レビュー/『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン』は予習・復習におすすめ

世界的ベストセラー『7つの習慣』の予習としても、復習としてもおすすめな、『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン』をレビューします。

目次

『7つの習慣』を読んだ人も読んでない人も。

1989年の発行以来(日本では1996年発行)、世界中の多くの人に読まれ、世界的ベストセラーになった『7つの習慣(著・スティーブン・R・コヴィーさん)』。

そんな『7つの習慣』に書かれていることは、ひとことで言うと「成功哲学」です。人生を幸せに生きる、充実した人生を送ることを「成功」と捉えるならば、いかにして成功をおさめるか?

ところが。ひとことで済ませられるほど、コヴィーさんの「成功哲学」は底浅いものではありません。『7つの習慣』はなかなかの「大容量」ゆえに、完読には時間と忍耐を要求されるところです。

読んでいるうちに、「あれ?第2の習慣はなんだったっけ…?」みたいな。

そんなあなたに(わたしにも)おすすめなのが、『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン』です。「13歳から」の言葉どおり、『7つの習慣』の超入門書として位置づけられています↓

 

『7つの習慣』は言わずと知れた名著であり、「いちどは読むべき1冊」ということで間違いないでしょう。でもいきなり、『7つの習慣』を通読するのはキツイなら。『13歳から分かる! 7つの習慣』は、「予習」としておすすめです。

また、過去に『7つの習慣』を読んだ人も、「なんだか、うろ覚えかも…」と言うのなら。『13歳から分かる! 7つの習慣』は、「復習」としておすすめです。

「13歳から」だなんて、大人が読むなんて恥ずかしい? そんなことはありません。13歳からでも分かる、その易しさが、一筋縄ではいかない『7つの習慣』のエッセンスを抽出するのには最適です。

というわけで。おすすめの1冊『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン』について、レビューしてみます。

 

『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン』をレビュー

まずは、本書のおすすめポイントから

『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン(以下、本書)』では、ある「物語」をもとに、「7つの習慣」を解説していく、というスタイルです。

ある物語とは。ある村のパン屋さんで働く、ある青年の物語。よくある「下働き」に不平・不満を溜め込んでいる青年は、よくある「働く人の姿」だとも言えます。わたしにも経験がありますね、はい。

そんな青年が、ある日、ある老人から「7つの習慣」を教わり、人生に変化を起こしていく… という物語。まぁ、ベタと言えばベタな物語ではありますが。7つの習慣自体はベタではありません。

ベタではなく、難解でもあるからこそ、ベタな物語によって分かりやすくなっている。と、言ってよいでしょう。途中の解説部分では、ところどころに「具体例」も織り込まれていて、納得感を高めてくれます。

抽象的なことばかりが書かれていると、「で、たとえばなんなのよ?」と、もどかしくもなるわけですが。本書では、具体例によって、そのあたりのもどかしさがうまく解消されています。

というわけで。「ベタな物語と解説とのひもづけ」、そして、「不足のない具体例」は、本書のおすすめポイントです。

続いて、本書の「名言」をご紹介

そもそも、7つの習慣とは? 予習あるいは復習を兼ねて、こちらです↓

7つの習慣
  • 第1の習慣 主体的である
  • 第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
  • 第3の習慣 最優先事項を優先する
  • 第4の習慣 Win-Winを考える
  • 第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
  • 第6の習慣 シナジーを創り出す
  • 第7の習慣 刃を研ぐ

