時間の「使い方」って大事だよね~
はい、その通り。けれども、時間の「使い方」とおなじくらい、時間の「感じ方」も大事です。
使われた時間をどう感じたか? そんな時間の「感じ方」が、心のコンディションに影響するから。というお話です。
「時間の使い方」と「やりがい・生きがい」とは無関係
スケジュール、ToDoリストの作成・管理など。時間をうまく使うためのノウハウが注目をされる昨今ですが。
時間の使い方ばかりでもいけません。なぜなら、時間の「使い方」と、その結果としての「やりがい・生きがい」とは無関係だからです。
〇〇をやったから満足、とは限らない
たとえば読書。仕事のヒントを得られる、人生の活力を得られるというようなことから、一般に「読書は有益だ」と言われます。
ところが、次のようなケースの読書であればどうでしょうか?
- 読書に集中できなかった(気が散る、眠い・・・など)
- 読みたい本、思っていた本ではなかった(つまらない、むずかしい、知りたいことではない)
- そもそも読書に対する目的意識が弱い(ただただ読む、という読書)
このような場合、どれだけ読書という時間を使ったとしても。有益だった、と言い切ることはできないでしょう。
つまり、時間の「使い方」と、その結果としての時間の「感じ方」とはベツモノだということです。理屈じゃあない。
時間の「感じ方」を管理する
というわけで。スケジュール、ToDoリストの作成・管理などにより、どれだけ時間管理をしたところで。それらは時間の「使い方」でしかありません。
使われた時間が「良い時間だったなぁ」と感じられてはじめて、その時間はほんとうに有益だったといえます。
であるならば。時間の「使い方」もさることながら。時間の「感じ方」も管理してみようよ、というのがここからのお話です。
「良い時間だったなぁ」という時間を増やせれば、仕事のやりがいや人生の生きがいにもきっと貢献するはず。という考えです。
ところで。昨日1日、いったいどれだけの「良い時間」があったのだろう? あなたはこの質問に答えることができますか。
時間の「感じ方」を評価する、記録する
あらためて、質問です。
昨日使われた24時間について。あなたはその「時間の感じ方」を明らかにすることができますか?
- 充実した1日だった! なんとなく
- ムダの多い1日だった・・・ なんとなく
なるほど、そのような回答は多いものです。ところが、そのような「なんとなく」という回答には、困った点があります。
抽象的であるがゆえに、「比較がしづらい、管理がしづらい」という点です。
感じ方の5分類
時間の感じ方を比較可能、管理可能なものにしてみよう。ということで。
わたしはまず、使われた時間に対する「感じ方」を分類することにしました。次の5つです。
- 創った
- 作った
- 生きた
- 活きた
- 散じた
少し、補足します ↓
創った
創造的な活動に充てた時間。いままでになかった価値を得るための、あたらしい取り組みや継続的な取り組み。
たとえば・・・ブログ執筆、日々のランニング、あたらしい仕事の企画など。
作った
単純作業的かつ必要な活動に充てた時間。決まった方法・ルールに沿って、粛々と進める仕事など。
たとえば・・・経理業務、郵送業務、顧問先の税務監査・申告書作成業務など。
生きた
およそヒトが暮らしていくために必要と思われる、生活に充てるための時間。
たとえば・・・食事、睡眠、身支度、風呂、掃除、買い物など。
活きた
人生を楽しむために充てた時間。明日への活力になるような時間。
たとえば・・・好きな本を読む、好きな音楽を聴く、家族と休日を過ごす、友人と食事するなど。
散じた
上記4つの時間以外に充てられた時間。ムダにしてしまった時間、ムダにされてしまった時間。
たとえば・・・突発的なトラブルの対応、興味のない営業バナシに付き合ってしまった、気が付いたらボーっと過ごしてしまったなど。
これらの5分類は、いわば、使われた時間に対する「評価」です。
それぞれの5分類について、「たとえば」という例示をしましたが。絶対的な例示ではありません。
ブログ執筆は「創った」に分類をしたものの、日によっては「散じた」に分類されることもあります。事前の準備などがあまりにも悪く、時間をムダにしたと感じる場合などです。
さきほども触れたとおり、時間の「使い方」と「感じ方」が必ずしもリンクをするわけではない。というのは注意点です。
感じ方の記録法
わたしは、毎日の行動をTaskChute Cloudというツールを使って、1分単位で記録をしています。
このツールでは、1つの行動について「終わった」という記録をする際。あわせて評価の記録をすることができます。
この評価については任意の項目を設定できるため、わたしは前述の「感じ方の5分類」を設定しています。
終わった行動について、どう感じたかを5分類で評価をするわけです。その結果は、次のような円グラフで、いつでもすぐに確認をすることができます ↓
