ポータブル電源「PowerArQ2」と、ソーラーパネル「PowerArQ Solar」をレビューします。
キャンプでの電源確保にはもちろん、災害時の電源確保にもおすすめです。
キャンプもいいけど、災害に備えるために。
ポータブル電源「PowerArQ2」と、ソーラーパネル「PowerArQ Solar」とを買いました ↓
これらを購入した一番の目的は、「災害時の電源を確保するため」です。
自宅兼事務所ということもあり、また、新型コロナウイルスによる変化もあって、自宅にいることがほとんどになりました。
この状態で、もしも大地震… が起きたとしたら。わたしは自宅にいる可能性が極めて高い。にもかかわらず、外にいるとしたら、相当運が悪かったと思うしかない。
それはともかく。予測されている大地震、近年増えている豪雨などの自然災害への備えとして。じぶんと家族を守るために、災害時の電源を確保しておくことにしたしだいです。
もっとも。ご紹介する「PowerArQ2」と「PowerArQ Solar」は災害時に限らず、キャンプやピクニックなどでも使えます。むしろ、そっちの使い方がメインなのでは…? とは思いますが。
いつかキャンプやピクニックにも連れて行けたらいいなぁ、などとも考えつつ。レビューをしていくことにします。
まずは、ポータブル電源「PowerArQ2」をレビュー
「ポータブル電源」と言っても、いろいろありまして。はたして、どれにしたものか…?
そこで「基準」としたのが、「容量」「使い勝手」「価格帯」の3つです。使える電気の容量がそこそこあって、使い勝手が良くて、価格は高すぎず。みたいな。
そんなことを考えながら、大好きな「楽天市場」を眺めているときにビビッときました。それが「PowerArQ2」です。
デザインが秀逸
どんなふうにビビッときたか? と言うと。デザインがいい、カッコいい。それでビビッときた。ひとめぼれ。
って、さっきの3つの「基準(容量・使い勝手・価格帯)」はどこにいっちまったんだよ? というハナシです ↓
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というわけで。「デザインがいい、カッコいい」のは、PowerArQ2のおすすめポイントでしょう。個人的には、あまりメカメカしい(機械っぽい)のは好きくありません。
カラーバリエーションはぜんぶで6色。わたしが買ったのは「コヨーテタン」(上記画像)。コヨーテタンってなんだかよくわかりませんけど。
ほかには、オリーブドラブ、ジェットブラック、レッド、チャコール、スノーホワイトがあります。こういった選ぶ楽しみがあるのも、「PowerArQ2」の特徴です。
ポータブル電源なんて、電源がとれりゃあいいんだ! という考えであれば、カラーバリエーションなんて必要ありませんからね。
しかしまぁ。そうは言っても目的はあくまで、災害時の電源確保。デザインだけで「決定」するわけにもいきませんので。そのほかの「基準」についても見ていくことにしましょう。
ひとまずは安心の容量 500Wh
ポータブル電源選びのポイントのひとつと言える「容量」について。
「PowerArQ2」の容量は 500Wh(ワットアワー)とされています。ところで 500Whってどれくらいのものなのか? と言うと。
消費電力が 100W(ワット)の電気機器だったら、5時間のあいだ動かすことができる(100W × 5時間 = 500Wh)。消費電力が 20Wの電気機器だったら、25時間のあいだ動かすことができる。
というのが、500Whが意味するところです(実際には「電力ロス」が起きるので、動かすことができる時間はもっと短くなります)。
と言われても、いまいちピンとこないわぁ… という方のために。メーカーさんが公表している「目安」を引用させていただきます ↓
デバイス | 稼働時間または充電回数 |
LEDライト(5W) | 約 70時間 |
スマートフォン(5.5W) | 約 69回充電 |
タブレット(25W〜42W) | 約 9回充電 |
デスクトップPC(95W) | 約 4時間 |
32インチLEDテレビ(98〜156W) | 約 2〜3時間 |
ミニ冷蔵庫(60W) | 約 4〜6時間 |
ノートパソコンの充電は 15回くらいはできるのではないか、と推測します。たぶん。
どうでしょう? 「ひとまずは安心できる容量」と言えるのではないか、とわたしは考えています。
でも、使いきってしまったらどうすんの? に対応するために。後述するソーラーパネル「PowerArk Solar」です。
ソーラーパネルで充電できることを前提にすれば、「PowerArQ2」は「ひとまずは安心できる容量」と言えるだろう、と考えています。
ちなみに。容量を示す「単位」として、さきほどの「Wh」とは別に、「mAh(ミリアンペアアワー)」があります。スマホ用のモバイルバッテリーなどは、「mAh」の表示が見られるところです。
けれども、ポータブル電源選びでは「mAh」だけを見ていてはいけません。なぜなら、「Wh」と「mAh」とのあいだには、次のような関係性があるからです ↓
Wh = mAh × V(電圧)÷ 1,000
この点で。「PowerArQ2」と、そのミニ版である「PowerArQ mini」とを比較してみましょう ↓
PowerArQ2 | PowerArQ mini | |
mAh(定格容量) | 45,000mAh | 86,400mAh |
V(公称電圧) | 11.1V | 3.6V |
Wh(定格エネルギー) | 500Wh | 311Wh |
「mAh(定格容量と呼びます)」だけを見ていると、「PowerArQ mini」のほうが「PowerArQ2」よりもかなり大きい。ミニ版のほうが容量が多いの? と勘違いをするところです。
けれども、「mAh」に「V(公称電圧)」を掛け算した「Wh(定格エネルギーと呼びます)」で比べると。「PowerArQ2」のほうが「PowerArQ mini」よりも大きくなります。こっちが正解。
容量の比較をするときには、気をつけるようにしましょう。見るべきは「Wh」のほうです。
TypeC、ワイヤレス充電対応… 抜群の使い勝手!
