” ひとりってラクなの? 世間から取り残された気分にならないの? いつまで働くつもりなの? ……… ”
1枚の紙に羅列された、ひとり税理士への8つの質問。ひとり税理士であるわたしが、ひとり税理士の妻から受け取った質問状に答えます。
ひとり税理士の夫、妻からの質問状に窮する。
2016年4月に、「ひとり税理士」として独立してから1年と11ヶ月(本投稿日現在)になります。
ひとり税理士とは、文字どおり、ひとりの税理士。人を雇わない、単身で業を営む税理士です。
そんな「ひとり税理士」のわたしの元へ、ある日届いた(っていうか手渡されたのですが)妻からの質問状 ↓
- ひとりってラク?
- 世間から取り残された気分にならない?
- どうやってリフレッシュする?
- ことこまかに自分のデータ取るもの?
- どういう状態が最終形? 満足することってある?
- いつまで働くつもり?
- 仕事、仕事に追われない?
- 年金(老後、遺族)はどうなるの?
羅列された8つの質問…
あぁ、答えるよ、答えますとも。でもむしろ、ほかの「ひとり税理士」さんにも聞いてみたいわ、わたしが。
それにコレ。「税理士」に限らず、ひとりで働くフリーランス全般への質問でもあるよね。
つまり、この質問状は、世のフリーランスへ向けられた、その家族からの質問状でもあるのです! たぶん。
というわけでフリーランスのあなたはぜひ、上記8つの質問に答えてみましょう。ご家族が胸のうちに秘めている(かもしれない)疑問に答えてあげましょう。
その前にわたしか。わたしが妻に答えますです、はい。
ひとり税理士の夫より、妻への回答。
それでは、妻からの質問状に答えてゆくこととしましょう。
そんな「私的」な回答に、「公共」の場を使うんじゃありません! というお叱りを受けそうな気もしないでもありませんが。
まぁまぁ、私的なことを書くのがブログでもありますから。ご興味のある方がお読みいただければ、ということでよろしくです。
《質問①》ひとりってラク?
うーむ、いまさらかぁ。もう、2年近くも「ひとり」なんですけどね。まぁいいや。
ラクです(キッパリ)。
なにをもってラクか、ということではありますが。組織(会社)に縛られることがないということが、これほどラクなものなのか! と感じています。
これは別に「怠惰」をできるぞぉ、という意味でのラクではなく。「自由」をできる、という意味でのラクです。
いまは、毎朝起きた瞬間から「やりたい」ことばかりです。仕事でも、プライベートでも、「やりたい」ことばかりです。
勤め人のころはと言えば。起きた瞬間から「やらなきゃ」です。「やらなきゃ」いけないことのオンパレード。しかも「会社の」仕事がらみばかり。会社員なのであたりまえですが。
「やらなきゃ」が無い、縛られない毎日はラクです。「やりたい」でいっぱい、自由な毎日は楽しい。ラクして楽しい。
もちろん、自由と引き換えに背負わねばならない「責任」はラクではありません。良くも悪くも責任はすべて自分にあります。ただ、「それすらも楽しい」と言ったら、妻は首を傾げるのだろうか…?
《質問②》世間から取り残された気分にならない?
なんか、ひどく誤解をしてない? 「ひとり」になることを、悟りを開いた仙人かなんかだと勘違いしてない?
あぁ、もっとも、悟りを開いた仙人は「世間から取り残された」などという雑念はないんだろうけど。
ちなみに、わたしは仙人ではありませんが「世間から取り残された」気分になることはありません。ひとりの「孤独」を感じることはありますが、それをもって世間との距離を感じることはありません。
どちらかと言えば、ひとりは孤独であるがゆえに、世間や社会との距離を詰めるよう努めています。
本を読む、ブログを読む、セミナーに行く、ネットを見る、人と会う、あたらしいことにチャレンジする、などなど。変化し続ける世間や社会から、大きく遅れることがないように努めています。
これらは勤め人をしていたときには、まったくできていなかったことです。
勤め人は、組織(会社)に属しているという点で言えば孤独ではありません。けれども、勤め人をしていたころのほうが、よほど世間から取り残されていたわたしです。
《質問③》どうやってリフレッシュする?
