はじめての確定申告。本、ネット、セミナーとかで勉強しよう!
いいですね。でも、ちょっと待って。勉強をするにはちょっとした注意が必要です。
ということで、はじめて確定申告の勉強をするときの時間とおカネのかけどころ、についてお話をしていきます。
ノウハウを知りたがる人、ノウハウを教えたがる人
独立開業してフリーランスになった、個人事業主になった。そんなあなたに襲い掛かるのが確定申告という試練。
とはいえ、それほど恐れることもありません。
しっかり勉強し、準備し、順を追って取り組んでいけば。乗り越えられないようなカベではないのです。
「それじゃあまずは勉強から」と、周囲を見渡せば。インターネット、書籍、セミナーなど勉強をする機会には事欠きません。すぐにでも勉強ははじめられるでしょう。
でも、ちょっと待って。気を付けて。
その勉強、「ノウハウ」ばかりではないですか? 「どのように」という方法論ばかりの勉強ではないですか?
応用が効かないノウハウ
ノウハウも必要なことですが、そればかりでは不十分です。
なぜなら、その裏にある「なぜ」が無ければ、その後のいろいろな場面に対応できない、応用が効かない結果になりうるからです。
たとえば、
「〇〇の代金は経費にできます」という話。これはノウハウです。ではこのノウハウのほかに「なぜ、〇〇の代金は経費にできるのか」の勉強が無いとどうなるか?
その考え方であれば、同じように「△△の代金も経費にできる」ということには気づくことが難しくなります。もったいない。
実は異なる条件下では〇〇の代金も経費にはできない、ということがなおざりになる。これはまずい。
にもかかわらず。世の中に発信される情報・勉強には「ノウハウばかり」「ノウハウ偏重」のものが少なくありません。
ヒトはノウハウを知りたがるし、それゆえ、ノウハウばかりを教えたがるヒトが現れます。ノウハウはお手軽であり、わかりやすく、「なぜ」に比べると理解が容易だからです。教えるのもラクだからです。
反面、応用が効かない。結果、損をする、間違える、というリスクがあるのは先にお話をしたとおり。
そのようなリスクを避けるための注意点として。はじめて確定申告の勉強をするときの時間とおカネのかけどころについてお話をしていきます。次の3点です ↓
- 「理由・根拠」を知ることができるか
- 「条件」を知ることができるか
- 「出どころ」を知ることができるか
「理由・根拠」を知ることができるか
インターネット、書籍、セミナーなどで学べるテーマとして、たとえば次のようなものがあります ↓
- 確定申告書の書き方、つくり方
- 帳簿のつけ方
- 会計ソフトのつかい方
これらはいずれもノウハウとしては必要であり、大切なものです。
これらを勉強することは良いことですし、しなければいけないことでもありますが、併せて「理由・根拠」を学ぶようにしましょう。
たとえば。
- 確定申告書の書き方、つくり方(ノウハウ)+ 確定申告の目的・しくみ(理由・根拠)
- 帳簿のつけ方(ノウハウ)+ 帳簿の役割・使いみち(理由・根拠)
- 会計ソフトのつかい方(ノウハウ) + 会計ソフトの必要性・効用(理由・根拠)
「確定申告書の書き方」で言えば、「なぜ確定申告が必要か」という目的を押さえましょう。目的もわからず挑むから、何をしているのかがわからなくなり、辛くて挫折をするのです。
また、「確定申告とは何ぞや」を知らずして会計ソフトの使い方を知りたがるのも時期尚早。一足飛びでラクをしようとしても挫折します。必ずしも会計ソフトが必要なわけでもありません。
ですから、インターネット、書籍、セミナーなどで学ぶ先を探す際には。「なぜ」という理由・根拠までを知ることができそうか。という視点を持ちましょう。
意外と理由や根拠に触れていない情報や勉強が多いことに驚くはずです。
「条件」を知ることができるか
「理由・根拠」に加えて。「条件」を知ることができるか、も重要です。
冒頭でも少し触れましたが、「ノウハウには条件が隠れている」ことも少なくありません。
つまり。そのノウハウが使える場面は限られているかもしれない、ということです。
そうであるにもかかわらず。さも、すべてのケースで通用するかのような書きぶり、言いぶりである情報も散見されます。
たとえば、「クラウド会計を使いましょう!」という情報や勉強がある場合。どういう環境や条件下にある人にとって「クラウド会計を使いましょう!」なのかを知るべきです。
なぜなら、クラウド会計は便利なツールではありますが、万人に共通して使えるツールであるかどうかはまた別の話だからです。
このように、ノウハウの前提に「条件」が隠れているケースがあるかもしれないと注意すること。ゆえに「ノウハウ+条件」を発信してくれそうな情報・勉強を探すことに努めましょう。
「出どころ」を知ることができるか
誰が発信している情報・勉強か、という点で「出どころ」を知ることも重要です。
とくにインターネットにあっては、「出どころ」がはっきりしないものが多くあります。
確定申告や税金についての情報であれば。たとえば、税理士などの専門家が書いたものであるのか、それとも一般の経験者が書いたものなのか、などについては注意すべきでしょう。
必ずしも一般の方が間違っていて、税理士が正しい、などということはありませんが。可能性の問題として、専門家による情報に分があるはずです。
また、専門家は専門家としての責任を持って、業としての責任を背景に、情報を発信するものです。そういう面で、情報にいっそうの重みと確かさが加わるものでしょう。
一般の方が発する「~と思う」「~かもしれない」という情報は、不確かな部分(あるいは誤り)があることを理解したうえで受け止めなければいけません。
インターネットにせよ、書籍やセミナーにせよ。どういう人が発信する情報であるかという「出どころ」を確認する癖をつけましょう。
まとめ
はじめて確定申告の勉強をするときの時間とおカネのかけどころ、についてお話をしてきました。
せっかく時間とおカネとをかけて勉強をしようというのに、
- 「理由・根拠」を知ることができない
- 「条件」を知ることができない
- 「出どころ」を知ることができない
というのでは、学びの効果も半減してしまいます。
時間とおカネのかけどころについては注意をしての勉強選びを心がけましょう。
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きょうの執筆後記
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