりです。

いっぽうで、故意ではない粉飾とは何なのか。単純に、精度が低い試算表です。わかりやすい例を挙げれば、毎月棚卸しをしていない、毎月減価償却をしていない、など。すると、当然ながら試算表の内容は不正確なものとなり、場合によっては粉飾と同じく、利益や資産の水増しが生じます。

たとえば、年間で1,200万円(ひと月あたり100万円)の減価償却費が発生する会社があったとして。毎月の試算表では、減価償却費を計上せず、決算でまとめて計上していたとします。

このとき、試算表では毎月90万円の利益が出ていれば、黒字に見えるわけですが、いざ決算書ができあがると一転赤字です。銀行としては、「試算表の利益は何だったのか」と落胆するでしょう。

そうなると、以後は試算表を提示しても「精度が低い試算表」として、信じてもらえなくなります。これを避けるためには、試算表の精度を上げることです。銀行に対しては、「試算表も決算書と同じ精度でしあげています」といえるようになりましょう。

その結果、決算書との整合性がある試算表ができあがります。つまり、試算表の利益と、決算書の利益とで「大きなズレ」が生じない状況です。これができると、試算表も信じてもらいやすくなります。

口座内での取引が多い

銀行が試算表を信用できない理由は、ほかにもあります。試算表だけだと裏が取れない、というものです。言ってみれば、試算表は仕訳(経理処理)しだいで、どうにもできてしまいます。

ところが、その銀行の口座内の取引であれば、そうはいきません。たとえば、売上代金の入金です。A銀行に試算表を提示して融資を受けようとする場合、A銀行は自行の口座内の取引を確認します。

このとき、試算表の売上高について、A銀行の口座内に入金取引があれば、A銀行は「試算表が正しい」との確信を持てるわけです。が、入金が他行の口座であった場合には、A銀行は裏が取れないことになります。

これが、試算表を信用できない理由になるのです。だとすれば、試算表を信じてもらいやすいのは、口座内取引が多い銀行だとわかります。通常は、メインバンクであるはずです。

メインバンクは融資を受けやすい、積極的に融資をしてくれるというハナシがありますが、その理由の1つとして、「口座内取引が多い」ことが挙げられます。

したがって、期中に試算表をもとに融資を受けたいのであれば、口座内での取引が多い銀行(≒ メインバンク)に、融資を依頼するようにしましょう。ろくろく口座内の取引がないような銀行に試算表を持ち込んでも、信じてもらえないのは当然です。

まとめ

銀行に試算表を信じてもらう方法についてお話をしました。融資を受けようと試算表を提示してみたものの「次の決算を見てから」と言われてしまう…というような会社は押さえておきましょう。

割合でいえば、試算表を信じてもらえないケースが多いものです。

銀行に試算表を信じてもらう方法
  • 定期的に提示する
  • 決算書と整合性がある
  • 口座内での取引が多い
]]>
横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3 https://useacc.com/2024/03/17/early-morning-sauna-best3-in-yokohama/ Sat, 16 Mar 2024 23:00:00 +0000 https://useacc.com/?p=42433

サウナ好き税理士のわたしが、横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3をご紹介です。早起きは三文の徳ともいいますし。早朝のサウナにもおトクがいっぱい。横浜にお越しの際にはぜひ!というお話をしていきます。 にわかの横浜 […]]]>

サウナ好き税理士のわたしが、横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3をご紹介です。早起きは三文の徳ともいいますし。早朝のサウナにもおトクがいっぱい。横浜にお越しの際にはぜひ!というお話をしていきます。

にわかの横浜紹介じゃないからな。

こんにちは、サウナ好き税理士のモロトメジョーです。きょうも、サウナしてますか?

というわけで、3日に1回のペースでサウナ通いをしているわたしが、きょうは、横浜で早朝サウナするならココがおすすめ!ということでご紹介をしていきます。なぜ、横浜なのか?それは、わたしが横浜在住だからです。

と、にわかな横浜紹介ではないことをアピールしたところで、さっそくはじめていきましょう。もったいぶるのも性に合いませんので、まずは結論を言ってしまいます。ベスト3は次のとおりです↓

横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3
  • 第1位 スカイスパYokohama
  • 第2位 万葉倶楽部 横浜みなとみらい
  • 第3位 天然温泉・満天の湯

このあと順番に、おすすめの理由なんかをお話ししていきます。

でも、なんで「早朝」なの?いやいや、早起きは三文の徳だっていうじゃないですか。早朝のサウナにもおトクがいっぱいです。

横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3

第1位 スカイスパYokohama

まずは、第1位。スカイスパYokohamaです。サウナーであれば知らぬ人のいない、レジェンドサウナ。なにをいまさら…と、おもわれるかもしれませんが、「早朝」というところがポイントなのです。くわしくは別記事に↓

で、スカイスパYokohamaの早朝サウナの何がいいって、「とにかく空いている」ところ。なにしろレジェンドサウナなのですから、スカイスパYokohamaは基本的に混んでいます。休日などはとくに、サウナ室前に列ができるほどです。

人気のラーメン店じゃないんだから。サウナで行列では、ととのうものもととのわない。だから、並んでまでサウナはイヤだ!わたしなどは、そう考えてしまうクチです(ガチのサウナーさんからは叱られそうではありますが)。

それはともかく、狙い目は平日の7時半ごろにイン。すると8時半まで90分ほど、サウナ3セットとサウナ上がりのお風呂も楽しめるでしょう。なぜ、「8時半まで」を狙うのか?8時半からは清掃のため、サウナ・お風呂が利用できなくなるからです。

すると、8時半に向かって、利用者はどんどん減っていきます。8時も過ぎると、ほとんどいない。サウナ室も貸切状態になりやすく、ハイクオリティなサウナを存分に楽しむことができるのです!

そのうえ、利用料金は「早朝入浴」で1,850円。通常料金は2,550円なので、リーズナブルでもあります。早朝入浴のプランでは、朝5時から10時まで館内を利用することが可能です。早起きしてよかったー、と嬉しくなること間違いなし。

肝心のサウナは、というと。14階から眺める、朝日に照らされた横浜港が最高です。メインサウナには東向きの大きな窓があり、窓際に座れば、じぶんまもまた朝日を浴びることができて、セロトニン出まくりでリラックス全開です。

もうひとつのロウリュサウナでは、10分おきにセルフロウリュできます。前述のとおり、ほぼ貸切状態なので、気兼ねなくセルフロウリュできるのも良き。わたしのようにコミュ障の人は、他人がいるときのセルフロウリュは臆してしまうものなのです。

それはさておき、スカイスパYokohamaは水風呂にもぬかりなし。完璧な冷え具合に、澄みわたる水質。サウナでアチアチのカラダをヒエヒエに冷やしたら、ととのいタイムといきましょう。リクライニングチェアに横になり、窓越しに見上げる青空に白い雲…勝ち確です。

第2位 万葉倶楽部 横浜みなとみらい

前述のスカイスパYokohamaは、横浜駅近。こちらの万葉倶楽部は、最寄りがみなとみらい駅または桜木町駅になります。で、万葉倶楽部にもまた「朝風呂入浴」なるプランがあって、お値段は1,800円です。通常料金は3,050円なので、やはりリーズナブル。

そのあたり、くわしくは別記事で書きました↓

朝風呂入浴のプランでは、朝6時〜9時まで、館内を利用することができます。サウナが目的であれば、3時間もあればじゅうぶんです。問題は、その時間を快適に過ごせるかどうかにかかっています。

だ・か・ら、サウナ室の前で行列とかはイヤなんだって。行列ができないまでも、あまりに混み合うサウナ室内も、いろいろと問題が起きがちです。ミョーに息づかいが荒い人がいたり、汗を飛ばしまくる人がいたり…(苦笑)

そう考えると、サウナは空いているに越したことがありません。で、早朝ならば空いている確率が高い。万葉倶楽部もそうでした。サウナ室が複数あるうえに、それぞれがかなり広かったりもするので、むしろ淋しくなるくらい。

サウナだけではなく全体的に広いので、すべてが快適。水風呂も、ととのいスペースはもちろん、洗い場もお風呂も。混雑をきにすることなく、のんびりと過ごすことができるでしょう。そのうえで、おすすめは外気浴。

露天風呂スペースの奥に、ポツンと、ととのい椅子がありまして。建物の端っこに位置する場所です。その椅子に座ると、遮るものがなく、横浜港を見渡すことができます。海風に吹かれながら、上を見上げれば朝焼けが…(季節によるけど)

景色の良さでいうと、施設の最上階にある「足湯」もおすすめ。みなとみらいらしい景色(ランドマークタワーや大観覧車など)や、横浜の海を眺めながら温泉を楽しむことができます。って、この温泉、みなとみらいの地下から湧いているのではないのですよね。

湯河原温泉・熱海温泉の源泉を毎日タンクローリーで運んでいるというから、驚きです。だとしても、温泉濃度はどのくらいなんでしょう?まぁ、わたしはサウナ目当てなので、温泉かどうかにこだわりはなかったりします。

第3位 天然温泉・満天の湯

横浜駅、桜木町駅と続いて、さいごは上星川駅です。土地勘のない人だと、「上星川ってどこ?」とおもわれるかもしれませんが。横浜駅からは、相鉄線で10分くらい。施設自体もめちゃくちゃ駅近なので好アクセスです。

