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3大ドリッパーどれにする?メリタ・カリタ・ハリオの違いと選び方

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3大ドリッパー、メリタ・カリタ・ハリオの違いと選び方についてお話をしていきます。ドリッパー選びに迷っているなら、ぜひいちど確認を。

目次

3大ドリッパー、どれにする?

コーヒー好き税理士のモロトメジョーです。きょうもコーヒー、してますか?

コロナの影響もあってか、おうちでコーヒーを飲む人が増えて、ハンドドリップをする人も増えているようです。そんなハンドドリップでコーヒーを淹れるためには、「ドリッパー」が必要になります。

とはいえ、世の中には信じられないくらいのドリッパーが売られているので。「いったいどれを買ったらいいんだ…?」と途方に暮れた経験があるかもしれません。あるいは、「テキトーに買った」ということもあるでしょう。

が、ドリッパーなど「どれも同じ」ように見えて、実はそれぞれに違いがあります。同じコーヒー豆を使っても、抽出されるドリッパーによって、出来上がるコーヒーの「味わい」は異なるのです。

また、コーヒーを淹れるにあたっての「難易度」にも違いがあります。これを聞いて、「えっ、そうなの?」と思われたのであれば、このあとのお話をぜひ確認していきましょう。

今回は、日本における3大ドリッパー、「メリタ」「カリタ」「ハリオ」を取り上げて(それぞれ型もいろいろですがメジャーどころの型で)、それぞれの違いや選び方についてお話をしていきます。

まずは結論がこちらです↓

 メリタカリタハリオ
型番AF-M 1×2102DV60(VD-02T)
特徴台形型・1つ穴台形型・3つ穴円すい型
味わい薄い・すっきり濃い・苦み濃い・酸味
推奨の豆量8g10g8〜12g
難易度初級中級上級
価格(※)560円297円356円

※2021年11月7日現在・Amazon価格

以上を結論として、それぞれのドリッパーについて見ていきましょう。

 

メリタ・AF-M 1×2「ズボラさん、いらっしゃい」

 

メリタ・ベンツ夫人による世界初

メリタはドイツの会社です。世界ではじめて、ペーパーフィルターを使ったドリップシステムを作ったのがメリタ・ベンツ夫人。1908年のできごとになります。

当時は、茶こしでコーヒーを淹れていましたが、粉っぽさや雑味が多い飲み物だったそうです。そこで、息子のノートを1枚破りとり、茶こしにあわせて折り、フィルターにしてみたら… それはそれは美味しいコーヒーができました! という主婦の知恵がはじまりです。

台形型で1つ穴ならメリタ

ドリッパーには、おもに台形型と円すい型とがあります。台形型のメリタは、横から見るとこんな感じです↓

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このあとお話するカリタも、同じく台形型。そういえば、うちのドリッパーは台形型だけれど、メリタとカリタどっちだろう? というときには、「穴の数」が参考になります。

ドリッパーの底にあいている穴が1つならメリタ、3つならカリタです。というわけで、メリタの底がこちらになります↓

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このとおり、穴は1つです。このメリタの穴には、ひとつ「しかけ」があります。それは、穴が底面よりも高い位置にある、ということです。画像だとちょっとわかりにくいかもしれませんが、こちらになります↓

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これにより、ドリッパーに入れたお湯は、さいごまで落ちきることはありません。底面に少しだけ残ります。ハンドドリップでは、「お湯はさいごまで落としきらない(雑味がまじるから)」というのは、よく言われるところです。

なので、ほかのドリッパーだと「目視」で残りの湯量を確認して、良きタイミングでドリッパーをはずさなければいけません。が、メリタなら放置でOKです。メリタ・ベンツ夫人のように、忙しい主婦・主夫にはぴったり。