「リフレッシュ」という言葉の意味を、「回復」と捉えるならば。リフレッシュの必要性を感じることが少なくなりました。
なんども引き合いに出して恐縮ですが(誰に対して恐縮なんだ?)、勤め人をしていたころは「リフレッシュしてぇ…」という思いがありました(思うだけで、できなかったけど)。
心身ともに疲労・疲弊が激しい毎日に、リフレッシュ(回復)の必要性を感じていたのでしょう。
いまはどうかと言えば、そうでもありません。「回復」を要するほど疲労も疲弊もしていないからです。
それほどの疲労も疲弊もないのは、ひとりがラクだから。《質問①》で答えたとおりです。
また、「自宅兼事務所」という環境も貢献しています。通勤がない、日中でもすぐに走れる(ランニングは趣味・習慣)、家族がすぐそばに居る、などは心身の健康面でメリットがあります。
家族はビミョーに思っているかもしれませんが(妻・昼ごはんもつくるの?、子どもたち・小言がうるさい…)。
《質問④》ことこまかに自分のデータ取るもの?
わたしが毎日ブログを書いていることもあり、妻は他のひとり税理士さんのブログも読んでいます。
ゆえに、そのようなひとり税理士さんの「生態」を、妻はあるていど理解しているわけです。そのなかで、どうやらこの質問を思いついた模様でして。
平たく言うと、「ひとり税理士はみんな ”データおたく” なのか?」と。◯◯をしていた時間とか、◯◯の回数とか、何冊本を読んだだとか、タスクやスケジュールがああだこうだ… 多くない?
多い。たしかに多いわ。なんでしょうね、ひとり税理士特有の性分? まぁ、性分もあるのでしょうけれど、その性分を前提に「広まっている」ということもあるのかもしれません。
実際、わたしは「ひとり」になってから、他のひとり税理士さんのブログを読み、「お〜、データいいね、データ取ろう、そうしよう」と乗ったクチですから。
なんだコレ。質問の回答になっているのかな。ま、いっか。
ちなみに。わたしが、仕事でもプライベートでも、いろいろなデータを取り続けているのは「自分のことを知る」ためです。自分のことを、きちんと把握するため。
誰の管理も受けない「ひとり」は、自分での管理が重要。その自分の管理にあいまいさ・イイ加減さを残さないよう、具体的・客観的なデータを大事にしている。そんなカンジです。
《質問⑤》どういう状態が最終形? 満足することってある?
なんか、スゴいとこ突いてくるよね。核心というか、本質というか。
では回答。最終形などない、自分に満足することなんてありえない! とか言うと、シロい眼で見られちゃったりするのだろうか?
でも、ほんとうです。時代が、世の中が変化する以上、わたしもまた変化を続けなければ「生き残る」ことができません。
「これでいいや」と思ったら、近い将来、世界から置いてけぼりを食うことでしょう。
勤め人であれば、組織(会社)が変化を促してくれるかもしれませんが、「ひとり」はそうもいきません。
変化を続ける世界で生き残るには、自ら変化を続けるしかないのです。ダーウィンが言ったよね、「生き残ることができるのは変化できる者だ」って。そういうこと。
最終形はないのだから、「いま」に満足することはできない。満足をしないことが大切なんだ! では、ご納得をいただけないような気もするが…
いまのわたし(妻)に、わたしたち(家族)に、満足できないと言うのっ!? キ〜〜!! いや、それとこれとは別で、まぁ落ち着いて… 次、行こう、次。
《質問⑥》いつまで働くつもり?
