月次決算をやってない!?まだ税金申告のための決算書をつくってるんですね・・・

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「年に1回、決算書は税金申告のためにつくらなければいけない」
「月次決算?なんだそれ?」
その経理、危ういものがあります。

経理をやるなら、月次決算ができないと

先日、フリーランス・自営業の異業種交流会に参加してきました。
いろいろな方とお話しする中で気が付いたこと。それは、
「年1回の決算は税金申告のため」という誤解。
「月次決算の有用性」なんて、異国のおとぎ話ほどにも理解されていない現実。

1年に1回決算書をつくって節税を叫ぶ

わたしが「税理士」だと知った相手の方の反応としてもっとも多いもの。
それは「税金安くなりませんかね」。
直接的にも、間接的にも多くの場合、さいごは「税金」にたどりつきます。

税理士なんだからあたりまえといえばそうなのでしょう。
でもそれはわたしの本意ではありません。

もちろん「節税」は最大限考慮します。
ですが節税には限度があります。
限度がある以上、税法という決められた枠組みの中で計算される税金は、「基本的に」誰が計算してもいっしょになるはずです。

ですから、わたしの本意は「限りある節税」よりは「限りない成長可能性」にあります。
税金を安くすることよりも、いまよりもっと成長するということに深く関わりたい。

おそらく「税金を安く」というのは、手元に残るお金を増やしたいということ。
であれば、手段は「節税」でも「成長」でもイイよね。
だったら成長のほうでお願いします、と考えるわけです。

しつこいですが「節税を最大限」は前提にありますよ。
要は関心の先を、より「成長」のほうに向けるという話になります。

さて、ここで冒頭の話につながります。
実は、節税を念頭においてつくられる決算書は、年1回の税金申告のためと解されています。
「結果的に」解されている、ということですが。

もうすぐ確定申告だ。税金をおさめなきゃ、おさめなきゃ。
決算書つくらなきゃ、つくらなきゃ。
えっ、こんな税金高いの!?
節税、節税・・・
いまさらできる節税なんてないですって!?
以下、無限ループ。

だいたい、節税を叫ぶ人に限って「場当たり」です。
だから決算書も「税金申告に間に合うように」ギリギリになります。
ふだんから税額を想定できていないから「税金高い→節税」になります。
いやいや、この段階でできる節税なんてほぼありませんから。

節税という観点でも、「月次決算」というものは役に立ちます。
「月次決算」をやっていなくても、意味合いは言葉からわかると思います。
文字通り、毎月、決算をやるんです。

いま嫌そうな顔しました?
だいじょうぶです。口で言うほどたいへんなものではありませんから。
それはのちほどお話しするとして。

毎月決算をしていれば、毎月利益がわかります。
毎月税金を予想することもできます。
この段階での節税であれば、状況に合わせていろいろと手も打てます。

知っておきたい月次決算の効用

「月次決算」が節税にも有効だという話をしました。
あらためて、月次決算の効用についてまとめてみます。
月次決算の効用は2つです。

1.過去を受け入れる
2.未来に向き合う

1.は毎月の決算を通じて、「これまで」の過去を理解するということです。
それもなるべく早く、最新の状況を。
月次決算をやらずに、年1回の決算では遅すぎるのです。

極端なたとえばバナシでいうと。
ダイエットをしたい「あなた」がいます。
去年1年かけて10kg太ってしまったことがきょう体重を測ってわかったからです。
毎月測っておけばよかったのにね、以上。
そんな感じです。

2.については1.の反射でもあります。
「これまで」がわかるから「これから」にただしく向き合うことができるのです。

ダイエットの話でいえば、先月の体重増加が3kgだとわかっていれば、「3kg痩せよう」という「これから」を掲げられます。
これが体重を測らず「ちょっと太ったかも」だと、「ま、いっか」になったりします。
結果、10kg太ってしまうのかもしれません。
あぁコワい、クワバラクワバラ。

ダイエットのことはともかく。節税もこれと一緒です。
でもさきほど言いました。
もっとだいじなことは「成長の可能性」ですよ、と。

成長には、「積極的な成長」と「積極的な安定」があると考えています。
なにもガシガシ事業規模を上げるだけが「成長」の意味するところではありません。
事業の「安定」度合をガシガシ上げることだって成長のひとつのカタチ。

いずれの成長をとるにせよ。
「これまで」の状況を把握する。
それにもとづく目指すべき「これから」を考える。
また、「これまで」の状況を把握して、考えていた「これから」とのズレを知る。
ズレも考慮して、「これから」を再考する。
また、「これまで」の状況を把握する、の繰り返しです。

月次決算という「ひと手間」により、「成長を喜び」「安定に安心」できる確率が高まります。

「経理はたいへんだ」というひとたちへ

さいごに「月次決算」の具体的なやり方について、少しお話しします。

「決算」とか「経理」とかいうものには多くの方が、「たいへん」「めんどう」というイメージをお持ちです。
でもその決算や経理の方法をみていると「たいへんな方法」「めんどうな方法」でやっているから、というものもあります。

