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売掛金回転期間・買掛金回転期間・棚卸資産回転期間に変化があれば、銀行が考えるネガティブ要因を否定せよ

売掛金回転期間・買掛金回転期間・棚卸資産回転期間に変化があれば、銀行が考えるネガティブ要因を否定せよ
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売掛金回転期間・買掛金回転期間・棚卸資産回転期間の変化について。銀行が考えるネガティブ要因を否定できないと融資が受けにくくなりますよ、というお話です。

目次

銀行がなぜ、売掛金・買掛金・棚卸資産を気にするのか?

会社の銀行融資について。銀行が気にしている指標として、「〇〇回転期間」があります。〇〇のなかには、いろいろな言葉が入るのですが。なかでもとくに気にしているのが、「売掛金回転期間・買掛金回転期間・棚卸資産回転期間」の3つでしょう。

なぜなら、売掛金・買掛金・棚卸資産はいずれも、経常運転資金の計算にからむものだからです。その計算方法がこちら↓

経常運転資金 = 売掛金 +棚卸資産 ー 買掛金

経常運転資金とは、会社が事業を続けるために必要なおカネです。その分のおカネがないと、資金繰りがまわらなくなってしまいます。とはいえ、自己資金で用意するのはタイヘンなので、経常運転資金分の融資を受けるのが財務のセオリーです。

そこで銀行は、融資金額を決めるために「経常運転資金はいくらか?」を計算するわけですが。決算書に記載された売掛金・買掛金・棚卸資産の金額に「問題がある」とすれば、計算結果にも問題があることになります。

このとき、売掛金・買掛金・棚卸資産に問題があるかどうかを見極めるための指標が「回転期間」です。売掛金・買掛金・棚卸資産の各回転期間について、例年と比べて変化がないかを銀行はチェックしています。とくに、ネガティブな要因で変化しているものがあれば、融資を躊躇するところです。

というわけで、このあと。売掛金・買掛金・棚卸資産の各回転期間とは、そもそもどのように計算するのか? 例年と比べて変化している場合のネガティブ要因とは、具体的にどのようなものがあるのか? を確認していきます。

確認をしたうえで、ネガティブ要因については、銀行に対して「否定すべき」ものであることを理解することが大切です。


売掛金・買掛金・棚卸資産の各回転期間の変化におけるネガティブ要因とは?

売掛金回転期間

売掛金回転期間の計算方法は次のとおりです↓

売掛金回転期間(月) = 売掛金 ÷ 平均月商

つまり、売掛金の残高が平均月商(年間売上高 ÷ 12ヶ月)の何ヶ月分あるか? です。言い換えると、売掛金がどれくらいのあいだで回収されるのか? でもあります。

その売掛金回転期間の変化について、銀行が考えるネガティブ要因を確認しましょう。

売掛金回転期間が短くなった場合

例年と比べて、売掛金回転期間が短くなった場合。たとえば、例年の売掛金回転期間は 2ヶ月くらいのところ、今回の決算では1ヶ月くらいになっている… といったケースです。

このとき、銀行が考えるネガティブ要因は、「利益率が下がるのではないか?」です。たとえば、いままでは「月末締め・翌々月入金」だった売上先が、「月末締め・翌月入金」になった。売上先にしてみれば「早く支払うのだから、その分安くして」というハナシにもなるでしょう。

こうして売掛金回転期間が短くなっているのであれば、ゆくゆく利益率が下がっていきますから(すでに下がっているかもですが)銀行としては不安です。

したがって、利益率が下がるようなことがないのであれば、銀行に対して売掛金回転期間が短くなった経緯を説明し、ネガティブ要因を否定しておくようにしましょう。

売掛金回転期間が長くなった場合

例年と比べて、売掛金回転期間が長くなった場合。たとえば、例年の売掛金回転期間は 1.5ヶ月くらいのところ、今回の決算では 2.5ヶ月くらいになっている… といったケースです。

このとき、銀行が考えるネガティブ要因は、「粉飾があるのではないか?」です。たとえば、決算書に記載されている売掛金の額のなかには、回収できない売掛金(不良債権)があるとか、架空売上にともなう売掛金があるとか(架空債権)。

こうして売掛金回転期間が長くなっているのであれば、銀行としては当然、融資をするわけにはいきません。

そもそも経常運転資金の融資は、売掛金の回収によるおカネが返済原資です。その売掛金が、不良債権や架空債権であれば、回収できるおカネはないのですから、その分の融資はできないということです。

それに、粉飾という「悪事」をはたらく会社に、融資をするわけにもいきません。

したがって、粉飾をしていないのであれば、銀行に対して売掛金回転期間が長くなった経緯を説明し、ネガティブ要因を否定しておくようにしましょう。

単純に、入金サイトを変更したことで売掛金回転期間が長くなることもあるはずです。


買掛金回転期間

買掛金回転期間の計算方法は次のとおりです↓

買掛金回転期間(月) = 買掛金 ÷ 平均月商

つまり、買掛金の残高が平均月商(年間売上高 ÷ 12ヶ月)の何ヶ月分あるか? です。言い換えると、買掛金をどれくらいのあいだに支払うのか? でもあります。

その買掛金回転期間の変化について、銀行が考えるネガティブ要因を確認しましょう。

買掛金回転期間が短くなった場合

例年と比べて、買掛金回転期間が短くなった場合。たとえば、例年の買掛金回転期間は 2ヶ月くらいのところ、今回の決算では1ヶ月くらいになっている… といったケースです。

