本の要約サービス「flier(フライヤー)」をつかいはじめました。
というわけで。実際に 50日ほどつかってみてわかった、「良いところ」と「イマイチなところ」とをお話してみます。
ヒトに本を要約してもらう、というズボラさよ。
2021年になってから、本の要約サービス「flier(フライヤー)」をつかいはじめました(ちなみに、有料のゴールドプランを)。
もともと2日に1冊くらいの読書習慣があり、精読派と言うよりは多読派のわたし。flierで、さらに多読を加速できるかどうか? と考えたのがつかいはじめたきっかけです。
その flierを実際に 50日ほどつかってみてわかった、「良いところ」と「イマイチなところ」とをお話してみます。こちらです↓
- 多読になる
- 選書に役立つ
- 偏りがなくなる
- コスパは悪くない
- エッセンスは得られる
- 追加される本が少ない
- 全体の要約ではない
- 記憶に残りにくい
- 細かな学びはムリ
これらのお話が、flierにご興味がある方の参考になるようでしたら幸いです。というわけで、「良いところ」と「イマイチなところ」それぞれについて、このあと順番にお話をしていきます。
flier(フライヤー)の良いところ
多読になる
flierのWEBサイトを見てみると、こんなことが書いてあります↓
flier(フライヤー)は、良書との出合いを促進する時短読書サービスです。
《 flier WEBサイトより引用 》
「時短読書サービス」という売り文句。本の要約サービスですから、それを利用することで、たしかに時短になります。
flierの要約量は「1冊 10分」くらいが目安です。1冊の本を 10分で読めるとしたら、そりゃあ「多読」もできますよね。
ちなみに、わたしがこの 50日ほどで何冊分の要約を読了したか? と言うと。48日で 109冊。すみません、50日はちょっとサバを読みました。ほんとうはまだ 48日でした。
とにかく、要約ではありますが、48日で 109冊です。わたしのふだんの読書ペースではなしえない量なので、flierを使うことで多読になる。これは、flierの良いところだと考えています。
選書に役立つ
さきほど紹介した flierの売り文句のなかには、「良書との出会いを促進する」ともありました。実際、これまでを振り返ってみると、購入した本のうち「ほんとうに良かった本」は 10冊に1冊くらいです。
まぁ、わたしの選書眼が悪いと言われればそれまでではありますが。そうは言っても、本を手に取る前から良書を選ぶのは、カンタンなことではないでしょう。
この点で。いちど要約に目を通すことができる flierは良書選びに役立ちます。要約を読んでみて、「さらに読みたい!」というものを買うのですから、失敗はほとんどないと言ってもいい。
なお、109冊の要約を読んだうえで、そのなかから購入した本は、いまのところ3冊。たった3冊です。30冊に1冊くらいと考えると、かなり少ないですよね。この理由については、おいおい明らかにしていきます。
なにはともあれ、選書に役立つというのは、flierの良いところです。
偏りがなくなる
本記事の投稿日現在(2021年2月20日)、flierでは毎日1冊ずつ要約が配信されているところです。この1冊について、わたしは必ず目を通しています。どんなジャンル・テーマの本だとしてもです。
という使いかたをしていると、読書に対しての「偏り」が改善されて、より開かれた読書ができると感じています。ふだんだったら手に取らない、選ばないような本も、要約であれば抵抗は小さくなるものです。
さきほどお話をしたとおり、目を通した 109冊の要約のなかから、実際に買った本が3冊しかなかったのは、そういうつかいかたをしているからでもあるでしょう(ある意味、無差別に要約を読んでいる)。
なお、flierに登録される本について、WEBサイトでは次のように説明されています↓
ビジネス書だけでなく、実用書や教養書など、幅広い分野から厳選しています。
《 flier WEBサイトより引用 》
なるほど、いろいろな本があるわけです。読書の目的のなかには、「視野を広げる」ということもあるでしょうから。偏りなく読書をしたいのであれば、flierは助けになりそうです。
コスパは悪くない
本記事の投稿日現在(2021年2月20日)、flierには 2,400冊ほどの本が登録されているようです。これらの本すべてについて、要約サービスを利用する場合には「ゴールドプラン」に登録する必要があります。
ゴールドプランとは、言い換えると「読み放題プラン」。好きなだけ要約を読むことができる。そのゴールドプランの価格は「月額 2,000円(税抜)」です。
わたしはもともと、月に 15冊くらいは本を読むので、月額 2,000円はリーズナブルに感じます。flierをつかうことで、じぶんにとってのハズレ本を買うことが減るとも思えば、さらにリーズナブルです。
ゴールドプランのほかに、月額 500円(税抜)のシルバープランもありますが。読むことができる要約は月に5冊です。わたしからすると、ちょっと少なすぎる。これはコスパが悪い、と言っていいでしょう。
せっかく flierを使うのであれば、コスパが悪くないゴールドプランがおすすめです。
なお、flierの要約を体験してみたいときには、決められた 20冊を読むことができるフリープランが用意されています。利用してみるとよいでしょう。