そんな満天の湯もまた、早朝はおすすめです。こちらも、別記事で書きました↓

いわゆるスーパー銭湯であり、そもそもがリーズナブル(平日・一般 950円、会員だと820円)です。それなら、わざわざ早朝に行かなくてもよくない?そうおもわれるかもですが、違うんだなぁそれが。

平日・早朝の満天の湯は、やっぱり空いているのです。いっぽうで、平日でも日中や夜、そして休日ともなれば、やはりサウナ室の前に列ができるほど。満天の湯もまた、サウナーのあいだでは良き施設として認知されています。

だから、サウナーが大挙して押し寄せる、押し寄せる。だ・か・ら、行列はイヤなんだってば。というわけで、わたしはもっぱら、早朝に通っているしだいです。で、満天の湯は、空いているだけがおトクではありません。

朝8時からの「熱波」がおすすめ。スタッフの方がロウリュをしながら、大きなうちわで1人1人をあおいでくれるのです。これがアチアチで大満足なイベントなので、もう大好き。熱波があるから行く、といっても過言ではありません。

もちろん、みんなも熱波が大好きだから、平日・朝8時でさえ、ほぼほぼ満席になるほどです。ならば、日中や休日がどうなるかは、もはや疑う余地もありません。当然、熱波に参加したくても混んでてムリ…ということもあるわけです。

なので、同じ利用料金でも、熱波がほぼ確定的に受けられるのは、平日早朝だからこそのおトクだといえます。なお、8時の熱波がおわると、一段と利用者が減る傾向にあるので、そのあとも快適にサウナを楽しめるの良きです。

水風呂は、メントールが気持ちいいミント風呂。水温とは別に、カラダが冷える感覚は唯一無二。外気浴スペースのととのい椅子の数もじゅうぶんですから、平日の早朝サウナで「ととのい難民」になることはありえません。

第3位とはしましたが、上星川駅というロケーション(横浜中心部からは少し離れる)が主要因であり、サウナのクォリティという面では、第1位としてもおかしくはない。横浜に来たら、いちどは訪れていただきたいサウナです。

まとめ

サウナ好き税理士のわたしが、横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3をご紹介です。早起きは三文の徳ともいいますし。早朝のサウナにもおトクがいっぱい。横浜にお越しの際にはぜひ!

横浜で早朝サウナするならココがおすすめベスト3
  • 第1位 スカイスパYokohama
  • 第2位 万葉倶楽部 横浜みなとみらい
  • 第3位 天然温泉・満天の湯
]]>
初出版・500ページ・4,000円での重版がどれだけ凄いか https://useacc.com/2024/03/16/reprints-are-not-great/ Sat, 16 Mar 2024 00:40:42 +0000 https://useacc.com/?p=42464

わたしが執筆をした本が重版出来となりました。「初出版・500ページ・4,000円」という重い十字架を背負いながらも、重版にいたったのはなぜなのか?お話をしてみることにします。 重版出来! きょうは、2024年3月16日。 […]]]>

わたしが執筆をした本が重版出来となりました。「初出版・500ページ・4,000円」という重い十字架を背負いながらも、重版にいたったのはなぜなのか?お話をしてみることにします。

重版出来!

きょうは、2024年3月16日。わたしが執筆をして、2023年12月末に発売された『税理士必携 顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック』の2刷が、先日、重版出来(じゅうはんしゅったい)となりました。

重版、つまりは、初版の発行部数を上回り、さらに追加での発行となったわけです。単著での初出版も嬉しいものでしたが、あこがれの重版にいたり感無量です。

それはさておき、本書『税理士必携 顧問先の銀行融資支援スキル 実装ハンドブック』は、いくつかの「重い十字架」を背負っていました。具体的には、次のとおりです↓

  • 著者にとって、初の単著
  • なのに、500ページで分厚い
  • しかも、価格は4,000円(税別)

狭い世界でいえば、わたしのことをご存知の方はいるにしても、一般的には「無名の著者」に違いありません。にもかかわらず、はじめっから500ページという大容量で、その結果として4,000円という、けして安くはない価格にもなりました。

だとすれば、それらは「重い十字架」なのであり、重版にいたったのはどれだけ凄いことか!

と、手放しで自画自賛するものでもないよね。というのが、このあとのお話です。ではなぜ、「初出版・500ページ・4,000円」でも、重版にいたることができたのか?おもに、3つあるものと考えています↓

初出版・500ページ・4,000円でも重版にいたったワケ
  • 凄まじい時間を投下してきたから
  • 多くの人の助けを借りられたから
  • 既存のニーズに応えただけだから

このあと、順番にお話をしていきます。

重版記念イベントの参加を受け付けています↓
「モロトメジョーと行くジョグ&サウナ」

初出版・500ページ・4,000円でも重版にいたったワケ

凄まじい時間を投下してきたから

初出版という「経験不足」のなかでも、わたしが500ページを執筆できたのは、それ以前に「凄まじい時間」を投下してきたからです。

つまり、「書く(執筆)」ということに膨大な時間を費やしてきました。ちまたで目安にされる1万時間など優に超えています。そこまでしてやっと、初出版にいたったわけです。そういう意味では、全然凄くない。むしろ、凡人オブ凡人です。

とはいえ、わたしはけして「じぶんを卑下している」のではありません。卑下しているのではなく、わたしには「自負がある」ということです。休むことなく書き続けてきたという自負。

世の中が盆暮れ正月でお休みだろうが、少々、気持ちが滅入っているときであろうが(たまにはそういうこともあります)、わたしは休むことなく書き続けてきました。期間でいえば、およそ8年です。飽きっぽいわたしにしては、よく続いています。

とはいえ、自負などというのは自己満足でもあり、わたしが言いたいのは「才能があったわけではない」ということです。かつては、わたしも「出版には才能が必要」と考えていたこともありました。でも、いまは「才能が必須ではない」と考えています。

もちろん、才能はあるならあったほうがよいでしょう。ですが、ないからといってあきらめるものでもない。「初出版・500ページ・4,000円でも重版」という実体験をへて、わたしは断言できます。

時間を投下することで、才能に並ぶことも、才能を超えることも可能である。持論です。

多くの人の助けを借りられたから

それじゃあ、時間を投下すれば、必ずしも「初出版・500ページ・4,000円でも重版」できるのかといえば、そういうわけでもありません。わたしができたのは、多くの人の助けを借りられたからです。

具体的にいうと、まず、わたしのことを出版社に紹介してくださった方々がいました。執筆がはじまってからは、意見をくださり、細やかな編集を手伝ってくださった出版社の担当者さんがいました。

担当者さん以外にも、書籍タイトルを決めたり、デザインを決めたり、印刷・製本などに多くの方々が関わっています。さらには、できあがった本を、書店に並べてもらうよう営業してくださる方々もいるわけで。とても、わたしひとりでできることではありません。

そういう意味で、「初出版・500ページ・4,000円でも重版」できたことについて、わたし自身が凄いなどとはいえず、多くの人の助けがあってこそです。では、それらの助けを得るにはどうしたらよいか。

わたしにとっては、前述したとおり「凄まじい時間を投下する」ことでした。結果として、積み上がった文章(ブログやメルマガなど)が「信頼」となり、ひいては「つながり」になったのだと考えています。

だとすれば、信頼やつながりも、一朝一夕にできるものではありません。ツキナミな言葉にはなりますが、「コツコツが大事」であること身に沁みて感じています。

既存のニーズに応えただけだから

今回、わたしが執筆した本は「中小企業の銀行融資・銀行対応」がテーマであり、あたらしいテーマというわけではありません。むしろ、テーマ自体は昔からあるものだといえます。

また、内容としても斬新なところはなく、あらたなニーズを喚起するような類の本でもありません。ですから、競合する書籍は多く、いわゆるレッドオーシャンでの出版にあたるでしょう。

そういう点では、まったくもって凄くありません。どちらかといえば、あたらしいテーマや、斬新な内容で、あらたなニーズを掘り起こすような革新的な本がカッコいいし、あこがれます。

とはいえ、ないものねだりもできません。いっぽうで、既存のニーズに応えるだけでも「初出版・500ページ・4,000円でも重版」にいたることができたのは、なぜなのか。

まずは、真正面から既存のニーズに応えたことはあるでしょう。競合する書籍が多いのは、ニーズが「多い」ことの証ではあります。そのなかで差別化できれば、手にとってもらえる機会・役立ててもらえる機会も増えるわけで。

この点、500ページという大容量は、わたしにとって差別化のポイントでした。容量があれば、幅広く網羅できますし、丁寧な解説を添えることがかないます。わたしから見ると、競合する書籍の多くは内容に偏りがあり、解説が不足しているのです。

ところが、容量を増やせば印刷コストなどの兼ね合いから、価格を上げざるをえません。価格が上がれば手に取る人が減るというのが、一般的な見方であり、出版社としてはできるだけ量を減らしたいとの思いがあるでしょう。

なので、初出版にもかかわらず、500ページまで許容していただいた出版社さんには、とても感謝をしています。別の出版社であれば、「もっと減らして!」と言われたかも知れませんし。

