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融資セールスに乗っかるのは、銀行に恩を売るため!じゃない

融資セールスに乗っかるのは、銀行に恩を売るため!じゃない

銀行から融資セールスを受けたら、ひとまず乗っかっておけ(融資を受けておけ)。なぜなら、銀行に恩を売ることができるから、というアドバイスがありますが。その真偽と本質についてのお話です。

目次

銀行に恩を売るなど、本質ではない。

「銀行から融資セールスを受けたことがある」という社長は、けして少なくないものと想像します。融資セールス、つまり、銀行のほうから融資を勧められるということです。

おカネを貸すのは銀行の商売の1つですから、必要であれば、積極的に融資を売り込むケースもあります。たとえば、銀行の決算日近くになっても、営業目標(ノルマ)が達成できていないとか。

この点で、「融資セールスには乗っかっておけ」というアドバイスがあります。「銀行が貸したいときに借りてあげれば、銀行に対して恩を売ることができるから」という理屈です。

それも、まったくのゼロではありませんが。それほどの恩を売ることはできない… というのが現実でしょう。銀行担当者にしても支店長にしても、銀行員には「定期的な異動」がありますから、いずれ恩は忘れ去られるのが命運です。

では、融資セールスに乗っかるのは意味がないのか? といえば、そんなことはありません。わたし自身は、一貫して「融資セールスには乗っかりましょう」というスタンスです。

などと言っていると、銀行の回し者のように見られてしまいそうなので。本記事では、社長が融資セールスに乗っかるべき「ほんとうの理由」についてお話をしていきます。理由はぜんぶで3つです↓

社長が銀行の融資セールスに乗っかるべきほんとうの理由
  • 借りたいときには借りられないから
  • 融資条件をよくできるから
  • 他行からも借りやすくなるから

それではこのあと、順番に確認していきましょう。


社長が銀行の融資セールスに乗っかるべきほんとうの理由

借りたいときには借りられないから

銀行から融資セールスを受けた社長のよくある勘違いに、「ウチはいつでも銀行から借りられる!」があります。なにしろ、銀行のほうから「借りてくれ」というのだから、それだけウチがよい会社に違いない。という勘違いです。

残念ながら、いつでも銀行から借りられるなどということはありません。言うまでもありませんが、このあと会社の業績が悪くなったり、資金繰りが悪くなったりすれば、銀行は当然のように融資を渋ります。

ですから、そのときになって「このあいだは借りてくれと言っていたじゃないか!」と抗議をしたところで、後の祭りというものです。

また、業績や資金繰りが悪くなったわけではなくても、銀行側の都合で「もう、借りてくれなくてもいいや」のケースもあります。すでに、営業目標を達成したようなケースです。

結局、会社は「借りたいときに借りられる」わけではありません。

むしろ、借りたいときほど借りられない、と言ってよいでしょう。繰り返しになりますが、業績が悪くなったり、資金繰りが悪くなったりすれば、会社は融資を受けたいのに、銀行は融資を渋るからです。

それに、会社を続けていれば、いつなんどきなにが起きるかわかりません。それは多くの社長が、新型コロナや、近年増加している自然災害によって、身を持って感じているはずです。

だから、借りられるときに借りておきましょう! というのが、融資セールスに乗っかる本質だといえます。銀行が貸したいというのですから、会社は借りておくことで「手元のおカネ」を増やしておくことが可能です。

そのおカネを使わずに済めば、借りたおカネで返済をするだけなので、「返済できるかどうか」を心配する必要もありません(利息の支払いは別として)。

融資セールスを受けるときには、多くの場合、会社の状態がよいときです。だとすれば、借りたおカネが赤字の補てんに消えてしまうこともないわけで、ムダ使いをしない限りは「返済できるかどうか」を心配する必要はないのです。

融資条件をよくできるから

借りられるときに借りておきましょう、という話をしました。これを聞いて、「いやいや、それでもウチにはじゅうぶんなおカネがあるからだいじょうぶ」とおもわれるかもしれません。

