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税理士がやっている『計算間違い』をすぐに見つける5つのコツ

計算間違いを見つけるコツ

この計算ほんとに合ってんの?

っていうこと、ありますよね。手書きの書類はもちろん、プリンタで打ち出された書類だって。その計算が「正しい」という保証はありません。

世の中のいたるところに「計算間違い」はあるのです。そんな間違いをすぐに見つけるための方法についてお話しします。

目次

「計算間違い」を見つけるのにはコツがある

わたしは税理士という職業柄、常日頃からさまざまな計算を目にしています。

経理で使われる集計表やら、財務分析の結果やら、提供される計算の「結果」を目にしています。

手書きの書類を見せていただくこともあれば、プリンタから出力された書類を渡されることもあります。いろいろです。そんなときにまず思うこと、それは・・・

はて、この数字は合っているのだろうか?

その数字が、手計算されたものだろうと、Excelで計算されたものだろうと。ひとまず疑ってみるのは職業病だとしても。

「計算間違い」を見極めるチカラがあって困ることはありません。万人共通で役立つチカラ。

と、チカラなどと言いましたが。類まれなる能力や、たゆまぬ努力を要するようなものでもなく。ちょっとしたコツを知っているのかいないのか、それだけです。

ということで。『計算間違い』をすぐに見つけるコツについて、このあとお話をしていきます。お話の全体像は次のとおりです ↓

  1.  計算間違いの「有無」をすぐに見極める2つのコツ
  2.  計算間違いの「原因」をすぐに見つけ出す3つのコツ

それではそれぞれのコツについて、見ていくことにしましょう。

 

 計算間違いの「有無」をすぐに見極める2つのコツ

まずは、その計算が間違っていないかどうか。間違いの有無を見極めるためのコツからです。

合っているかをざっくり見極めるコツ Part1

さっそく、例を使って見てみましょう ↓

image1

この計算、合っていそうかなぁ? という眼で見てください。

もちろん、電卓を叩いて確かめるのは一法ですが。その場に電卓はあるのか。あっても、すぐに電卓を取り出せるかはわかりません。

それに。電卓を叩いてもよいフンイキかどうか、空気も読まなければいけません。これ見よがしの電卓バチバチは、まるではじめから疑っているかのようです(疑っているんだけど)。

まぁ、いずれにせよ。電卓を持ち出すのはもう少し後でよいでしょう。ということで、「コツ」を使います。コレです ↓

上位の位(くらい)を暗算してみる

具体的にはこういうこと ↓

image2

適当な上位の位(暗算能力にもよりますが2ケタくらい)に的を絞って計算します。このくらいなら、暗算でもなんとかなるもの。

その結果が、大きくハズれたものでないかを確認する。というのがコツです。事例で言うと、暗算の結果の「123」と、もともとの計算結果の「125」。だいたい合ってるね、という確認。

はじめにこんな大雑把な確認をするワケは。「おいおい、一桁違うやんけっ!」というビックリするような間違いも、世の中には少なくないからです。

計算ミスというのは、決して小さなものばかりではないのですね。

プリンタで打ち出された文字を見ていると、「なんか合っていそう」な気がするものですが。鵜呑みにしてはいけませんよ、というハナシ。心しておきましょう。

合っているかをざっくり見極めるコツ Part2

続いて、合っていそうかをざっくりと見極める別の方法です。こんどのコツは、

1の位(くらい)を暗算してみる

具体的にはこういうこと ↓

image3

1の位の合計「25」の下一桁。これと、もともとの計算結果の下一桁とを確認します。ふたつとも「5」で一致しています。

ここが合っていると。「データを1つ読み飛ばして計算してしまった」というような、うっかりにして大きな間違いはなさそうだ。と、判断できます。

以上のように、「上位の位」と「1の位」を暗算するのが、大きな計算間違いの有無を見つけ出すコツになります。

いきなり電卓に頼らずとも、計算間違いのニオイというものを感じ取ることはできるのです。

 

