見た目は、大きめの注射器。空気圧で淹れるコーヒー抽出器具「エアロプレス」をレビューします。おすすめのポイント、イマイチなポイントとは…?
空気圧で淹れるコーヒーはうまいのか?
こんにちは、コーヒー好き税理士・モロトメジョーです。きょうも、コーヒーしてますか?
さて今回は、抽出器具のひとつ「エアロプレス」のレビューです。コーヒー好きであれば、知っている人も多いであろうエアロプレスではありますが。実際に持っているか、使ったことがあるかはまた別のハナシです。
わたし自身、以前から「どうしようかなぁ、買おうかなぁ、やめておこうかなぁ」と迷いながら、結局買いました。迷っていたおもな理由は、基本的に「ハンドドリップ派」だからでです。
エアロプレスは、フリスビーを売っている会社(エアロビー社)がつくった、ちょっと変わり種の抽出器具。見た目は、大きめの「注射器」であり、空気圧(手動)でコーヒーを抽出します。だいじょうぶかいな?
とはいえ、エアロプレスの抽出技術を競う世界大会が開かれるほどに、コーヒー界での地位を確立した抽出器具であるのはたしかです。それに、できあがったコーヒーもうまいらしい。
よし、買おう。わが家はすでに、たくさんのドリッパーであふれかえっているけれど。こうなりゃもはや、行きがけの駄賃だ。と、数ヶ月前に購入して、使いはじめたしだいです。
そんなエアロプレスについて、「おすすめのポイント」と「イマイチなポイント」とに分けてレビューします。それではさっそく、いってみましょう!
おすすめのポイント
淹れるのカンタン
世界中で、実にさまざまな淹れ方が公開されているエアロプレスではありますが。要は、「3つのかんたんステップなんだぜ」と、「箱」には書かれていました ↓
つまり、
- コーヒー粉と水を入れて
- かき混ぜて
- マグカップに押し出せ
と、たしかにカンタンそうに見えますね。実際に、難しいことはありません。はじめのうちは、勝手がわからず戸惑いますが、慣れると、ハンドドリップするよりも断然ラクちん。
なにより、ドリップほどには「技術」を要しません。エアロプレスで味わいが変わるとすれば、「腕(技術)」というよりは、「抽出レシピ」だと考えます(レシピについては後述)。
なので、朝にボーッとしたアタマでコーヒーを淹れるときなんかは、とくにいいかもしんない。と、おもうわけです。まぁ、別に、ボーッとしていないときでもいいんですけどね。
とにかく、淹れるのがカンタンなのは、おすすめのポイントだと言ってよいでしょう。
後片付けもカンタン
淹れるのもカンタンですが、後片付けもカンタンなのがエアロプレス。コーヒーを淹れおわったら、エアロプレスの先端に付いている「フィルターキャップ」をはずして、さらにプランジャー(手押しする部分)を押し込みます。
すると、パカンっとコーヒー粉が押し出されるので、そのままゴミ箱にインすればOKです ↓
あとは、プランジャーとフィルターキャップ、チャンバー(筒の部分)をササッと洗えばおしまい。コーヒー器具には「洗剤」を使わないのがマイルールなので、水洗いのみ。
30秒もあれば、後片付けはじゅうぶんにおわります。これなら、コーヒーを飲む前に、後片付けまですませることができるというもの。
これが、フレンチプレスになると、後始末がけっこうたいへんだったりもしますから。後片付けがカンタンなのは、エアロプレスのおすすめポイントです。
スッキリな味わい
肝心の「味」はどうなのか? というと。個人的な印象としては、「スッキリ」です。空気圧で押し出すという構造上、雑味なんかも出てしまうのかなぁ? と危惧していたのですが。
そういうことはあまりなくて、むしろ、ハンドドリップなどと比べると「クリア」に感じます。押し出すと入っても、短い時間(30秒くらい)でサッと押し出すからなのかなぁ、と解釈したのですがどうなんでしょうね。
なにはともあれ、「エアロプレス特有の味わい」と言ってよいかとおもいます。そういう意味では、エアロプレスは「買い」の器具です。より、いろいろなコーヒーの味わいを楽しみたいのであれば、エアロプレスはおすすめ! ということになります。
ホットもアイスも
エアロプレスは、ホットはもちろん、アイスもいけます。ちなみに、ここで言う「アイス」とは、いわゆる「水出し」のこと。つまり、お湯の代わりに水を注いでも、コーヒーを淹れることができるのです。