「PowerArQ2」を使って、電気機器に充電をするときの「使い勝手」はどうなのか?
結論として、「抜群」です。じゅうぶんな種類と数の出力端子(ポート)がありますし。特筆すべきは、「USB TypeC」と「ワイヤレス充電」にも対応していること。
「USB TypeC」があれば、わが愛機 MacBookPro13も「直接充電」ができます。
そんなの「コンセント(AC出力)」から充電をすればいいだろう? と思われるのであれば。それは、違います。
なぜなら、「コンセント(AC出力)」から「USB TypeC(DC出力)」に変換する過程で、電気を余計にロスすることになるからです。これはもったいない。
なので。「コンセント(AC出力)」とは別に「USB TypeC(DC出力)」の端子があったり、「USB TypeA」の端子が豊富にあるほうがよいのです。
それでは、「PowerArQ2」の主力端子の状況をまとめてみましょう ↓
AC出力端子(コンセント) | 2口 |
AC出力周波数 | 50Hz・60Hzに対応 |
AC出力パワー | 300W |
波形 | 正弦波 |
USB Type-A | 4口 |
USB Type-C | 1口 |
ワイヤレス充電 | 1口 |
なお、上記の「波形」とは。波形には大きく分けて、「正弦波(せいげんは)」と「矩形波(くけいは)」があります。
両者の違いをざっくり言うと。正弦波はすべての電気機器に対応できるが、矩形波だと対応できる電気機器が限られる、ということです。
そのため、せっかくポータブル電源を買うのであれば「正弦波」であるかどうかを確認しましょう。基本的に、矩形波のポータブル電源は、正弦波のポータブル電源よりも低価格です。
価格だけを見て購入してしまい、あとで後悔することがないように気をつけましょう。
ハナシを「PowerArQ2」に戻して。さきほど「表」で見た出力端子はこんな感じで配置されています ↓
上図の左下、「USB TypeA」は「左右に2口ずつ」分かれています。左右それぞれの2口のうち、1口だけを使うと「急速充電」が可能になっています(2口とも使うと通常充電)。
ワイヤレス充電は、「天面」にあります ↓
決して安くはないが、高すぎもしない価格
ポータブル電源選びの「基準」として、「容量」「使い勝手」「価格帯」の3つを挙げていました。
ここまで、「容量」「使い勝手」と見てきましたので、もうひとつ。「価格帯」のお話です。
本投稿日現在(2020年7月19日)、「PowerArQ2」は定価 59,800円(消費税込)になります。わたしの金銭感覚からすると、決して安くはありません。
が、他のポータブル電源と比較をすると、高すぎることもありません。「PowerArQ2」の価格よりも、ひと桁多いポータブル電源もありますから。
そのうえで。59,800円は決して安くはないが、コストパフォーマンスから見れば、決して高すぎることはない。というのが、わたしの考えです。
パフォーマンスについては、「デザイン」「容量」「使い勝手」などを通じてお話をしてきました。加えて、その他のポイントについて。このあとサクッとまとめてみますので、こちらも参考にしていただければ ↓
その他のポイント
PowerArQ2について。前述したこと以外で、気になることをまとめてみます。
ランタン代わりにもなる!LEDライトを搭載
「PowerArQ2」は、背面(前面は出力端子など)に「LEDライト」を搭載しています ↓
ライトの明るさは 520ルーメン。懐中電灯やランタンの代わりにもなる明るさです。PowerArQ2の容量から見ると、約 70時間くらいつけっぱなしにできます(他の電気機器を充電しなければ)。
停電時の夜、キャンプでの夜などにも安心です。
さらに、ライトは「点滅モード」に切り替えもできます。見たところおそらく「SOS信号」の点滅なので、万一のときには役立つかもしれません(SOS信号じゃなかったらすみません)。
「持ち手」は折りたたみでコンパクト
「PowerArQ2」の大きさは、「26×19.1×19.5cm」です。ちょっとした小包くらいの大きさ、でしょうか。
大きさはたいしたことないのですが、問題は「重量」。重量は 6.2kgと、なかなかにヘビーです。
というけで、「持ち手」がほしい。でも、持ち手があるとジャマくさい。だから、「PowerArQ2」の持ち手は折りたたみ式になっています ↓
