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社長の悩み「試算表の見方がわからない…」に対する1つの答え

社長の悩み「試算表の見方がわからない…」に対する1つの答え

社長の悩みの1つ、「試算表の見方がわからない…」について。「まずは大局をつかむ」ための見方をお話ししていきます。いきなり枝葉末節に目を奪われることがないように、気をつけましょう。

目次

木も森も大切ではあるけれど。

税理士という仕事がら、社長から「試算表の見方がわからない…」という悩みをお聞きすることが少なくありません。経理担当社や税理士が試算表をつくってくれるのだけれど、その見方がわからない、という悩みです。

この点で、試算表などかったるいものは直接見るのをやめて、別途わかりやすい資料を用意してもらうのは「1つの方法」ではあります。とはいえ、「元データ」は試算表であり、銀行と話をする際の「共通言語」になるのも試算表です。

そういう意味では、試算表を「見慣れておく」のも、社長にとっては必要なことだといえるでしょう。

とはいえ、試算表について細かなことを話しはじめるとキリがありませんので。ここでは、「大局」をつかむための試算表の見方に的を絞って、お話をしていきます↓

大局をつかむための試算表の見方
  • 預金を推移で見る
  • 利益の凸凹を確認する
  • 利益と預金の推移を比較する

「木を見て森を見ず」の言葉もあるとおり、大局観は大切です。もちろん、木も大切ではありますが、いきなり枝葉末節に目を奪われることがないように気をつけましょう。


大局をつかむための試算表の見方

預金を推移で見る

試算表を手にしたときに、まずいちばんに確認をしておきたいのが「預金」です。位置でいうと左上のほう、試算表の筆頭にあがるのが「預金」になります。

極論、おカネ(預金)がなくなれば会社はおしまいなのですから、売上や利益よりもまず先に、確認をするのがよいでしょう。

とはいえ、預金の残高であれば、通帳(あるいはネットバンクの画面)を見ればわかります。しかも、リアルタイムの残高がわかるのですから、それよりも情報が古い試算表の預金残高になんの意味があるのか? と、おもわれるかもしれません。

たしかに、試算表に記載された「一時点(〇〇年〇〇月末日)」の残高だけを見ているのであればそうでしょう。

ですが、ここで見ておきたいのは「預金残高の推移」です。毎月末の預金残高を並べてみたときに、今回の試算表の預金残高はどうなのか? という見方をします。

端的に言えば、以前よりも増えているのか、減っているのか? また、増え方や減り方に異常なところはないか? といったことを確認するのがポイントです。

具体的には、毎月末の預金残高を3〜5年分ていど抜き出して、別途まとめておくとよいでしょう。さらに、折れ線グラフにしておくと、視覚的にわかりやすくなります。

結果として、預金残高の「増減の傾向」をつかむことができるのがメリットです。多くの会社には、多かれ少なかれ「季節変動」が見られることから、一定の傾向があらわれます。

その傾向を把握することができれば、先々の預金残高を予測するのにも役立つことでしょう。繰り返しになりますが、おカネがなくなれば会社はおしまいなのですから、預金の残高は「先々まで」予測をすることが大切です。

本来は、資金繰り予定表を作成すべきところではありますが。「まずは大局」という点で、預金の推移から予測をするのは1つの方法です。

なお、預金の残高や推移を把握するにあたって、3ヶ月前や半年前といった試算表では困ります。残高にしても推移にしても、把握が遅れれば遅れるほど、「手遅れ」になる確率が高まるからです。

よく言われるとおり、「試算表はできるだけ速くつくる」ようにしましょう。

利益の凸凹を確認する

続いて、利益を確認しましょう。利益にもいろいろな種類がありますが、1つ挙げるのであれば「経常利益」です。文字どおり、自社の経常的な利益をあらわす数字であり、先々の利益を占う数字でもあります。

