きょうの一冊一言は、
一木伸夫さん著 『会計士が教える スゴ技Excel』
この一冊から、きょうの自分に活きる一言を、名言を。見つけ出していきます。
内容紹介
今回ご紹介するのは、Excelに関する「テクニック・ノウハウ系」ジャンルの書籍です。
いつもは「自己啓発系」の書籍を紹介している当コーナーにあって、たいへん異色なのではありますが。
テクニック・ノウハウのみならず、Excelを扱うにあたっての「考え方・姿勢」に学ぶところが多いことでのご紹介です。
著者の一木伸夫さんは公認会計士。監査・税務業務のかたわら、業務改善アドバイスやExcel活用の企業研修・セミナーを行われているとのこと。
プロフィールによれば、プログラマとして会計ソフト開発もご経験されており。
「IT」と「会計」両面のスペシャリストが書いた本という点に、期待して手に取りました(実際は電子書籍をダウンロード・・・)。
一木さんは、実務でExcelを使うにあたって最低限マスターすべき関数・機能は次の6つだとおっしゃっています。
- 絶対参照、相対参照
- VLOOKUP
- COUNTIF、SUMIF
- LEFT関数等の文字列操作関数
- ピボットテーブル
- 書式、条件付き書式
これらを見て、「知らないなぁ」「自信無いなぁ」という人はもちろん。
わたしのように「なんとなく知ってるつもりで使っている」というタチの悪い人(?)には、根本を理解できるたいへん有意義な書籍となっております。
Excelをもっと使いたい、日常業務を改善したいあなたにおすすめの1冊です。
きょうの一冊一言
『会計士が教える スゴ技Excel』から、わたしが見つけ出したとびきりのひとこと、一冊一言は・・・
しかし、「ITを活用した問題解決能力」が重視される時代に「頑張る」というのは、時として危険をはらんでいます。
Excelを使って仕事をしていると。Excelを使っているというただそれだけで、
- 仕事をしている
- ITを駆使している
ような錯覚に陥ることが少なくありません。錯覚であることに気づけば良いほうであり、実際は勘違いしたままということもあるでしょう。
恥ずかしい話、わたし自身も「勘違い」したまま仕事をしていた時期がありました・・・たとえば、
- ひたすら入力
- ひたすら手作業
- ひたすら同じ処理を繰り返す
これらは著者が言う「頑張る」ということの典型例だと言えます。「ひたすら」である本人からすれば、「オレがんばってるぜ~」という状態。
「頑張る」ことの罪
ところが、テクニックやノウハウを知っていれば、「頑張る」こともなかったりするわけです。
さて、このことについて。
問題は、テクニックやノウハウを知らないということではありません。
ほんとうの問題は、「ひたすら」であることに違和感を感じずにいることです。
これは「本人」の問題にとどまりません。組織であれば、同僚や上司も同じこと。
隣で仕事をしている人間が「ひたすら」であることに違和感を感じない組織は、とても恐ろしい。とんでもなく恐ろしい。
本人は貴重な時間と労力とをムダにし続け、組織は非効率・非生産的な仕事を容認し続けます。
そんな本人と組織に、著者は警鐘を鳴らしているのです。
その他 注目の一言
一冊一言以外に、『会計士が教える スゴ技Excel』から見つけた気になる一言を。
試行錯誤を億劫に感じたり、時間がかかるようではイノベーションは生まれません。
イノベーション、すなわち「革新」を生み出すには。試行錯誤が必要です。
労無くして、苦無くして、そうカンタンにイノベーションは生まれるものではありません。これ、一般論。
であるならば。どれだけ試行錯誤を繰り返すことができるかは、イノベーションの誕生を左右する要素だと言えます。
ところがどっこい。試行錯誤はメンドーだ。メンドーなのはイヤだ。だって人間だもの。
だったら、試行錯誤でラクをしよう。それならばムリなく、試行錯誤を繰り返すことができるよね。というのが、上記の一木さんの言葉です(たぶん)。
具体的には、「ショートカットキーによる操作」を多用することを勧めています。
たとえば。作業のやり直しをするのに、マウスを使って「元に戻す」ボタンをクリックする。というのは、なかなか億劫な動作です。
けれども「Ctrl + Z」というショートカットキーを知っていればそうでもない。キーボードから手を離さずに済みます。
こんなことの繰り返しがイノベーションの有無を左右する。ショートカットキーの効果は、目先の効率性・生産性にとどまらないということ。
イノベーションを起こすのなら、試行錯誤できる環境づくりが大切。という金言です。
それでもマウスを手にするあなたにはこんな言葉も ↓
トレーニングの最初に講師が言った言葉が、「マウスをひっくり返しなさい」だったそうです。
さぁ、マウスをひっくり返そうか。
「削除」しないという発想
ハナシは変わって、「データの削除」ということについて。一木さんはこんなことを言っています。
こういう時にプログラマはデータを削除せずに「フラグ」を立てます。
これは、数あるデータの中に「要らないもの」があっても、安易に削除をしないようにということです。
データを手作業で削除すると、
- 間違って違うデータも削除する
- 元に戻したいときに戻せない、手間がかかる
という事態がありうるからです。
こんなときに、要らないデータは消すのではなく、まずフラグを立てる。平たく言うと、印をつける。
そして、印をつけたデータを除外して扱うようExcelで指示を出せばよい、と。
具体的なやり方は本書に譲りますが、だいじなのはやはりその「考え方」です。
この言葉を見てわたしはドキッとしました。けっこう安易に削除しちゃってるかも・・・
と言っても、Excelに関することだけではありません。その他の物事についても、「安易な削除」によるリスクはあるものです。
プログラマらしい著者の「フラグ」発想は、Excelとは別の面での気づきとなりました。
表面的なテクニックやノウハウだけではなく、その根元にある出所にこそ学ぶべきものがあるものです。
《Excelをもっと使いたい、日常業務を改善したいあなたにおすすめの1冊です》
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きょうの執筆後記
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