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取引銀行の数が少なすぎるデメリット・多すぎるデメリット

取引銀行が少なすぎるデメリット・多すぎるデメリット

融資を受けている会社の社長が、考えるべきこととして。取引銀行の数について、お話をしていきます。少なすぎても多すぎてもデメリットがある、というお話です。

目次

取引銀行数の目安を知る。

融資を受けている会社の社長が考えるべきことのひとつに、「取引銀行の数」が挙げられます。ここで言う「取引銀行」とは、「融資を受けている銀行」のこと。

その取引銀行の「数」が少なすぎたり、多すぎたりすると、融資を受けるのにも悪影響が起きやすくなります。結論として、自社の年間売上高を基準とした「取引銀行数の目安」は、次のとおりです↓

取引銀行数の目安
  • 年間売上高 3億円未満 → 民間銀行2〜3つ+日本政策金融公庫(国民生活事業)
  • 年間売上高 3億円以上 → 民間銀行3〜4つ+日本政策金融公庫(国民生活事業)
  • 年間売上高 5億円以上 → 民間銀行4つ以上+日本政策金融公庫(中小企業事業)・商工中金

こちらは、「おおむね」の目安ですから、「ぜったい」ではありません。が、目安に対して少なすぎたり、多すぎたりすれば問題がある、ということは理解しておきましょう。

では、取引銀行の数が少なすぎたり多すぎたりすると、いったいどんな問題が起きるのか? デメリットとして、このあとお話をしてみることにします。

取引銀行の数が少なすぎるデメリット

まずは、取引銀行の数が少なすぎる場合のデメリットから見ていきましょう。

銀行の「姿勢」の変化に対応できない

取引銀行の数が少なすぎる「極端な例」として、ひとつの銀行からしか融資を受けていない会社について考えてみます。

銀行の融資に対する「姿勢」は、いつも同じではありません。銀行自体の方針が変わったり、支店長が異動になって支店の方針が変わったり。担当者の異動によって、いままでとは対応が変わってしまうこともあります。

このあいだまでは、スムーズに融資を受けられたのに。なんだか最近、急に厳しくなった… というのはよくあるハナシです。

また、銀行業界では「再編」が進んでいます。銀行どうしの「提携・統合・合併」といったことが、いろいろなところで起きている状況です。すると、取引していた銀行が、別の銀行といっしょになった、あるいは別の銀行に取り込まれた、ということもあるでしょう。

結果として、取引していた銀行の「姿勢」が変わることになります。こういったときに、取引銀行の数が少なすぎると、選択肢が少なくなるのがデメリットです。

逆に、取引銀行の数がじゅうぶんであれば、姿勢が変わった銀行とは距離をおく。ほかの取引銀行から融資を受けるようにする、という対応ができます。

銀行との「交渉」に弱くなる

融資を受けるにあたって、決めるこになるのが「融資条件」です。融資金額や返済期間をはじめ、金利、担保や保証の有無など。これらの融資条件は、有利な条件を引き出したいものです。

そこで、会社は銀行と「交渉」をすることになります。ところが、もしも、取引銀行の数が1つしかなければどうでしょう? 銀行からは「足元を見られる」ことになりかねません。

なぜなら、銀行が会社にとっては厳しい融資条件を提示したとしても。ほかに借りるアテ(取引銀行)がない会社としては、その条件で借りるしかないからです。

いっぽうで、じゅうぶんな数の銀行と取引をしていれば、「だったら、別の銀行で借ります」といって断ることができます。また、ほかの銀行が提示している融資条件を引き合いに出して、銀行どうしを競わせるという方法もあるでしょう。

そこまで露骨な交渉をせずとも、ほかに取引銀行があるだけでも、各銀行に対してプレッシャーをかけることはできます。銀行どうしには「競争」の意識があるからです。

ただ融資を受けるばかりではなく、融資条件をよくすることも考えて、取引銀行の数が少なすぎることがないように気をつけましょう。

融資の「総額」が少なくなる

ひとつの銀行に融資ができる「金額の大きさ」には、限りがあります。言い換えると、ひとつの銀行にとることができる「リスクの大きさ」は限られている、ということです。

ではもし、ひとつの銀行に融資ができる金額の大きさが 3,000万円だとしたら。2つの銀行と取引をしている会社であれば 6,000万円、3つの銀行と取引をしている会社であれば 9,000万円まで融資を受けられることになります。

これに対して、ひとつの銀行としか取引をしていない会社の場合、3,000万円までしか融資を受けることができません。このように、融資の「総額」が少なくなるのは、取引銀行の数が少なすぎるデメリットになります。

