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運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言われる理由

運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言われる理由

会社が商売を続けるにあたっては、運転資金が必要です。その運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい! と言われる理由とは? についてお話をしていきます。

目次

よく聞くハナシ、の理由とは?

運転資金分のおカネを銀行から借入しましょう! というのは、会社の資金繰りについて「よく聞くハナシ」のひとつです。

ちなみに、ここで言う「運転資金」とは。算式で言うと、「売掛金・受取手形 + 棚卸資産 − 買掛金・支払手形」で計算される金額のことです。この運転資金分のおカネが、会社にとってどうして必要なのかは後述するとして。

運転資金分のおカネを「銀行から借入しましょう」と言われるのはなぜなのか? さらには、「銀行から借入すべきだ!」とまで言われるのはなぜなのか? 借金なんてないほうがいいのだから、できるだけ銀行から借入をしないほうがいい。そう考えている社長にとっては、疑問を感じるところしょう。

そこで、運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言われる理由について、このあとお話をしていきます。と、その前に。「運転資金分のおカネが、会社にとってどうして必要なのか」を確認しておきましょう。

運転資金分のおカネを会社が必要とするワケ

事例で確認をすることにします。30日後に入金される予定の売掛金(売上代金の未入金)が 300万円、15日後に販売予定の在庫(棚卸資産)が 150万円、30日後に支払い予定の買掛金(仕入代金の未払)が 200万円、という会社があったとして。

売掛金と在庫については、おカネになるのを待っている金額です。いっぽう、買掛金は支払いを待ってもらっている金額になります。これらを相殺する算式が、冒頭の「売掛金・受取手形 + 棚卸資産 − 買掛金・支払手形」であり、会社が必要とするおカネです。

算式に、事例の数字をあてはめると「売掛金 300万円 + 在庫 150万円 − 買掛金 200万円 = 250万円」になります。

つまり、250万円のおカネが入金待ちであり、「本来手元にあるはずのおカネが売掛金や在庫に置き換わってしまっている」とも言えるでしょう。もし、売上代金をツケ(売掛金)にせず、即受け取っていれば、その分のおカネは手元に増えるのですから。

というわけで、「あるはずのおカネがない」となれば、当然、資金繰りは苦しくなります。250万円のおカネが入金待ちになっているあいだにも、給料や家賃などを支払わなければいけません。そこでの資金ショートを避けるためには、「250万円のおカネ=運転資金」が必要だよね、となります。これが、運転資金分のおカネを会社が必要とするワケです。

ちなみに、「250万円のおカネ=運転資金」は、会社がその商売を続けている限りは「ずっと必要」になります。ずっと用意をしておかなければいけない金額だ、ということです。そこをふまえて、このあとの本題にまいりましょう。


運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言われる理由

運転資金分のおカネを会社が必要とするワケを理解したところで、いよいよ本題。運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言われる理由について確認をしていきます。その理由は、ぜんぶで3つです。

自前で用意するのが難しいから

さきほどの事例で言えば、会社は 250万円の運転資金を必要とします。とはいえ、250万円をぜったいに銀行から借りなければいけないわけではありません。会社が「自前」で用意できるのであれば、それはそれでかまわないということです。

なお、ここで言う「自前」とは、おもに「利益の積み上げ」をいいます。商売によってえられた利益で 250万円たまっているのであれば、銀行から借りなくてもいいのでは? ということです。

が、250万円のおカネが「ずっと必要」であることは、さきほど話をしました。会社は、黒字のときもあれば、赤字のときもあります。すると、自前では用意できない可能性があります。赤字を補てんするために、利益の積み上げを失っているかもしれないからです。

こうなると、資金ショートの可能性も高まります。じゃあ、どうするか? もはや言うまでもありませんが、銀行から借入をすることです。250万円の借入ができれば、同時に 250万円のおカネが増えますから、運転資金分のおカネは穴埋めできます。

そもそも、中小企業の赤字割合はけして低くありません(6〜7割くらい)。また、地震や台風などによる自然災害、新型コロナのような「不測の事態」による赤字もあるでしょう。