通常時は、持ち手をたたんでおけますから。スペース的にもコンパクトだし、見た目もスッキリです。
ちょっと惜しい!液晶画面
わたし的には、「PowerArQ2」に対する不満はほぼほぼ無いのですけれど。ひとつ挙げるとしたら、「液晶画面」です。
本体前面にある液晶画面には、「電池残量」や「入力電力量」「DC出力電力量」「AC出力電力量」が表示されます。このうち「電池残量」の表示単位が 20%刻みです ↓
さすがに大雑把すぎるんじゃないか…? と、大雑把なわたしに言われたくもないでしょうが。
せめて、10%刻み。できれば5%刻みくらいが希望でした。
なかなか轟音なファン
「PowerArQ2」は内部の熱を排出するための「ファン」が内蔵されています。
充電時などには、そのファンが回るのですが、これがなかなかに轟音です。そして、本体側面からは、なかなかの風が出ます ↓
比較対象の製品がないので、なんとも言えないのですが。まぁ、こんなもんなのかもしれません。でも、なかなかです。
わずかに防塵、わずかに防水
「PowerArQ2」は、わずかに防塵、わずかに防水です。完全防塵、完全防水ではありませんので、タフな使い方には不向きだと言えます。
国際規格でいうと、防塵性能はIP2X、防水性能はIPX1とのこと。極論、防塵・防水機能は無いものと考えて扱うのが無難でしょう。
じゅうぶんな付属品
「PowerArQ2」に同梱されている付属品は次のとおりです ↓
- ACアダプター、電源コードのセット
- MC4ケーブル 1.5m(ソーラーパネルとつなぐときに使う)
- シガーケーブル 0.7m
- USB TypeCケーブル 1.0m
- 取扱説明書
上記のとおり、必要なものはそろっている、という感じです。
MC4ケーブルも付属しているので、このあとお話するソーラーパネル「PowerArQ Solar」にも、すぐにつなぐことができます。
続いて、ソーラーパネル「PowerArQ Solar」をレビュー
ここまでは、ポータブル電源「PowerArQ2」をレビューしてきました。
ここからは、その「PowerArQ2」とあわせて使うことができる、ソーラーパネル「PowerArQ Solar」をレビューしていきます ↓
この投稿をInstagramで見る太陽充電をお試し中。#powerarq2 #powerarqsolar #災害に備えて #ソーラーチャージャー #ポータブル電源 #曇りの日でも充電できるかな
そもそも、ソーラーパネルなんて要る? と思われるかもしれませんが。
要るでしょう。というか、あったほうがいいでしょう。だって、ポータブル電源の電池残量が無くなったらどうすんの。災害時など停電をしていたら、充電できないじゃん。もうおしまいじゃん。
ライフラインのなかでも、水道やガスに比べると、電気の復旧は速いとは言われますが。
それでも、数日ていどは覚悟しておくべきですし。2019年には台風 15号の被害によって、千葉県内の一部で2週間ていど停電が続きました。
2週間ものあいだ電気無しは、どう想像してみてもキツイです。だからと言って、2週間分もの電気を貯めておくほどのポータブル電源を用意するわけにもいきません。
だから、ソーラーパネルはあったほうがいい。ソーラーパネルがあれば、「ポータブル電源の容量は多少小さくてもいいかな」とも考えられるところです。最低限の電気は確保できそうです。
というわけで。ソーラーパネル「PowerArQ Solar」をレビューしてみましょう。
折りたたみ、という正義
実は、「PowerArQ Solar」は2種類あります。「折りたたみ式」と「そうじゃないやつ」の2種類です。
わたしが買ったのは「折りたたみ式」のほう。だって、持ち運ぶことを考えたら、絶対に「折りたたみ式」のほうがいいでしょう。だって、こんなにコンパクトだもの(比較のために 500mlペットボトルを添えました) ↓
って言うか。これってハタから見たら、ちょっとした「おしゃれバッグ」じゃない? まさか、ソーラーパネルだとは思わないんじゃない? というカッコよさがありますね、はい。
厚さは、わずか3cmなのですが(横幅 51cm × 縦幅 55.4cm × 厚さ3cm)。重さは 4.2kg、けっこうズッシリです。
