MacBookPro13(2020・第10世代Corei7・メモリ32GB)を購入しました。
このスペックで「動画編集」をするならどうなのか? ということについてレビューしていきます。
YouTuberになった僕と、新型MacBookPro13と。
2020年5月のはじめ、新型MacBookPro13が発売となりました。買おうか買うまいか、数時間悩んだ挙げ句に買いました。
いちばんの決め手は「動画編集」。ひと月ほど前からYouTubeをはじめたことで、これまで使っていたMacBookPro13・2017年式の「パワー不足」を感じていたところです(くわしくは後述)。
この点で。新型MacBookPro13・2020は、メモリが32GBを選択できるようになった。ここに惹かれましたです(日本語ヘン)。スペック的には、このような差になります ↓
MacBookPro13・2020 | MacBookPro13・2017 | |
CPU | 第10世代 Core i7(最大 4.1GHz) | 第7世代 Core i5(最大 3.6GHz) |
GPU | Intel Iris Plus Graphics(G7) | Intel Iris Plus Graphics 640 |
メモリ | 32GB 3,733MHz LPDDR4X | 16GB 2,133MHz LPDDR3 |
ストレージ | 512GB | 256GB |
値段 | ¥ 248,800(税別) | ¥ 186,800(税別) |
このたび購入した MacBookPro13・2020は、CPUは選択できるもののなかで、いちばん良いものを。メモリも選択できるもののなかで最大を。ストレージ以外は、「できる限り」の盛り盛りです。
にしても、高いっす。248,800円は高いっす。なので、買うかどうかを迷いました。それでも前述のとおり、動画編集を言い訳にして、否、理由にして買いました。じぶん史上、いちばん高価なパソコンを買いました。
果たして、その結果やいかに。ということで、このあとレビューをしていきます。
MacBookPro13(2020・第10世代Corei7・メモリ32GB)は動画編集にどうなのか?
まずは、「動画編集」の面からレビューをしてみることにします。
前提として、CPUやGPUの性能をベンチマークアプリ(Geekbench)で測定した結果を見ておきましょう。比較対象に、MacBookPro13・2017のスコアも掲載します。
CPU・GPUのスコアを確認
はじめに、「CPU」のほうから ↓
上段のスコアが MacBookPro13・2017で、下段が MacBookPro13・2020(なぜか MacBookPro16と認識される…)。
当然ながら、MacBookPro13・2020の圧倒的勝利です。シングルコア(左側のスコア)にしても、マルチコア(右側のスコア)にしても、その差は歴然(スコアは高いほど良い)。
ちなみに、シングルコアとマルチコアの違いは、CPUが人間だとすると、「ひとりで仕事するか、ふたりで仕事するか」の違いになります。CPUには2つのコアがあって、そのうちのひとつを使うのがシングルコア(ひとり仕事)、ふたつを使うのがマルチコア(ふたり仕事)。
なんか解釈が間違っていたらすまぬ。でも、たぶんそんな感じなはずです。
では、続いて GPUのスコアを見てみましょう ↓
さきほどのCPUと同じく、上段のスコアが MacBookPro13・2017で、下段が MacBookPro13・2020(やはり MacBookPro16と認識される…)。またしても、MacBookPro13・2020の圧倒的勝利です。
なお、CPUとは人間でいうと「頭脳(頭の良さ)」みたいなもので、GPUは「グラフィック(画像)部分に特化した頭脳」にあたります。この両者は、動画編集をするにあたって、大きな影響を与えるわけです。
それからもうひとつ、「メモリ」ですね。冒頭で触れたとおり、MacBookPro13・2017は「16GB」で、MacBookPro13・2020は「32GB」。メモリは、「作業スペース」に例えられます。作業スペースは広いほどよいとの考えで言えば、メモリは大きいほうが良いということになります。
これらをふまえて。MacBookPro13・2020は動画編集にどうなのか? を見ていきます。「数字」での評価はともかく、「体感」としての評価はどうなのか? といったところです。
MacBookPro13・2020で Final Cut Proを使ってみる
いまのところ(まだ6本しか動画をつくっていないが…)、動画編集アプリは「Final Cut Pro」を使っています。というわけで、Final Cut Proを使った動画編集について、MacBookPro13・2020をレビューしてみましょう。
1.作業中の「カクつき」が無い
MacBookPro13・2017では、ビューアの表示にしばしば「カクつき」が見られました。つまり、映像が遅れたり、映像の一部が飛んでしまったり。
すると、編集をするうえでは「不安」になりますね。これって、ちゃんとできてるのかな? と不安になる。
もちろん、カクつくかどうかは「動画の内容」にもよるでしょう。わたしの場合には、そこそこテロップを入れたり、映像にちょっとしたエフェクトをかけたり、BGMを入れたり、ジェネレータを使ったり。イメージとしてはこんな感じです ↓
この感じだと、MacBookPro13・2017はカクつきました。