では、融資条件はじゅうぶんでしょうか? ここで言う「融資条件」とは、金利や担保、保証に関する条件のことです。

借りることばかりに注目をして、融資条件がなおざりになっている会社もあります。また、金利には気を配っていても、担保や保証については会社に不利な条件になっている会社はあるものです。

この点で、融資セールスを受けたときは、融資条件を改善するチャンスになります。と聞けば、もうおわかりのことでしょう。

銀行は「貸したい」のですから、少々の条件であれば、のんでくれるかもしれないということです。銀行が貸したければ貸したい状況にあるほど、多くをのんでもらえる可能性があります。

ですから、もしいまおカネがじゅうぶんにあるとしても、融資条件の改善を目的として「あえて融資セールスに乗っかる」ことも検討してみましょう。

融資条件については、「実績」をつくることが大切です。たとえば、いちど「プロパー融資(信用保証協会の保証がない融資)」で借りることができれば、次のプロパー融資が借りやすくなります。

したがって、いちどめの実績をつくるのが、いちばんタイヘンなのです。いちどめの実績がまだできていないのであれば、ぜひ、融資セールスのチャンスを活かしましょう。

銀行に対して、「プロパー融資であれば借ります」と伝えるのです。ただし、それだけだと銀行も検討しづらいことはありますから(リスクが大きいので)、「金利は少し高くなってもかまいません」と付け加えます。これで、プロパー融資の可能性が高まるはずです。

また、プロパー融資に次ぐ融資条件として、「経営者保証の解除」があります。つまり、社長の連帯保証がない融資です。

これもまた、通常であれば銀行が嫌がるところですが、融資セールスのタイミングであれば、受け入れてもらえる可能性が高まります。自社の業績がよいときであれば、とくにです。

なお、信用保証協会の保証付き融資も、経営者保証を外せないわけではありませんが、プロパー融資がまったくなかったり、プロパー融資の経営者保証が外れていない場合には難しいものがあります。

他行からも借りやすくなるから

融資条件について、「実績」がだいじだという話をしました。これは、「実績=信用」という考え方が銀行にあるからです。その実績は、「他行」にも効果を発揮します。

たとえば、A銀行からの融資セールスに乗っかって、うまくプロパー融資を引き出せたとしましょう。これを見たB銀行は、「この会社は、A銀行からプロパー融資を受けられるくらい良い会社なんだ」と考えます。

すると、A銀行からのプロパー融資を交渉材料にして、B銀行からプロパー融資を引き出しやすくなるのはメリットです。もちろん、金利や経営者保証など、ほかの条件についても同じ効果があります。

また、融資金額も実績のうちですから、A銀行からの融資金額が増えれば、B銀行も「融資金額を増やしたい」と考えるものです。結果として、融資が受けやすくなります。すると、融資の総額をふくらませる効果があるといってもよいでしょう。

そんなに借りても… と、おもわれるかもしれませんが。融資金額は、できるうちにふくらませておくことも、有効な銀行対応の1つになります。融資の総額もまた実績のうちだからです。

せっかく、融資の総額をふくらませるチャンスがあっても、それを見逃しておきながら、いざもっと融資を受けたいというときになってから慌てるのでは遅すぎます。銀行は、融資の金額・融資の総額を実績以上にふくらませるのには抵抗があるからです。

そういった面でも、融資セールスに乗っかることも検討してみましょう。融資セールスの効果を短期的に捉えるのではなく、長期的に捉えることが大切になります。


まとめ

銀行から融資セールスを受けたら乗っかっておけ、というアドバイスがありますが。その理由が「銀行に恩を売れるから」というのは、本質的には的外れです。

社長が銀行の融資セールスに乗っかるべき、ほんとうの理由を押さえておきましょう。

社長が銀行の融資セールスに乗っかるべきほんとうの理由
  • 借りたいときには借りられないから
  • 融資条件をよくできるから
  • 他行からも借りやすくなるから
融資セールスに乗っかるのは、銀行に恩を売るため!じゃない

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