これら7つの習慣について、本書のなかから「名言」を引用しつつ、ご紹介をしてみることにします。

7つの習慣の「土台」のひとつ、インサイド・アウト

7つの習慣そのものの話をする前に。7つの習慣には、その「土台」になる考え方が2つあります。

2つのうちの1つが、「インサイド・アウト」です。はっきり言って、これを知るだけでも、「7つの習慣ってスゴい、スゴすぎるよ…」と涙します。いや、ほんとうに。

それはともかく。インサイド・アウトとは、直訳すれば「内から外へ」です。これは、「じぶんのほうから、他人や周囲に対して影響を与えていく」ことをあらわしています。

わたしたち(と、勝手にあなたを巻き込んでいますが)は、とかく、他人や周囲を変えようとしがちです。「あの人が悪い、環境が悪い」と、他人や周囲をうらみます。

でも、そうじゃないよ。それじゃダメだよ、というのが「インサイド・アウト」です。まずは、じぶんが変わること。じぶんが変わることで、他人や周囲に影響を与えていく、変えていく。

本書では、次のように書かれています↓

まわりを変えるたった1つの方法、それは、まず自分の内側から変わることだけなのです。

パン屋で下働きにふてくされる青年は、ここから変わっていきます。じぶんが変わることで、他人や周囲を変えていく、人生を変えていく。

でもどうやって、じぶんが変わればいいのか? 

その答えが、7つの習慣です。7つの習慣を身につけることで、人格が磨かれる。人格が磨かれることで、他人や周囲にも影響を与えられるようになる。影響を受けるのではなく、影響を与えられるようになる。

というわけで。さっそく、7つの習慣についても見ていきましょう。

第1の習慣 主体的である

まず、第1の習慣は「主体的である」です。言い換えると、「じぶんの行動はじぶんで決める。じぶんで決められる」ということ。

にもかかわらず。わたしたちは(と、またしてもあなたを巻き込みますが)、他人や周囲によって「行動をさせられている」ことがあるものです。

たとえば、ある作業をしているときに電話がかかってくる。電話の用件に流されて、目の前の作業が中断されてしまってイライラ… 

でもこれは、電話をしてきた人のせいではありません。電話に出たじぶんが悪い。携帯電話であれば、電源を切って、作業に集中するようにしていれば済んだ話です。じぶんの行動の問題です。

この点について、本書では次のように書かれています↓

自分の行動の責任は自分にある。それを忘れないでいるのが ”主体的である” ということなのです。

いっぽうで。じぶんのチカラではどうにもならないこともあります。じぶんの行動では変えられないこともあります。

たとえば、天気。なんで、きょうは雨なんだ。こうなったら、じぶんの行動で晴れに変えてやる! というわけにはいきません。じぶんのチカラではどうにもならないことはあるのです。

にもかかわらず、わたしたちは、じぶんではどうにもならないことにチカラを割いていたりもします。ですから、主体的であるためには、「じぶんのチカラが及ぶ範囲」を理解することもたいせつ↓

主体的でない人ほど、変えられないものに時間とエネルギーを注いでしまっていることが多いようです。

7つの習慣では、じぶんのチカラが及ぶ範囲を「影響の輪」と呼びます。これに対して、じぶんの関心がある範囲を「関心の輪」と呼びます。

その「関心の輪」のなかにあることでも、「影響の輪」の外側にあることならば、じぶんのチカラでは変えることができません。だから、「影響の輪の外側」に時間とエネルギーを注ぐのではなく、影響の輪のなかにあるものに注ぐ。

すると、影響の輪がふくらんで、じぶんのチカラが及ぶ範囲を大きくすることができるよね。といったお話が、本書では「図解」付きで、わかりやすく書かれています。

第2の習慣 終わりを思い描くことから始める

続いて、第2の習慣は「終わりを思い描くことから始める」です。

日々を過ごしていると、いろいろなことに迷いもするわけですが。それは、「終わりを思い描いていないからじゃないの?」という話になります。

たとえば、このまま会社勤めを続けるか、それとも独立して起業するか? 〇年後に起業する、という「終わり」を描けていれば、いまなにをすべきか・いつなにをすべきかがわかるでしょう。

けれども、とくに「終わり」を描けていなければ。とりあえず目の前の仕事を続ける、ということになります。会社勤め自体が悪いわけではありませんが、「とりあえず〜」という生き方が良いものだとは思えませんよね。