ちなみに、たくさん書くのも容易ではないものです。文章が増えれば、前後のつながりなど構成力が問われるものですし、なにより「根気」を必要とします。そこはやはり、凄まじい時間を透過してきた過去がモノをいう、というものです。コツコツは裏切らない。

まとめ

わたしが執筆をした本が重版出来となりました。「初出版・500ページ・4,000円」という重い十字架を背負いながらも、重版にいたったのはなぜなのか?お話をしてみました。

初出版を目指している方の、ご参考になるようでしたら幸いです。

初出版・500ページ・4,000円でも重版にいたったワケ
  • 凄まじい時間を投下してきたから
  • 多くの人の助けを借りられたから
  • 既存のニーズに応えただけだから
]]>
銀行対応がわかる社長は預金のあずけ方を知っている https://useacc.com/2024/03/15/how-to-deposit-money/ Fri, 15 Mar 2024 00:13:33 +0000 https://useacc.com/?p=42459

銀行対応がわかる社長は、預金のあずけ方を知っています。同じ預金をあずけるでも、あずけ方しだいで、融資の受けやすさや融資条件の良し悪しが変わることを理解しておきましょう。 金利のある世界がやってくる 会社が、銀行からスムー […]]]>

銀行対応がわかる社長は、預金のあずけ方を知っています。同じ預金をあずけるでも、あずけ方しだいで、融資の受けやすさや融資条件の良し悪しが変わることを理解しておきましょう。

金利のある世界がやってくる

会社が、銀行からスムーズに融資を受けるためには「銀行対応」が大切です。銀行対応の巧拙が、融資の受けやすさや融資条件の良し悪しに直結します。

では、その銀行対応について。預金のあずけ方にも、ポイントがあることはご存知でしょうか。銀行対応がわかる社長は、預金のあずけ方を知っています。預金をうまくあずけることで、よりスムーズに融資を引き出しているのです。

現在(2024年3月15日)、マイナス金利の解除も近づき、まもなく「金利のある世界」がやってきます。すると銀行は、貸し出しの原資を確保するために、預金をほしがることを覚えておきましょう。事実、銀行どうしによる預金獲得合戦ははじまっています。

ここで、銀行の言われるがままに、預金をあずけてしまうことがないように。銀行対応を考えたうえで、預金をあずけられるようにしましょう。おもなポイントは次のとおりです↓

銀行対応がわかる社長は預金のあずけ方
  • 借りたい銀行に預ける
  • 日本公庫を活用する
  • 定期預金はしない

このあと、順番に解説をしていきます。

銀行対応がわかる社長は預金のあずけ方

借りたい銀行に預ける

さきほど、「銀行は、貸し出しの原資を確保するために、預金をほしがる」といいました。ということは、借りたい銀行にこそ預金をあずけるのがよいとわかるでしょう。

つまり、融資を受けたい銀行の預金を増やすことが、融資の交渉材料になるわけです。これにより、銀行は貸し出し原資の確保になるのと同時に、安全性を高めることができます。

たとえば、1,000万円を融資するにあたり、その融資先から預金をあずかることができなければ、銀行が負うリスクは1,000万円です。会社が返済できなくなった場合、銀行には1,000万円の損失が発生します。

ところがもし、融資先から預金を600万円あずかることができれば、銀行が負うリスクは400万円です。融資をした1,000万円と、自行の口座にある預金600万円を相殺できるため、銀行はリスクを軽減することができます。ゆえに、銀行は預金をほしがるのです。

にもかかわらず、融資を受けてもいない銀行にたくさんの預金をあずけているようでは、銀行対応としてうまくありません。銀行からも「わかってないなぁ…」と見られてしまうでしょう。

この点、銀行対応がわかる社長は、預金のあずけ先を常に考えています。借りたい銀行に預金をあずけることで、融資を受けやすくしたり、融資条件の改善につなげているのです。

たとえば、「売上先の入金口座を御行に移すので」といったことを銀行に伝えられれば、金利の引き下げや経営者保証の解除なども交渉しやすくなります。

なお、預金をあずけているのに、あまり融資に積極的ではなかったり、融資条件の悪い銀行があれば、その預金を他行にあずけ替えることで、よりよい融資を引き出すきっかけにするのも選択肢の1つです。

基本的には、銀行は預金をほしがるものですが、銀行ごとに「温度差」もあるので、各銀行の反応を見ながら、預金のあずけ方を考えてみるとよいでしょう。

日本公庫を活用する

銀行対応がわかる社長は、日本公庫を活用しています。日本公庫(日本政策金融公庫)は、公的金融機関の代表格であり、中小企業にとっては唯一無二の大事な資金調達先です。

その日本公庫には、預金をあずけることができません。融資専門の金融機関だからです。よって、日本公庫から借りたおカネは、どこか別の銀行にあずけることになります。

と言われれば、もうわかるでしょう。前述したとおり、借りたい銀行にあずけるということです。日本公庫から借りたおカネがあれば、特定の銀行に対して「借りている金額以上にあずける」こともできます。

たとえば、A銀行から1,000万円を借りているいっぽうで、A銀行に300万円の預金をしているとして。ここで、日本公庫から1,000万円を借りて、A銀行にあずけるとしたらどうなるか。

A銀行からの借入は1,000万円、A銀行への預金は1,300万円です。こうなると、むしろ貸しているのは自社のほうだ、ということになります(銀行にとっては、預金が借入なので)。

だとすれば、こちらは「あるていど強気」の交渉もできるでしょう。金利の引き下げや、経営者保証の解除などについて、銀行の反応が悪いようなら「預金は他行に移します」といった具合です。

にもかかわらず、日本公庫からはまったく融資を受けていない会社もあります。これは、預金のあずけ方としてもったいないのはもちろん、いざというときのリスクが高まるのも問題です。

日本公庫のミッションは「民間金融機関の補完」であり、会社が民間金融機関からは借りにくいときほど、日本公庫からの融資が頼りになります。業績不振で赤字のときなどには、民間金融機関からは借りられなくても、日本公庫からは借りられたということはあるものです。

しかし、それも「ふだんからのお付き合い」があってこそだといえます。いざピンチになってから突然、「おカネを貸してください」といわれても、貸すほうは慎重になりますし、貸すにしても審査に時間がかかるのは当然です。早く借りたいのに借りられない…と、なってしまいます。

定期預金はしない

もしも、銀行から「定期預金をお願いします」といわれたらどうするか。銀行対応がわかる社長であれば、カンタンに受け入れることはありません。原則、定期預金は断るし、しないはずです。

預金は、銀行にとって安全性を高める効果があることは前述しました。だとすれば、銀行が定期預金をほしがる理由は想像できるでしょう。そうです、すぐには引き出せないようにして、預金を自行に固定させることに、銀行の狙いがあります。

事実、普通預金であれば、いつでも引き出すことができますが、定期預金はそうもいきません。解約の手続きが必要です。で、解約をしようとすると、あの手この手で引き止められることはありえます。

ひどい場合には、「いま解約されると、次回以降の融資に影響します(融資ができなくなる)」と、なかば脅しともとれるようなことを言われるケースも、それほど珍しくはありません。そこまで言われて解約できるかどうかは、イメージしておいたほうがよいでしょう。

いやムリだ、そこまで言われたら解約はできない…というのであれば、はじめから定期預金などしないことです。

金利のある世界を前に、定期預金の金利も上がってきました。それを売り文句にして、定期預金を勧める銀行もあります。ですが、上がったといっても、金額に換算すれば知れています。仮に、1,000万円を0.2%の金利であずけるとどうなるか。

2万円です。その2万円と引き換えに、1,000万円が使えない状態になるのだとしたら…自社の資金繰りを考えたときに、どちらがよいかは言うまでもありません。借りたい銀行に預金をあずけましょうと言いましたが、それは普通預金であずけてこそです。

まとめ

銀行対応がわかる社長は、預金のあずけ方を知っています。同じ預金をあずけるでも、あずけ方しだいで、融資の受けやすさや融資条件の良し悪しが変わることを理解しておきましょう。

銀行対応がわかる社長は預金のあずけ方
  • 借りたい銀行に預ける
  • 日本公庫を活用する
  • 定期預金はしない
]]>
銀行が会社のSNSで見ていること https://useacc.com/2024/03/14/banks-are-watching-company-social-media/ Wed, 13 Mar 2024 23:30:34 +0000 https://useacc.com/?p=42452

企業がSNSを活用するのがあたりまえの時代になりました。その投稿内容を、銀行も関心をもって見ています。結果、融資の可否や、融資条件の良し悪しに影響することを理解しておきましょう。 中小企業こそSNSの活用を。 ひと昔前と […]]]>

企業がSNSを活用するのがあたりまえの時代になりました。その投稿内容を、銀行も関心をもって見ています。結果、融資の可否や、融資条件の良し悪しに影響することを理解しておきましょう。

中小企業こそSNSの活用を。

ひと昔前とは違って、企業がSNSを活用するのがあたりまえの時代になりました。大企業ばかりではなく、何かしらのSNSを利用している中小企業は少なくありません。むしろ、中小企業こそSNSを活用すべきとさえいえるメリットがあります。

それはさておき、会社のSNSを「銀行が関心をもって見ている」のはご存知でしょうか。つまり、SNSの投稿内容が「銀行融資の可否」や「融資条件の良し悪し」に影響しうるということです。

