2019年の下半期、6ヶ月でわたしが読んだ本は 75冊。
そんな 75冊のなかから、独断と偏見で「おすすめ本」と、それぞれ「名言」を選んでみました。というお話です。
2019年下半期「75分の5」で選ぶジャンル別おすすめ本
きょうは 2020年1月13日、2019年もすっかり前のこととなりましたが。いまさらながら、2019年下半期の読書から「おすすめ本」のご紹介です。
ちなみに。2019年、わたしの読書量は? と言うと。上半期 88冊、下半期 75冊の計 163冊です。
「2日に1冊」をひとつの目安にしているわたしとしては、「ちょっと少なかったよなぁ」という反省はあります。
もちろん、「たくさん読めばいい」ということではないけれど。読みたい本はいくらでもあるし、好きな読書の「時間を確保する」ことは日々の課題でもあります。
まぁ、それはそれとして。下半期に読んだ 75冊のなかから、独断と偏見で「おすすめ本」を選んでみました。5つのジャンル別に、それぞれのベスト本。次の5冊です ↓
- 【会計部門】[決定版]はじめての管理会計&戦略会計
- 【IT部門】税理士のためのRPA入門
- 【自己啓発部門】完訳 7つの習慣
- 【ディズニー部門】ディズニーで学ぶ経済学
- 【銀行融資部門】銀行業務改善隻語
上記の5冊について。わたしが選ぶ「著者の名言」を引用しつつ、ご紹介をしていきます。
【会計部門】[決定版]はじめての管理会計&戦略会計
管理会計や戦略会計という、一見すると「四角四面」なテーマではありますが。
書中には、セーラー服の美少女スーパー高校生をはじめ、濃いキャラクターの面々が登場。著者・高田直芳さんの「圧倒的なユーモア」と「巧妙なストーリー」でもって、さいごまで楽しく読ませてくれる1冊です。
いわゆる「財務会計」とは対をなす「管理会計」は、「意思決定のための会計」と言われ、商売にかかわる者はぜひとも学ぶべきところ。
とはいえ、「難しそうだよなぁ」と躊躇していたり。「なんど勉強をはじめても挫折しちゃう…」という経験がある人ほど、「はじめの一歩」としておすすめしたいのが本書です。
そんな本書のなかから、わたしが選んだ名言はこちら ↓
固定費を削減すると、その代わりに変動費が増加し、逆に当期純利益を急速に減らします。理由は、固定費の削減によって、会社の付加価値が、予想を上回る規模で低下するからです。
【[決定版]はじめての管理会計&戦略会計/高田直芳さん・著より引用】
世の中的には、「固定費を削減して利益を増やそう!」という考え方があります。けれども実は、その逆で。固定費を減らすことは、だいじな「付加価値」を減らし、結果的に利益をも減らしてしまう。という示唆に富んだ名言です。
難しそうな話だなぁ、と思われるかもですが。そこは前述したとおり、さいごまで楽しく、そしてわかりやすく学ぶことができますのでご安心を。
【IT部門】税理士のためのRPA入門
ちまたで盛り上がりをみせる「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。そのRPAについて、「税理士のための」という視点で書かれた一冊です。
とはいえ。RPAは端的に言えば、「業務の自動化・効率化」に役立つツールなのであり、税理士に限らず汎用性がある話であることは読めばわかります。
つまり。税理士ではなくても、じゅうぶんに役立つであろう本です。
著者・井ノ上陽一さんは、具体的なRPAツールとして「UiPath」を紹介しています。本書では、その「使い方」にとどまらず、効率化に対する「考え方」自体を存分に教えてくれる点が、最大のおすすめポイントです。たとえば、
だからこそ私は徹底的な効率化をしていますが、標準化はしておりません。
お客様によって話すこと・つくるものは違いますし、見せる資料も違っています。
むしろめちゃくちゃ非効率ですが、それをやるために他のことをルール化して徹底的に効率化するという考え方です。【税理士のためのRPA入門 / 井ノ上陽一さん・著 より引用】
言うなれば、標準化しないための効率化。ともすれば、「標準化もまた効率化のひとつ」として位置づけてしまいがちなところを、ズバっ! と斬っている名言ですね。
だれのための効率化か、なんのための効率化か? そもそもだいじなことはなんなのか? を考えさせられながら、RPAを学ぶことができます。
かく言うわたしは、毎月の銀行振込業務を自動化できるレベルです。道はまだ遠い… が。それもまた、たしかな一歩でしょう。がんばれ。がんばる。
【自己啓発部門】完訳 7つの習慣
い、いまさら? という名著を、いまさら読んだわたしです。言わずと知れた世界的名著「7つの習慣」を、なぜいまのいままで読まなかったのか?