お湯を一気に注ぎ入れたらおしまい

ドリッパーにはそれぞれ、推奨される「淹れ方」があります。メリタの場合には、お湯を一気に注ぎ入れるという「独自スタイル」です。

はじめに少量のお湯を注いで、30秒ほど蒸らしたら。あとは、フィルターに「水位線」があるので、そこまでいちどにお湯を注ぎます↓

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なので、コーヒー粉がお湯で「ひたひたに浸かる」のがメリタのイメージです。あとは、お湯が落ちきるのを待つだけ。前述したとおり、落ちきる前にドリッパーをはずす必要もありません。目を離していても問題なし。

ズボラさんには、おすすめのドリッパーだと言えます。

コントロール不可、ゆえに初級用

メリタは、お湯を一気に注ぎ入れたらおしまいだけに、コントロールができません。推奨される淹れ方をする限り、だれが淹れても同じクオリティのコーヒーができあがります。

という点では、初級用だと言えるでしょう。いっぽうで、いろいろな淹れ方をしてみたい中級以上には、物足りないドリッパーではあるかもしれません。もちろん、推奨される淹れ方以外で、違いを出すことはできますが。

なにぶん、穴が1つ、それも小さな穴(後述するハリオは1つ穴でも大きい)となると、違いを出せる「幅」はどうしても小さなものになります。

とはいえ、唯一無二のすっきり感

初級用で、違いの幅も出しにくいのなら、そんなドリッパーは要らない。かと言うと、そんなこともありません。なぜなら、メリタは唯一無二とも言える、すっきり感のあるコーヒーを淹れられるからです。

冒頭の結論でもふれたとおり、カリタやハリオは「濃いめ」のコーヒーなのに対して、メリタは「薄め」です。薄めなどと言うと叱られそうですが、正しい表現は「すっきり」ということになるのでしょう。

できあがりの見た目としても、あきらかにカリタやハリオとは違います↓

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すっきりしたコーヒーが好き、きょうはすっきりしたコーヒーが飲みたい、というのであれば。まちがいなく、メリタのドリッパーがおすすめです。

小さな穴1つなのに、なぜすっきり?

もしかすると、思われたかもしれません。メリタのドリッパーは、穴が1つ。それも、小さな穴。なのになぜ、3つ穴のカリタや、大きな1つ穴のハリオよりもすっきりなのか?

その原因は、お湯の注ぎ方にあります。さきほど話をしたとおり、メリタはお湯を一気に注ぎます。すると、お湯の重みで「水圧」がかかるため、1つ穴でも、時間あたりの「水量」が多くなるんですね。

これに対して、メリタやハリオは、お湯を少しずつ注ぎます(後述)。ゆえに、早く抽出がおわるメリタのコーヒーはすっきり、時間がかかるメリタやハリオは濃いめになるわけです。

豆量の違いもあるけれど

すっきりか濃いめかの違いとして、コーヒー豆の量もあるでしょう。それぞれのドリッパーには、推奨される豆量があります。ドリッパーに付属する計量スプーン(コーヒー1杯分)の大きさが、だいぶ違うのです↓

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メリタはもっとも小さくて8g。カリタは10g、ハリオは8〜12g。この違いは、3社それぞれが、「うちのドリッパーでつくりたいコーヒーなら、この豆量で!」というこだわりのあらわれです。

というわけで、さきほど掲載した「できあがりのコーヒー画像」のコーヒーは、推奨の豆量で淹れました。ですから、豆量を増やせば、メリタでも濃いめのコーヒーをつくることはできるでしょう。

とはいえ、それでも。各社の「こだわり」を尊重したいところではあります。わたし的には。

おすすめフィルター・アロマジック ナチュラルホワイト

やっぱりドリッパーとあった、純正のペーパーフィルターを使いたいものです。そのほうが、ドリッパーのチカラを存分に引き出せるはずなので。

そこで、メリタ・AF-M 1×2におすすめのフィルターがこちらです↓

 

アロマジック ナチュラルホワイトの説明書きによれば、「ペーパー全体にあけられた微細な穴「アロマホール」が、深いアロマとおいしさを抽出します」なのだそうです。これだけでもう、美味しそう。