位置でいうと、試算表のさいごのほうです。経常利益の「行」から、「単月」の経常利益と「累計」の経常利益とを確認するようにしましょう。

会計ソフトで試算表を出力する際、期間を「単月」で指定すると、経常利益の「貸方」の列に記載される数字が「単月」の経常利益になります。いっぽうで、「残高」の列(右端)に記載される数字が「累計」の経常利益です。

期間を「単月」で指定するとは、3月決算の会社で8月分までの試算表ができている場合、8月のみを指定する、ということになります。これに対して、「累計」で指定する場合には、「4月〜8月」を指定します。

ではまず、「単月」の経常利益から。金額を見て、じぶんの「肌感覚と合っているか」を確認してみましょう。ずいぶんと「ざっくり」したハナシではありますが、意外と重要です。

たとえば、社長が考えていた利益よりも、試算表の利益がだいぶ少ないという場合。経理担当者が、ある売上先の売上計上を漏らしていた… というケースがありえます。顧問税理士も気づかないことがありますので注意が必要です。

なので、社長自身が感じる「なんかおかしいぞ」という肌感覚もだいじにしましょう。

また、前述の預金と同様に、過去からの利益の「推移」も確認することをおすすめします。ただし、確認する期間はひとまず「今期分」でだいじょうぶです。

そのうえで、利益の凸凹を確認します。あまりに利益の変動が大きい場合、経理処理に問題があるかもしれません。

たとえば、年払保険料を支払った際に全額を費用処理していると、支払った月の利益が大きく減ってしまいます。保険料は毎月にあん分して費用処理することが望ましく、全額費用処理だと、利益を見誤る可能性があるので気をつけましょう。

また、毎月の在庫(棚卸)の経理処理をしていない場合にも、毎月の利益が実態とかけ離れたものになることがあります。社長の肌感覚ともズレるところです。

利益の凸凹を確認し、必要に応じて経理処理を見直すことができたら、あらためて利益の推移を確認してみましょう。

いうまでもありませんが、黒字が減少していたり、赤字に転じるようなことがあれば注意です。赤字が広がれば、銀行融資も受けにくくなりますから、その前に融資を受けておくのがよいでしょう。

「累計」の利益で赤字になるようだと、さらに融資は受けづらくなります。融資を受けるタイミングをはかるためにも、「単月」の経常利益・「累計」の経常利益に注目しておくことが大切です。

預金と利益の推移を比較する

さいごに、もうひとつ。預金と利益の推移を比較します。前述した預金の推移と、経常利益の推移とを並べて比較をしてみる、という見方です。

おカネと利益の動きは一致しない、というハナシは聞いたことがあるかもしれません。実際に、「短期的」にはまず一致しないものです。

たとえば、月末に100万円の売上(納品済)があっても、代金の入金は翌月だったりします。すると、売上があった月の「利益」は増えますが、「預金」は増えません。こうして、預金と利益の増減には不一致が起こります。

いっぽうで、「中長期的」に見れば、預金と利益の増減はおおむね一致するものです。さきほどの例でいえば、翌月には代金が入金されて、やや遅れながらも利益の増加と一致します。

ですから、預金と利益の推移を「中長期的」に見たときに、おおむね位置するかどうかを確認してみましょう。ここでも、3〜5年ていどを並べてみると傾向がつかみやすくなります。

このとき、利益が増えているのに預金が増えていなければ、設備投資をしたものの利益が増えていいなかったり(投資の失敗?)、借入金の残高が減少し続けている(貸し渋り・貸し剥がし?)、などが考えられるところです。

また、不良債権や不良在庫が増えている場合にも、預金と利益の推移は乖離します。いずれのケースも将来的に悪影響がありますから、預金と利益の推移に不一致が起きている「原因」の把握、問題の解決に努めましょう。


まとめ

社長の悩みの1つ、「試算表の見方がわからない…」について。「まずは大局をつかむ」ための見方をお話ししてきました。

いきなり枝葉末節に目を奪われることがないように、気をつけましょう。

大局をつかむための試算表の見方
  • 預金を推移で見る
  • 利益の凸凹を確認する
  • 利益と預金の推移を比較する
社長の悩み「試算表の見方がわからない…」に対する1つの答え

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