仕事でも私生活でも、早めに「危険を察知する」ことができたら… いいですよね。
というわけで。わたしがやっている「移動平均データ」による危険察知、についてお話をしていきます。
危険を察知!仕事も私生活も「移動平均データ」が役に立つ
トントントントン、ヒノノニトン♪ でおなじみのCM。
赤ちゃん 「危険を察知!」
お父さん 「うわっ、しゃべった…!」
お父さん役・堤真一さんの「うわっ、しゃべった…!」が絶妙すぎて。なんど見ても、可笑しくてしかたがないわたしです。
それはそれとして、「危険を察知する」のは大事なこと。
だからと言って、「日野の2トン(トラック)」が役立つ仕事をしているわけではなく。そもそも私生活に、2トントラックは必要ありません。
それならば、と。わたしが実際にやっている、危険を察知するための「移動平均データ」について。データの取り方や考え方などをお話をすることにします。
(って、CMとはまったく関係がない、よくわからない前フリをしてしまった… ま、いっか)
仕事でも私生活でも、危険を察知できれば、行動を変えられます。行動が変われば未来を変えられます。そんな結論になっております。
移動平均データ・仕事編
わたしの「危険を察知!」法である移動平均データ。まずは仕事編から。
たとえば、売上高
じぶんの仕事について、毎月の「売上高」のデータを記録するのは、みなさんにおなじみのことでしょう。
会社の月間売上高、部署の月間売上高、個人の月間売上高、などなど。
わたしも、記録しています。2016年4月の独立開業以来、フリーランスとしてのわたしの売上高(毎月の推移)はこんなカンジです ↓
金額単位を見せろぉぉ! という声が聞こえてきそうですが、そこはご容赦を。いま大切なのは金額自体ではありません。
上のグラフから感じてほしいことは、「デコボコが多くて、ようわからん」ということです。つまり、グラフを見ても「わからない」のです。
これは「季節変動」が原因です。どんな仕事にも、多かれ少なかれ「季節変動」というものが存在します。
たとえば。わたしの職業である「税理士」について言えば、確定申告がある3月は仕事が多く、売上も多くなりがちです。逆に夏場はわりとヒマで売上が少ない、という傾向があります。
そのような1年を通じたデコボコが「季節変動」です。ゆえに、デコボコの大きな季節変動が激しいデータを見てもよくわからず… 「危険を察知」することがは難しくなります。
そこでひと工夫。「移動平均データ」を、グラフに加えてみることにします ↓
上図のうち、オレンジの折れ線グラフが「移動平均データ」です。
具体的には、直近12ヶ月の売上高を合算した金額を12で割った金額。たとえば、2018年2月であれば、2017年3月から2018年2月までの売上高を合算して12で割った金額になります。
Excelを使えば、難しいことはありません。
わたしの場合、2016年4月から2017年3月が、はじめて12ヶ月の売上高データが出揃うタイミングなので、2017年3月以前には「移動平均データ(オレンジの折れ線)」はありません。
ここで、オレンジの折れ線を見てみると。右肩上がりなので、「売上は増加傾向だ」ということがわかります。
毎月の売上高(青の棒グラフ)からだけでは見えなかったものが、移動平均データからは見えてきます。これを「危険を察知」に役立てよう、というわけです。
移動平均データのグラフが下がれば「売上減少」の傾向、上がれば「売上増加」の傾向という危険を察知するのです。
売上増加に危険なんてあるのか、って? あります。「働きすぎ」という危険です。ワークライフバランスの重要性については論をまたず、売上は増えれば良いというわけでもありません。
たとえば、経費
さきほどの売上に続いて、同じように「経費」もグラフにしてみました ↓
開業月が飛び抜けているのは、やむを得ないとして。
ここ数ヶ月を「移動平均データ(オレンジの折れ線)」で眺めてみると、経費は減少傾向であることがわかります。
実はわたし、このグラフを見るまではその認識がありませんでした。毎月の経費について、単月の数字は見ていますが、減っているという認識まではなく。
この点、「経費が減っているのは良いことじゃないか」という意見もあるかもしれません。
ところが、そうとばかりも言い切れない。かけるべき経費をかけられていないのかもしれないからです。たとえば、
- 図書費が減っている → 読書時間が減って、インプットが不足する
