TTP(徹底・的に・パクる)という言葉がありますが。丸パクりすれば問題が起きる… ではなぜ、それでもTTPが推奨されるのか? そのナゾを解き明かすべく「パクり」に関する名言をご紹介していきます。
TTPからはじめよ、のナゾ。
TTP(徹底・的に・パクる)、という言葉があります。なにかうまくやりたいことがあるのなら、その道の「他人」のやっていることをパクる。つまりは、真似る・盗むところからはじめてみましょう。みたいなハナシです。
もちろん、丸パクりすれば問題が起きることもありますから、そのあたりは別のハナシだったりもするので気をつけましょう。って、じゃあなんで「TTP」が推奨されるのか? なぜ、「守破離」とはまず「真似る(=守)」ことからだ、などと言われるのか…?
そこで、偉大なる先人の言葉、いわゆる「名言」にふれてみるのはいかがでしょう。同じような悩みや迷いを抱えて、そのなかで紡がれたであろう言葉には価値があるはずです。
というわけで。昔からちょいちょいコレクションしている名言のなかから、「パクり」にまつわる名言をご紹介していきます。知らぬうちに調子づいているじぶんを戒める、きっかけになる名言はこちらです ↓
- 何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない。
- いいと思ったものをコピーしよう。コピー、コピー、ひたすらコピー。その先に自分が見つかる。
- 凡人は模倣し天才は盗む。
- 創造性というのは、ものごとを結びつけることにすぎない。
- 商工業の世界では誰もが盗む。わたしもずいぶん盗んだものだ。肝心なのは、いかに盗むかである。
- 一人の作家から盗むと盗作だが、たくさんの作家から盗むと研究になる。
- 君がたった1人の影響しか受けていなければ、君は「第2の○○」と呼ばれるだろう。だが、100人から盗んでしまえば、「君はオリジナルだ」と言われるのだ。
- 何かを”オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ。
- オリジナリティとは何か?バレない盗作である。
- 私たちから取ってほしい。まずは盗んでみてほしいんだ。なぜなら、結局は盗みきれないからだ。盗めるのは、私たちが与えたものだけだ。君はそれを自分のスタイルに取り入れ、自分のスタイルを見つけていく。誰だって最初はそうだ。そしていつか、誰かが君から盗む日が来る。
人を真似る・人から盗むのは善!パクりの名言10選
パクりにまつわる名言、まずはこちらから↓
何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない。
サルバドール・ダリさん / 画家
なにかの「まねをする」というと、二番煎じ的なイメージが強く、あまりよい印象もないわけですが。スペインの有名画家である、サルバドール・ダリさんは、まねもできないような人間はダメよ、とおっしゃっています。
ご本人の発言の意図もありますし、いろいろな解釈もあるのでしょうが、わたし自信は「まねる=熱意」との理解です。つまり、「まねるなんてカッコ悪いことができるか!」などと言って、結局なにもしないのは「熱意」が足りないからなのでは?
なりふりかまわぬ熱意があるのかどうか? 「まねられるかどうか」は、熱意の試金石なのかもしれません。
続いての名言がこちら↓
いいと思ったものをコピーしよう。コピー、コピー、ひたすらコピー。その先に自分が見つかる。
山本耀司さん / デザイナー
世界のヨウジヤマモト、山本耀司さんも「まねる」については推奨してますね。コピー、コピー、ひたすらコピー。って、もう「激推し」です。で、「その先に自分が見つかる」んだとおっしゃっています。
これを聞いて、「ほんまかいな?(←エセ関西弁)」とおもったこともありました。コピーはやっぱりコピーなんじゃないか、と。でも、人にはそれぞれ「我」がありますから、結局、まったくのコピーはかえって難しいんじゃないか? と考えるしだいです。
だから、コピーばかりしていたらコピーしかつくれない… などとは考えず、いいと思ったものはひたすらコピーもよいのかもしれません。
続いての名言がこちら↓
凡人は模倣し天才は盗む。
パブロ・ピカソさん / 画家
まねることが「模倣」だと言うのであれば、それだけでは「凡人」だ。と、ピカソさんはおっしゃっています。さらには、「天才は盗む」のだと。おいおい、盗みは「ダメ」だというのは子どもだって知っている。と、言いたくもなりますが。
ここで言う「盗む」とは、「単なるまね(模倣)」を超越せよ! との意味でしょう。つまり、単なるまねでおわれば、二番煎じに過ぎず、いわゆる「劣化コピー」に過ぎません。
ピカソさんが言う「盗む」とは、「まね」の先にあるもの。いまあるものをまねることからインスピレーションを得る、いまはまだないものにたどり着くこと。言い換えるなら、「あたらしいアイデアを得る」ということなのではないでしょうか。
そんなピカソさんの影響も受けたという、スティーブ・ジョブズさんの名言がこちらです↓
創造性というのは、ものごとを結びつけることにすぎない。
スティーブ・ジョブズさん / 実業家
創造性を発揮せよ! というのは、よく言われることでしょう。その創造性のカタマリのようなスティーブ・ジョブズでさえ、創造性とは「ものごとを結びつけることにすぎない」と言い切っています。
つまるところ、創造性なんて、過去の経験や知見の寄せ集めなんじゃないの? と言っているわけです。ならば、その経験や知見はどのようにして得ればよいのか? もうわかりますよね、まねることです。盗むことです。
やっぱり、まねる者・盗む者には「一定の強み」があるということでしょう。
続いての名言はこちらです↓
商工業の世界では誰もが盗む。わたしもずいぶん盗んだものだ。肝心なのは、いかに盗むかである。
