「売上増」と聞いてイメージするのは、「仕事増」による売上増。
仕事増はもちろんいいけれど、それはそれとして、「前倒し」による売上増をしてみました。というお話です。
突然ですが、今年2月の業績はいかに?
きょうは3月のはじめ。そこで、開業から3度めになる2月の「業績」を振り返ってみたところ、こうなりました ↓
上のグラフは、開業から3年間の「2月単月の売上高」を並べたものです。
これはこれは、お仕事が増えているようでよかったね。すごいですね。というふうに見えなくもないのですが、実は、そういうわけでもなく。
売上高が増えた理由を付記してみるとこうなります ↓
2017年2月に比べて2018年2月の売上高が増加したのは、仕事(量)が増えたからです。ここは、開業2年目。仕事が増えてよかったね、です。
ところが、ことし2019年2月の売上高が増加したのは、おもに「仕事を前倒しした」ことによります。仕事がたくさん増えた、のではありません。
毎年3月は「確定申告」の仕事により、売上が多くなる。というのが、多くの税理士事務所に見られる現象です。
わたし(税理士)もまたご多分に漏れず、1年のなかでも3月の売上が多い状況にありました。
その「3月の売上」のおよそ7割くらいを、2019年は2月に前倒しすることができた。というのが、さきほどのグラフが示すところです。
前倒しの売上はスゴいのか?
前倒ししただけの売上なら意味ないんじゃないの? その分、3月の売上が少なくなるだけでしょ? と思われるかもしれませんが。
手前味噌を承知で言うのであれば、わたし自身はこの「前倒し」を、とても大きな「成果」として見ています。
なぜなら、前年は3月になってから終わっていた仕事の多くを、2月中に終わらせることができた、ということを意味するからです。
これで、この3月は前年にはできなかったことができるようになりました。仕事について言えば、あたらしい仕事を増やすことができます。
もともと売上が少なかった2月(2018年の売上金額がじゅうぶんだとは考えていませんでした)の「底上げ」ができて、かつ、3月にあたらしい仕事を増やせる「余白」ができた。
これは大きな成果と言っていいんじゃなかろうか。そんなお話をしています。
この点で。ではなぜ、前倒しができたのだろうか? という理由を考えてみたときに、次の3つが挙げられます ↓
- 好きに予定を入れられるから
- スケジュールを前倒しできるから
- やりたいことがいろいろあるから
それでは、このあと順番に見ていきましょう。
売上を前倒しできた5つの理由
《理由1》好きに予定を入れられるから
人は「期限」があると、期限を守ろうとチカラを発揮するものです。逆に、期限がないと、なんとなくチカラを発揮できずに遅くなる… という経験は誰にでもあるでしょう。
だったら、期限は決めたほうがいい。それも、なるべく「融通のきかない期限」がいい。じぶんの都合でカンタンに伸ばせるような期限だと、効果が半減してしまいますから。
そんなこともあり、ことしは確定申告の仕事を前倒しできるよう、3月1日〜3月15日(確定申告の期限)までのあいだに、次の予定を入れてしまいました ↓
- 自主開催セミナー 2本
- マラソン大会 2本
上記のような予定を、1月のうちに決めておくことで「やらざるをえない」環境をつくってみたわけです。
セミナーをやるにも準備の時間が必要ですし(2本のうちの1本は新セミナー)、マラソン大会に出るにしても練習の時間が必要になります。
それに、セミナーをやると言っておきながら、「やっぱり確定申告があるんで…」とは言えません。やると言った以上、セミナーは開催しなければいけません。
マラソン大会も、うち1本は家族での参加でしたから、じぶんだけの都合でやめるのは申し訳ないことです。
結果的に、これらの「融通のきかない期限」を守ろうとするチカラが発揮されたのだろうと感じています。
ところで。このように「好きに予定を入れられる」のは、独立開業のメリットでもあるでしょう。勤め人をしていたころには、好きに予定は入れられませんでしたから。
じぶんの仕事を終わればおしまい、というわけにもいかず。早く終わったら他の人を手伝う、という仕事が待っています。こうなると、先々に予定を入れておくこともできず… です。
《理由2》スケジュールを前倒しできるから
さきほど、「好きに予定を入れられる」のは独立開業のメリットだ、と言いました。
関連して、「スケジュールを前倒しできる」のも独立開業のメリットだと考えています。
じぶんの仕事が早く終わったら他の人を手伝う環境にあると、なかなかスケジュールの前倒しができないものです。
「手伝う」という仕事に引っ張られて、前倒しに着手ができないからですね。「前」にある仕事が終わらないので、「次」にある仕事を前倒しできない…
また、「どうせ早く終わっても、手伝わなきゃいけないんだし。だったらのんびりやったほうが…」みたいな思考・風土になりかねないところもあります。
いずれにせよ、じぶんの都合でスケジュールを前倒しできる「自由」な環境があるから、仕事を前倒ししやすいのだと言えるでしょう。
なお、環境があっても、それを活かせなければ意味がないわけで。わたしは、前年の進捗実績との比較をするようにしています。
たとえば、確定申告の仕事について。前年は〇月〇日に必要な資料回収をしたから、今年はそれを10日前倒ししようと「具体的」に決める。
そして、それを実現できるように方法を決めて行動する(お客さまの状況を把握しつつ、前倒しのご了承・ご理解をいただけるよう環境整備することも欠かせません)。
そのため、仕事の進捗実績については、その工程をあるていど細分化して記録しています。その記録が、あとで振り返りをするときや、改善を検討するときに役立ちます。
逆に、この記録がないと具体性が持ちづらく、「なんとなく早くやる」というようなあいまいになりがちです。
《理由3》やりたいことがいろいろあるから
《理由1》で「好きに予定を入れられる」という話をしました。しかし、入れたい予定がなければ、それもかないません。
そう考えると、「やりたいことがいろいろある」というのも、仕事を前倒しするには必要な要素なのではないかと感じます。
ブログをはじめ、もっと「書く仕事」もしてみたいですし、セミナーをはじめ、もっと「話す仕事」もしてみたい。
仕事だけではなく、もっと走りたい(ランニング)という思いもあります。本だって読みたいし、勉強もしたい。遊びにだって行きたい。やりたいことはいろいろです。
やりたいことがいっぱいあるなんて、あたりまえじゃないか。そう思われるかもですが。必ずしもそうとは言えません。
ひるがえって、昔のじぶんに「やりたいことがいろいろあったのか?」と言えば。う〜ん、無い。無かったな、というのが正直なところだからです。
目の前の仕事でいっぱいいっぱいで、これからやりたいことにまで気が回りませんでした。
やりたいことがまったくのゼロというわけではないけれど、「どうせできやしない」とのあきらめがありました。
独立開業してからは、その「あきらめ」がありません。じぶんしだいです。前述もしたとおり、「自由」があるからですね。
自由で「じぶんしだい」の環境が、仕事を前倒しすれば「もっとやりたいことができる」の原動力になっています。
そして、やりたいことができるようになれば、またさらにやりたいことも増えていく。だからまた前倒しする、という良い循環も生まれます。
もちろん、自由にはメリットばかりでなく、デメリットもありますが。それはそれとして、やりたいことがいろいろあるからこその前倒し、ではあります。
まとめ
仕事を増やして売上増もいいけれど、前倒しして売上増もいい。というお話をしてきました。
実際に実現した「売上の前倒し」を振り返ってみると、そこには独立開業がもたらす「自由」の醍醐味があらわているようだ。そんなことを強く感じています。