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銀行融資を受けるなら『経常運転資金』の計算式は2つ覚えとく

銀行融資を受けるなら『経常運転資金』の計算式は2つ覚えとく

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経常運転資金の計算式は2つあります。ひとつしか知らない、というのであれば要注意。

銀行融資の受けやすさにもかかわるところですから、ぜひとも2つの計算式を確認していきましょう!というお話です。

みんな知らない、もうひとつの計算式。

会社が資金繰りを考えるうえで、とてもだいじなこととして「経常運転資金」が挙げらます。経常運転資金とは、計算式で言うと、

経常運転資金=売上債権+たな卸資産ー仕入債務

だというのは、よく見聞きするハナシです。ところが、経常運転資金の計算式には、もうひとつあって。実は、そちらの計算式がより重要だったりもする話は「端折られている」ので注意が必要です。

というわけで。今回は、経常運転資金の「2つの計算式」についてお話をしていきます。銀行融資の受けやすさにもかかわるところですから、ぜひとも確認をしておきましょう。

具体的には、次のような内容です↓

このあとのお話の内容
  • 【予習1】よく見聞きする計算式の確認から
  • 【予習2】経常運転資金が銀行融資でだいじな理由
  • 【本題1】もうひとつの計算式を覚える
  • 【本題2】2つの計算式をどう使い分けるのか

それではこのあと、順番に見ていきましょう。

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【予習1】よく見聞きする計算式の確認から

本題である「もうひとつの計算式」のお話をする前に。まずは、「そもそも経常運転資金とは?」を理解するために、よく見聞きする計算式をあらためて確認してみましょう。

冒頭の計算式を再掲します↓

経常運転資金=売上債権+たな卸資産ー仕入債務

算式中の「売上債権(売掛金・受取手形)」は、売上代金が「入金」されるのを待っている金額です。「たな卸資産(商品・製品など)」もまた、販売されて売上代金が「入金」されるのを待っている金額です。

いっぽうで、「仕入債務(買掛金・支払手形)」は、仕入代金の「支払」を待ってもらっている金額になります。

これらをふまえて、経常運転資金とは「入金を待っている金額」と「支払を待ってもらっている金額」の差額だということを理解しておきましょう。

では、入金を待っている金額のほうが大きいとどうなるか? その金額が大きいほど、会社の資金繰りは厳しくなります。手元になかなかおカネが入ってこないからですね。

売上が右肩上がりに伸びていく会社では、売上債権とたな卸資産が増加するため、しばしば経常運転資金が膨らみます(仕入債務も増えますが、通常、売上債権が増えるほどではありません)。

結果、人件費やら家賃やらの支払ができなくなる… これが「黒字倒産」が起きるしくみです。

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【予習2】経常運転資金が銀行融資でだいじな理由

というわけで。経常運転資金によって、資金繰り破たんを起こすことがないように、会社は「経常運転資金分のおカネ」を確保する必要があります。

自己資金で準備できればよいのですが、なかなかそうもいかないのが中小企業の「フトコロ事情」です。そこで、多くの会社では、「経常運転資金を銀行融資で調達しよう」となります。

これに対して、銀行も経常運転資金の重要性は理解しています。また、経常運転資金の融資は、銀行にとって取り組みやすい融資のひとつです。いざとなれば、売上債権の回収代金、たな卸資産の売却代金で回収ができるから。いわば、担保をとっているようなものだと言えます。

それはそれとして。会社は「経常運転資金分のおカネ」を調達すべく、銀行に融資を依頼するわけです。このとき、いくらの融資を依頼するか? その金額を求めるのに、計算式が役立ちます。

自社の貸借対照表を見て、必要な数字を拾い出し、「売上債権+たな卸資産ー仕入債務」を計算するということです。ちなみに、「いくらなら借りられるのか?」と銀行に聞いてはいけません。

銀行は、「必要な金額を貸す」のであって、「貸せるだけ貸す」のではないからです。」いくらなら借りられるのか?」と聞けば、「借りられるだけ借りたい」に聞こえてしまいます。

