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コロナで通用しなくなった『月商〇ヶ月分の現金預金』という目安を再考する

コロナで通用しなくなった『月商〇ヶ月分の現金預金』という目安を再考する

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新型コロナウイルスの影響によって、売上が消失した会社にあっては、「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安が意味をなさなくなってしまいました。

なので再考しましょう、というお話です。

凋落した目安「月商〇ヶ月分の現金預金」

会社はどれだけのおカネを持てばいいか? どれだけのおカネを持てば安心・安全か? その目安として、「月商(年間売上高÷12ヶ月)の〇ヶ月分」という目安があります。

財務指標で言うと、「現預金月商比率」とか「手元流動性比率」などと呼ばれているものです。

わたしもまた、「月商の3ヶ月分以上のおカネを持ちましょう、できれば6ヶ月分のおカネを持ちましょう」というようなことをよく言っています。

けれども。新型コロナウイルスの影響によって、売上が消失した会社にあっては、「月商〇ヶ月分」が意味をなしません。「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安が通用しなくなってしまった…

そこで。なぜ、「月商〇ヶ月分の現金預金」が通用しないのか? そもそも、「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安にはどういう意味があったのか? 通用しないのであれば、代わりになにを目安にすればいいのか?

そのあたりのお話をしてみようかと思います↓

このあとのお話の内容
  • なぜ、「月商〇ヶ月分の現金預金」が通用しないのか?
  • そもそも、「月商〇ヶ月分の現金預金」とはなんだったのか?
  • 代わりになにを目安にすればいいのか?

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

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なぜ、「月商〇ヶ月分の現金預金」が通用しないのか?

冒頭、こんな話をしました。

新型コロナウイルスの影響によって、売上が消失した会社にあっては、「月商〇ヶ月分」が意味をなしません。「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安が通用しなくなってしまった… というハナシです。

なぜ、通用しないのか?

言うまでもなく、月商が変化してしまったから。激変してしまったからです。新型コロナウイルスの影響によって、売上が半分になってしまった。もはや売上はほとんどゼロ、というような会社もあります。

たとえば、月商 500万円の会社があったとして。その月商3ヶ月分、つまり、1,500万円の現金預金を持つことを目安にしていたとします。

ところが、コロナの影響により、月商が 50万円にまで激減してしまったとしたらどうでしょう?

月商は 50万円だから、その3ヶ月分である 150万円の現金預金を目安にすればいいか、と言えば。当然、そんなことはありませんよね。もともと月商 500万円の会社で、150万円しかおカネがなければ、不安でしかたがないことでしょう。

というように。コロナをへて、月商が減ってしまったような会社では、「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安は通用しなくなってしまったわけです。

ここで疑問が生じます。そもそも、「月商〇ヶ月分の現金預金」の目安とはなんだったのか? 「月商〇ヶ月分の現金預金」にはどういう意味があったのか?

続いて、そのあたりを考えていきましょう。

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そもそも、「月商〇ヶ月分の現金預金」とはなんだったのか?

会社が売上をあげるためには、仕入をしたり、その他費用の支払が必要です。つまり、仕入や費用を支払うためのおカネが無ければ、事業を続けることができない。

たとえば、500万円の売上をあげるのに、150万円の仕入と 300万円の費用の支払いが必要だとしたら。150万円+300万円=450万円のおカネがなければなりません。

じゃあ、450万円だけでいいかと言えば、そういうわけでもなく。借入をしている会社であれば、「元金返済」分のおカネも別途必要になります(利息の支払は費用として織り込み済み)。

もし、この会社の元金返済額が 50万円だとすれば。さきほどの 450万円+50万円=500万円で、月商と同額です。

というように。おおむねほとんどの会社では、「月商=仕入+費用+元金返済」となります。というかむしろ、「月商>仕入+費用+元金返済」であるべき、と考えます。

だから本来は、「月商〇ヶ月分の現金預金」ではなく、「仕入+費用+元金返済の〇ヶ月分の現金預金」と考えるのが正解だと言えるでしょう。

けれども、いちいち「仕入+費用+元金返済」を計算するのもわずらわしく、「だったらもう月商でよくね?」みたいなところから、「月商〇ヶ月分の現金預金」になったものと想像します。

ちなみに、「〇ヶ月分」が「1ヶ月分」では少なすぎることは理解しておきましょう。実際には、売り上げても、代金の入金までには時間がかかります。

にもかかわらず、仕入代金を支払ったり、経費の支払をしなければいけません。また、突発的な支払ということもありえますので、どんなに少なくとも「月商の2ヶ月分」は確保すべきところです。

そのあたり、現金預金が月商の1ヶ月分を割り込むような会社を、銀行は「自転車操業の危ない会社」だと見ています。融資が極端に受けにくくなりますので、気をつけましょう。

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代わりになにを目安にすればいいのか?

ここまで、2つのお話をしました。1つは、なぜ「月商〇ヶ月分の現金預金」が通用しないのか? もう1つは、そもそも「月商〇ヶ月分の現金預金」とはなんだったのか? です。

冒頭、「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安が通用しなくなったと言いましたが、それら2つの話から答えはわかったことでしょう。

そもそも、「月商〇ヶ月分の現金預金」とは、「仕入+費用+元金返済の〇ヶ月分の現金預金」の意味合いだったのだから、月商がダメなら「仕入+費用+元金返済」をつかえばいい。そういうことです。

コロナをへて、売上が減少したいま。費用の見直し(いわゆるコストカット)もしたところで、「仕入+費用+元金返済」を再計算してみる。その〇ヶ月分を現金預金の目安にします。

なお、仕入は売上に連動するものです。売上が増えれば仕入も増える。売上が減れば仕入も減る。極端を言えば、売上がゼロなら仕入はゼロになります(在庫を持つための仕入は除いて)。

そう考えると、ひとまず「費用+元金返済の〇ヶ月分の現金預金」があればよい、と言えるでしょう。

売上がゼロだとすれば仕入はないのですから、「費用+元金返済の〇ヶ月分の現金預金」があれが資金繰りは事足りますし。売上がゼロでなければ、仕入のためのおカネは売上のなかから支払うことが可能だからです。

ここで、もうひとつ問題があります。「元金返済」です。

コロナをへて、いままでにないほど銀行から融資を受けた、という会社は少なくありません。であれば、元金返済もふくらんでいるはずなのですが、コロナ禍の融資では積極的に「据置期間」の設定が利用されました。

据置期間、つまり、一定期間のあいだは返済が据え置かれる。借入残高は増えたけれど、当面、元金返済は増えていない、という会社はあるわけです。

とはいえ、近い将来には返済がはじまるのですから、その分の「元金返済額」は織り込んでおく必要があります。据置期間終了後の元金返済額も含めて、「費用+元金返済の〇ヶ月分の現金預金」を考える必要があります。

ここが抜け落ちていると、返済がはじまったときに慌てることになるので気をつけましょう。据置期間は、コロナ禍における融資の「特殊事情」として、漏れなく把握しておかなければいけません。

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まとめ

新型コロナウイルスの影響によって、売上が消失した会社にあっては、「月商〇ヶ月分の現金預金」という目安が意味をなさなくなってしまいました。

なので再考しましょう、というお話をしてきました。

結論としては、「コストカット後の費用+据置期間後の元金返済の〇ヶ月分の現金預金」が目安になります。本記事でお話をした、結論にいたる流れを押さえておくようにしましょう。

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