では、MacBookPro13・2020はどうか? カクつかない。「タイムライン」上で、「クリップ」を左右に動かしても、「ビューア」は極めてスムーズに動作します。
このあたり、MacBookPro13・2020は「さすがのスペック」といったところでしょうか。
2.作業中の「再生フリーズ」が無さそう
MacBookPro13・2017では、クリップを頻繁に動かして再生を繰り返していると、しばしばフリーズしました。再生ができなくなってしまい、そのたびにアプリを再起動… これはしんどい。
これに対して、MacBookPro13・2020はそのようなフリーズが無さそうです。とは言っても、まだチョロっと動かしたていどでもありますので、今後、動画編集をしていくなかで確認を続けます(問題が出たら、本記事に追記します)。
なんにせよ、作業中にフリーズはできるだけ避けたいものです。たとえフリーズするにしても、頻度は少なくあってほしい… というのであれば、MacBookPro13・2020は願いを叶えてくれるでしょう。きっと。
3.動画の書き出しが速い
Final Cut Proで動画を作成、さいごにその動画を「MP4」形式のデータとして書き出します。
その「書き出し」の速度を、MacBookPro13・2017と 2020とで比べてみました。どちらも、同じ動画(再生時間 12分ていど)を書き出した場合の時間がこちらです ↓
- MacBookPro13・2017 → 約 27分
- MacBookPro13・2020 → 約 17分
このとおり、2020のほうが 2017よりも 40%ほど速いです。だいぶ速い、と言ってよいのではないでしょうか。
結論・ガマンできるなら盛らずとも
ここまで、「MacBookPro13(2020・第10世代Corei7・メモリ32GB)は動画編集にどうなのか?」について見てきました。
結論として。いろいろガマンできるなら、そこまで(第10世代Corei7・メモリ32GB)盛らずとも良いのではないか。これが、わたしの結論です。はっきり言って、ガマンをすれば MacBookPro13・2017のスペックでも、Final Cut Proでも動画編集はできます。
ここで言う「ガマン」とは。さきほど触れた「カクつき」や「フリーズ」、「書き出しの遅さ」のことです。これらと、248,800円(税別)という値段を比較してみてどちらを取るかです。
MacBookPro13・2020でも、「第8世代Corei5、メモリ16GB、ストレージ 256GB」ならば、値段は144,800円(税別)。このスペックでもガマンをすれば、前述したようなFinal Cut Proでの動画編集はできるはずです(わたしがいままで使っていた MacBookPro13・2017よりも性能がよいわけなので)。
また、動画編集を言うのであれば。そもそも MacBookPro13ではなくて、MacBookPro16を買うべきだ! とのご意見もあるでしょう。
なにしろ、MacBookPro16は GPUが独立型(dGPU)であり、MacBookPro13の 統合型GPU(iGPU)とは比べ物ならない。値段だって、そこまで MacBookPro13を盛り盛りにするなら、MacBookPro16とそれほど変わるまい?
まったくもって、ごもっともです。そのとおり。けれどもわたしは、そんなハナシ(MacBookPro16のこと)を聞きたいのではなく。MacBookPro13が、動画編集に使えるのか? を知りたいのですね。
ふだんから持ち運ぶことや(いまはコロナで持ち運びも減ったけど)、デスク上での取り回しなどを考えても、わたしにとっては、MacBookPro13の「大きさ」がベスト。MacBookPro16は大きすぎる。
なので MacBookPro13を選び、「ガマンできるなら盛らずとも」の結論を覚悟したうえで、値段は高くても「第10世代Corei7・メモリ32GB」に手を出しました。いわば、人柱…
じゃあ後悔しているか? と言えば、していません。MacBookPro13での「できる限り」を体験できましたし、現状のスペックには「圧倒的安心感」があります(なにせ盛り盛りですから)。まぁ、「圧倒的自己満足」とも言えるわけですが。
いろいろと「割高」だ、と言われる Macでもあるけれど。割高には割高なりの満足があるんですよね。デザインやら、質感やら、イメージやら。だから、そういう満足を得られる人ならば、迷わず「第10世代Corei7・メモリ32GB」べし。というのが、ほんとうの結論だったりもします。はい。
パワーと、どこへでも。これは、MacBookPro13・2020のキャッチコピーです。まさに、現状最高のパワーとともに、どこへでも、どこまでも行きたいな。と、そんな楽しみを与えてくれる愛機となりました。なにごとも愛せるかどうか? はだいじな要素です。愛せるならば値段は高くとも…! みたいな。
MacBook Pro13・2020とFinal Cut Proの相性が悪いらしく、レインボー頻発問題があるもよう。現在、延べで5〜6時間はFinal Cutで作業をしているが、レインボーが出たのは3回ほど(どれも5秒くらいで解消)。いちどだけ、勝手に強制終了という感じ。返品という手もあるが、このままようすを見るつもりです。
ちなみに、以前使っていたMacBook Pro13・2017は、レインボー出まくり、フリーズしまくりでけっこうタイヘンでした… なので、いまのちょっとしたレインボーは許容範囲。ということもあります。