” 赤信号か… でも、クルマの通りもないし… ”
なんて考えてはいませんか? 赤信号を渡らない、のは交通ルールではありますが。それとは別に、「フリーランス」と「赤信号」についてのお話です。
フリーランスは「赤信号」を渡るな
「赤信号を渡るな」って、そんなのあたりまえだろう。と言われるのかもしれませんが。
ヒトやクルマの通りが少ないところでは、ちっとも「あたりまえ」じゃなかったりします。
赤信号なのはわかってる。でも、ヒトもクルマもいないことだし、ここはひとつ… ということは意外とあるでしょう? という話をしています。
そういうアンタはどうなんだ? と聞かれれば、「まことに申し訳ありませんでした」と謝るばかりです。
この点について。フリーランスとして独立開業してすぐ(2016年4月)に、「赤信号を渡らない」というルールをじぶんに課しました。
課しました、なんて言うほどたいそうなことではないけれど。やらないことリスト(やらないことを列挙したリスト、まんまです)に「赤信号を渡る」と書き加えたのです。
以来、毎朝そのリストを読み返しています。きょうも赤信号を渡りませんように、とじぶんに言い聞かせています。
なぜそんなことをはじめたのか? フリーランスにとって「赤信号を渡らない」には、交通ルールを守ること以上の意味がある。そう考えたからですね。
なんだその意味って、ということについてはこちらの4つです ↓
- ゆとりを持つ
- 周りに流されない
- 自分と約束する
- ケガをしない・死なない
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
ゆとりを持つ
フリーランスとして独立開業する前。つまり、まだ会社員をしていたころ。
とにかく、時間に追われていました。時計を見ては、「あぁ時間がない、時間がない…」。不思議の国のアリスに登場する、せっかちな「白ウサギ」的状況の毎日です。
って、白ウサギには食いつかなくていいです、はい。とにかく時間に追われていた、という話ですね。
「時間がない」のいちばんの原因は「仕事」でしたが、結果として、あらゆる場面において「時間がない」は常態化。
赤信号の話に戻ると、「もう信号を待つのももったいない! ここはひとつ…」みたいな。ダメダメです。
もちろん、その信号を渡ったからといって、「時間がない」の根っこはなにひとつ解決できません。ただ、その場をやり過ごすのみです。
だから逆説的に、「待つ」ことにしました。まぁ、交通ルールとしてはそれがあたりまえなんですけどね。
でも、あたりまえに「待つ」ことで、問題の根っこに向き合う「ゆとり」を持つことができるはず、と。そんなことを思いつつ、いまは赤信号を眺めています。
せまい日本、そんなに急いでどこへ行く。信号ひとつ待てないようじゃ、どこへも行けません。
周りに流されない
赤信号、みんなで渡れば怖くない。なんて、よくよく考えてみたらとんでもない流行語がありました。
実際、赤信号にはそのようなフンイキがないわけでもなく(いや、おおいにある)。「集団」になるとどこか強気の日本人、を象徴しているようです。
「集団」という見方で言えば、会社員は、会社という集団のなかのひとりです。
いっぽうで、フリーランスはただのひとりです。そこに、「集団の強気」は無いし、それを放棄するための独立開業でもありました。
だからもう、「みんなで渡れば」的な発想はやめなければいけない。
みんなが渡っているから、ではなく。みんなが渡っていないから、でもなく。「じぶん」で、渡るか渡らないかを決める。
はいはい、赤信号を渡ってはいけませんね。だから、たとえみんなが渡っていても、じぶんは渡らないぞ。赤信号ではそういう心持ちで立っています。
周りに流されない、群れない。
この世界は群れていても始まらない、と歌っていたのは欅坂46。なぜここでそういうネタを持ち出すのか? じぶんはじぶんだから…?
じぶんと約束する
会社員だったころ、たくさんの約束事がありました。会社との約束事です。
たとえば。始業は8時半です、終業は17時です、日報を書きましょう、研修を受けましょう、夏休みは2日間です、上司には酒を注ぐ、トマトは残さず食べましょう、などなど。
トマトは冗談です。冗談は抜きにしても、会社(組織)に属していると、明文化されているか否かにかかわらず、たくさんの約束をさせられる環境にあります。
約束をさせられる、なんて言うと悪く聞こえますが。約束を通じて、じぶんを管理できていた、とも言えます。
極端なことで言えば、出勤時間がまったくの自由だと、朝寝坊しほうだいのダメ人間になるかもしれない。でも、出勤時間があるから、しかたなくでも起きる… みたいな。
では、フリーランスになったらどうか? じぶんしだい、ですよね。会社(組織)との約束もありませんし。
そんな「じぶんしだい」はメリットでもデメリットでもある。自由というメリットがある反面、自由をはきちがえてしまえば我が身を滅ぼしかねないというデメリット。
独立開業した時にふと考えたのはそういうことです。いまもそう思っていますけど。
そこで、「じぶん」自身をあまり信用していないわたしは、「じぶんと約束する」という習慣を身につけることにしました。冒頭で触れた「やらないことリスト」はそのひとつです。
あまりカッコイイ話ではありませんが、きちんと約束をしておかないと「ダメになりそうなじぶん」の存在を感じているのです。
「赤信号を渡らない」というのは、数ある約束のなかのひとつでしかありません。でも、だいじなだいじな、じぶんとの約束のひとつです。だから守る。
この赤信号を渡ってしまえば、すべての約束を破ったに等しいんだぞ。渡るわけにはいかんだろ、うーん… と唸りながら赤信号を見つめるばかりです。
ケガをしない・死なない
赤信号を渡って、クルマにはねられでもしたらシャレになりません。ケガをする、ヘタをすれば死んでしまいます。
じぶんの代わりがいないフリーランスにとって、それはそれはほんとうに恐ろしいことです。
会社員だって、じぶんの代わりなどいない、と言われるかもしれませんが。フリーランスとは深刻さの度合が異なります。
会社員であれば、じぶんが仕事をできなくても、他の社員が代わりにやるという選択肢があります。フリーランスには、その選択肢はありません。
また、フリーランスのケガや死亡に対する補償は、会社員のそれに劣ります(フリーランス自身で補償の準備をしていれば別ですが)。
会社員よりもフリーランスのほうが「じぶんの代わりがいない」問題はより深刻なのです。
じぶん自身、家族を守るためにも、ケガをしたり、死んだりしてはいけない。少なくとも、つまらない不注意でそんなことになってはいけない。
そう思えば、赤信号を渡ろうという気持ちも減退するものです。
じゃあ、左右をようく確認して渡ればいいじゃん、って? それは青信号のときにやるべきことであって、赤信号を渡るためにやるべきことではありません。
まとめ
フリーランスは「赤信号」を渡るな、についてお話をしてきました。
赤信号を渡らないのはあたりまえではありますが。過去のじぶんを含めて、現実には「あたりまえ」でもない。
そんなことから、フリーランスになった際、あらためて決めたルールが「赤信号を渡らない」でした。
一事が万事、と言います。これくらいならいいだろう、ということも改めて見直してみるのはどうでしょう。
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きょうの執筆後記
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