カリタ・102D「ガツンと系のコーヒーがお好きなら」

 

メリタとは似て非なる、カリタ

カリタは、日本の会社です。メリタに似ているので、わたしはいまでも混乱しますが、似て非なる、まったく別の会社になります。1958年創業。メリタ・ベンツ夫人のペーパードリップから50年。

メリタの「メリ」が、漢字の「刈」のように見えることが、カリタの名の由来。というのは、よく聞く「ウワサ話」であり。公式には、ドイツ語の「Kaffee」と「Filter」の造語だとか。なぜ、メリタと同じドイツ…?

台形型で3つ穴ならカリタ

前述のメリタと同じ台形型のカリタ。横から見ると、こんな感じです↓

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メリタと決定的に違うのは、穴の数。底には、3つの穴があいています↓

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というわけで、お湯を注ぐと、これら3つの穴からコーヒーが抽出されるわけです。

お湯は5〜6回に分けて注ぐ

ドリッパーにはそれぞれ、推奨される「淹れ方」がある。というのは、さきほども話をしたとおりです。メリタの場合には、お湯を一気に注ぎ入れましたが、カリタは5〜6回に分けて注ぎます。

まずは、少量のお湯を注ぐ。これは、「蒸らし」のためであり、どのドリッパーでもいっしょです。30秒くらいたったら、総量に対して5〜6分の1ずつ、お湯を入れていきます。

少なくとも、ドリッパー内のお湯が落ちきる前には、次のお湯を入れましょう。そして、さいごのお湯を入れたあと、ドリッパー内のお湯が落ちきる直前に、ドリッパーをはずしておしまいです。

メリタと比べると、手間ひまかかるドリッパーだと言えます。

多少のコントロールはきくのがカリタ

カリタのドリッパーは、メリタに比べるとコントロールがききます。お湯を入れる量やタイミングによって、差ができるからです。ゆえに、淹れる人によって、できあがるコーヒーにも違いが出ます。

とはいえ、後述のハリオほどには、違いを出せる「幅」は大きくありません。なぜなら、台形型であるがために、ドリッパーの底面に「一定のたまり」ができるからです。

速く抽出しようとしても、その「一定のたまり」によって、あるていどスピードがコントロールされます。1つ穴で、どストレートにお湯が落ちるハリオとの違いです。

というわけで、カリタは、メリタとハリオの中間。ちょっとコントロールを楽しみたい中級用のイメージです。

ガツンとドッシリ、これぞコーヒー

お湯を5〜6回に分けて抽出するからでしょう。その分、時間がかかるため、濃いめのコーヒーができあがります。この点で、メリタとの違いはあきらかなのですが、ハリオとの違いは微妙です。とくに、見た目は↓

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上記のとおり、カリタとハリオはほぼほぼ同じ。ところが、酸味と苦みのバランスに差が出ます。カリタは、苦みが強め。ハリオは酸味が強め。とくに、コーヒーが冷めたときには、違いがわかりやすくなります。

この違いは、お湯の流れ出るスピードによるものでしょう。基本的に、速く抽出すると「酸味」が際立ち、遅く抽出すると「苦み」が際立ちます。この点、ハリオのほうがスピードが速いです(後述)。

ガツンと苦みがきいた、「これぞコーヒー!」が好きなら、カリタのドリッパーがおすすめ。

おすすめフィルター・珈琲屋さんのコーヒーフィルター

 

こちらも、カリタ純正のペーパーフィルターです。「従来のろ紙より繊維のからみをより多くしたことで、飲み口すっきり香りコクはそのままに、口当たりの良いレギュラーコーヒーが楽しめます」だそうです。

わたしも、カリタのドリッパーを使うときには、このフィルターを使っています。

ハリオ・V60(VD-02T)「淹れる愉しみに溺れよ」

 

後発ハリオ、会心の一撃

ハリオは、1921年に創業、日本ではじめて耐熱ガラスを開発した会社です。社名の由来は、「玻璃王(はりおう)」。玻璃とは、ガラスのことですね。その名のとおり、たくさんのガラス製品を販売しています。

