コロナで見えた、オンライン融資のメリットと限界と。

コロナで見えた、オンライン融資のメリットと限界と。

新型コロナウイルスの影響により、利用が増えたと言われる「オンライン融資」について。

コロナを経て見えてきた、オンライン融資のメリットと、オンライン融資の限界とをまとめてみました。

目次

コロナを経て増えた、と言われるオンライン融資。

本投稿日現在(2020年7月23日)、新型コロナウイルスの影響により、多くの会社・個人事業者が厳しい資金繰りを強いられています。

そのような背景もあってか、オンライン融資の利用が増えているそうです (そのような内容のニュース記事がありました)。

ちなみに、オンライン融資とは。その名のとおり、「申し込みから審査・入金までオンライン(インターネット)を利用して行う融資」のこと 。

銀行口座の取引履歴、会計データ、企業間の決済情報、ソーシャル情報(インターネット上の口コミ)などの膨大な情報を「 AI( 人工知能)」によって分析するところに特徴があります。

そんな「オンライン融資」について。コロナを経て見えてきた、オンライン融資のメリットと、オンライン融資の限界とをまとめてみました ↓

オンライン融資のメリット
  • 入金までが速い
  • 人と会わなくていい
  • 審査の手間が少ない
オンライン融資の限界
  • 対象者が狭い
  • 融資金額が少ない
  • 返済期間が短い

それでは、このあと順番に見ていきましょう。これから先、オンライン融資を検討するときの参考になれば幸いです。

 

オンライン融資のメリット

まずは、コロナを経て見えてきた「オンライン融資のメリット」から、お話をしていきます。

入金までが速い

オンライン融資の最大のメリットとも言えるのが「速さ」です。審査から入金までのスピードがとにかく速い。

もっとも速いものでは、「即日入金」さえ出現するところですから。おカネを借りる側、おカネを急いで必要とする側にとっては、大きなメリットだと言えます。

そんなオンライン融資に比べると、銀行融資は時間がかかる。

コロナによっておカネを必要とする会社・個人事業者が一度に銀行へ殺到したため、審査を受けるまでにも、入金されるまでにも長い時間がかかりました。

場合によっては、入金まで数ヶ月かかるケースもあったわけで。そんなに時間がかかれば、そのあいだに会社が潰れてしまう… ということだってあるでしょう。

とはいえ。オンライン融資にしても、銀行融資にしても、「急いで借りなければならない」という状況は本質的に間違っています。

本来は、不測の事態も想定して、あらかじめ資金を備えておくべきもの。そこを忘れてはいけません。

人と会わなくていい

コロナ対策として「3密」を避ける、ということが言われています。

この点で、「従来の銀行融資」では、融資を受けるための面談が必要です。面談となると、3密を避けるのが難しくなります。

これに対して、 審査から入金までオンラインで完結する 「オンライン融資」であれば。3密を完全に避けることができるのはメリットです。

コロナという特殊な状況が、オンライン融資のメリットを引き出したと言えるでしょう。

逆に、従来の銀行融資で求められてきた、「面談」の必要性が問われることにもなりました。結果として、銀行融資においても「対面」の面談ではなく、「電話」での面談が一部に取り入れられています。

審査の手間が少ない

従来の銀行融資では、審査にあたって「試算表」や「資金繰り表」など、 各種書類の提出が求められます。手間です。

これに対して、オンライン融資は「審査の手間が少ない」と言われています。

オンライン融資における審査材料は、すでにある「データ」なので、あらためて準備する必要がありません。あったとしても、銀行融資に比べれば少なくてすみます。

書類の提出が必要な場合であっても、オンラインでのアップデートで対応できるので、手渡しをする手間や郵送する手間もありません。

結果として、手間が少ないことは借りる側にとってのメリットです 。

 

オンライン融資の限界

ここまで、オンライン融資のメリットお話ししてきました。。

そのいっぽうで、コロナを経て見えてきた「オンライン融資の限界」について、お話をしていきます。

対象者が狭い

オンライン融資を受けるにあたって、利用対象者の範囲が狭い。これはオンライン融資の限界だと言って良いでしょう。

オンライン融資によっては、特定の会計ソフトを利用していることが条件であったり。また、別のオンライン融資では、特定の銀行に口座があることが条件であったり。

オンライン融資では、審査材料である「データ」を必要とするため、しかたのないところでもあります。

けれども、利用する側からすれば、利用対象者の範囲が狭いと言わざるを得ません。実際、コロナのように不測の事態が起きたからといって、急に会計ソフトを変えたり、急に口座をつくるのも困難です。

メリットがあるオンライン融資と言えども、このあたりはオンライン融資の限界です。

これに対して銀行融資であれば。利用する会計ソフトによって制約を受けることはなく、特定の銀行の口座がなくても日本政策金融公庫などであれば融資を受けられます。

ただし、銀行融資を受ける場合には、基本的な銀行対応は身につけておく必要があります。いざとなって、右も左もわからずに銀行対応… というのでは苦労します。

「いざとなったらオンライン融資で」などと、タカをくくることがないようにしましょう。

融資金額が少ない

オンライン融資は、銀行融資に比べると「融資金額が少ない」と言えます。

少ないものだと「300万円まで」や「500万円まで」、多いものでも「1,000万円まで」といった具合です。

会社の規模にもよりますが、このたびのコロナのような状況では、オンライン融資の融資金額では心もとないところがあります。

コロナ関連の融資では、「平均月収(あるいは月間固定費)の3ヶ月分〜6ヶ月分」あたりが融資金額の目安です。

これに比べると、300万円あるいは500万円、1,000万円では少ない。オンライン融資ではコロナによる影響を乗り切ることはできない… そういうこともあるはずです。

もちろん、「たくさん借りられればいい」という話ではありませんが。借りる必要があるときに必要な額を借りることができないのは困ります。

そう考えると。融資金額の面においては、オンライン融資の限界を感じるところです。

返済期間が短い

会社の資金繰りを考えるうえで。オンライン融資には「融資金額が少ない」ことに加えて、もうひとつ大きな問題があります。

それは「返済期間が短い」ことです。

オンライン融資の返済期間は長くても1年。「短期の融資」というところに特徴があります。

したがって、コロナのように、あるていど長い期間にわたる影響を手当するための融資としては、オンライン融資が不適当であることがわかるでしょう。

融資を受けられたとしても、1年で返済をしなければいけないのですから、またすぐに手元のおカネが不足してしまいます。

これに対して銀行融資であれば、もっと長い期間での返済が可能です。

たとえば、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」では、返済期間は最長 15年(うち据置期間最長5年)。オンライン融資とは比べ物になりません。

会社の安定的な資金繰りを考えるのであれば、オンライン融資には限界があることを理解しておきましょう。

限界を理解したうえで、銀行融資を受けられるようにしておく。もっと言えば、コロナのような不測の事態を迎える前に、あらかじめ銀行融資を受けておく。

資金繰りであわてることがないように、日ごろから備えておくことが大切です。

 

まとめ

新型コロナウイルスの影響により、利用が増えたと言われる「オンライン融資」について。

コロナを経て見えてきた、オンライン融資のメリットと、オンライン融資の限界とをまとめてみました。

これから先、オンライン融資を検討するときの参考になれば幸いです。

オンライン融資のメリット
  • 入金までが速い
  • 人と会わなくていい
  • 審査の手間が少ない
オンライン融資の限界
  • 対象者が狭い
  • 融資金額が少ない
  • 返済期間が短い
コロナで見えた、オンライン融資のメリットと限界と。

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