会社や事業を持続させる、あるいは成長させるにあたっては「おカネを借りる」ことが欠かせません。
というわけで。「おカネを借りる」に強くなる名言・格言・ことわざをご紹介していきます。
会社・事業は「おカネを借りる」が欠かせない
さぁ、ドンドンおカネを借りましょう! などと言うつもりはさらさらありませんが。
こと会社・事業(とくに中小零細企業)においては、「おカネを借りる」ことは必要不可欠だと言っていいでしょう。
会社や事業を持続させる、あるいは成長させるにあたり、「銀行融資」は欠かすことができない資金調達の手段だからです。
CHECK! 無借金経営のたった1つのメリットと5つものデメリット
そこで。「おカネを借りる」に強くなる名言・格言・ことわざを集めてみました。
理解を深めることはもちろん、じぶんを戒める、他者を説くのに役立つ言葉の数々をご紹介していきます ↓
- 後の千金
- 先立つものは金
- 銭ある時は鬼をも使う
- 金は片行き
- 貸すも親切、貸さぬも親切
- 借りる八合済す一升
- 取り勘定より遣い勘定
- 1つのカゴに卵を盛るな
- 一文吝みの百知らず
- 雨が降れば傘をさす
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
「おカネを借りる」に強くなる名言・格言・ことわざ
あとになってのおカネでは間に合わない
後の千金(のちのせんきん)
援助(千金)も、必要なときに得られなければ役に立たない。との言葉です。
「いまは融資を受けない。おカネが必要になったら融資を受ける」と言う経営者がいます。
けれども、融資には審査が必要なのであり、そのときに必ず借りられるか・すぐに借りられるかはわかりません。
むしろ、おカネが必要になったとき(赤字が続いている・手元のおカネが無いとき)には、なかなか融資を受けられないものです。
したがって、いつか援助(融資)を受けるかもしれないのなら、「いま」借りておくことができないかを考えましょう。
銀行融資にあたり、遅きに失するケースは少なくありません。
経営にいちばん大事なものはなんだ?
先立つものは金
なにをするにも、まずおカネが必要だ。との有名な言葉ですね。
経営に必要な資源は、「ヒト・モノ・カネ」だと言われます(「情報」も加えられることがあります)。
では、なかでもいちばん大事なものはなにか? というのであれば。それはおカネだ、という考え方もひとつです。
なぜなら、ヒトを雇う・ヒトを育てるのにはおカネがかかります。モノを買う・維持するのにもおカネがかかります。おカネが無ければ、ヒトもモノもありません。
おカネが無ければはじまらない。であるならば、必要なおカネは「借りてでも持つ」ことです。借金を過度に恐れると、経営に必要な資源が不足します。
おカネがあれば、ピンチに耐えてチャンスをつかめる
銭あるときは鬼をも使う
おカネがあれば、鬼でさえも使うことができる。おカネのチカラは大きい、ということを表す言葉です。
会社・事業を続けていれば、良いときも悪いときもあります。ではもし、悪いときにおカネが無かったら? 会社はつぶれてしまいます。おカネが尽きたときが、会社・事業の終わりです。
また、ここがチャンスという場面でおカネが無かったら? 必要な投資ができずにチャンスを逃してしまう。結果、成長ができない、あるいは成長が遅れてしまいます。
おカネがありさえすれば、ピンチに耐えることができたのに… おカネがありさえすれば、チャンスをつかむことができたのに… との後悔を聞くことは少なくありません。
おカネのチカラは大きい。やはり、必要なおカネは借りてでも持っておく。その考え方が大切です。
おカネはあるところにある
金は片行き
おカネは、おカネがあるところに集まり、おカネが無いところにはまったく集まらない。おカネの格差についての言葉です。
銀行はおカネを持っている会社・事業に対して、おカネを貸してもいい、むしろ貸したい。と考えます。
端的に言えば、おカネを持っている相手は「安心・安全」だから。おカネを持っている相手であれば、貸したおカネを返済してもらえなくなることもないだろう、ということです。
いっぽうで。おカネが無い会社・事業に対して、銀行はおカネを貸したいとは考えません。貸しても返してもらえないかもしれないから、ですね。
おカネが無いからおカネが必要なのに借りられない。かたや、おカネに困っていないのにおカネを借りて、さらにおカネを増やすことができる。
なんかヘンなの、と思われるかもしれませんがこれが現実。おカネが無くなってからの融資依頼は難しいことを覚えておきましょう。
銀行を恨んでもしかたなし
貸すも親切、貸さぬも親切
貸すのも親切だけれど、ときには貸さないことが親切になることもある。
これは、城南信用金庫の理事長をつとめ、日本の信用金庫の発展に貢献をされた小原鐵五郎さんの言葉です。
銀行は融資をするのが商売ではあるけれど、貸したおカネが有意義に使われないような先にまで融資すべきものではないことをあらわしています。
つまり、状況が悪い会社・事業で、融資をしてもただただ延命をするばかり… であれば。これ以上キズを深くしないよう、貸さないのが親切だ、ということです。
銀行融資については、「銀行は晴れた日に傘を差し出し、雨の日には傘を取り上げる」とも言われますが。それは、当然かつ親切だと理解することができます。
