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銀行格付を良くするために期末に返済→5つのデメリット

銀行格付を良くするために期末に返済→5つのデメリット

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ときおり見聞きするハナシ、「銀行格付を良くするために期末に返済」には、5つものデメリットがありますよ。という、お話をしていきます。

たしかに、一理あるけれど。

銀行融資について、ときおり見聞きするハナシに次のようなものがあります↓

「銀行の格付を良くするために、期末にはいちど返済をしておこう」

銀行の格付が良くなれば、融資が受けやすくなる。だから、期末に少しでも借入を返済して、格付を良くしておこう、という考え方です。

たしかに、一理ありますが。総合的に見ると、あまりおすすめできる対応ではありません。なぜなら、次に挙げる5つものデメリットがあるからです↓

銀行格付を良くするために期末に返済→5つのデメリット
  1. 自己資本比率が上がるのはわずか
  2. 他行からの評価が下がる
  3. 融資が受けにくくなる
  4. 銀行から嫌われる
  5. 資金繰りが悪化する

それではこのあと、5つのデメリットを順番に見ていきましょう。

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銀行格付を良くするために期末に返済→5つのデメリット

自己資本比率が上がるのはわずか

期末に返済すると、銀行格付が良くなるのは「自己資本比率が上がるから」だと言われます。

たとえば、総資産 5,000万円、借入金 3,000万円、自己資本 1,000万円の会社があったとして。

自己資本比率は 20%です(1,000万円 ÷ 5,000万円)。ここで社長が、「期末に 500万円返済しよう」と考えたとしましょう。

すると、借入金は 3,000万円から 2,500万円に減ります。いっぽうで、総資産が 5,000万円から 4,500万円に減ります。繰り上げ返済をするのに「おカネ(資産)」を 500万円使うからです。

結果、自己資本比率はどれだけ上がるのか?

2.2%です(1,000万円 ÷ 4,500万円=22.2%)。あえて言わせてもらいますが、「たった」の 2.2%です。それでも上がるのだからいいだろう、と思われるかもしれませんが。

総資産 5,000万円の規模の会社にとって、500万円の預金はけして小さくないはずです。期末に返済することで、預金がほとんどなくなってしまった… ということもありえます。

これにより起きる、さらなるデメリットは後述するとして。なんにせよ、多くのケースでは、自己資本比率が「劇的」に上がるわけではないことを確認しておきましょう。

他行からの評価が下がる

借金が減るのは良いことだ、という考え方があります。たしかに、借金があるのは気分が良いものではありませんから、減るに越したことはないでしょう。

けれども、それは借りる側の「都合」にすぎません。貸す側からすれば、むしろ、「借金が減るのは悪いことだ」という考え方もあります。

たとえば、業績が大幅に悪化している会社では、銀行から早期返済を求められることはあるものです(応じるかどうかはともかく)。当然、あらたに借入はできません。逆に、業績が好調な会社には、「融資をしたい」と銀行が集まります。

極端を言えば、業績が悪い会社の借金は減るいっぽう、かたや業績が良い会社の借金は増えるいっぽう、ということはあるわけです。

そう考えると、期末に返済をすることで借入残高を減らすのも、問題があるとわかります。借入残高が減ったのを見た他の銀行から、「この会社は融資が受けられずに、返済を迫られているのではないか」と誤解されるかもしれません。

ちなみに、当座貸越を受けられる会社であれば、期末には「あえて借りておく」のがよいでしょう。当座貸越は「良い会社」の証でもありますから、それを見た他の銀行から評価があがります。

融資が受けにくくなる

さきほど、「自己資本比率が減るいっぽうで、預金が減ってしまう」という話をしました。すると、融資が受けにくくなる。ということは、理解しておきましょう。

たとえ赤字の会社でも、預金があれば、すぐに返済に困ることはありません。逆に、黒字の会社でも、預金がなければ、すぐに返済に困ることはありえます。

それを銀行はわかっていますから、「預金がどれだけあるか?」に注目をしているのです。

この点で。期末に返済をした結果、決算書に掲載される預金の金額が少なくなると、その後の融資は受けにくくなることがあります。

自己資本比率が少々良くなったくらいでは、預金の少なさはカバーできません。目安として、平均月商(年間売上高 ÷ 12ヶ月)の2ヶ月分くらいの預金残高は維持しておきましょう。

ところが、期末に返済を優先して、預金残高が平均月商の1ヶ月分を下回るようなケースも散見されます。そのくらいの預金残高となると、銀行からは「自転車操業の危ない会社」と見られかねません。

借入残高を気にするのも悪くはありませんが、あわせて、預金残高も気にするようにしましょう。

銀行から嫌われる

期末に返済する、つまり、本来の返済期日より前に返済すると、銀行からは嫌われます。

いやいや、それは逆だろう。早く返してもらえたほうが銀行は喜ぶだろう、とおもわれるかもしれませんが。それこそ、逆。なぜなら、銀行はおカネを貸すのが商売だからです。

期日よりも前に返済されてしまったら、銀行は、その先に見込んでいた「利息収入」をえられなくなってしまいます。銀行からすれば、「だったらもっと金利を高くしたのに!」と感じるところでしょう。

また、銀行には「融資残高」という営業目標があります。とくに、銀行の決算時期(9月・3月)は、なんとしてでも目標達成をしなければいけません。

にもかかわらず、その時期に返済をされたらどうでしょう? 銀行としては、たまったものではありませんよね。返済された金額を穴埋めするために、あらたな融資先を探さなければいけなくなります。

こうして、銀行から嫌われるかもしれないことは理解しておきましょう。

資金繰りが悪化する

期末に返済すると、預金が少なくなる、という話をしました。すると、ちょっとなにか起きただけでも資金繰りに問題を起こすことになります。

じゃあ、また借りればいい。と思われるかもしれませんが、話はそれほどカンタンではありません。

預金が少なくなると、銀行からの評価が下がって、融資が受けにくくなることは話をしたとおりです。それに、銀行からは嫌われている可能性があることも話をしました。

だとすれば、また借りることなどできないかもしれません。資金繰りに問題が起きているのに、融資を受けることもできない。資金繰りは悪化するいっぽうです。

ここまで想像したうえで、期末に返済するかどうかを考えるようにしましょう。格付が良くなったとしても、資金繰りが破たんするのでは元も子もありません。

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まとめ

ときおり見聞きするハナシ、「銀行格付を良くするために期末に返済」には、5つものデメリットがありますよ。という、お話をしてきました。

期末に返済すること自体を否定するものではありませんが、「総合的」に見てどうなのか? を検討するようにしましょう。

銀行格付を良くするために期末に返済→5つのデメリット
  1. 自己資本比率が上がるのはわずか
  2. 他行からの評価が下がる
  3. 融資が受けにくくなる
  4. 銀行から嫌われる
  5. 資金繰りが悪化する

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