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公的融資は借りやすい・審査が甘い、とはどういう意味なのか?

公的融資は借りやすい・審査が甘い、とはどういう意味なのか?
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公的融資は借りやすい、公的融資は審査が甘い、というハナシがありますが。はたして、本当なのか? 借りやすい・審査が甘いの「意味」について、お話をしていきます。

目次

半分は本当で、半分は違う。

会社における銀行融資について、「公的融資は借りやすい」というハナシがあります。もっと言えば、「公的融資は審査が甘い」というハナシです。

なお、ここで言う「公的融資」とは、おもに「日本政策金融公庫からの融資」と、「信用保証協会の保証付き融資」をいいます。

では、これらの公的融資が借りやすい・審査が甘いというハナシは本当なのか? 結論として、半分は本当で、半分は違います。ですから、「100%本当だ」とは考えないように気をつけましょう。

そこで、本記事では「公的融資は借りやすい・審査が甘い」の意味について、このあとお話をしていきます。具体的な内容は、次のとおりです↓

このあとの話の内容
  • 考え方は違わない
  • 雨を曇りと見てくれる
  • 民間のムリを補うのが役割

それではこのあと、順番に確認をしていきましょう。


公的融資は借りやすい・審査が甘い、とはどういう意味なのか?

考え方は違わない

そもそも、「公的融資が借りやすい・審査が甘い」というハナシには、「民間金融機関からの融資に比べて」というニュアンスが含まれています。

では、日本政策金融公庫(以下、日本公庫)や信用保証協会(以下、保証協会)は、民間金融機関よりも融資審査が甘いのか? といえば。けしてそういうわけではない、そこを理解しておきましょう。

むしろ、融資審査における「基本的な考え方」は、民間金融機関となんら変わるところはありません。その「基本的な考え方」とは?

端的に言えば、「貸したおカネを返してくれる相手に貸す」という考え方です。言い換えると、「貸したおカネを返してくれそうもない相手には貸さない」ということ。金融機関は、貸したおカネを回収する(利息を含めて)のが仕事なのですから当然でしょう。

というように、基本的な考え方は変わらない。これが、「半分は本当で、半分は違う」のうち、「半分は違う」の意味です。公的融資とはいえ、返してくれそうもない相手にまで融資をするほど、日本公庫も保証協会も甘くはありません。

ですから、公的融資でも、民間金融機関と同じような視点で審査をされますし、審査に必要な書類も大きく変わらないことも覚えておきましょう。むしろ、公的融資のほうが審査が厳しい点はある、というのもポイントです。

たとえば、書類に不備があると審査すらしてもらえないとか、税金の支払いが遅れていると融資をしてもらえないとか、社長個人のローン返済が遅れていると融資をしてもらえないとか。決算書の内容については、民間金融機関よりも保証協会のほうが細かく見ているとさえ言えます。

それでもなお、「公的融資は借りやすい・審査が甘い」と言われるのはなぜのか? その答えが、次のお話になります。

雨を曇りと見てくれる

銀行は晴れの日に傘を貸して、雨の日に傘を取り上げる。そんなハナシを聞いたことがある、という社長は多いのではないでしょうか。

ここで言う「天気」は、会社の業績・状態をあらわしています。つまり、「晴れの日」とは業績がよくて調子がよいとき、「雨の日」とは業績が悪くて調子が悪いときです。

そのうえで、「傘」とは融資のことであり。銀行は、会社の調子がよいときには融資をしてくれるけど、調子が悪くて困っているときには融資をしてくれないよね。と、いうことになります。

このハナシ自体は「あたりまえ」であって、銀行を責めるところはありません。繰り返しになりますが、銀行は「貸したおカネを返してくれる相手に貸す」のが「商売」ですから、雨の日にまでおカネを貸す「義理」はないのです。

それはそれとして、さきほどのハナシで言う「雨」を、どちらかと言えば「曇り」寄りに見てくれるのが、日本公庫や保証協会です。いまは業績が悪くて調子が悪くても、将来的には改善するだろう、との見方になります。