なんだろう、「定年」とか期待しているんだろうか。
妻はかねてより「縁側に夫婦並んで座ってお茶を飲む」という老後の理想像を持っています。それはいつ果たせるのか、という問いなのだろうか? ちなみに、ウチにはまだ縁側もない(マンション)。
なにをもって「働く」というのかどうかではありますが。「生涯現役、ヘヘ(笑)」とか言うと、ブッ飛ばされるか、いつか家を出ていかれるのかもしれない、という不安もないではない…
でも、「自分が社会に向かってやりたいことをやる=働く」と定義するのであれば、生涯現役であり続けようとするだろう。というのが、偽らざるわたしの思いです。
《質問①》のところで言ったように「やらなきゃ」いけない仕事であれば、できるだけ早い定年も考えたことでしょう。でもいまは違います。「やりたい」ことばかりです。
とはいえ。いまと同じような働き方をし続けることは考えていません。変化する、《質問⑤》で言ったとおりです。
わたしも妻も歳を取る、子どもたちもいずれ独立していきます。家庭のあり方も生活も変化します。
妻が言う「老後の理想像(縁側でお茶)」もかなえられる働き方への変化に努めますことを、ここに約束いたします。ところで「縁側」っていうシチュエーションは必須なの?
《質問⑦》仕事、仕事に追われない?
仕事に追われているように見えるのでしょうか。だとしたら申し訳ない限りです。
なにをもって「仕事」というのかではありますが。勤め人のころのように「やらなきゃいけない仕事」に追われているわけではありません。
言葉遊びのようで恐縮ですが、「やりたいこと」を追いかけ続けている今です! 今なのですっ!たとえば、このブログとか。
って、追いかけているばかりでちっとも追いついていないことから、追われているように見えるのだと推測しました。
であるならば、わたしの不徳の致すところでしかありません。やりたいことがあるのはいいことですが、「手にあまるほど」というのも現実離れしていますから。
ひとりになってだいぶ経ってから気がついたことに「選択と集中」があります。まだまだ、わたしにはうまくできていないようです。
たった「ひとり」にできることは限られています。手放すべきことは手放して(そもそもやらない)、任せるべきことは任せて(基本ITに)、選択したものに集中する。
行き過ぎた自由で、あれもこれもできる、あれもこれもやりたい、では仕事に追われるばかりです。妻からの質問に、気持ちを新たにして、選択と集中します。
《質問⑧》年金(老後、遺族)はどうなるの?
わが家の妻は、とても現実的で慎重です。基本的に金額が少額な「フリーランスの年金」を問題視しています。
老後の年金は大丈夫なのか? ダンナが死んでしまったらどうなるのか? だったら、仕事をやめさせないでほしかった。キ〜〜!! だから、落ち着いてってば。
長女が生まれたとき(12年前)に、「子どものそばには、ずっと母親にいてほしい」との思いから、仕事をやめるようにお願いをした経緯があります。
この件については、これまでもことあるごとに夫婦ゲンカ(?)の火種となり、わたしもアタマを悩ませております…
わたしとしては「よかれ」と思ってしたことが、妻にとってはそうではなかったということで。はい、完全なる内輪ネタなのでそれくらいにして。
おカネについて不安になるのはもっともなことです。いまのわたしにできることは、しっかり稼ぐことは当然として、もうひとつ、「情報をオープンにする」ことです。
わが家では、月の初め(今月は3月1日)に、前月分の事業の状況(売上・経費・利益)と家計の状況(支出・資産・負債)について、妻に説明をしています。
仕事での利益が◯◯円、家計で◯◯円の支出があって、わが家のおカネは◯◯円増えました(あるいは減りました)、というような話をしています。おカネの隠しごとはありません。
ヒトは「見えない・わからない」ことには不安をいだくものです。妻もわたしも、いたずらに不安になることがないように、おカネの情報を見える化して共有しています。
まとめ
ひとり税理士の夫へ、妻からの質問状に対する答えについてお話をしてきました。
税理士に限らず、ひとりで働くフリーランスには共通する「家族からの質問」と捉えて記事にしてみました。
あなたのご家族も、おなじようなことを疑問に思っているのかもしれません。
よろしければ、家族との対話のきっかけにしていただければ、と。
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きょうの執筆後記
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