「水出し」というと、ポットにコーヒー粉をセットして、半日〜1日くらいかかる。飲むまでにどれだけかかんねん! みたいなイメージしかありませんが。エアロプレスを使えば、その場ですぐに、水出しコーヒーが楽しめます。
これってスゴくないですか? スゴいよね。うん、ほんとうにスゴいとおもう。これも、空気圧のなせるワザ。ほかの抽出器具にはない楽しみかたができるのは、おすすめポイントのひとつです。
もちろん、ハンドドリップでも「急冷式」でアイスコーヒーをつくることはできますが。なにぶん、「氷」をたくさん使います。これに比べると、エアロプレスの水出しコーヒーならば、氷はちょっとですみますし。
レシピがいろいろ
さきほど少しふれましたが、エアロプレスの抽出レシピは山ほどあります。世界中で、いろんな人たちがレシピを開発・公開しているのです。ググればいろいろ出てきますから、それらを見て、じぶんでも試してみるとよいでしょう。
レシピによって、コーヒー粉の量、湯(水)の量、湯の温度、抽出時間などが違います。そういう意味では、なんでもよいような気さえしてきます。さいごは、じぶんの好きで淹れればいい。その「好き」を求めて、いろいろ試してみるということしかありません。
えっと、レシピがいろいろあるんだ、というハナシをしてました。いちおう、エアロビー社公式のレシピがありますので、ご紹介しておきます(同梱の説明書から)↓
イマイチなポイント
少量しか淹れられない
エアロプレスで1回に淹れられるコーヒーの量は、さきほど紹介した「公式」のレシピだと、240mlていどです。マグカップなら1杯弱、小さめのコーヒーカップでギリギリ2杯分、といったところでしょう。
わが家(4人家族)の場合、ハンドドリップだと1回あたり、最低でも 300ml、多ければ 500mlくらいは淹れるので、エアロプレスだと「少なすぎる」ことになります。
エアロプレスが淹れるのはカンタンとは言っても、2度3度淹れるとなればメンドーですから。いちどに少量しか淹れられないのは、イマイチなポイントと言ってよいでしょう。
ただし、エアロプレスの「レシピ」には無限の可能性があります。わたしは、コーヒー粉の量を「2倍」にして抽出をしたうえで、お湯で割るという方法を編み出しました(すでにほかの人も編み出しているでしょうが)。
これなら、標準的な淹れ方の「倍ちかく」の量のコーヒーを、いちどに淹れることができます。
エスプレッソはムリがある
エアロプレスでは、4つのタイプのコーヒーを淹れられるよ、とうたわれています。エスプレッソ(そのまま)、アメリカン(お湯で割る)、ラテ(牛乳で割る)、水出し、の4つです。
このうち、エスプレッソについては、いわゆる「エスプレッソ」というにはムリがあるようにおもいます。カフェで頼むと出てくるエスプレッソとは別モノです。
これを「エスプレッソ風」と表現する人もいるようですが、それでもなおムリがあるようにおもう。エスプレッソを淹れるにしては「圧」が足りない、ということでしょう。
この点、エアロプレスにはまだ別の可能性があります。これについては、いずれまた別のカタチでレビューをできればと考えているところです。
コーヒー粉の使用量が多くなるかも
エアロプレスは、「すっきり」の味わいになる、というハナシをしました。これを、やや乱暴に言い換えると、「ちょっと薄い」とも表現できます。
だからかどうなのか、レシピによってはコーヒー粉の使用量が多いものもあるようです(ハンドドリップなどに比べると)。コーヒー粉の使用量が多くなれば、当然、おカネがかかるわけですから、それはそれでイマイチということにはなるでしょう。
このあたりは、粉の挽き方(粗く挽くか、細かく挽くか)や、抽出時間(長くするか、短くするか)で変わるところでもあります。やはり、いろいろ試して、じぶんなりにベストを探ることになりそうです。
まとめ
見た目は、大きめの注射器。空気圧で淹れるコーヒー抽出器具「エアロプレス」をレビューしました。おすすめのポイントに対して、イマイチなポイントもありますが、総じて「買い」の抽出器具かと考えます。
ハンドドリップとは違う、フレンチプレスとも違う、エスプレッソマシンとも違う。独特の味わいを楽しめる、独自の抽出工程を楽しめる、アレンジも豊富、というのが大きな魅力です。