きょうの一冊一言は、
高田明さん著 『伝えることから始めよう』
この一冊から、きょうの自分に活きる一言を、名言を。見つけ出していきます。
内容紹介
著者は言わずと知れた高田明さん。テレビショッピングで有名な「ジャパネットたかた」の元社長です。
高田さんが37歳のとき、父親が経営していた写真店の暖簾分けがジャパネットたかたのスタート。
それから約30年。長崎佐世保の小さな町の写真店を、年商1,500億円超、日本を代表する通販会社へと成長させた過程が描かれています。
傍から見る限り、高田さんはたいへんな「苦労人」なのですが、そこに悲壮感はなく。一方で、成功者としての気負いも感じられません。
妻・恵子さんは、そんな高田さんのことを「劣等感も優越感も持たない、珍しい人」だと表現されています。
皆が知り、皆に親しまれ、愛される名物社長となった「高田さんらしさ」を象徴するような言葉です。
2015年。高田さんが66歳の時に、長男・旭人さんを後継に指名し、社長を退任しました。絵に描いたような勇退といって良いでしょう。
たくさんの商品を伝え続けてきた高田さんが、いま伝えようとしていることが「伝えることから始めよう」。ほんとうに伝えたいと願うあなたに、おすすめの1冊です。
きょうの一冊一言
『伝えることから始めよう』から、わたしが見つけ出したとびきりのひとこと、一冊一言は・・・
コミュニケーションで最も大事なことは何だと思われますか? 私は「伝えること」ではなくて「伝わること」だと思います。
高田さんは、「伝える」と「伝わる」は違うんだ、と言っています。
そんなことはわかっている、多くの人がそう思うでしょう。わたしもそう思いました。
ところがそれは、頭で理解しているレベル。実際にはわかっていない、できていないということを思い知らされることになります。
こんなことを言うと怒られそうですが、テレビショッピングというのは「無差別」にモノを紹介するのだと思っていました。
「無差別」は言い過ぎにしても、新しいモノ、売れそうなモノを片っ端から紹介していく。そんなイメージです。
ですから、テレビショッピングでモノを売るなら、いかに商品をカッコよく見せ、いかに商品の良さを上手く巧みに話せるか。みたいなことだと考えていました。
でも、違うんですね。
新しいモノや売れそうなモノ、という見方ではなく。「伝えたい」ことがあるかどうか。それが取り扱う商品選びの本質です。
もっと言えば、「なぜ、伝えたいのか」。それが無い商品は、お客さまの気持ちまで届かない。高田さんはそう言っています。
なぜ、伝えようとしているのか?
たとえば、最新の薄型大画面テレビの販売。あなたならまず、画面の向こうの視聴者にどんな言葉を投げかけますか?
- 〇年〇月に発売されたばかりの新商品です!
- 奥行はなんと〇cmしかない超薄型です!
- 〇インチの大画面です!
- 最新技術の省電力設計です!
- 4Kの高解像度、高画質が楽しめます!
こんなことをお伝えしたくなるものかもしれません。ところが、高田さんだと違います。
皆さん、42インチの大画面テレビがリビングに来たら、格好いいでしょう。お宅のリビングが一気に生まれ変わりますよ。素敵なリビングになるんです。それだけではないですよ。大きなテレビがあったら、自分の部屋にこもってゲームをしていたこどもたちがリビングに出てきて、大迫力のサッカーを観たりするようになりますよ。家族のコミュニケーションが変わるんです!
「なぜ、伝えたいのか」ということに目を向けると。伝え方はこう変わるんだな、ということがわかる一例です。
「機能」や「性能」などは二の次であり。あたらしいテレビによって、購入者の生活はどう変わるのか?家族はどう感じるのか?
高田さんはテレビという「モノ」だけではなく、その「モノ」の先にある「コト」に対して、より心を砕いているわけです。
そして、もう一つ。高田さんが大切にされていることがあります。それは、「商品に対する絶対の自信」です。
迷いがあるから伝わらない
高田さんはこうも言っています。
ミッションの話と重なりますが、モノを売る仕事をしている人間にとって最も大切なことの一つは、売っている本人が商品やサービスに絶対の自信を持っていることです。
もし、「なぜ、伝えたいのか」に強さがないのだとしたら。それは、自分の商品やサービスに自信がないということかもしれません。
伝えたいことがあったとしても。ほんとうにだいじょうぶかな?という思いでは、伝わるものも伝わらないでしょう。
そんなことにならぬよう。商品やサービスを妥協のないところまで磨き上げることもまた、「伝わる」ためには必要だということがわかります。
その他 注目の一言
一冊一言以外に、『伝えることから始めよう』から見つけた気になる一言を。
私は、失敗というのは一生懸命にやらなかったことだと思っています。一生懸命やっても結果が出なかったときには、失敗ではなく「試練」という言葉を使います。
一生懸命にやった、ベストを尽くしたのであれば。結果が悪くても失敗ではない。高田さんはそう言います。
そして、失敗ではなく「試練」だと解釈する以上。ふたたびのチャレンジを求めるものでもあります。
自分自身を振り返ってみても。失敗だ失敗だと言っては、自ら終わらせてしまう。そういうことがあったりします。
しかし、そんな失敗も成功にいたる過程のひとつ。通過点なんだ、と捉えることが必要なんですね。諦めちゃいけない。
見方を変えれば、失敗だとすぐに割り切ってしまえるのは「一生懸命」でないことの表れでもあるでしょう。
そう考えると。「失敗」という言葉を口にすること自体、それはもうおかしなことだということに気づきます。
わたしを含め、多くの人たちは。「失敗」という言葉をあまりにカンタンに、不用意に使い過ぎているのかもしれません。
それを見抜くかのように、高田さんはこう言います。
できない理由を探せばいくらでもあるんですよ。でも、私はできない理由ではなくて、できる理由を探そうと考えました。
できない言い訳ばかりしていないか?一生懸命が不足してはいないか?思いが弱すぎやしないか?
「伝わる」ためには、「伝えたい」という思いに向き合うことが必要なように。成功するためには、試練と向き合う覚悟が要求されています。
《 ほんとうに伝えたいと願うあなたに、おすすめの1冊です 》
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きょうの執筆後記
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