だとすれば、投稿するにあたって気をつけるべきこともありますし、積極的に投稿すべきこともあるわけで。社長は、そのあたりのところも押さえておくのがよいでしょう。

では、銀行が会社のSNSで見ていることとは?おもなところでは次のとおりです↓

銀行が会社のSNSで見ていること
  • 社長の資質
  • 会社の評判
  • 新規融資先

それではこのあと、順番に確認をしていきます。

銀行が会社のSNSで見ていること

社長の資質

銀行が見ているのは、企業アカウントのSNSだけではありません。社長個人のアカウントについても注目をしています。たとえば、Facebookです。基本的に実名で利用されるSNSであり、誰でも検索が容易であるため、銀行員もよく見ているようです。

実際、社長の投稿内容を、銀行員から話題にされるケースを見聞きします。「Facebookで、社長が投稿されていた〇〇についてなのですが…」みたいな。

と聞いて、ドキッとした社長は気をつけましょう。個人のアカウントだからといって、「ルーズな投稿」をしていると、銀行からは社長の資質を疑われてしまいます。

よくないものでいえば、お客さまの悪口、会社・事業のグチ、銀行への不満など。また、おカネ使いが荒く見えてしまうような投稿もよくありません。

毎日のように、豪華な外食のようすを投稿していると、会社のサイフと個人のサイフがごっちゃになっている(会社のおカネを個人の嗜好に使っている)ことをイメージしてしまう…という、銀行員のお話を聞いたことがあります。

個人のアカウントでいえば、社員のSNSにも注意が必要です。近年、社員のコンプラ違反がSNSであきらかとなり、問題になるニュースも増えています。ひとたびニュースになれば、イメージの悪化は避けられず、融資審査にも多かれ少なかれ悪影響が及ぶでしょう。

だとすれば、会社は、社員個人のSNSについても、最低限のルールは設けておくのがおすすめです。

つまり、「社員としての責任や自覚をもって発信をすること」や「公序良俗に反する発信をしないこと」や「職務上知り得た情報や個人情報を発信しないこと」などを、SNS利用管理規程などとして定めることが、社員に対する牽制になります。

会社の評判

ここでいう評判とは、「自社商品・サービスに対する市場の評価」です。たとえば、商品・サービスの利用者による口コミ投稿があります。銀行が、融資先の会社名や商品名などでSNSを検索すれば見つけれられるものであり、実際に見てもいるそうです。

また、企業アカウントについては、フォロワー数も「会社の評判」にあたります。フォロワー数が多ければ、それだけファン(お客)が多いということであり、情報や商品をリーチするチカラが大きいということです。

ゆえに、融資審査にあたり、フォロワー数が注目されて、プラスの評価を得たケースもあります。だとすれば、銀行が見ていないときには、会社のほうからアピールすることも大切です。

つまり、会社におけるSNSの活用方針や実績(フォロワー数を含め)などを、銀行に伝えるということです。会社の「実力」の1つでありながら、決算書や試算表からは読み取れない部分であり、銀行が見落としていることもあります。

なお、自社がメディアで取り上げられたときには、その内容をSNSでも積極的にシェアしていくのがよいでしょう。フォロワーの目に止まるのはもちろん、銀行の目にも止まる可能性があります。

SNSでの投稿がきっかけで、いままで取引のない銀行が営業にやってくる、ということはあるものです。この点、せっかく企業アカウントがあるのに、活用が不十分な中小企業もあります。

銀行にも見られていることもふまえて、あらためて活用方法を検討してみるとよいでしょう。

新規融資先

さきほど、銀行は社長個人のアカウントについても、SNSを見ているといいました。このとき、銀行が見ているものは「社長の資質」だけではありません。その社長が「誰と繋がっているか」にも注目をしています。

たとえば、Facebookで社長と密なコミュニケーションをしている相手は、社長と仲がよいということであり、相応の信頼関係があるということです。では、その相手が「良さげな会社の社長」であったとしたらどうでしょう。

つまり、商売がうまくいっていそうな会社であり、銀行としては新規融資ができたらいいなぁと考えるような会社の社長であれば、銀行は「紹介してほしい」と考えます。

なので、銀行からは「Facebookを拝見しました。お付き合いのある〇〇社長をご紹介いただけませんか?」などといわれることもあるわけです。もちろん、紹介したからといって、自社に直接的な得はありませんが、銀行から感謝をされたり、心象がよくなることはあるでしょう。

何にせよ、銀行は社長が「誰と繋がっているか」にも注目していることを忘れてはいけません。繋がっている相手がもし、「良からぬ相手」であれば、自社の評価を下げることにもなります。

わかりやすい例でいえば、ガラの悪そうな人とガラの悪そうな言葉づかいでメッセージのやりとりをしているとか…すると、銀行としては商売への影響を考えて不安になるものです。

ゆえに、社長個人のアカウントは、「完全なプライベート」とはいえません。会社の代表者として、会社のいちぶ(というか大部分)として見られていることを覚えておきましょう。少なくとも、銀行はそのような見方をしています。

今後、AIによる銀行の審査が拡大すれば、SNSをはじめとしたネット上の情報は、すべからく評価の対象です。いまは見逃されていても、AIは見逃しません。いまのうちから、銀行対応としてのSNSについても準備を進めましょう。

まとめ

企業がSNSを活用するのがあたりまえの時代になりました。その投稿内容を、銀行も関心をもって見ています。結果、融資の可否や、融資条件の良し悪しに影響することを理解しておきましょう。

銀行が会社のSNSで見ていること
  • 社長の資質
  • 会社の評判
  • 新規融資先
]]>
借入金が月商の6倍を超えていると危ないのか? https://useacc.com/2024/03/13/loans-are-6-times-the-monthly-sales/ Wed, 13 Mar 2024 04:36:22 +0000 https://useacc.com/?p=42427

ちまたには、借入金が月商(年間売上高÷12)の6倍を超えていると危険だ、という目安がありますが。実際にはそうとも言い切れない、むしろ、その考え方のほうが危険だというお話をします。 借入金月商倍率だけを見るほうが危険 会社 […]]]>

ちまたには、借入金が月商(年間売上高÷12)の6倍を超えていると危険だ、という目安がありますが。実際にはそうとも言い切れない、むしろ、その考え方のほうが危険だというお話をします。

借入金月商倍率だけを見るほうが危険

会社の決算書について、「借入金が多すぎるのは危ない」というハナシがあります。いわゆる過剰債務であり、だとすれば倒産の兆候ともいえる。みたいなハナシです。

この点、借入金の多少をはかる指標として「借入金月商倍率」があります。算式であらわすと次のとおりです↓

借入金月商倍率 =「借入金 ÷(年間売上高 ÷ 12)」

このとおり、借入金が平均月商(年間売上高 ÷ 12)の何か月分あるのかをあらわしています。そのうえで、借入金月商倍率が「3倍以内であれば安全、6倍を超えるようなら危険」というのが、一般的な目安です。

たしかに、6倍といえば「借入金が年間売上高の半分もある」のですから、危険におもえます。事実、借入金月商倍率を目安に、過剰債務の心配をされる社長もいます。

結論、借入金月商倍率が6倍を超えているからといって、必ずしも過剰債務とはいえず、必ずしも危ないわけではありません。借入金月商倍率は見るべき指標のひとつではあるものの、それだけをもって、借入金の多少をはかるものではない、ということです。

むしろ、借入金月商倍率だけを見るという、その見方のほうが危険だともいえます。では、借入金月商倍率のほかに何を見ればよいのか?

預金と経常運転資金を引いてみる

借入金がいくらあるかは、決算書や試算表の「借入金」を見ればわかります。では仮に、借入金の額が1億円、年間売上高も1億円の会社があったとしてみましょう。

借入金月商倍率でいえば12か月です。これはもう、メチャメチャにヤバいんじゃないの?と、おもわれるかもしれませんが、預金も1億円あったらどうでしょう。

預金=借入金であり、預金でいつでも借入金を完済できるのですから、借入金は無いのといっしょです。だとすれば、全然ヤバくはないんじゃね?と考えることもできるはずです。

いやいや、そんな会社あります?ともおもわれるかもしれませんが。この手の「バランス」の会社を、わたしは実際に目にしています。「預金 ≒ 借入金 ≒ 年間売上高」の会社は、実際に存在するのです。

これは、借入金月商倍率が6倍を超えてもなお、銀行からの借入は可能だということでもあります。

なので、「預金 ≒ 借入金 ≒ 年間売上高」ほどまでに預金はないにしても、「預金は借入金から差し引いてみる」という考え方はもっておくようにしましょう。でないと、本当は過剰債務ではないのに、借入金が多いだけをもって過剰債務との誤解をしてしまいます。

さらに、借入金から差し引いてみるものとして「経常運転資金」が挙げられます。経常運転資金とは「売掛金+棚卸資産−買掛金」で計算される金額です。決算書や試算表を見ながら、計算してみましょう。

たとえば、借入金が5,000万円、経常運転資金が2,000万円であれば、「5,000万円−2,000万円=3,000万円」が、実質的な借入金だという見方になります。

なぜ、そんな見方ができるのか?まずは、経常運転資金のうち売掛金と棚卸資産に注目してみましょう。これらはどちらも、近いうちに現金化される金額です。売掛金は売上代金の未回収額であり、棚卸資産は未販売の在庫をあらわしています。