ただし、取引銀行の数を増やせば、融資を受けられる金額がどんどん増える、というわけではありません。自社の売上規模や利益・財産の状況などもふまえて、融資の総額は決まります。

このとき、取引銀行の数が少なすぎると、借りられるはずの融資総額まで借りられなくなってしまう、ということです。

取引銀行の数が多すぎるデメリット

続いて、取引銀行の数が多すぎる場合のデメリットを見ていきましょう。

銀行との「関係性」が深まらない

取引銀行の数を増やしすぎると、なにが起きるのか? 「融資残高の分散」が起こります。

たとえば、ぜんぶで 5,000万円の融資を受けようとするときに、2つの銀行から 2,500万円ずつ借りるケースと。5つの銀行から 1,000万円ずつ借りるケースとで考えてみましょう。

これを銀行から見た場合に、どちらがいいかと言えば。基本的には、前者(2つの銀行から 2,500万円ずつ借りるケース)です。なぜなら、そのほうが銀行は利息収入をたくさんとることができます。

これに対して、後者(5つの銀行から 1,000万円ずつ借りるケース)の場合。銀行は、利息収入が少ないので、あまり稼げないことになります。すると、稼げない会社に対しては、できるだけ「手間をかけないように」と、銀行は考えるでしょう。

銀行担当者の足も遠のきますから、コミュニケーションの機会は減ることになります。関係性が希薄になれば、銀行からの融資提案や情報提供も少なくなるのはデメリットです。

逆に、稼げる会社に対しては、銀行も手間をかけることができます。さらに融資を受けてもらおうと、担当者が会社まで足繁く通うこともできるでしょう。そう考えると、取引銀行の数を増やしすぎるというのも問題だとわかります。

融資の「条件」がよくならない

融資を受けるにあたっては、「融資条件」がある。ということは、さきほども話をしました。では、もういちど、さきほどの例で考えてみます。

ぜんぶで 5,000万円の融資を受けようとするときに、2つの銀行から 2,500万円ずつ借りるケースと。5つの銀行から 1,000万円ずつ借りるケースです。

こんどは、どの銀行も融資金利は2%だとします。だとしたら、1,000万円ずつ貸すよりも、2,500万円ずつ貸すほうが、利息収入が多くなるため、銀行にとっては望ましいケースです。

ではここで、会社が「金利を下げたい」とした場合に、どちらのケースが金利を下げやすいかを考えてみましょう。

答えは、2,500万円ずつ借りるケースです。この場合の銀行は、融資金額が多い分だけ利息収入が多いわけですから、1,000万円ずつ融資をする銀行よりも、金利を下げられる余地は大きくなります。

逆に、1,000万円ずつ融資をする銀行は、金利を下げられる余地が少ないことから、交渉をしたとしても、金利を引き下げるのは難しい… ということになるでしょう。

金利以外にも、担保や保証の有無など、「銀行にとって不利、会社にとって有利」な条件については同じことです。融資の条件をよくしづらいのは、取引銀行の数が多すぎるデメリットになります。

「業績」が悪いときにタイヘン

会社の業績が悪いときというのは、銀行からの融資が受けにくくなります。このとき、取引銀行の数が多すぎると、さらに融資が受けにくくなることがある。と、考えておきましょう。

なぜなら、銀行どうしが「様子見」をするからです。業績が悪いのに融資をして、返済してもらえなければ困ります。自行だけが「ババを引く」のはイヤですから、融資を控えるわけです。

また、会社が「リスケジュール(返済猶予)」をしようとするときにも、問題が起こります。リスケジュールするためには、取引銀行すべての「承認」が必要です。

が、取引銀行の数が多ければ多いほど、承認を得るための「説明」に時間がかかります。そのうえ、数が多いほど、承認を得られない可能性は高まると言えるでしょう。

メインバンクがない会社の場合、その傾向はさらに顕著になります。取引銀行の数が多すぎる会社では、融資金額が分散しているがために、「メインバンク不在」のケースが少なくありません。

ところが、メインバンクがある場合には、メインバンクが支援を表明することで、ほかの取引銀行が追随をするケースが多くなります。

いざというときのためにも、メインバンクをつくっておくこと。そのためには、取引銀行の数が多すぎることがないように、取引銀行の数は「適度」を心がけましょう。

まとめ

融資を受けている会社の社長が、考えるべきこととして。取引銀行の数について、お話をしてきました。少なすぎても多すぎてもデメリットがある、ということを理解しておきましょう

取引銀行が少なすぎるデメリット・多すぎるデメリット

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