なので、「貸したおカネを返してくれる相手に貸す」という基本的な考え方は民間金融機関と変わらずとも、結果としては公的融資のほうが受けやすい、となるわけです。

ところで、雨とか曇りとか、抽象的にすぎるハナシではありますので。ひとつの目安をしめすと、「2期連続赤字」や「債務超過」、「債務償還年数が10年超」といった状態にあてはまる会社ほど、民間金融機関からの融資(プロパー融資)は受けにくくなります。

言い換えると、そういった状態の会社は公的融資のほうが、融資を受けられるのぞみがある、ということです。とはいえ、状態は「よくて曇り」、いうなれば「雨」なのですから、公的融資とはいえども、手放しで融資を受けられるわけではありません。

あくまで、基本は「返してくれる相手に貸す」のが考え方なのですから、いまは状態が悪くても「これから改善して返せる」ということを、日本公庫や保証協会に対して説明・説得することが大切です。

具体的には、現状分析にはじまり、問題の特定・解決策の検討、数値計画・行動計画の策定によってできあがる「経営改善計画書」を、提示するのがよいでしょう。

加えて、もうひとつ。日本公庫や保証協会が、雨を曇りと見てくれるのは、「返済実績」があるからでもあります。過去に貸したおカネを、約束どおりに返してくれているから、雨でも信じるということです。

したがって、返済にいちどでも遅れれば、「返済実績」という信用を失い、雨を曇りと見てはもらえなくなることを理解しておきましょう。うっかり返済に遅れたりすることがないように、注意しなければいけません。

民間のムリを補うのが役割

本来、会社がみな、民間金融機関から融資を受けることができれば、公的融資は必要ありません。が、民間金融機関は自身が「利益」を追求している以上、融資に対してシビアにすぎる場面もあるでしょう。

たとえば、創業融資。創業後はすべての会社が継続できるわけではなく(むしろ、潰れてしまうほうが多数派)、創業融資は銀行にとってリスクが高い融資です。これを放っておくと、創業融資が受けられずに、日本の創業が少なくなってしまうのでは困ります。

この点で、積極的に創業融資をしているのが日本公庫です。その日本公庫にはもともと、「民間金融機関を補完する」という役割があります。民間金融機関が融資をしにくいところを補う、ということです。

同じように、保証協会にも創業融資制度があります。保証協会は、直接融資をするのではなく、民間金融機関の融資を保証協会が保証するカタチです。これにより、民間金融機関のリスクは軽減されますから、会社は融資が受けやすくなります。

また、創業融資以外にも、会社の業績が悪いときも、民間金融機関は融資にシビアになる場面です。これも放っておくと、多くの会社が潰れてしまうことになりかねません。

この点で、日本公庫や保証協会は「雨も曇りと見て融資をする」のは、さきほど話をしたとおりです。

というように、民間金融機関であれば「ムリだ」という場面の融資を補うのは、日本公庫や保証協会に課せられた役割になります。よって、場面によっては、公的融資のほうが民間金融機関からの融資よりも受けやすいのは事実です。

そういう意味では、「公的融資は借りやすい、公的融資の審査は甘い」とも言えるでしょう。

ただし、公的融資の役割はあくまで「民間金融機関の融資を補う」ところにありますから、公的融資ばかりを受け続けることはできません。日本公庫や保証協会が、民間金融機関の商売を取り上げることになれば、「民業圧迫」として問題になるからです。

したがって、民間金融機関から融資を受けられるにもかかわらず、公的融資にあまり頼りすぎるのは問題であることも理解しておきましょう。


まとめ

公的融資は借りやすい、公的融資は審査が甘い、というハナシがありますが。「半分は本当で、半分は違う」ということを理解しておきましょう。

公的融資には、「公的ならでは」の見方があるいっぽうで、融資における基本的な考え方に違いはありません。そこがわかっていると、公的融資を利用するのに適したタイミングもつかめるようになるはずです。

このあとの話の内容
  • 考え方は違わない
  • 雨を曇りと見てくれる
  • 民間のムリを補うのが役割
公的融資は借りやすい・審査が甘い、とはどういう意味なのか?

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