というわけで、近いうちに現金化されるのであれば、現金といっしょ。だとすれば、さきほど、借入金から預金を差し引いたのと同じです。経常運転資金分の借入金は無いものとして、借入金から差し引いて考えることになります。

なお、経常運転資金の算式で買掛金をマイナスしているのは、買掛金が売掛金とは逆のものだからです。仕入代金の支払いを待ってもらっている金額なので、売掛金と相殺をするという考え方になります。

以上をふまえて、借入金については、預金と経常運転資金を差し引くという見方を覚えておきましょう。これを知らずに、借入金だけを見ていると、過剰債務を見誤ります。

インタレスト・カバレッジ・レシオも見てみよう

過剰債務の見極め方として、もうひとつ。インタレスト・カバレッジ・レシオについても、押さえておきましょう。といわれても、インタレスト・カバレッジ・レシオって何!?と、驚いてしまうかもしれません。たしかに、大仰な名称です。

インタレスト・カバレッジ・レシオとは、算式であらわすと「営業利益 ÷ 支払利息」になります。つまり、営業利益は支払利息の何倍あるのですか?という指標です。

結論、2倍以上が安全の目安であり、1倍未満は危険だと見られます。1倍未満ということは、営業利益(売上高−売上原価−販売管理費)では、支払利息をまかなえない…ということです。結果として、経常利益(営業利益−支払利息)は赤字になります。

だとすれば、自社の稼ぐチカラ(営業利益)に対して、支払利息が多すぎる。支払利息が多すぎるのは、借入金が多すぎるからだ。これこそまさに、過剰債務だ!となるわけです。

逆に、インタレスト・カバレッジ・レシオがじゅうぶん(2倍以上)なのであれば、借入金が多いことのみをもって過剰債務とはいえない、という見方もできるでしょう。

過剰債務というと、貸借対照表(借入金の残高)ばかりを見ているケースが少なくありませんが、あわせて損益計算書(営業利益と支払利息)も見ることが大切です。

なお、インタレスト・カバレッジ・レシオが1倍未満だからといって、すぐに「借入金が多すぎる!」と考えるのも尚早だといえます。借入金が多い(支払利息が多い)のではなく、稼ぐチカラが弱すぎるかもしれないからです。

売上総利益率(売上総利益÷売上高)や営業利益率(営業利益÷売上高)の推移にも目を向けて、それぞれの利益率を高めるにはどうしたらよいかも、考えるようにしましょう。黙っていると、物価高騰や人件費高騰の影響を受けて、利益率は下がり続けてしまう時代です。

この点、いわゆるゾンビ企業の定義として、「インタレスト・カバレッジ・レシオが1未満の状態が3年以上続く」というものがあります。ゾンビ企業とは、借入金が多い会社をいうのではなく、稼ぐチカラがない会社であることを理解しておきましょう。

まとめ

ちまたには、借入金が月商(年間売上高÷12)の6倍を超えていると危険だ、という目安がありますが。実際にはそうとも言い切れない、むしろ、その考え方のほうが危険だというお話をしました。

借入金の多少、つまり、過剰債務かどうかを考えるのであれば、預金や経常運転資金、インタレスト・カバレッジ・レシオなどにも目を向けてみるようにしましょう。

]]>
ステータスになる銀行借入いろいろ https://useacc.com/2024/03/12/bank-loan-status/ Mon, 11 Mar 2024 22:50:43 +0000 https://useacc.com/?p=42399

銀行借入できること自体、信用でもありますが。なかでもとりわけ、ステータスになる銀行借入はあるものです。それはいったい、どのような銀行借入なのか。お話をしていきます。 借金も信用になる 銀行借入とひとくちにいっても、いろい […]]]>

銀行借入できること自体、信用でもありますが。なかでもとりわけ、ステータスになる銀行借入はあるものです。それはいったい、どのような銀行借入なのか。お話をしていきます。

借金も信用になる

銀行借入とひとくちにいっても、いろいろあります。つまり、いろいろな融資商品があり、いろいろな借りかたがある、ということです。

そんな銀行借入について、「ステータスがある」といったら驚かれるでしょうか。いうなれば借金でありながらも、そのいっぽうで、「対外的な信用」になる借入もあるのです。

もっとも、銀行借入できること自体、信用でもあるわけですが、なかでもとりわけ、ステータスとして機能する銀行借入を取り上げてみたいとおもいます。次のとおりです↓

ステータスになる銀行借入いろいろ
  • プロパー融資
  • 経営者保証なし
  • 当座貸越
  • 商工中金
  • 社債(私募債)

このあと、順番に確認をしていきましょう。

ステータスになる銀行借入いろいろ

プロパー融資

民間金融機関からの融資は、大きく2つに分かれます。信用保証協会の保証付き融資と、プロパー融資です。前者は文字どおり、信用保証協会の保証が付いている融資であり、会社が返済できないときには、信用保証協会が代わりに銀行に返済をすることになります。

ゆえに、保証付き融資は、銀行にとってリスクが小さく貸しやすい融資です。いっぽうのプロパー融資には、信用保証協会の保証はありません。会社が返済できないときには、銀行が100%の損をこうむることになります。銀行にとっては、リスクが大きく貸しにくい融資です。

ということは…それでもプロパー融資を受けられる会社には、相応の信用があることがわかるでしょう。事実、プロパー融資は「良い会社」の証でもあります。では、良い会社とは?

端的にいえば、業績が良い会社です。継続的に利益が出ていて、自己資本が厚く(利益剰余金が多い)、現金預金の残高もじゅうぶんである(平均月商の2か月分以上)。そんな会社です。

たとえば、A銀行からプロパー融資を受けることができれば、B銀行からもプロパー融資を受けやすくする効果があります。プロパー融資は、ステータスになるからです。

というわけで、まずは自社の業績を良くすること、そのうえでタイミングを見て、プロパー融資を銀行に依頼してみましょう。銀行は、保証付き融資で貸したいものなので、こちらから依頼をすることもポイントになります。

経営者保証なし

保証付き融資もそうですが、銀行はできるだけリスクを小さくすることを考えます。その手段の1つが「経営者保証」です。つまり、融資をするにあたり、社長に連帯保証を求めることになります。社長としては、なければないほうがよいものです。

では、どうしたら経営者保証なしにできるのか?端的にいうと、これまた「業績が良い会社」ということになります。であれば、銀行としてもリスクが小さくなるからです。

これに対して、業績が悪い会社はどうでしょう。銀行としては、回収不能リスクが高まることから、おいそれと経営者保証をなしにするわけにはいきません。ゆえに、経営者保証なしで融資を受けられることは、ステータスになるのです。

そんな経営者保証については、潮目が変わりつつあります。以前は、経営者保証ありがあたりまえであったところ、最近では、新規融資の半分ていどが経営者保証なしになっている、ということはご存知でしょうか(金融庁から公表されています)。

業績が良い会社にとっては、経営者保証を外す好機です。ぜひ、銀行に依頼をしてみましょう。プロパー融資と同様に、1つの銀行が経営者保証を外してくれれば、その実績をもって、ほかの銀行にも経営者保証を外してもらう交渉がしやすくなります。

当座貸越

当座貸越とは、銀行が決めた限度額の範囲内であれば、自由に借りたり返したりができる借りかたです。よって、銀行から当座貸越を認めてもらえれば、借入の自由度が上がり、会社は資金繰りがラクになります。

ところが、銀行から見れば「貸しっぱなし」になることもあるため、リスクが高い融資です。であれば、やはり「業績が良い会社」が前提になるとわかるでしょう。銀行のほうから、わざわざ当座貸越をすすめてくることは少ないので、業績の良い会社はこちらから依頼することが大切です。

当座貸越を認めてもらうことができたら、ほかの銀行にもアピールをしていきましょう。具体的には、当座貸越を利用して借入をするということです。逆に、当座貸越を認めてもらったのに、まったく利用せずにいると、ほかの銀行には当座貸越の存在がわかりません。

この点、とくに決算日には、当座貸越を利用して借入をしておくのがおすすめです。すると、決算書(勘定科目内訳明細書)にも記載されるため、ほかの銀行の目にも止まることとなります。

なお、当座貸越は基本的に「経常運転資金」が対象です。経常運転資金とは「売掛金+棚卸資産ー買掛金」で計算される金額であり、いわゆる現金商売の会社には存在しません。が、最近では、経常運転資金がないような会社であっても、当座貸越を利用できるケースが散見されます。

業績が良い会社は、ひとまず銀行に依頼をしてチャレンジするのがよいでしょう。

商工中金

政府系金融機関の1つに、商工中金(商工組合中央金庫)があります。その商工中金から借入をしていることも、ステータスになります。ほかの銀行から見ると、「商工中金から借りられるほどの良い会社」として信用になる、ということです。

そもそも、商工中金は「あるていどの規模感がある会社」が対象になります。目安として、年間売上高が5億円以上、1回の借入が3,000万円以上です。規模の大きさも、良い会社かどうかをはかる指標ではあります。

また、規模感だけではなく、商工中金は数字に対してもシビアです。業績の良し悪しについてはもちろん、粉飾決算に対する厳しさにも定評があります。つまり、粉飾決算をしているような会社は、商工中金から融資が受けられない(業績が良くても)ということです。