けれども、折りたたみができて、持ち手もついていますから、わりとラクに持ち出すことができる。太陽のある場所へ移動しなければならないのですから、「折りたたみ式は正義だ」と言ってよいでしょう。
ちなみに、折りたたみ式の「PowerArQ Solar」の欠点は、非防水であること。折りたたみじゃないほうの「PowerArQ Solar」は、IP65相当の防水性能があります。
折りたたみをとるか、防水をとるか。わたしは断然、折りたたみでした。
組み立てもカンタン
折りたたんであるからには、開いて、組み立てねばならんだろう? ということですが、心配は無用です。組み立てもカンタン。
まずは、折りたたみの状態から、パタパタと「3面」に広げた状態がこちらです(ソーラーパネルの裏面)↓
マジックテープで固定された「脚」が3本付いているので、テープをペリペリっと剥がして、脚を立てるだけ ↓
あとは太陽に向かって、ソーラーパネルの位置を整えます(広げたときの横幅は 157.8cm) ↓
ソーラーパネルにつながっているコードと、ポータブル電源「PowerArQ2」に付属してたコードとを使って、「PowerArQ Solar」と「PowerArQ2」とをつなぎます。数分あれば、できるでしょう。
というわけで、組み立てもカンタンです。
コンセント並の発電能力(晴れれば)
折りたたみのソーラーパネルなんぞで、ちゃんと充電(発電)できるのかな? と思われるかもしれません。
結論として、おうちのコンセントと同じくらいの速さで充電ができます。
ポータブル電源「PowerArQ2」を、家庭用のコンセントで充電すると。フル充電までに6〜7時間かかります。
これに対して、「PowerArQ2」を、ソーラーパネル「PowerArQ Solar」で充電すると。同じく、6〜7時間で充電可能です。
折りたたみ式のソーラーパネルで、コンセント並の発電能力はすばらしい! と思うのですが、いかがでしょうか。
ただし、コンセント並の発電能力を発揮するのは、「夏場」で「晴れていれば」という条件付きではあります。
日光の「当たり判定」がシビア
晴れていれば、すばらしい発電能力を見せてくれる「PowerArQ Solar」ではありますが。7月中旬の「薄曇り」で、太陽があると思われる方向にソーラーパネルを広げてみました。
結果、発電は 23W ↓
夏場の晴れた日であれば、70〜90Wを得られるところですから。23Wはこころもとありません。まぁ、日光あってのソーラーパネル。しかたないと言えば、しかたない。
それから。「PowerArQ Solar」は、日光に直接当たるようにしなければいけません。
晴れた日にベランダで「PowerArQ Solar」を広げてみました。が、ウチのベランダは「庇(ひさし)」が長いのか、日光がベランダの「床面」までには届かず…
「PowerArQ Solar」を広げては見たけれど、なかなか直接日光には当たらない。この状態だと、発電は 0Wです。ゼロ…
これは悲しいですね。ソーラーパネルの日光に対する「当たり判定」は、かなりシビアなようです。いいよ、いいよ。いざとなったら、目の前の公園に持っていって充電するんだから。もちろん、ただの強がりです。
やはり安くはないが、安心には変えられない
さいごに、「PowerArQ Solar」の価格について。
ずばり、定価 27,296円(消費税込)です(2020年7月19日現在)。
ポータブル電源「PowerArQ2」と同じように、決して安くはありません。が、災害時など、いざというときの安心には変えられません。
そう考えると、やはり、高すぎるという価格でもないでしょう。
少し前に、「ソーラーパネル付きのモバイルバッテリー(数千円)」を買おうかと考えたことがあります。けれども、レビューを見ていると「晴れていても、さっぱり充電できない。気休め」みたいなコメントがちらほら。
安物買いの銭失い、とも言いますので。良いモノを選ぶ「眼」が必要です。
まとめ
ポータブル電源「PowerArQ2」と、ソーラーパネル「PowerArQ Solar」をレビューしました。
これらがあれば、キャンプはもちろん、災害時の備え・安心にもなるのではないか、と考えています。
2つあわせると「PowerArQ2 59,800円 + PowerArQ Solar 27,296円 = 87,096円」。いざというときのために、「ポータブル電源 + ソーラーパネル」を検討してみるのはいかがでしょうか。