フリーランス・小規模事業者こそ、経理を丸投げしないで欲しい

経理丸投げ

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「経理を丸投げしている、あるいはそうしたい」

そんなフリーランス・小規模事業者こそ、経理は丸投げしないで欲しいそのワケは?

売上1億円未満の事業者の経理は丸投げ、という主張

つい最近読んだ、税理士事務所サイドが著者の出版物にこんなことが書いてありました。

売上1億円未満の中小企業の経理は、税理士事務所に丸投げすることを勧めています

なるほど、ひとつの主張です。その理由とは、

経理を丸投げできた企業は、本業に集中できるようになる

新たなビジネスの創出、新規顧客の開拓に多くの時間を割くことができ業績向上が望める、と。

さて、どう思われますか?

わたしは、これとはちがう主張があります。

売上1億円未満の事業者こそ経理は自分で、という主張

さきほどの主張とは逆の主張になりますが。

わたしは「売上1億円程度未満の事業者こそ経理は自分で」とお勧めしています。その理由は、

  1.  経理が本業に支障をきたすことはない
  2.  経理がわからないと損をする
  3.  受け身の経理もまた、損をする

では、それぞれの「理由」に説明を加えることにします。

理由1 経理が本業に支障をきたすことはない

経理を丸投げすると本業に集中できるという主張には、「経理はタイヘンなもの」という前提があるようです。

でもそんなことはありません。

経理がそもそもタイヘンなのではなく、「あえて経理をタイヘンにしている」ケースを目にしてきました。

そういう経理には「独自性が強い」「ITの活用が不十分」といった特徴があります。

「独自性が強い」とはたとえば。なくてもよい帳票がやたらと多い、市販ソフトの設定をやたらとカスタマイズしている、など必要以上に複雑・煩雑にしているということ。

「ITの活用が不十分」というのは、手書き書類や転記作業が多い、クラウドサービス利用を検討したことがない、など目の前にある効率化のチャンスを逸しているということ。

そういう特徴を改善できれば、「経理はタイヘンなもの」という前提は崩せます。

わたし自身フリーランスですが、経理は自分でやっています。かけている時間は1日5分~15分程度、加えて毎月初に1時間程度。

毎日経理しているので、昨日までの財務状況はすぐにわかります。また、月初の1時間程度のなかで、計画と実績の差異管理までできています。

毎日の経理が10分でひと月20日間、プラス月初の1時間で、ひと月の経理にかかる時間は延べ260分。やっぱり時間がかかると感じますか?

わたしはそうは考えない「経理を自分でやるメリット」について、次の「理由2」「理由3」につづきます。

理由2 経理がわからないと損をする

経理のことがわからずに、経理を丸投げした場合。請求される代行料の妥当性をどう判断すればよいのでしょう?

いままでは経理に月10時間かかっていたからそれを参考に、などと言うのではさきほどの話がムダになります。

いままでの経理は「いままで」でしかありません。手間や時間でみても、もっとラクで早い経理ができるかもしれないのですから。

過剰な表現をご容赦願えば。「ベストな経理」を知らずに経理を丸投げすると、代行料は相手の「いいなり料金」にならざるをえなくなります。

それと。もしも、丸投げ先の経理代行サービスが相手の都合で終了してしまったら?そんな「もしも」が起こった場面を、わたしは知っています。

あらたに信用できる代行先を探したり、付き合いに慣れたりするのには思いのほか時間がかかります。ストレスだって・・・

理由3 受け身の経理もまた、損をする

経理を丸投げするということは、経理の「結果」を相手にゆだねるということです。経理代行の契約にもよるのでしょうが、結果がいつわかるかは相手しだい。

経理が受け身になる、これが経理を丸投げしてはいけない最大の理由です。

経理を「ただの作業」だと考えていると、誰かに結果をゆだねることに違和感はないでしょう。

ですが、経理は「ただの作業」で終わらせるものではありません。「結果を活かしてこそ」の経理です。

卑近な例で極端なことを言えば。「あぁ、昨日の交際費は使いすぎたな」ということが、今日わかるのと、1年後にわかるのとでは受け止め方が変わります。

今日わかれば、「今日から気を付けよう」と強く思えるものです。ところが1年後だとどうでしょう?多くの場合、過ぎ去ったこととしてどこか他人事になるものです。

古い情報よりも、新しい情報のほうに行動の「動機」を感じやすいというのは大事な部分。

そう考えると、わたしは「丸投げ主張論」には強い違和感を覚えます。

なぜなら、前述のとおり。丸投げの場合には古い情報で行動することになります。

だとすれば、「新たなビジネスの創出、新規顧客の開拓に多くの時間を割くことができる」と言うけれど、その行動動機は、丸投げしない場合に比べたら絶対に弱くなる。

わたしはそう考えているからです。

新しい情報の中には、動機や早い気づきのチャンスが潜んでいます。また、経理が持つ情報には、「数字に基づく客観値」という重要な特性があります。

「客観値」に対して「感覚値」があります。感覚値に基づく判断・行動と、客観値に基づく判断・行動なら、どちらが望ましいでしょう?

まとめ

規模が大きくなれば、経理に関わる取引数が増えたり、取引の複雑さや煩雑さが相対的に大きくなります。

そうなる前、取引もまだ少なめのフリーランス・小規模事業者であれば、自分で経理を身につけやすい環境があります。

いまの経理の改善点や、ITの活かし方こそ、税理士などの専門家を頼り、自分でできる経理を身につけるのがよいでしょう。

経理で用いるITツールも、経理代行料や経理担当者の給料に替わるものと考えれば、コストダウンできるケースも少なくありません。

もちろんこれは、経理社員のリストラなどを意図するものではなく、より生産性・創造性の高い業務に取り組んでもらおうというものです。

経理を丸投げしようと考えるその前に、そのデメリットもしっかり考えてみましょう。

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  きょうの執筆後記
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昨日は、終日オフ。
妻と娘がおでかけだったので、ほとんどないことですが息子とふたりきり。
ポケモンの映画を観に行き、街でポケモンGOをやり・・・えっ、ポケモンGOはやめるはずだったのに。
それにしても街は異様な光景でした。ポケモン探しをする人だかりがアチラコチラに。いつまでつづくのでしょう、みなもわたしも。

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ABOUTこの記事をかいた人

税理士レス経理エバンジェリスト、フリーランス型税理士。1975年生まれ。 フリーランスの経理・会社の銀行融資支援を得意にする、横浜市の諸留誕税理士事務所・所長。2016年4月、18年間の「勤め人」を脱して独立開業。以来、ブログを毎日更新中!