誤解を恐れずにいえば、商工中金に比べると、ほかの金融機関は粉飾決算に対する甘さがあります。少々の粉飾であれば、とくにおとがめなしで借入できている…というケースもあるでしょう。

ですが、商工中金から借入をしたいのであれば、それは通用しないものと考えなければいけません。だからこそ、商工中金から借入をすることが、ほかの銀行に対してステータスにもなるのです。

会社が相応の規模感になったら、ぜひ、商工中金からの借入にもチャレンジしましょう。

社債(私募債)

銀行から、社債の提案をされることがあります。ここでいう社債とは、銀行が引受人となる私募債です。銀行借入とは異なりますが、資金調達の手段としては同じことであり、銀行からおカネを借りている点では変わりありません。

その社債を会社が利用するメリットとして、ステータスが挙げられます。社債を発行するには「一定の条件(適債基準)」があるため、社債を発行できる(銀行が引き受けてくれる)くらい良い会社だ、というアピールになるのです。

ちまたで見られる社債発行のプレスリリースなどは、そのアピールが目的となります。が、いっぽうで、社債の利用にはデメリットもあります。いちばんは、手数料の高さです。

社債を発行するにあたって、銀行は会社に対して手数料の支払いを求めます。加えて、社債利息の支払いもあるのですから、その負担がいかほどかを把握することが大切です。つまり、同じ金額を通常の融資で借りた場合の負担と、どちらが「割安」なのか。

通常の融資のほうが割安なのであれば、わざわざ社債を利用する必要はないという考え方もあるでしょう。そのうえ、社債の提案をされるくらい良い会社であれば、わざわざ社債でアピールをせずとも、すでにじゅうぶんな融資を受けられるだけの信用があるともいえます。

したがって、基本的には社債の利用はおすすめしないのが私見です。

まとめ

銀行借入できること自体、信用でもありますが。なかでもとりわけ、ステータスになる銀行借入はあるものです。それはいったい、どのような銀行借入なのかについてお話をしました。

自社の信用を上げて、より銀行借入しやすくするためにも、ステータスになる銀行借入を目指してみるのはいかがでしょうか。

ステータスになる銀行借入いろいろ
  • プロパー融資
  • 経営者保証なし
  • 当座貸越
  • 商工中金
  • 社債(私募債)
]]>
財務改善の優先順位、決算書のどこをどう見る? https://useacc.com/2024/03/11/priorities-for-financial-improvement/ Sun, 10 Mar 2024 23:08:11 +0000 https://useacc.com/?p=42393

社長にとって、財務改善は大事な仕事の1つです。とはいえ、財務改善とはどのように進めればよいのか。財務改善の優先順位について、決算書のどこをどう見るかをお話ししていきます。 経理と財務の違いとは 経理と財務、という言葉があ […]]]>

社長にとって、財務改善は大事な仕事の1つです。とはいえ、財務改善とはどのように進めればよいのか。財務改善の優先順位について、決算書のどこをどう見るかをお話ししていきます。

経理と財務の違いとは

経理と財務、という言葉があります。このうち、経理は「過去」のおカネを扱う手段であり、財務は「未来」のおカネを扱う手段です。

だとすれば、決算書をつくることは経理の延長であって、財務ではありません。いっぽうで、決算書の内容をもっと良くしようと考えるのであれば、それは財務だといえます。

もちろん、決算書をもっと良くするのは重要なことであり、それを「財務改善」と呼ぶのであれば、社長はいったい、どのように財務改善を進めればよいのか?

決算書を見れば、たくさんの勘定科目が並んでいるし、どこを優先的に改善していけばよいのかわからない。決算書のどこをどう見ればいいのかもわからない…

との悩みは、ときおり見聞きするところです。というわけで、このあと、財務改善の優先順位についてお話をしていきます。具体的には、次のとおりです↓

財務改善の優先順位
  1. 預金を増やす
  2. 利益を増やす
  3. 借入を増やす
  4. 自己資本を増やす
  5. 事業に投資する

それでは、順番に確認をしていきましょう。

財務改善の優先順位

1.預金を増やす

財務改善をはじめるうえで、まず確認すべきは「預金残高」です。決算書であれば、勘定科目「預金」の金額を確認してみましょう。目安としては、「平均月商(年間売上高÷12か月)の2か月分以上あるか」どうかです。そこが、最低ラインになります。

最低ラインをクリアしていれば、次に目指すのは「平均月商の3か月分」です。そのうえで、最終的には「平均月商の6か月」を目指します。

おカネ(預金)が尽きたときが会社のおしまいなのですから、「平均月商の2か月分」の預金は確保しておきたいところです。加えて、平均月商3〜6ヶ月分の預金があると、事業の維持・成長がよりスムーズになるでしょう。

この点、社長が預金をあまり見ていないことは、意外とあるものです。つまり、預金残高に対する目標がない。あるべき預金残高の目安を持てていない。結果、預金が過少になっている会社は少なくありません。

2.利益を増やす

では、預金残高を増やすにはどうしたらよいのか?真っ先に思い浮かべるのは、利益を増やすことでしょう。ところが、実際には利益を減らそうとする社長がいるのが現実です。

なぜなら、利益を増やすと税金が増えるから。すると、税金を減らすために利益を減らそうとする社長もいるわけです。節税も否定はしませんが、まずは前述した「預金を増やす」ことをかんがえましょう。節税するらならそのあとです。

なので、いまの預金残高が、平均月商の6か月分を超えているかどうか。超えていないのであれば、節税をするよりも、出せる利益はおしまず出して、税金を納めることをおすすめします。

いやいや、そんなもったいない…と、おもわれるかもしれませんが。実は、節税をするほうがもったいないことも理解しておきましょう。たとえば、税率30%で100万円の利益だとすれば、税金を納めたあと、手元に残るおカネは70万円です(利益100万円−税金30万円)。

ここで、税金30万円を嫌って、経費を100万円増やしたらどうでしょう。利益はゼロなので、税金はゼロになりますが、手元に残るおカネもゼロになってしまいます。これでは、預金も増えません。

3.借入を増やす

財務改善の優先順位は、まず預金だといいました。その預金を増やすには、利益を増やすことだともいいました。とはいえ、利益だけで預金を増やすにも限界があります。

平均月商の3か月分、6か月分の預金を貯めようとおもうとなおさらです。ではどうするか?

借入を増やすことを考えましょう。銀行から借入をすることで、預金残高を増やすのです。というと、「借金をするのはイヤ、借金が増えるのはイヤ」という社長がいます。

気持ちはわかりますが、財務は感情ではなく、勘定で考えましょう。借入をしたからといって、借金だけが増えるわけではありません。借金の額と同額の預金が増えるのですから、その借金はないのといっしょです。

利息がもったいないとおもわれるかもしれませんが。わずかな利息を惜しむあまり、手元の預金が過少となり、社長が資金繰りに奔走しているようでは、余計に高くつきます(社長の報酬を時間給に換算したら…)。

また、借入は信用の証でもあるのです。1億円の借入がある会社は、1億円の借入ができるほどの信用がある会社だということでもあります。だとすれば、その信用を商売に活かすこともできるはずです。借入を「単なる借金」とは考えないようにしましょう。

なお、銀行から借入をするためには、利益が必要です。銀行には「利益=返済力」という見方があります。ゆえに、財務改善の優先順位としては、「利益を増やす」ことが先になるのです。

4.自己資本を増やす

自己資本とは、決算書(貸借対照表)でいうと「純資産」にあたります。もう少し具体的にいうと、「資本金+利益剰余金」です。自己資本とは、誰にも返す必要のないおカネをあらわすものであり、自己資本は多いほうがよいとの見方があります。

指標としては、自己資本比率(自己資本÷総資本)が有名です。自己資本比率を高めましょう!というハナシは、聞いたことがあるでしょう。ですが、前述したように「借入を増やす」と、自己資本比率が下がってしまいます。

これを嫌って、借入を避ける社長はいるものです(繰り上げ返済をしたがるとか)。が、優先順位を考えましょう。まずは、借入を増やすほうが先です。預金を増やすために、借入を増やしましょう。自己資本を増やすのであれば、そのあとです。

この順序が逆になると、預金が過少になります。自己資本比率が高くても、資金繰りが厳しいのでは、なんのための財務改善かわかりません。

もちろん、自己資本比率が低すぎるのも問題ですが。10%を切らないようにすること、できれば20%くらいは確保できるとよいでしょう。そのうえで、じゅうぶんな預金を持てるようになったら、最終的には30%超えを狙います。

もっとも、前述した「利益を増やす」という改善に取り組む限り、利益剰余金が増えますから、おのずと自己資本比率は高まるものです。

5.事業に投資する

ここまで、4つの財務改善についてお話をしました。結果、預金も増やした、利益も増やした、借入も増やした、自己資本も増やした。では、どうするか?