このとき、銀行が考えるネガティブ要因は、「信用の低下が起きていないか?」です。融資先の業績が悪かったり、トラブルや不祥事を起こしたことなどが原因で、仕入先からの信用が下がることがあります。結果、仕入先に「もっと早く支払ってほしい」と催促をされることもあるでしょう。

すると、いままでは、「月末締め・翌々月支払」だったところ、「月末締め・翌月支払」になったり、ヒドい場合には「即払い」になったりで、買掛金回転期間は短くなります。

信用の低下が起きているとすれば、今後は売上の低下も見込まれますから、銀行としては心配です。

したがって、信用の低下がないのであれば、銀行に対して買掛金回転期間が短くなった経緯を説明し、ネガティブ要因を否定しておくようにしましょう。

単純に、支払サイトを変更したことで買掛金回転期間が短くなることはありますし、仕入単価を下げるために支払いを早くすることもあるはずです。その場合には、経常運転資金が増えますから、その分の融資を銀行に依頼するとよいでしょう。

買掛金回転期間が長くなった場合

例年と比べて、買掛金回転期間が長くなった場合。たとえば、例年の買掛金回転期間は 1.5ヶ月くらいのところ、今回の決算では 2.5ヶ月くらいになっている… といったケースです。

このとき、銀行が考えるネガティブ要因は、「資金不足が起きていないか?」です。会社はおカネがなくなれば、当然、支払いができなくなったり、遅れたりします。だとすれば、借入返済が滞る可能性も高く、銀行としては心配なところです。

したがって、資金不足がないのであれば、銀行に対して買掛金回転期間が長くなった経緯を説明し、ネガティブ要因を否定しておくようにしましょう。

単純に、支払サイトを変更したことで買掛金回転期間が長くなることはあるはずです。それでも銀行は心配をするでしょうから、資金繰り表を提示して、その先の資金繰り予定を説明できると説得力が上がります。


棚卸資産回転期間

棚卸資産回転期間の計算方法は次のとおりです↓

棚卸資産回転期間(月) = 棚卸資産 ÷ 平均月商

つまり、棚卸資産の残高が平均月商(年間売上高 ÷ 12ヶ月)の何ヶ月分あるか? です。言い換えると、棚卸資産がどれくらいのあいだに売れるのか? でもあります。

その棚卸資産回転期間の変化について、銀行が考えるネガティブ要因を確認しましょう。

棚卸資産回転期間が短くなった場合

例年と比べて、棚卸資産回転期間が短くなった場合。たとえば、例年の棚卸資産回転期間は 2ヶ月くらいのところ、今回の決算では1ヶ月くらいになっている… といったケースです。

このとき、銀行が考えるネガティブ要因は、「仕入が不安定になっていないか?」です。たとえば、コロナ禍では経済活動が制限されたことから、さまざまなモノの流通が滞ることになりました。自社の仕入にも影響が出たという会社もあるでしょう。

仕入ができなければ、売るモノもなくなるわけですから、銀行としては売上高や利益の減少が気になるところです。

したがって、仕入が不安定になっていないのであれば、銀行に対して棚卸資産回転期間が短くなった経緯を説明し、ネガティブ要因を否定しておくようにしましょう。

会社の方針転換によって取り扱いアイテムを減らしたり、滞留していた在庫を処分したことで棚卸資産回転期間が短くなることもあるはずです。

棚卸資産回転期間が長くなった場合

例年と比べて、棚卸資産回転期間が長くなった場合。たとえば、例年の棚卸資産回転期間は 1.5ヶ月くらいのところ、今回の決算では 2.5ヶ月くらいになっている… といったケースです。

このとき、銀行が考えるネガティブ要因は、「粉飾があるのではないか?」です。たとえば、決算書に記載されている棚卸資産の額のなかには、売れない棚卸資産(不良在庫)があるとか、実際にはない棚卸資産が含まれているとか(架空在庫)。

こうして棚卸資産回転期間が長くなっているのであれば、銀行としては当然、融資をするわけにはいきません。

そもそも経常運転資金の融資は、棚卸資産の売却によるおカネが返済原資です。その棚卸資産が、不良在庫や架空在庫であれば、売却によって得られるおカネはないのですから、その分の融資はできないということです。

それに、粉飾という「悪事」をはたらく会社に、融資をするわけにもいきません。

したがって、粉飾をしていないのであれば、銀行に対して棚卸資産回転期間が長くなった経緯を説明し、ネガティブ要因を否定しておくようにしましょう。

会社の方針転換によって取り扱いアイテムを増やしたり、品切れを防ぎ短納期を実現するために、アイテムごとの在庫量を増やすこともあるはずです。

まとめ

売掛金回転期間・買掛金回転期間・棚卸資産回転期間の変化について。銀行が考えるネガティブ要因を否定できないと融資が受けにくくなりますよ、というお話をしてきました。

ほんとうはネガティブ要因による変化ではないのに、銀行からネガティブ要因だと見られることがないように。銀行の考え方を押さえておきましょう。

売掛金回転期間・買掛金回転期間・棚卸資産回転期間に変化があれば、銀行が考えるネガティブ要因を否定せよ

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