きょうの名言は、メンタリストDaigoさんの「人を操る禁断の文章術」から。
古今東西、世の中はたくさんの名言であふれています。自分にとって「活かせる」名言、みつけてみませんか?
人のココロを操れるというのなら
きょう紹介するのは、DaiGo(ダイゴ)さんの名言。「ダイゴ」と言っても、「ウィッシュ!」のほうじゃなくて。だから、北川景子さんが奥さんのほうじゃなくて。
メンタリストのほうのDaiGoさんです。TV番組などで見せる、巧みな心理戦を颯爽と制する姿が印象的です。ところで、そもそも「メンタリスト」って何者かということですが、
超常現象パフォーマーのメンタリストDaiGoが肩書きとして使用し、日本に広めた言葉。彼の定義では、心理学に基づく暗示や錯覚などのテクニックを駆使し、常識では考えられないようなパフォーマンスを見せる人を指す。
コトバンク /メンタリスト より抜粋
超能力的なカンジもありますが、基本は「心理学」ということのようです。そんなDaigoさんが執筆した「人を操る禁断の文章術」。タイトルがそそられますねぇ。
こうしてブログを書いているわたしとしては、とても惹かれました。ということで手にしたのがこの本です。
もっとも、わたしたちは日頃、多くの文章を書いています。当然、ブログというのはそんな大量の文章の一部分でしかありません。メール、手紙、ビジネス文書、メモ、twitterやLINE、facebookなど。
「毎日、なんの文章も書いていません」という人の方が少ないでしょう。そういう意味で、「文章術」は多くの人に興味が持てるテーマと言えそうです。
キミはなぜ、文章を書くんだ?
多くの人が日々書いている文章。さて、その目的は?本書ではこのように書かれています。ひとつ目の名言です。
文章とは、読まれるために書くものではない。行動させるために書くものだ。
どうでしょうか。すべての文章が、というわけではありませんが。多くの場合、ただ読まれるために文章を書いているのではないことに気が付きます。
上司へのメール、友人へのLINE、twitterでのつぶやき。文章を読んだ人に「なんらかの反応」を求めて書いているケースは多いものです。
だとしたら。あなたは「思い通りの反応」を、相手から得ることができているでしょうか。いや、そうでもない。むしろ、さっぱりだ。
そんなあなたには、DaiGoさんの「文章術=メンタリズム」は学んでみる価値があると言えるでしょう。
読み手の心を動かし、行動へと導いてこそ、初めて文章は存在する価値がある、これがメンタリズム文章術―。
文章に対するいくつもの誤解
Daigoさんはメンタリズム文章術として、3つの誤解を挙げています。その中からひとつだけ、「あれこれ書かない」。わたしたちが書く文章には「余計なもの」が多すぎる、そんなことを言っています。
文章を書くときに、あえて情報量を少なくすることで、読み手の想像力を利用することができるのです。
たとえば。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のCMに、かつてこんなフレーズがありました。
『いつか君が大きくなってクリスマスの魔法が解けてしまうまでに、あと何回こんなクリスマスが過ごせるかな・・・』
このCMを目にした世のお父さんは「いつか君が大きくなって」しまった娘の姿を思い、騒然とします。「ヤッベーぞ。いまのうちに娘とUSJに行かなきゃ」みたいな。結果、その年のUSJのクリスマスでの集客は倍増したといいます。
こどもの成長とともに、「家族の時間の在り方」は変化します。幸せなことでもあり、ちょっと寂しいことでもある。その辺の話せば長くなるハナシを、ひとこと「君が大きくなる姿」に集約した。
言うなれば「読み手の無限の想像力」に託したわけです。家族の在り方、過ごし方、思い出は家族ごとに違いますからね。想像力に訴えるほうが、多くの読み手に響きやすくもあります。
これもひとつのメンタリズムではないか、というのはわたしの解釈ですが。DaiGoさんは、こんなことも言っています。
つまり、読み手が都合のいいように想像できる、ある程度の「隙」や「余白」を残している文章が、いい文章だという言い方もできるわけです。
長く、詳しく、丁寧に書いた文章がいつもベストではない、ということです。要点を押さえた文章でありさえすれば、それはひとことでも。かえって短いほどに、鮮烈に人の心に刻まれます。
書く前から、すでに勝負はついている
さて、メンタリストのDaiGoさんらしい主張があります。
文章は自分で考えるな!書くべきことは相手の心の中にある
メンタリストが扱うメンタリズムというテクニックの本質は、「行動や態度、言葉などから相手の心理を読み解き、思うままに誘導する」ものだといいます。
この本質に照らし、メンタリズム文章術もまた、相手の心理を読み解くところからスタートする。そういうことです。
つまり、自分が書きたいことを考えている時間があれば、それを読む人たちのことを調べたほうがいい。そのほうが、相手の心を揺さぶる文章を書く上で、はるかに役に立つということです。
相手の心の中を探る手法「マインドリーディング」は、本書の中で記されています。そこは読んでのお楽しみということで。
読み手を行動させる、動かすための勝負は、書き始めるその前に決まっている。マインドリーディングの出来しだいです。
読み手のインサイトを衝け
書くべきことは相手の中にある、これは相手の立場にたって考えるということか。たしかにそれもあります。が、それでは不足です。DaiGoさんが言うには、
本音と建前の間に隠された、すさまじい欲望を利用する
書中では、食洗器の広告コピーについて触れています。たとえば、「がんばるママの手が、悲鳴をあげています」とか。
手荒れはママの「タテマエ」であって、「ホンネ」は洗い物したくない、減らしたいというママの想いです。その本音と建前のあいだに、もっとラクしたい、時間がほしいという欲望があります。
建前を盾にして、ダンナさんに食洗器購入をアピールできるこの広告コピーはメンタリズム文章術、というわけです。
先に、相手の立場に立つだけでは不足だと言いました。つまり、本音やその底にある欲望にまで気づいてこそ、文章はそのチカラを発揮します。
昨今、広告やマーケティングの世界では「インサイト」という言葉が根付いてきましたが、ハナシとしてはいっしょでしょう。
「消費者インサイト」なる言葉がありますが。消費者自身も気づいていないような、潜在する思考にまで及ばずしてマーケティングは語れない。そんなハナシです。
DaiGoさんが言うメンタリズムは、文章術はもちろん、ビジネスにまでツカえる概念だということ。なかなか奥が深い。
文章で変えられる人生
DaiGoさんは、こどものころは「いじめられっ子」だったそうです。成績が悪い、めがね、太っている、天然パーマ・・・抱えていたコンプレックスを文章で克服。自分を変えたのだ、と書かれています。
ダメな自分、理想の自分を紙に書き出し、自分を客観視。目標やイメージを具体化することで、行動を起こしてきたと言います。文章は人生だって変えられる。
目標は、文章化されることでより明確になり、達成しやすくなることは、すでに「心理学」でも証明されています。
文章に対する考え方、人生をも変えたいあなたに、おすすめの1冊です。
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きょうの執筆後記
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TVで観るDaiGoさんはカッコイイですよねぇ。さわやかでスマートに相手を崩していく感じは、けっこう好きです。
相手からしたらかなりヤな奴になりかねませんが、そう思わせないところがDaiGoさんの人格なんでしょうね。
そんな人間に、わたしはなりたい(笑)