ここからは、「より積極的」に事業に投資をしていきましょう。将来の利益を増やすための、設備投資や、人材育成、商品開発などに関する投資を増やしていく、ということです。

4つの財務改善をおえたあとであれば、手元には潤沢な預金もあるはずですから、積極的な投資もしやすくなります。逆に、手元におカネがなく、事業に投資ができなくなると、いまはよくても将来はジリ貧となるのが問題です。

目安としては、平均月商3〜6か月分の預金残高を維持しながら、事業に投資をしていく(おカネを使っていく)ことになります。ポイントは「預金残高を維持」です。

そのためには、やはり借入を活用することになります。そのうえで、平均月商の6か月分の預金残高を超えて、預金が増えていく(=利益が増えている)というのであれば、そのときは預金残高を維持しながら借入を減らしていくのがよいでしょう。

くれぐれも、借入を減らすのが早すぎることがないように。優先順位の間違いに、注意が必要です。

まとめ

社長にとって、財務改善は大事な仕事の1つです。とはいえ、財務改善とはどのように進めればよいのか。悩まれるようであれば今回のお話を参考に、財務改善の優先順位について、決算書のどこをどう見るかを押さえておきましょう。

財務改善の優先順位
  1. 預金を増やす
  2. 利益を増やす
  3. 借入を増やす
  4. 自己資本を増やす
  5. 事業に投資する
]]>
週刊メルマガ50号・延べ50万字という通過点 https://useacc.com/2024/03/10/weekly-e-mail-magazine-no50/ Sat, 09 Mar 2024 23:42:52 +0000 https://useacc.com/?p=42364

週刊メルマガの配信が50号を迎え、延べ50万字のボリュームとなりました。それはそれで、1つの通過点です。というわけで、現状について考えていることをお話ししてみます。 週刊メルマガ50号・延べ50万字、祝? 2023年4月 […]]]>

週刊メルマガの配信が50号を迎え、延べ50万字のボリュームとなりました。それはそれで、1つの通過点です。というわけで、現状について考えていることをお話ししてみます。

週刊メルマガ50号・延べ50万字、祝?

2023年4月に、週刊メルマガ(note)をスタートしました↓

そして、きょう(2024年3月10日)が、第50号の配信になります。毎週日曜日の定期配信は、9,000字強のボリュームであり、毎週水曜日の臨時配信は2,000字前後です。あわせて、1万字を軽く超えることから、50号の配信をおえたいまでは延べ50万字ということになります。

ビジネス書に換算すれば、5冊分くらいのボリュームがあるわけで。その点では、「書きも書いたり」といったところでしょう。

ちなみに、本週刊メルマガの購読は「有料(月額980円)」です。では、50万字を執筆するにあたって、採算はとれているのか?といわれれば。何をもって採算というかではあるものの、時給換算すれば、割のよい仕事にはいたっていません。

と聞いて、「えー、1年もたつのに大丈夫なの?」とか、「続ける意味ある?」という考え方もあるでしょう。わたし自身、それは考えもします。

が、それでも、いまなお継続しているのはなぜなのか。そのあたりのところをお話ししてみようかとおもいます。週刊メルマガに限らず、なかなか軌道に乗らない仕事をどう考えるか、という点では「汎用性」もある話です。

それでも週刊メルマガを継続している理由

チカラになりたいし、なれると信じているから

書くことで、誰かのチカラになりたい。と、考えています。好きなことを書いているだけだろう、といわれればそれまでですが。それでも、誰かのチカラになりたいとの思いがあります。

この点、メルマガの発刊からずっと、購読を続けてくださっている方がいるのも事実です。だから、わたしは思いや希望だけではなく、誰かのチカラになれると信じてもいます。

その信じる気持ち、いうなれば「確信」が、それでも週刊メルマガを継続する理由になっているといってよいでしょう。でも、確信だなんて思い上がりなんじゃないの?と、おもわれるかもですが。

自信がないよりはマシかなぁ、というのが私見です。自信がないものを続けるのは難しいものですし、自信がなければ迫力も出ません。迫力がなければ、伝えたいことも伝わらない。

迫力といっても、目に見えてわかる大胆なものばかりではありません。目には見えずとも、物静かな立ち居振る舞いではあっても、おのずと立ちあらわれる迫力もあるでしょう。

言い換えると、迫力とは「説得力」のようなものです。自信がなければ、説得力が出ないことはわかりますよね。なので、わたしは書くうえで、「自信」は大事な要素だと考えるようになりました。

というわけで、「なりました」といっているくらいですから、その昔は、そうではなかったということです。書き続けているうちに、ようやく気づいた。そういうことです。

それはそれとして。「誰かのチカラになりたい」という思いは、わたしにとって「仕事をする意味」でもあります。その思いがなくなるようなら、仕事のやめどきでしょう。

ひるがえって、思いある限りは書き続けたいし、書き続けられるはずだと考えています。

なにごとにも、相応の時間はかかるから

週刊メルマガは、はじめてから約1年だといいました。それでも、採算(時給換算的な面で)はとれていない。これを、「もう1年もたっているのに…」と考えるか、「まだ1年しかたっていない」と考えるか。

もはやいうまでもありませんが、わたしは後者です。なにごとにも、相応の時間がかかる。これは、わたしの経験則の1つであり、ものごとに取り組むときの覚悟にもなっています。

平たくいえば、ちょっとやってみて「できませんでしたー」などとサジを投げるのは早すぎる。ちょっとやってみたくらいでできるのであれば、誰も苦労はしないのです。

とはいえ、時間をかけることが目的なのではありません。早くできるようになるのが、いいに決まっています。ですが、時間をかけなさすぎるうえに、あきらめるのが早すぎるという傾向があるので気をつけましょう。という、注意喚起のハナシをしています。

わたし自身、8年前にはじめたブログから、いまではいろいろな仕事につながりました。最近では、単著で出版をさせていただくこともできました。でも、「最近」です。

ハタから見たら、8年もかかってやっとかい!とおもわれるかもしれませんが、それくらいかかる人もいるし、それくらいかければできる人もいる、ということでもあります。

なにごとにも、「相応の時間」はかかるといいました。ここでいう「相応の時間」が、具体的にどれくらいなのかは、人それぞれです。もっといえば、ものごとによってケースバイケースです。

その時間を、正確に言い当てることはできない以上(たぶん、言い当てられる人はいない)、「あきらめるのが早すぎる」のを、いかにして避けるかが重要になります。

だから、わたしは「なにごとにも、相応の時間はかかる」と、じぶんに言い聞かせているのです。週刊メルマガについては、まだ1年。もう1年というのは、まだ早い。

書くことが好きだから

極論、書くことが好きだから、書き続けている。これを否定することはできません。前述の週刊メルマガのほかにも、もう1つメルマガを書いていますし(週3回発行)、このブログも書いています。

いろいろあわせると、1週間に「最低でも4万字」は何かしらを書いている。このボリュームは、おそらく少数派の部類でしょうし、「税理士」に限定すれば、極めて少数派になるでしょう。

だから何?といわれると困るのですが。じぶんのポジショニングやブランディングという観点では、少数派であることが役立つことはある。そういうハナシであり、実際にわたし自身、書くことを売りにしています。

という前提があると、良くも悪くも採算度外視という一面はあるものです。もちろん、これは書くことに限りません。じぶんのなかにある、何かしらの「好き」を活かせば、行動をし続ける原動力になるはずです。

ところで、「好きなことは仕事にしないほうがいい」とのハナシもあります。これについて、わたしがおもうのは、「好きなことだけを仕事にしないほうがいい」ということです。

嫌いなこともやれ!というわけではありませんが、わたしもまた、書く以外の仕事もしています。別に嫌いなわけではありませんが、一番好きなのは書く仕事です。

だとすれば、書く仕事だけでやっていくのが幸せそうではありますが。書く仕事1本で生計を立てるのもカンタンではありませんし、逃げ場がなくて息が詰まる状況にもなりそうです。

だから、好きなことだけを仕事にはしない。でも、好きなことを仕事にすることをあきらめない。本当に好きなことであれば、そうカンタンにはあきらめないだろうともおもっています。

ウラを返せば、カンタンにあきらめるようなことは、本当の好きではなかった…ということです。

まとめ

週刊メルマガの配信が50号を迎え、延べ50万字のボリュームとなりました。それはそれで、1つの通過点です。というわけで、現状について考えていることをお話ししてみました。

週刊メルマガに限らず、なかなか軌道に乗らない仕事をどう考えるか、という点では「汎用性」もある話かとおもいます。ご参考になるようでしたら幸いです。

]]>
天然温泉 満天の湯/熱波に踊れ、おすすめは平日・偶数日の朝8時 https://useacc.com/2024/03/09/manten-no-yu-neppa/ Sat, 09 Mar 2024 00:47:37 +0000 https://useacc.com/?p=42338

天然温泉 満天の湯(神奈川県・横浜市)に通っています。サウナ好きなら、ハマるであろうスーパー銭湯です。とくにおすすめは、平日の朝8時。なぜなら、サウナ室のなかで「熱波」が行われるから。そのあたりをレポートします。 キーワ […]]]>

天然温泉 満天の湯(神奈川県・横浜市)に通っています。サウナ好きなら、ハマるであろうスーパー銭湯です。とくにおすすめは、平日の朝8時。なぜなら、サウナ室のなかで「熱波」が行われるから。そのあたりをレポートします。

キーワードは、平日・偶数日の朝8時

こんにちは、サウナ好き税理士のモロトメジョーです。きょうも、サウナしてますか?