ゆえに、必ずしも運転資金を自前で用意できるかはわからない。だとすれば、「運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!」というのは、中小企業の財務を考えるうえで、有効なアドバイスのひとつだと言えます。

借りるには資金使途が必要だから

会社を続けていれば、いろいろとおカネが必要になるものです。それを自前で用意できればよいのですが、やはり、必ずしも用意できるかはわかりません。「じゃあ、そのときには銀行から借りればいい」とはいかない可能性があります。

なぜなら、銀行からおカネを借りるには「資金使途(借りたおカネの使いみち)」が必要だからです。たとえば、「赤字でおカネがないから貸して」というのでは、銀行はおカネを貸してくれません(国の政策など、例外を除く)。

いっぽうで、「運転資金分のおカネを貸して」は、銀行がおカネを貸す理由にあたります。つまり、「資金使途として適正」だということです。さきほどの事例で言えば、250万円という金額であれば、「基本的」に、銀行は融資をしてくれるでしょう。

とはいえ、会社の状況はたえず変わります。売上が落ち込めば、300万円あった売掛金はもっと少ない金額になるでしょう。すると、運転資金の金額は 250万円よりも少なくなってしまいます。以前であれば 250万円借りられたのに、いまだと 150万円しか借りられない… ということもあるはずです。

なので、どうせ借りる・いずれ借りるのであれば、「借りられるうちに借りる」のは銀行対応の鉄則として覚えておきましょう。あとになってからの「以前であれば…」という資金使途は通用しないのです。

いませっかく 250万円分の借りる理由(資金使途)があるのなら、いまのうちに借りておいたほうがいい。これもまた、運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言える理由のひとつです。

返済するのに利益を必要としないから

借入を返済するためには利益が必要だ、というのは有名なハナシです。言い換えると、「借入金の返済原資は利益」。これは、ある場面においては正しく、ある場面においては正しくありません。

たとえば、運転資金として 250万円を借り入れる場面。ここでは、返済をするのに利益を必要とはしないことを理解しておきましょう。では、なにをもって返済するのか? 売掛金の回収と在庫の販売によるおカネです。

売上先が倒産しない限り、売掛金を回収できます。不良在庫にならない限り、販売することができます。結果、入金されたおカネで、250万円は返済することができるわけです。そういう意味で、銀行が取りっぱぐれる可能性も低く、運転資金分の融資は「借りやすい融資」でもあります。

とはいえ、売掛金の回収や在庫の販売によるおカネで、ほんとうに返済をしてしまうと、会社はふたたび資金繰りが苦しくなるのが問題です。会社は商売を続けている限り(あらたに売掛金や在庫、買掛金が発生し続ける)、常に 250万円のおカネが必要になります。

そこで、運転資金分の融資は、「貸しっぱなし」が原則です。250万円であれば、250万円を貸したままにする。具体的には、短期(返済期限1年以内)の手形貸付や当座貸越によって、融資がおこなわれます。

厳密に言うと貸しっぱなしではなく、期限にはいちど審査をして、問題がなければ再度貸し直す。これによって、「実質的には貸しっぱなし」になるしくみです。

なお、会社の業績が悪かったり、銀行の方針によっては、短期の手形貸付や当座貸越ではなく、長期の証書貸付(毎月分割返済)というケースもあるでしょう。この場合には、あるていど返済が進んだところで、返済した分の金額を借り直すことで(折り返し融資、と呼びます)、会社から見れば「借りっぱなし」の状態をつくることは可能です。

いずれにせよ、運転資金分の融資は、返済するのに利益を必要としません。利益を必要とする借入よりも難易度が低いと見れば、積極的に利用して、手元の預金を増やしておくのがおすすめです。その分、資金繰りに余裕をもたせることができます。


まとめ

会社が商売を続けるにあたっては、運転資金が必要です。その運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい! と言われる理由についてお話をしてきました。

結論として、3つの理由を理解したうえで、運転資金分の融資を受けておくことをおすすめします。結果、会社の預金残高が増えて、資金繰りはラクになり、財務の安全度も増すからです。

銀行借入を活かして、会社の預金残高をできるだけ高く維持することを検討してみましょう。

運転資金分のおカネを銀行から借入しなさい!と言われる理由

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