この点で。本書では、次のように書かれています↓

先にゴールを決めて、そこから逆に道をたどれば、「いま、なにをすればよいか」が分かるのです。

そのうえで、本書では「ミッション・ステートメント(=じぶんのゴールの宣言書)」をつくることをすすめています。

わたし自身も、「ミッション」を決めています。じぶんのミッションを文字にしてあり、それを見返すのが毎朝の日課です。また、判断に迷ったときなどにも、見返すようにしています。

第1の習慣である、主体的に行動するためにも。ブレずに行動するための指針として、終わりを思い描いておく。ミッションを持つようにするのはおすすめです。

まぁ、それでもブレるのがヒトなんですけど(わたしとか)。だからこそのミッションであり、たびたび見返す、見直すことも必要なのでしょう。

第3の習慣 最優先事項を優先する

第2の習慣で、じぶんのゴールを見つけたのはいいけれど。ゴールに向かってやるべきことが多すぎて、にっちもさっちもいかなくなってしまう… あるあるです。

本書でも、パン屋の青年が、まさにその状態に陥ります。そこで、第3の習慣「最優先事項を優先する」です。

最優先事項を優先するだなんて、そんなあたりまえのことを。と、思われるかもしれませんが。7つの習慣では、「具体的な方法」が提示されています。それが、「4つの領域」です↓

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『7つの習慣』を読んだことはなくても、「これは見たことあるぞ!」というヒトもいるのではないでしょうか。なんにせよ、最優先事項を見極めるのに、じぶんの行動を「4つの領域」に区分することが役立ちます。

くわしい説明は本書にゆずるとして。いちばんだいじなのは、4つの領域のうち「緊急ではないけれど、重要なこと(第Ⅱ領域)」に集中する、ということです。

にもかかわらず、わたしたちはとかく、他の領域(余計なこと)に時間とエネルギーとを奪われているものです。結果、疲れ果ててしまい、第Ⅱ領域にまで手が回らない… わたしも他人事ではありません。

この点で、本書にはこんなことが書かれています↓

時間を管理するというやり方には、2章で紹介した「なりたい自分」「人生のゴール」という視点が抜けています。時間に追われているうちに、たいせつなことを見落としてしまうのです。

だから、最優先事項を優先する習慣が必要なんだ。だから、最優先事項を見極めるために「4つの領域」という考え方が必要なんだ、ということです。

なので、わたしはスケジュールを決めるときに(朝の時点で分単位で24時間のスケジュールを決めています)、各スケジュールに対して「4つの領域」のどれにあたるのかを明示するようにしています。

そのうえで、1日の終わりに、「4つの領域」それぞれ何%の割合だったのかを振り返るのが日課です。

第4の習慣からは、本書でぜひ。

ここまで、第3の習慣までを見てきました。

7つの習慣では、第3の習慣までを「私的成功」と位置づけています。私的成功とは、「じぶんの内面が磨かれて、自立ができる」という状態です。

ここまできてはじめて、第4以降の習慣へ。という流れになります。

ちなみに、第4の習慣から第6の習慣までは「公的成功」という位置づけです。公的成功とは、じぶんだけではなく「まわりの人たちとチカラを合わせて大きな成果を生む」という状態になります。難易度高いですね。

わたしは、いつも「私的成功」のあたりをウロウロしていますけど…

さいご、第7の習慣「刃を研ぐ」は、私的成功・公的成功をさらに押し進めるための習慣、という位置づけになります。

ご興味あれば、ぜひ本書にて。さいごまで、確認をしてみましょう!

 

まとめ

言わずと知れた名著『7つの習慣』。その予習にも、復習にも、『13歳から分かる! 7つの習慣 自分を変えるレッスン』はおすすめの1冊になります。

本書の「ベタな物語と解説とのひもづけ」と「不足のない具体例」とが、理解を助けてくれるはずです。

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