というわけで、3日に1回のペースでサウナ通いをしているわたしが、きょう紹介するのは「天然温泉 満天の湯(神奈川県・横浜市)」です↓

image1

場所は上星川駅の目の前、横浜駅からも相鉄線で10分ほどと好アクセスです。とは言いつつも、わたしはいつも、自宅から走って向かいます。だいたい5km弱、交通機関を使うよりも早いし、運動もできて一挙両得なので。

それはさておき。満天の湯は、いわゆるスーパー銭湯であると同時に、知名度が高いサウナ施設でもあります。つまり、サウナーであれば「行ったことがある」「名前は聞いたことがある」と答える人が多い、ということですね。

それなら、わざわざモロトメが紹介しなくてもよくね?と、おもわれるかもですが。というか、わたし自身もおもっていたりしたわけですが。しばらく通っているうちに、おすすめの「時間帯」があることに気づいちゃいました。

だったら、それをみなさまにもご紹介しよう!と、思いいたったしだいです。何といっても、満天の湯は基本的に混みます。人気施設だからです。それでも快適に、満天の湯の魅力をより満喫するにはどの時間帯がよいのか?

ずばり、「平日・偶数日の朝8時」がキーワードになります。それでは、詳しくレポートしていきます。

天然温泉 満天の湯を詳しくレポート

偶数日はテレビの音がオフ

さて、満天の湯のおすすめは「平日・偶数日の朝8時」といいました。このうち、「偶数日」について。つまり、毎月2日、4日、6日…が偶数日にあたります。で、偶数日は、サウナ室内のテレビの音がオフなのです。映像はあるけど無音。

これは、わたしの好みの問題ですが、サウナのときにテレビはいりません。むしろ、ないほうがいい。なので、サウナ室内にテレビがあって、大ボリュームだと残念な気持ちになってしまいます。この点、満天の湯の偶数日はいいよ。

音さえなければ、映像は見なければよいだけのハナシ。サウナハットを深くかぶって瞑想スタイルのわたしなので、音さえなければ、テレビがあるのはOKではあります。というわけで、テレビが苦手な方は、偶数日を狙っていきましょう。

タカをくくると熱波に沈む

では、満天の湯のサウナについて。まずは、サウナ室のようすから。全6段のタワーサウナです↓

image2
天然温泉 満天の湯 公式WEBサイトより引用

室温計は80℃前後と温めであり、アチアチ好きのわたしなどは「大丈夫かいな?」と不安になるものでしょう。ですが、1時間に2回のオートロウリュによって、湿度もあるため、体感温度はじゅうぶんに暖かくはあります。

また、全6段と高低差があるので、下段と上段とでは「別世界」です。この点、最上段は「だいぶ暖かい」といえます。それでもやっぱり、アチアチ好きには物足りないなぁ。と、そこでオートロウリュです。

毎時30分にはマイルドロウリュ、00分にはストロングロウリュが用意されています。その名のとおり、マイルドロウリュは、マイルドな熱さにしあがります。サウナストーンに注がれる水量が少ないのですね。

いっぽうで、ストロングロウリュはかなりの水量であり、かなりの熱さにしあがります。ロウリュに慣れていなかったり、熱いのが苦手な方が、うっかり最上段に座るようだと「地獄を見る」ので気をつけて。

でもね、わたしのようにちょっと壊れてくると、ストロングロウリュでさえも不足を感じるものです。まだだ、まだ足りねぇ。いつも何かに飢えているのです。そうとう壊れています。そして、相当に厨二病です。

ところが、満天の湯は、そんなわたしでさえも満たしてくれる。なぜなら、「熱波」があるから。熱波とは、ロウリュに加えて、強烈な風を送ることで、さらに室温や体感温度を上げていく手法であり、イベントです。こんな感じ↓

image3
天然温泉 満天の湯 公式Xより引用

というように、スタッフの方が大きなうちわで、熱風を送ってくれるのですね。サウナ室内を回って、利用者1人1人の前であおいでくれます。タイヘンなお仕事です。ありがたや、ありがたや。と、わたしは頭を垂れるのです。

にしても、画像だと、なんだかパリピ感もありますが。実際にはそんなことはありません。ヒャッホーい!とか叫んでいたり、叫ばなければいけないなんてことはないのでご安心を。静かに風を受ければよいのです。

そのとき担当のスタッフの方によりますが、2周のときもあれば3周のときもあります。また、室内への風の送り方もスタッフの方によって違いますので、そのあたりもお楽しみです。ロウリュも、そのときどきでさまざまなアロマ水と凝っています。

で、その熱波イベント。いまだに最上段には座れずにいます。上から2段めでも、ギリギリ感があるからです。くぅぅ…このわたしをもってしてもここまでか。と、いつも悔しい思いをしています。

ときおり、うっかり最上段に座ってしまった方が、熱波開始直後にあわてて下段に避難する光景を見かけます。いや、わかるよ、わかる。それは逃げたほうがいい。でも、いつの日か、その高みにわたしが座ってみせよう。

それはさておき、いちどに30人以上は入ることができるほどのサウナ室ですが、平日の夕方以降や、土日などはサウナ室の前に、入室待機の列ができることもめずらしくはありません。満天の湯は人気なのです。

熱波ともなれば、その人気はさらにであり、入室できないこともあるでしょう。そこで、平日の朝8時です。熱波イベントは、平日だと8時・17時・21時の3回。このうち、朝8時であれば、入室できる可能性がきわめて高いです。

5分くらい前であれば、お気に入りの段に座れることも多いのではないかとおもいます。

満天の湯は、朝6時から営業していますが、平日8時前後の時間帯は比較的空いているようです。熱波イベント以外でサウナ室が満席になることはありませんし(わたしの経験上)、8時の熱波がおわったあとなどはガラガラだったりもします。

だから、平日の朝8時前後がおすすめなのです。

僕は、満天ブルーを忘れない

熱波で限界を迎えたら(注・本当の限界ではありません。ガマンはほどほどに)、やっぱり水風呂です。サウナ室の目の前には、6人くらいは入れる大きめの水風呂が用意されています。

これがまた、いい。さわやかなメントールで、ミントが香る水風呂なのです。水温は16〜17℃くらいで、冷たすぎず温すぎず。ミントによって、水温以上にヒエヒエの涼やかさを感じることができます↓

image4
天然温泉 満天の湯 公式WEBサイトより引用

あまりの気持ちよさに、ずーっと入っていたい。もう出たくない。ここで暮らそうかしら、と考えたくなる水風呂です。浴槽の深さもあって(90cmくらい)、しっかりと浸かることができるのも良き良き。

ちなみに、このミント水風呂。画像のとおり「青い」です。タイミングによっては、もっと深い青色のときもあります。ミントエキス(?)を入れたばかりのときなのでしょう。そこに日光が差し込むと、実に神秘的なブルーが広がるのですね。

わたしは、それを勝手に「満天ブルー」と名付けています(実は、すでにそう名付けられていたらすまぬ)。そして、なぜだか、ふとしたときに満天ブルーを思い出し。気がつけば、満天の湯に向かって走り出しているのです。

冗談はさておき(あながち冗談でもないが)、この水風呂は唯一無二。ぜひとも、熱波とともに味わっていただければとおもいます。熱波抜きで、ふつうにサウナに入るだけでも、じゅうぶんに気持ちよくはありますが。

平日朝なら、ととのい難民知らず

というわけで、水風呂でカラダを冷やしたら、さいごはととのいタイムです。露天風呂まわりに、ととのい椅子が用意されています。その数20席以上であり、混雑少なめの平日朝なら、座れないことはないでしょう。フンイキはこんな感じです↓

image5
天然温泉 満天の湯 公式WEBサイトより引用

サウナで困ってしまうことのひとつが、いわゆる「ととのい難民」。せっかく水風呂までおえたのに、ととのえる(休憩する)場所がない…みたいな。このあたり、満天の湯では、最大限のととのい椅子が用意されています。

フルフラットタイプのデッキチェアも2脚。わたしのお気に入りです。できることなら、横になって外気浴をしたい派です。ととのい椅子はあっても、フルフラットタイプの椅子はなかったりもしますから。そのあたりも、満天の湯が好きな理由です。

なお、内風呂スペースにも5席くらいありますので、外気浴は寒いから苦手な方でもととのいやすい環境でしょう。

サウナを楽しんだあとは、お風呂巡りもいいですね。満天の湯は、スーパー銭湯らしく、いろいろな種類のお風呂もありますから、サウナーではなくても楽しめます。

とくにおすすめは、和漢炭酸湯。お店で自家抽出している生薬エキスと、炭酸を融合したお風呂で、カラダにいいに違いありません。いつでも人気で、賑わっているお風呂なので、隙を見てスッと入るようにしています。

まとめに代えて

天然温泉 満天の湯をレポートしました。結論として、おすすめは「平日・偶数日の朝8時」です。

ちなみに、料金は平日950円、土日祝日1,050円です。タオルは別料金ですが、ボディーソープ・シャンプーは、洗い場に備え付けがあります。なお、会員(入会金500円)になると、平日820円、土日祝日920円です。

もちろん(?)、わたしも会員になっています。820円で、これだけハイクオリティのサウナに入れるのは、魅力でしかありません。熱波イベントも料金に込み込みですし。というわけで、ご興味あればぜひいちど。

image6
]]>