- 研修費が減っている → 仕事に時間を取られすぎている
- 消耗品費が減っている → あたらしいツール・サービスにチャレンジすることが減っている
このようなことであれば、経費減少を手放しで喜ぶことはできません。むしろ、危機です。
経費の「移動平均データ」から、経費の傾向に気がつくことができれば、「危険を察知」につながります。
移動平均データ・私生活編
わたしの「危険を察知!」法である移動平均データ。次は私生活編です。プライベートにだって役立ちます。
たとえば、体重
健康を知るうえでは、もっとも基本的なデータと言える「体重」について。
2018年年明け以降、本日まで。青の折れ線がその日の体重。オレンジの折れ線が移動平均データです ↓
ここでの「移動平均データ」は、直近7日間で計算をしています。わたしは、体重変動は1週間のサイクルで調整したい、と考えているからです。
代謝も落ちた40代、体重には気をつけなければいけません。とはいえ、ガッツリ食べたいものを食べたい、という思いもあります。
それを1週間のなかで帳尻を合わせよう、という考え方。土日に食べ過ぎた分は、月から金で取り返す! みたいな。
移動平均データを見る限り、まずまずうまくいっているようです。上がっては下がり、下がっては上がりで、60.5kgから61.0kgあたりをキープしています。
ですから、その「60.5kgから61.0kgあたり」を、移動平均データが上下に超えてくるようだと「危険を察知!」です。
毎日の体重(青の折れ線)だけでは一喜一憂しがちなものですが。そのあたりで、移動平均データは冷静です。
たとえば、ランニング距離
次の私生活データは「ランニング距離」です。
2018年年明け以降、本日まで。青の棒グラフがその日のランニング距離。オレンジの折れ線が移動平均データです ↓
ここでの「移動平均データ」は、直近30日間で計算をしています。わたしが、「月間120kmから150km」というのを走る距離の目安にしているからです。
ですから、本来、オレンジ色の移動平均線は、「120kmから150km」のあいだにあるべきですが。そうはなっていませんね… 一時期の移動平均はだいぶ落ち込んでいます。
これは、ちょっと膝を痛めたという理由があったのでしかたなく。← ただの言い訳
それはそれとして。わたしがランニング距離の移動平均データから察知しようとしている危険は、「運動不足」ということだけではありません。
運動不足という危険のほかに、「時間の使い方の悪化」という危険も見ています。
それなりの時間的余裕がなければ、ランニングはできません。やらなければいけない仕事に追われすぎると、やむなくランニングの時間をあきらめる。ということが起こりえます。
したがって、ランニングの移動平均データは「時間の使い方の巧拙」を示すバロメータでもあるのです。
移動平均データが落ち込めば、運動不足の傾向を示すとともに、時間の使い方が悪化傾向にあることもわかります。ここでも「危険を察知!」です。
まとめに代えて 〜記録するだけなんて造作もない
移動平均データを使った「危険を察知!」の事例をお話してきました。
言うまでもないことですが、危険を察知したあとに大事なことは、危険を回避するために行動することです。察知しておしまいでは意味がありません。
この点、移動平均データは、察知したあとの行動につながります。
データは「事実」だからです。あまりに具体的であるがゆえに、ごまかして終わらせることができません。
データが無い場合には、「気のせい」にすることもできるでしょう。「見て見ぬふり」もできるでしょう。
ところが、データとなるとそうはいかないのですね。具体的・客観的なデータは、気のせいにすることも、見て見ぬふりをすることも困難です。
結果、(しかたなくでも)行動する。未来も変わる。わたしはそう考えていますし、実際にそういう体験をしてきました。
がんばった日もがんばれなかった日も、成果があった日もなかった日も、ただただExcelを開いて数字を入力してみましょう。
がんばることや成果をあげることにこだわらず、まずはとにかく事実を記録をし続ける。それならできそうな気がしませんか?
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きょうの執筆後記
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