借りて感謝こそすれ、恨むことなかれ
借りる八合済す一升(かりるはちごうなすいっしょう)
お米を8合借りたら、1升にして返せ。転じて、人からなにかを借りたら、お礼や感謝を忘れるな、との言葉です。
銀行融資は、銀行からおカネを借りて「ハイ、おしまい」ではありません。
会社・事業を続けている限り、おカネは欠かせないものであり、ことあるごとに銀行融資が必要になるものだからです。
したがって、銀行とは信頼にもとづく中長期的な関係を築いていくことが大切になります。その前提として、借りた者が持つべき「感謝」が挙げられます。
この点で、銀行に対して「高い利息を払ってるだろ!」というような態度で臨むようではいけません。
利息を支払うのはあたりまえのことであり、ときには銀行からのお願いごと(要は営業)にも耳を傾けることが信頼を築く助けになります。
ヒトも会社も見栄を張る
取り勘定より遣い勘定
収入を増やすことばかりに一生懸命になるのではなく、支出を減らす努力もしたほうがよい。との言葉です。
ヒトは「生活レベルを下げる」ことがカンタンにはできません。稼ぎがよくなるなどして、いちど良い暮らしを経験してしまうと、その後に稼ぎが減ったからといって暮らしぶりを変えられないのです。
これはヒト(個人)に限らず、会社についても同じことが言えます。たとえば、いちど良い場所に事務所を借りると、収入が減ったからといって、家賃の安い場所に移るかというと移らない。
支出を減らすことはせずに、なんとか収入を増やすことばかりに気を回し。結果、収入は思うようには増えずに、おカネが目減りをしていきます。生活にしても経営にしても苦しくなるばかりです。
ヒトや会社には、そのような「傾向」があることを理解して、意識的に支出を減らすことを考えましょう。
1つの銀行とだけ付き合うな
1つのカゴに卵を盛るな
すべての卵を盛ったカゴを落としたら、すべての卵が割れてしまう。だから、卵は1つのカゴに盛ってはいけない。ゆえに、投資をするなら分散すべし、との言葉です。
この「分散」については、銀行融資における「銀行付き合い」にも同じことが言えます。
ひとつの銀行だけから融資を受けているとして。もし、その銀行の「融資に対する姿勢」が変わってしまったら?(さまざまな理由により、しばしば起こります)
いままでは融資をしてくれいたとしても、これからは融資をしない。そればかりか、いまの融資を引き上げることさえ起こりえます。
そのときに、他の銀行ともお付き合いをしていれば。他の銀行からの融資を受けることで難を逃れる、ということもあるでしょう。
1つの銀行だけとお付き合いをするのは、大きなリスクを伴う行為であるとの理解が大切です。
目先の利息にとらわれない
一文吝みの百知らず(いちもんおしみのひゃくしらず)
わずかなおカネ(一文)を惜しんだがために、のちの大きな利益(百)を得られずに損をする。との言葉です。
目先の損得にとらわれないように、ということですね。
銀行融資について、「おカネを借りると利息を払わなければいけない」というハナシが出てきます。たしかに、利息を払うことはおカネを借りる際のデメリットです。
では、いっぽうで。おカネを借りないときのデメリットはなんでしょう?
おカネが足りずにピンチを乗り切れない、チャンスに投資ができず成長を逃してしまうことです。
目先の利息を惜しんで、会社・事業をつぶしてしまうのでは元も子もありません。目先の利息を惜しんで、利息を超える利益を逸するのも残念なことでしょう。
おカネを借りるデメリット(利息)と、おカネを借りないデメリット(おカネが不足する)とは、比較したうえで考える。注意が必要です。
あたりまえをあたりまえにやることの難しさよ
雨が降れば傘をさす
ヒトは雨が降れば傘をさす。雨の中をズブ濡れで歩くようなヒトはそういない。
けれども、経営のこととなると、雨の中をズブ濡れで歩くような奇行が散見されるから注意をしなければいけない。との、松下幸之助さんの言葉です。
これを銀行融資にあてはめてみると。「銀行からおカネを借りたい」と言っているのに、「税金を払いたくないから経費を使う」と言う経営者がいます。
ありえません。税金を減らすために経費を使えば、経費の分だけおカネが減り、利益が減ります。おカネと利益が減った分、銀行からの評価は下がり、融資は受けにくくなります。
したがって、「税金は払いたくない、でもおカネは借りたい」はムリな話です。それでも、無理やり経費を使うのであれば、それは奇行です。
あたりまえを知り、そのあたりまえをあたりまえにやる。経営ではこれが意外と難しいんですよ、と松下幸之助さんは言っています。じゅうぶんに気をつけましょう。
まとめ
「おカネを借りる」に強くなる名言・格言・ことわざをご紹介してきました。
こと会社・事業(とくに中小零細企業)においては、「おカネを借りる」ことは必要不可欠だと言っていいでしょう。
「おカネを借りる」の理解を深めるにあたり、役立つ言葉の数々は知っていて損がありません。
- 後の千金
- 先立つものは金
- 銭ある時は鬼をも使う
- 金は片行き
- 貸すも親切、貸さぬも親切
- 借りる八合済す一升
- 取り勘定より遣い勘定
- 1つのカゴに卵を盛るな
- 一文吝みの百知らず
- 雨が降れば傘をさす