そんなハリオが2005年に発売したドリッパーが、V60です。特徴的な見た目もさることながら、衝撃を与えたのがドリップの自由度。使い手に応じて、さまざまな味わいを作り出せるドリッパーとして注目されるようになりました。

円すい型のハリオ

ハリオのドリッパーは、メリタやカリタとは異なる円すい型。横から見ると、こんな感じです↓

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そして、もうひとつ。特徴的なのが、とても大きな1つ穴。ドリッパーを上から見ると、こんな感じです↓

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メリタやカリタと比べると、あきらかに大きな穴があいています。さらには、リブ(ドリッパー側面の溝)。メリタやカリタが「直線」のリブなのに対して、ハリオは「曲線」です。

ハリオはこれを「スパイラルリブ」と呼んでいます。

3分以内で抽出し切る

ハリオの説明書きによれば、「淹れる杯数とは関係なく、3分を目安に抽出」とされています。はじめに、少量のお湯を入れたら、30秒ほど蒸らし。そのあと、中心からうず状にお湯を注ぎ入れていく。

注ぎおわるまでの時間が3分ていどになるよう、お湯を注ぐスピードを調節することになります。この時点でもう、難易度高めであることがわかるでしょう。

メリタのように一気に入れるわけにもいかず、カリタのように分割して入れればよいわけでもありません。

高速ドリップもハリオの技

抽出時間の目安は3分。ではありますが、もっと速く抽出することも可能です。なぜなら、ハリオの特徴は、大きな1つ穴だから。お湯をたくさん注げば注ぐほど、速い抽出ができるのです。

また、前述した「スパイラルリブ」によって、お湯は底面に向かって、よりスムーズに流れていきます。というわけで、コントロールがききやすく、できあがりの違いの「幅」も大きくなるのがハリオです。

したがって、上級用のドリッパーとして位置付けらるものと考えます。言い換えるなら、淹れる愉しみがあるドリッパーです。

速いのに濃い、という不思議

大きな1つ穴に、スパイラルリブ。抽出スピードが速くなると考えると、薄いコーヒーになりそうですが、そんなことはありません。その理由は、「円すい型」のカタチにあります。

円すい型であるがために、お湯は穴に向かって集中。すると、より長く、お湯はコーヒー粉に触れることができるため、成分がしっかりと抽出される。という、しくみだそうです。さすがは世界を驚かせたV60。

なお、前述したとおり、「濃いめ」という点では、ハリオとカリタは似ています。見た目はよくわからず、味わいとしても、差はビミョーだと言えます(わたしの味覚センサーでは)。

ただし、ハリオは自由度が高いドリッパーですから、使い手の力量によって、幅のあるコーヒーを淹れることができるでしょう。

おすすめフィルター・V60ペーパーフィルター02

こちらも、ハリオ純正フィルターです↓

 

特段、大きなこだわりは見当たりませんが。フィルターに「耳(でっぱり)」が付いているので、開きやすいです。耳がないフィルターを使うときに、「あぁ、耳あると便利なんだ」と気が付きます。

まとめ「もう、ぜんぶ買え」

3大ドリッパー、メリタ・カリタ・ハリオの違いと選び方についてお話をしてきました。

難易度にあわせて選ぶのもよいでしょう。好みの味わいで選ぶのもよいでしょう。でも、ぜんぶ買うのもよいと思います。コーヒーの世界が広がりますし、そのときどの気分でドリッパーを変えるのも楽しいものです。

 メリタカリタハリオ
型番AF-M 1×2102DV60(VD-02T)
特徴台形型・1つ穴台形型・3つ穴円すい型
味わい薄い・すっきり濃い・苦み濃い・酸味
推奨の豆量8g10g8〜12g
難易度初級中級上級
価格(※)560円297円356円

※2021年11月7日現在・Amazon価格

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