ずばり、あまのじゃくだからです。
みんなが「良い!」というものを、素直に受け入れることができず。ベストセラー的なものは思わず避けてしまう傾向があります。そしていま、猛烈に後悔をしています。
なぜ、こんなに良い本をいまのいままで読まなかったのか? と。でもまぁ、読めたのだからいっか! と、いう見方もしています。意外とテキトーなところもあるわたしです。
ほんと、いまさらわたしが語るまでもないのでしょうが。この「7つの習慣」では、人が成長するために大切なことを「7つの心がけ」として体系的にまとめられています。
その「7つの心がけ」は、普遍にして不変。加えて、不偏です。一生をかけて考え続けるべきことだと言えます。
とにかく、金言に富んだ本書から。わたしがお気に入りの名言をひとつ ↓
私たちは、世界をあるがままに見ているのではなく、わたしたちのあるがままの世界を見ているのであり、自分自身が条件づけされた状態で世界を見ているのである。
【完訳 7つの習慣 / スティーブン・R・コーヴィーさん・著 より引用】
わたしたちは「客観的」に見ているようで(あるいは見ようとしているようで)、実はさっぱりだ、さっぱりできていない。ゆめゆめ気をつけることだ、ということですね。やはり普遍にして不変、そして不偏。
【ディズニー部門】ディズニーで学ぶ経済学
わたしは「ディズニー」が好きです。
と言っても、ディズニーのキャラクターなんかが好き、というわけではありません。チップとデール(リスの二人組)の区別が、最近ようやくできるようになったくらい。
そんなわたしが好きなのは「ディズニーリゾート」です。じぶんを含めて、とんでもないほどたくさんの人を魅了する理由に興味・関心があります。というわけで、読んでみたのが本書です。
大学教授の著者・山澤成康さんは、「大学で初めて経済学を学ぶ学生を対象にしており、経済学のおもしろさや研究することの楽しさを伝えるために書いた」とおっしゃっています。
たとえば。ディズニーリゾートの年間パスポートの価格は、なぜその価格なのか? これについて、経済学における「限界効用逓減の法則(※)」によって説明されていたり。
※ 2杯目のビールよりも1杯目のビールのほうが旨い、みたいな。
限界効用逓減だなんて、フツーに経済学を学ぶのでは辟易してしまいそうな論点も、ディズニー効果で楽しく学びやすい。大学生ではなくとも、経済学を学ぶきっかけとしておすすめの1冊です。
また、ディズニーリゾートの「トリビア的なお話」も随所にあるので、ディズニーリゾート好きならば一層楽しめます ↓
また、ゴミのポイ捨てを防止するために、ディズニーランドにはゴミ箱が非常に多い。これは、「人がゴミを持ち歩けるのは 10メートルまで」という説があり、このため8mおきにゴミ箱が置いてあるという。
【ディズニーで学ぶ経済学 / 山澤成康さん・著 より引用】
【銀行融資部門】銀行業務改善隻語
わたしが税理士として、お客さまの銀行融資を積極的にお手伝いをする仕事をしていることもあって読んでみました。
昭和2年の金融恐慌直後、のちの三和銀行・取締役となる一瀬粂吉(いちのせくめきち)さんが、金融業界に対する「戒め」の言葉をまとめた一冊です。
そんな古臭い本を… しかも、銀行業務とか関係ないし… と、思われるかもですが。決して、そんなこともありません。
なぜなら、銀行に限らず、あらゆる「人」や「組織」に共通する「金言」が満載だからです。銀行員でなくとも、一読の価値あり。そう言える1冊になっています。たとえば、
六四.人が皆、東に向かったならば、我は適切に西を顧みるべきである。すなわち、何事もその反面を見る必要がある。
【銀行業務改善隻語 / 一瀬粂吉さん・著 より引用】
どうですか? 銀行業務に限ったことではありませんよね。やはり、時代を切り拓いてきた「先人」の言葉は偉大です。
なお、本書タイトルに含まれる「隻語(せきご)」とは。「ちょっとした言葉」を意味します。「ちょっとした言葉=短い文章」を集めて構成されていますから、少しずつ読み進められるのも本書のおすすめポイントです。
こちらの記事で、もう少し詳しくレビューしています ↓