エッセンスは得られる
ところで、flierの要約は「品質」としてだいじょうぶなのか? 信頼できるものなのか? との疑問もあるでしょう。この点について、WEBサイトには次のように書かれています↓
各分野に精通したライターが要約を作成し、出版社/著者の許可を得たものだけを配信しています。
《 flier WEBサイトより引用 》
これを見る限り、品質は高く、信用できるものと考えられます。
実際に利用してみてどうかと言えば。正直言って、要約がわかりやすいライターさんもいれば、わかりにくいライターさんもいます。まぁ、じぶんに合うか合わないか、ということもあるのでしょうけど。
また、本のジャンル・テーマによって、わかりやすくもわかりにくくもなるのかもしれません。
いずれにせよ。本の「エッセンス」は得られることを感じています。その本にはどのようなことが書かれているのか、どこに重点が置かれているのか。そのあたりを知るのに、不足を感じるものではありません。
flier(フライヤー)のイマイチなところ
追加される本が少ない
さきほど、「flierでは毎日1冊ずつ要約が配信されている」という話をしました。これは、よくよく flierをつかってみると、「ちょっと少ないのではないか」と感じるところです。
欲を言えば、もう少し追加をしていただけると、読み応えがあるのかなぁと。
現状、2,400冊くらいの「在庫」があるわけですが。毎日2冊以上読み続ければ、どんどん在庫は減っていきます。減っていく過程で、じぶんにとっては興味がない本も増えてくるでしょう。
そう考えると、「追加される本が少ない」のはイマイチなところです。
また、2,400冊についても、すごく多いというわけではありません。じぶんが読みたい本を flierで検索したときに、要約がないことはかなりあります。
なので、flierとは関係なく、月に 10冊以上は本を買ってもいるところです。そこは、じぶんの選書眼だのみにならざるをえません。
全体の要約ではない
flierの要約は、1冊あたり 10分ていど読める量とされています。結果として、本全体の要約ができていないことは少なくありません。
つまり、全体のなかから一部だけを取り出した要約、ということです。もちろん、全体を丸々要約することがだいじなわけでもありませんから、それはそれではありますが。
本のすべてに目を通していない(ナナメ読みだとしても)という点では、ある種の「気持ち悪さ」が残るのはわたしだけなのでしょうか。だったら、すみません。気持ち悪いなら、じぶんで買って読みなさいよ、というハナシです。
それはそれとして。要約は、「良書を選ぶためのツール」であって、「読書を手短かに済ませるためのツール」ではない。とも、考えるべきところでしょう。
記憶に残りにくい
flierをつかいはじめてからまもなく、あることに気がつきました。それは、flierで読んだ本の内容があまりにも思い出せない… ということです。
もっとも、ふつうに買って読んだ本も、しばらくすると内容は忘れてしまうのですけど。それに比べても、flierだと格段に忘れてしまう。それも、オマエの記憶力の問題だ! と言われれば否定はできません。
けれども、ヒトは忘れる生き物。だからこそ、わたしは読書をしたあとはすぐに、本のなかから得た「実行したいこと・実行できること」をリストに書き出すようにしています。それを実行したら、リストから消していくという感じです。
それにしても、flierで読んだ本は、振り返ると「こんな本読んだっけ?」ということになりがち。ラクをしたことの代償なんでしょうか。
というわけで。flierで読んだ本については、さらに「じぶんなりの要約」を残すようにしました。言わば、要約の要約ですね。量にすると、多くても 150字くらい。これでだいぶ、記憶に残るようになりました。ご参考まで。
細かな学びはムリ
ふだん買った本を読むときには、その内容ばかりから学んでいるわけではありません。内容以外にも、たとえば本の構成や、言葉遣い、表現方法、デザインなどにも目を向けるようにしています。
細かい部分でもいろいろ学べるのが、本の良さです。
この点で。要約の場合には、そうはいきません。要約されているだけに、内容以外のことは、あまりよくわからない。というか、ほとんどわからない。これは、イマイチなところだと言えるでしょう。
ですから、読書のすべてを flierに置き換えることを個人的にはおすすめしません。本は本で、実際に手にとって読んでみるのもだいじなことだ、というのがわたしの考えです。
まとめ
本の要約サービス「flier(フライヤー)」を、実際に 50日ほどつかってみてわかった、「良いところ」と「イマイチなところ」とをお話してみました。
flierにご興味がある方の参考になるようでしたら幸いです。
良いところとイマイチなところはありますが。わたし自身はいまのところは、もうしばらく使ってみる考えです。
ただ、今後も「追加される本が少ない」ようだと、そこが不満でやめる可能性を感じています。追加される本が増えるようなら、おそらく継続します。うーん、言いたい放題。
- 多読になる
- 選書に役立つ
- 偏りがなくなる
- コスパは悪くない
- エッセンスは得られる
- 追加される本が少ない
- 全体の要約ではない
- 記憶に残りにくい
- 細かな学びはムリ