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従業員が立替払いした経費の経理処理【MFクラウド確定申告・未払金】

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社員が立替払いしたおカネはどう経理するの?

従業員が仕事に使うおカネを立て替えた場合の経理処理、いわゆる「経費精算」についてお話しします。

目次

《前回までのあらすじ》事業主借は決算で消える

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クラウド会計「MFクラウド確定申告」で経理をはじめたあなた。

個人事業主がプライベートのサイフから仕事の経費を立て替える、という考え方で用いるのが「事業主借」であることを学びました。

そして、その「事業主借」は決算日を境に消滅してしまうことも・・・

個人事業主・フリーランスの経理を対象にしています。
法人の経理でも参考にはなりますが、一部取り扱いが異なりますのでご注意ください。 

 

従業員が立替え払いしたときの経理

きょうの本題、「従業員が立替払いしたときの経理」の前に。さらっと復習からはじめましょう。

事業主が立替払いしたときの仕訳

「仕事用の現金」は無い。現金払いの経費は、すべて事業主個人のサイフから。と言う前提で次の取引の仕訳を考えます。

例)1月4日に、割烹△△で、取引先・□□商事の社長を事業主が接待。飲食代として30,000円を現金で支払い。
  • 接待交際費 30,000 / 事業主借 30,000

これは復習です。

ところで、仕訳って慣れるまではタイヘンですよね。これは左(借方)だっけ?右(貸方)だっけ?あぁ、わからん!

そんなあなたは「『ひ』ようは、『ひ』だり」と覚えておきましょう。接待交際費は費用ですからね、左(借方)に書きます。

「事業主借」を「未払金」に換えるだけ

それでは先ほどの接待を事業主ではなく、従業員がしたのならどうなのか?つまり、

例)1月5日に、割烹△△で、取引先・□□商事の社長を従業員が接待。飲食代として30,000円を現金で支払い。

 

おかげさまで□□商事の社長は2日連続の接待漬けです。それはともかく、仕訳は次のとおり。

  • 接待交際費 30,000 / 未払金 30,000

さきほどの仕訳との違いはたったひとつです。「事業主借」だった勘定科目を「未払金」に換えるだけ。

それでは「MFクラウド確定申告」で、この仕訳を実際に入力してみましょう。

仕訳帳入力

「MFクラウド確定申告」を起動して。画面左端のメニューから、「手動で仕訳」→「仕訳帳入力」とたどります 。

仕訳帳を開いたら、次のように入力していきます ↓

  • 日付・・・「0105」で、1月5日を登録。TABキーで、「勘定科目」欄へ移動
  • 勘定科目・・・「接待交際費」を選択。TABキーで、「金額」欄へ移動
  • 金額・・・「30,000」を入力。TABキーで、「勘定科目」欄へ移動
  • 勘定科目・・・「未払金」を選択。TABキーで、「金額」欄へ移動
  • 金額・・・「30,000」を入力。TABキーで、「摘要」欄へ移動
  • 摘要・・・「割烹△△ 飲食代(□□商事 社長)」と入力

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これでオシマイでは暴動が起きる

ところで。事業主借については、極論、「放っておいていい」というお話を前回しました。

じゃあね、未払金も放っておこうか。というわけにはいきません。

当たり前ですよね。従業員は「他人」です。他人が立て替えてくれた「おカネ」を放置していたら、いつか暴動が起きますよ。

ということで、「未払金」については、

  • 残高を確認して
  • 返金する

ことが必要になります。

未払金の「残高」を確認

それでは、「未払金」の残高を確認しましょう。未払金の残高がわかれば、従業員が立て替えている金額がわかりますからね。

まずは、「MFクラウド確定申告」の画面左端のメニューから、「会計帳簿」→「総勘定元帳」とたどります 。そのあと、

  • 「勘定科目」で「未払金」を選択
  • 「検索」ボタンを押す

すると、「未払金」の総勘定元帳が表示されます ↓

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残高欄は「30,000」円。さきほど入力した1月5日の仕訳の結果です。

未払金を返金する

未払金の残高を確認したところで、おカネを返しましょう。返金です。

例)1月6日、従業員に未払金の返金として、30,000円を普通預金から引き出して渡した。

この仕訳は次のとおりです。ついでに、従業員が立替払いしたときの仕訳も並べます。

  • 【立替時】接待交際費 30,000 / 未払金 30,000
  • 【返金時】未払金 30,000 / 普通預金 30,000

未払金を返金する、つまり、未払金を無くす仕訳をしようとしているのですから、「未払金」は立替時と返金時では左右が逆になります。

「普通預金」の仕訳について
普通預金については、仕訳帳から手入力ではなくネットバンクからのデータ取り込みをいずれお話しします。ここではあくまで、仕訳のイメージと言うことでご理解下さい

では、返金時の仕訳を「MFクラウド確定申告」に入力してみましょう ↓

  • 日付・・・「0106」で、1月6日を登録。TABキーで、「勘定科目」欄へ移動
  • 勘定科目・・・「未払金」を選択。TABキーで、「金額」欄へ移動
  • 金額・・・「30,000」を入力。TABキーで、「勘定科目」欄へ移動
  • 勘定科目・・・「普通預金」を選択。TABキーで、「金額」欄へ移動
  • 金額・・・「30,000」を入力。TABキーで、「摘要」欄へ移動
  • 摘要・・・「従業員に返金」と入力

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続いて、未払金の残高を確認します。総勘定元帳を開くのでしたよね ↓

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未払金の残高がゼロになっています。ふぅ、これで暴動が起きることもあるまい。めでたし、めでたし。

そして事件はまた起きる

ところで。もしも従業員が「ひとり」ではなかったら?

たとえば、従業員が2人居て、その2人がそれぞれに経費を立替払いしている場合。

未払金の総勘定元帳には、その2人分の立替払いがゴッチャになって記録されていくことになります。あらら。

このままでは、返金するときにいちいち総勘定元帳を見て、それぞれの返金額を計算しなきゃいけません。

そんなメンドーはまっぴらゴメンです。ということで、次回はその回避策を学びましょう。

きょうはここまで。

 

《 次回につづく 》

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まとめ

従業員が経費を立替払いした際の経理処理についてお話ししました。

事業主が立替払いをした際には「事業主借」を使うのに対し、「未払金」という勘定科目を使います。

これから先、いろいろと勘定科目が登場しますが。少しづつ押さえていきましょう。

 

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  きょうの執筆後記
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