上記の円グラフは、ある1日についての時間の感じ方を集計したものです。集計期間は1日でも、1週間でも、1ヵ月でも、好きな期間での表示が可能です。
管理するとは「チェック」と「リ・アクション」
時間の感じ方の「評価と記録」が済んだところで。感じ方の「管理」の話です。
その「管理」は、「チェック(検証)」と「リ・アクション(再行動)」とに分かれます。
チェック(検証)する
わたしは、TaskChute Cloudというツールを使って、毎日の行動実績を1分単位で記録をしています。と、お話しましたが。
毎朝いちばんで、その日の行動予定についても、やはり1分単位でスケジュールしています。
この行動予定を組む直前に、前日24時間の「感じ方」をチェックします。さきほどの円グラフ、ですね。
きょうの行動予定の参考として、「昨日はどうだったかな?」ということを見るわけです。
「感じ方」については目安(在るべき姿のようなもの)を持っているので、その目安と実績とを比較して考えます。さきほどの円グラフの実績を例にします ↓
実績 | 目安 | 差異 | |
創った | 21.6% | 25.0% | -3.4 |
作った | 33.4% | 20.0% | 13.4 |
生きた | 30.0% | 40.0% | -10.0 |
活きた | 12.0% | 10.0% | 2.0 |
散じた | 3.0% | 5.0% | -2.0 |
この日は、「作った」が多過ぎました。おかげで「生きた」が少な過ぎ。「創った」も影響を被り、少なめに。
内容を確認すると、期限付きの事務的な仕事に時間を割かざるをえず、結果、睡眠時間を削っていました・・・
そもそも、「創った」は1日6時間以上を目指し、「作った」は5時間弱に抑えたい、という目安を持っています。
「生きた」はブレる要素が少ない部分であり、目安ピッタリを目指す感覚です。
また、「散じた」については、自分自身の問題もありますが、外部要因もありえます。不可抗力も考えて、ちょっと甘めに「5%」以下に抑えることを目指しています。
結果として、消去法的に「活きた」時間の目安は10%ということになります。なんか少ない・・・ かくして、24時間とは「なんとも限られた時間である」ことを思い知るわけですが。
いずれにせよ。このような目安と実績とのチェックを毎朝行います。これに、月曜日には1週間分の集計でチェック、月初には1か月分のチェックを加えています。
リ・アクション(再行動)する
毎朝の「感じ方」チェックが終わったら、必要に応じて、軌道修正を試みます。
昨日奪われた「生きた」があるのであれば、きょうのスケジュールで回復をはかる。つまり、きょうは早く寝るぞ! みたいな(笑)
「創った」という感じ方も少なく、充実感に不足があるのであれば。きょうは、「創った」と感じやすい行動をスケジュールに入れていこう、とか。
そのような軌道修正の行為が「リ・アクション(再行動)」です。
ただし、これらは表面的な軌道修正に留まりますから。あわせて、もう少し根本的な軌道修正も必要です。
元々、どうして期限付きの仕事をギリギリまで置いてしまったのか? 次に同じことにならないためにはどうしたらよいのか? 「根っこ」の部分も解決をしていかなければいけません。
そこは別途、機会をつくって、解決をしていくことにします。このように、時間の「感じ方」は、問題の根本的解決のきっかけにもなりえるということです。
【まとめ】じぶん管理は、「理屈」と「感情」のバランスで
長い人生を、より有意義に生きていくということにおいて。じぶんを管理する、というのはひとつの方法でしょう。自己管理。
そんな自己管理の中で。「時間」の管理は、大きな関心事として扱われます。
時間は、有限にして、万人に等しく与えられたものであるからこそ。時間管理は、普遍のテーマにもなりうるのでしょう。
テクニックや手法が注目を浴びる時間管理ではありますが。その結果としての、時間に対する「心の在りよう」はどうなのか?
そんな「心の在りよう」の蓄積が、やりがいや生きがいを形成する部分は決して少なくありません。
楽しい時間が多いと、充実した時間が続いていると、やりがいや生きがいを感じやすくはありませんか?
であるならば。楽しい時間や充実した時間を、できるだけ安定的に繰り返すことができるよう、コントロールを試みる。
時間の「使い方」という理屈も大切ですが、時間の「感じ方」という感情だって大切なのです。
時間管理、じぶん管理は、理屈と感情のバランスで。時間の「感じ方」管理、はじめてみませんか?
************
きょうの執筆後記
************
ブログには書けない・書きにくいことその他。きょうの「執筆後記」は毎日メルマガでお届け中です。
よろしければメルマガ(無料)をご登録ください! → 登録はこちらから