ついさきほどわたしは、「月次決算というひと手間」という表現をしました。
ひと手間のやり方しだいで、「たいへんさ」「めんどうさ」は変わるものです。

最たるものは、「ITの活用」です。
「えっ、IT!?」とおののくことはありません。
近年のITは、エンドユーザーにとってもやさしくなりました。
多くの方が、フツーにPCなり、スマホなりを触っていますよね。
まったくの無知であったわたしでも、自分でブログサイトを立ち上げて、毎日記事を書いています。

経理の世界にも遅まきながら、本来のIT活用がはじまっています。
最近では「クラウド」「AI(人工知能)」などがそのキーワードです。

たとえばネットバンキングの取引データを、クラウドを介して会計システムに自動取込。
自動取込するときはその取引内容をAIが判断して、仕訳まで全自動。
「経理代行する税理士はもういらいな、うん」と納得する瞬間です。

まだまだ「発展途上」な面はありますが、そこはまさに日進月歩。
昨日できなかったことが、今日はできるなんてことはザラです。

そんな会計システムのコストも下がり、PCとネット環境があれば、月額で1,000円~3,000円前後の利用料のみ。
上述した「自動取込」できるように「仕事のしかた」も合わせていけば効果はバツグン。

飲食店や美容院などは従来のレジスターに替え、比較的安価な「タブレットレジ」の導入が進んでいます。
iPadに専用アプリをインストールして、レジ作業をスマートに。
さらにレジの取引内容はクラウドを介して、会計システムに自動取込。
レジさえこなしていれば、その部分の会計システムへの入力は不要になります。

請求書発行などもクラウドサービスが充実してきています。
クラウドサービス上で請求書を発行すると、もちろん会計システムには自動取込。
請求書は指示をすれば1通200円弱で郵送まで手配できるので事務作業も軽減できます。

いまや、便利なクラウドサービスは枚挙にいとまがありません。
うまくITとつきあうことで、月次決算や経理周りのバックオフィスはかなり効率化できます。
税理士などの専門家に、いちどアドバイスを求めてみてもよいでしょう。

また、月次決算を前提にした経理を考えるとき、その経理の姿は「一様」ではありません。
事業の業種・業態。取引の独自性。環境。
さまざま考慮して、ベストな姿を模索するものです。

その過程で事業の姿に合わせて「フルオーダー」にしてしまうと、とんでもないことになります。
独自システムの開発費用はとんでもなく高いのです。

「既製品」に事業の姿を合わせる、という考え方も必要になってきます。
さきほどの話でいうと「クラウドサービス」に、仕事のしかたを合わせられるかどうか、など。

実は、いままでただしいと思っていたやり方が「フツーではなかった」ということはあります。
「既製品」は世の中の「標準」をもとにつくられています。
「フツーではなかった」ことを「標準」にあわせることで、自社のベストに近づく方法もあるのです。

まとめ

事業をするのなら、経理が目指すところは、何をおいても月次決算です。
1年に1度の決算書に、一喜一憂する経理はやめましょう。

月次決算をすすめることで、節税もおのずとすすみます。

本文中では触れられませんでしたが、月次決算の「見せ方」には独自性を持つべきです。
「独自性」というのは、自分がわかりやすいように変換するということ。

書店に行けば、「経理」や「勘定科目」の本がたくさん売っています。
それらは、多様な業種・業態にも極力耐えうる汎用性でつくられています。
一般に、電話代や郵送代などが通信費なのですよ、みたいな。

「通信費って、どんな取引の科目だったっけ?」といつも悩むのなら、「電話代」という科目をつくってください。
理解できない決算書に意味なんてありません。
意味のわからない月次決算なんて、法定速度以上の表示があるスピードメーターみたいなもんです。
なんだそれ。

つまらない冗談はともかく、すごくマジメな話。
仕事のしかたは「既製品」にあわせる考え方も必要ですが、勘定科目こそ「既製品」である必要はありません。
勘定科目だけでなく、出力帳票のアレンジを考えてみてもよいでしょう。
出力帳票は会計システムからエクセルなどにかんたんに吐き出せます。
わかりやすいように加工する、こういうところに時間はかけるべきです。

自分(自社)の月次決算について、あらためて見直してみましょう。

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  きょうの執筆後記
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昨日は、午後から異業種交流会に参加。
自営業・フリーランスの交流会というコンセプト。
個性豊かな方々ともお会いでき、いままで参加してきた交流会のなかではとても有意義でした。
きょうの記事にも書きましたが、ひとと直接お話しすることで気がつくことはたくさんあります。
よい人と出会う場所に出向く努力をしないといけません。

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!