計算間違いの「原因」をすぐに見つけ出す3つのコツ

ニオう、計算間違いのニオイがプンプンするぞ! となれば。電卓を叩くのも致し方なし。

その結果、「やはり間違っている」というときに。その間違いの原因はどこにあるのかを見つけ出す2つのコツについてお話しします。

数字の入れ違いをあぶりだすコツ

具体例で見てみましょう ↓

image5

もともとの計算結果は「13,466,976」、電卓を叩いてみたら「13,464,276」というケースです。

もともとの計算が間違っていて、電卓のほうが正しい。そういう前提で見てください。で、その間違いの差は「2,700」。はじめのコツはこれ ↓

差を「9」で割る

ということで、差の「2,700」を「9」で割ると「300」。割り切れます。この「9で割り切れる」がポイント。

このとき、「数字の入れ違いが起きている」ことを疑う。というのが、計算間違いの原因をあぶりだすコツになります。

解答を先出しすると。この例では、もともとの計算の中にある「954,711」を「957,411」と間違えて計算をしています。

「954,711」について、千の位の「4」と百の位の「7」を逆に入れ違えて計算してしまった。その結果、合計は「13,466,976」となった。そういう例です。

このように、計算の差が「9」で割り切れるとき。「数字の入れ違いが起きている」ことを疑うことができます。

ちなみに。事例では、差の「2,700」を「9」で割ると「300」でした。割ったあとの数字が100の位であるとき、ひとつ上の1,000の位との入れ違えたことを示します。

同様に。割ったあとの数字が1の位であるときは、ひとつ上の10の位との入れ違えを示し。割ったあとの数字が10の位であるときは、ひとつ上の100の位との入れ違えを示す。ということも覚えておくとよいでしょう。

ケタ間違いをあぶりだすコツ

続いての例はこちらで ↓

image4

やはり、もともとの計算結果と、電卓を叩いてみた結果に差があります。この原因を探るためのこんどのコツはこちら ↓

差を「9」で割る。さらに「0.9」で割る

例示で確かめてみると。例示での差は「291,735」です。これを「9」で割ると、「32,415」と割り切れます。ここまでは、さきほどのコツと同じです。

違いはここから。こんどはさらに、差を「0.9」でも割ってみます。「291,735 ÷ 0.9 = 324,150」です。

ここで、もともとの計算の中にある各データと照合してみてください。すると、同じ「324,150」の存在に気が付きます。

これはどういうことかというと。「324,150」について、ケタ違いを起こして計算してしまった。ということを表しています。

この例では、「324,150」を一桁誤り「32,415」で計算してしまった結果、「291,735」の差を生じたのです。

というわけで。差が「9」で割り切れるときには、「数字の入れ違い」もしくは「ケタ違い」のいずれかを疑いましょう。

そして、さらに「0.9」でも割ることで。「ケタ違い」を確定させることもできる、という「9」のマジックに驚け。

加算・減算の間違いをあぶりだすコツ

さいごのコツを見てみましょう。例はこちら ↓

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こんどは「加算」だけでなく、「減算」を含んだ計算です。

もともとの計算結果である「10,257,212」に対して、電卓を叩いた結果が「10,906,554」。その差は「649,342」というケースです。

差の「649,342」は、残念ながら「9」では割り切れません。こんなときには、次のコツ ↓

差を「2」で割る

ということで割ってみましょう。「649,342 ÷ 2= 324,671」です。

この「324,671」と、もともとの計算のデータを照合すると・・・ あった、あった、ありましたよ。同じ「324,671」が。

これは何を表しているかというと。「324,671」について、加算と減算を間違えた。つまり、「324,671」を加算すべきところを、減算してしまった。そういうケースです。

このように、差が「2」で割り切れるときには。加算と減算の間違いを疑う、というのがポイントになります。

 

 まとめ

「計算間違い」をすぐに見つけるコツ、その原因を見つける5つのコツについてお話をしてきました。

  1.  計算間違いの「有無」をすぐに見極める2つのコツ
    ・上位の位を暗算する
    ・1の位を暗算する
  2.  計算間違いの「原因」をすぐに見つけ出す3つのコツ
    ・「9」で割る
    ・「9」で割る。さらに「0.9」で割る
    ・「2」で割る

数字に関わる場面では、なにかと役に立つ5つのコツ。ぜひとも覚えておきましょう。

 

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  きょうの執筆後記
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