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【本題1】もうひとつの計算式を覚える

ここまでは予習、ここからが本題です。さっそく、経常運転資金のもうひとつの計算式を確認してみましょう。こちらです↓

経常運転資金=(売上債権回転期間+たな卸資産回転期間ー仕入債務回転期間)×平均月商

計算式の長さに、「なんじゃこりゃあ」と思われたかもしれませんが。見た目ほど難しい計算式ではありません。少しずつ確認をしていきましょう。

まずは、計算式の最後尾にある「平均月商」から。これは、ひと月あたりの平均的な売上高です。計算式であらわすと、こうなります↓

平均月商=年間売上高÷12ヶ月

とくに、難しいことはありませんよね。どんどんいきましょう。次は、計算式の先頭「売上債権回転期間」について。売上債権回転期間を計算式であらわすと、こうなります↓

売上債権回転期間=売上債権÷平均月商

売上債権とは、売掛金や受取手形のこと。その金額を平均月商で割ることで、「売上代金の入金待ちが平均月商の何ヶ月分あるか?」がわかります。

続いて、「たな卸資産回転期間」について。計算式であらわすと、こうなります↓

たな卸資産回転期間=たな卸資産÷平均月商

たな卸資産とは、商品や製品など、いわゆる在庫のこと。その金額を平均月商で割ることで、「在庫が平均月商の何ヶ月分あるか(=在庫は何ヶ月で売れるか)?」がわかります。

さいごに、「仕入債務回転期間」について。計算式であらわすと、こうなります↓

仕入債務回転期間=仕入債務÷平均月商

仕入債務とは、買掛金や支払手形のこと。その金額を平均月商で割ることで、「仕入代金の支払待ちが平均月商の何ヶ月分あるか?」がわかります。

と、ここまで3つの「回転期間」を計算してきました。そのうえで、もういちど経常運転資金の計算式を見てみましょう↓

経常運転資金=(売上債権回転期間+たな卸資産回転期間ー仕入債務回転期間)×平均月商

計算式の前半のカッコ書きを見て、もう気がついたかと思います。ひとつめの計算式「売上債権+たな卸資産ー仕入債務」にそっくりですよね。違うのは「単位」です。

ひとつめの計算式は「金額」が単位だったのに対して、2つめの計算式では、「期間(月数)」が単位になっています。単位が違うだけで、考え方は同じなのです。あたりまえですが。

そこで、2つめの計算式も単位を「金額」でそろえるために、さいごに「平均月商」を掛けています。

計算式の前半のカッコ書きは、「入金を待っている期間と支払を待ってもらっている期間の差」です。そこに、平均月商を掛けることで「入金を待っている金額と支払を待ってもらっている金額」を計算しているのが、2つめの計算式ということになります。

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【本題2】2つの計算式をどう使いわけるのか

経常運転資金について、2つの計算式を確認してきました。では、この2つの計算式をどのように使い分けるのか?

1つめの計算式で使う数字は、貸借対照表に記載されている金額でした。けれども、貸借対照表の金額は「一時点」の金額に過ぎません。もしかしたら、いつもに比べて少ないかもしれないし、多いかもしれない。

たとえば、決算日にドカンと掛け売上があったり、ドカンと仕入れて在庫が増えたら、経常運転資金の金額は、いつもに比べて大きくなってしまいます。というのが、1つめの計算式の特徴であり欠点です。

計算が簡易ではあるけれど、一時点の金額に左右される欠点がある。そこで、2つめの計算式になります。

2つめの計算式もまた、貸借対照表に記載された金額を使っている限りは、やはり、一時点の金額に左右されます。そこで、3つの回転期間を計算する代わりに、「実際のサイト(単位は月)」をあてはめます。つまり、こういうことです↓

経常運転資金=(売上債権の回収サイト+たな卸資産の販売サイトー仕入債務の支払サイト)×平均月商

これによって、一時点の金額に左右されることなく、「平均的」な経常運転資金の金額を計算することができます。

もちろん、1つめの計算式で求められる経常運転資金が、その時点での経常運転資金であることに間違いはありません。ですから、1つめの計算式がダメで、2つめの計算式が良い、というわけではありません。

一時点での経常運転資金を求めるなら1つめの計算式を、平均的な経常運転資金を求めるなら2つめの計算式を、という使い分けになります。

ちなみに。そもそも、貸借対照表の金額には「粉飾」があるかもしれません。だとすれば、貸借対照表の金額を使う限り、経常運転資金の計算は「過大」になってしまいます。

そのままでは、銀行は過大融資をすることにもなりかねません。だから銀行は、1つめの計算式で経常運転資金を計算しつつ、いっぽうでは会社に「サイト」をヒアリングして、2つめの計算式を使って経常運転資金を計算してもいるのです。

まとめ

経常運転資金の計算式は2つあります。ひとつしか知らない、というのであれば要注意です。

銀行融資の受けやすさにもかかわるところですから、ぜひとも2つの計算式を押さえておきましょう。もちろん、銀行は2つの計算式を理解しています。

経常運転資金 2つの計算式

【計算式1】経常運転資金=売上債権+たな卸資産ー仕入債務

【計算式2】経常運転資金=売上債権回転期間+たな卸資産回転期間ー仕入債務回転期間

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