トーマス・エジソンさん / 発明家
発明家として名高いエジソンさんですが、数々の「盗作騒動」で有名なのもエジソンさんです。電話機、無線機、白熱電球など… だからかどうか、エジソンさん自身も告白をしています。「わたしもずいぶん盗んだものだ」と。
いやいや、盗みはダメやないかーい。と、突っ込みたくはなりますが、ここにはもう少し深い意味があるものと推察します。「肝心なのは、いかに盗むか」だと付言されているのが、その証です。
では、「いかに盗むか」とは、具体的にどういうことなのか? ほかの名言から探っていくことにしましょう↓
一人の作家から盗むと盗作だが、たくさんの作家から盗むと研究になる。
ウィルソン・ミズナーさん / 劇作家
ん〜、なんだか「屁理屈」のように聞こえなくもないですが、でも実は、「盗むことの真理」をとらえた名言だとも言えるでしょう。つまり、たくさんの作家から盗むということは、たくさんの経験や知見を結びつけるということでもあります。
これは、前述したスティーブ・ジョブズさんのハナシと同じことですね。また、ミズナーさんが偉いのは、「研究」にまで昇華させているところにあります。
ただただ、たくさんまねたり、盗んだりするだけではなく、そのなかから「よいところ」や「よくないところ」を分析、試行錯誤していけば、「いいとこどり」のよいものが出来上がりそうです。
似たようなハナシの名言がこちら↓
君がたった1人の影響しか受けていなければ、君は「第2の○○」と呼ばれるだろう。だが、100人から盗んでしまえば、「君はオリジナルだ」と言われるのだ。
ゲイリー・パンターさん / 美術家
100人から盗んでしまえば、もはやオリジナル。これは、イメージとしてはわかりやすいですよね。だれかを1分の1でまねるよりは、100人から100分の1ずつまねたほうが、「まね感」は薄まることでしょう。
そういう意味でも、「ちょっとまねしてみました」みたいな半端なことをせずに、「きちんとまねる、たくさんまねる」。それこそ「TTP(徹底的にパクる)」ことで、オリジナルと言われるものにたどり着けるのかもしれません。
だとすれば、「人まねだ!」などと言われるうちは、まねが足りないのであって、もっともっとまねたほうがいい。と、考えてみるのもよいでしょう。
続いての名言はこちらです↓
何かを”オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ。
ジョナサン・レセムさん/ 小説家
要するに、「世の中にオリジナルなんてないんだぜ」ということでしょう。これは、ここまでの名言にも繋がるハナシでもあります。オリジナルように見えても、過去の経験や知見の寄せ集め。見せ方をちょっと変えたに過ぎないのだと。
実際に、そういうことは少なくありませんよね。それこそ、だれかが言った言葉が「スゴい名言だ!」とおもっても、よくよく調べてみたら、「別のだれかも似たようなこと言ってんじゃん!」みたいなことはあるわけで。
そういう意味では、元ネタを知らないだけだったりします。それはともかく、ここでのキモは「ほんとうのオリジナル」はそうそう存在しないということです。
似たような名言があります。こちらです↓
オリジナリティとは何か?バレない盗作である。
ウィリアム・ラルフ・イングさん / 神学者
いさぎよい名言ですね。オリジナリティとは、バレない盗作。さきほどの名言にもあるとおり、元ネタがわからなければ、もはや盗作とは言えないということです。
とはいえもちろん、「だから、元ネタがわからないようにパクりましょう」というハナシではありません。元ネタがわからなくなるくらいに、徹底的にパクるということであり、つまりは「パクるためにパクる」のではなく、「じぶんなりのオリジナルを見つけるためにパクる」ということです。
パクることを「目的」にすると、単なるパクり、単なる盗作になりますよー、ということでもあります。
さいごの名言がこちらです↓
私たちから取ってほしい。まずは盗んでみてほしいんだ。なぜなら、結局は盗みきれないからだ。盗めるのは、私たちが与えたものだけだ。君はそれを自分のスタイルに取り入れ、自分のスタイルを見つけていく。誰だって最初はそうだ。そしていつか、誰かが君から盗む日が来る。
フランシス・フォード・コッポラさん / 映画監督
こんどは、パクられた側から見てみましょう。もし、じぶんのなにかがパクられたとしたら、「そりゃあもう、怒りに打ち震えるさ!」という人は少なくないものと想像します。
ところが、コッポラさんは言うのですね、「盗めるもんなら盗んでみんしゃい」と。結局のところ、盗めるのは「表面的」な部分に過ぎず、「本質的」な部分は、盗んだ者自身でなんとかするしかありません。
人はみな同じではないから、です。まねできることと、まねできないことがある、とも言えるでしょう。
だったらね、盗まれたって怒らない。盗みたいだけ盗ませてあげればいい。じぶんだってそうして来たはずだし。盗まれるということは、良いものだと認められることでもあります。盗まれて困るのであれば、だれにでもまねることができるていどの「底浅いもの」だった、と考えるのがよさそうです。
まとめ
TTP(徹底・的に・パクる)という言葉がありますが。丸パクりすれば問題が起きる… ではなぜ、それでもTTPが推奨されるのか? そのナゾを解き明かすべく「パクり」に関する名言をご紹介してきました。
TTPの「ほんとうの意味」を理解するために、先人が残した名言に触れてみる、名言に倣ってみるのはいかがでしょうか。
- 何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない。
- いいと思ったものをコピーしよう。コピー、コピー、ひたすらコピー。その先に自分が見つかる。
- 凡人は模倣し天才は盗む。
- 創造性というのは、ものごとを結びつけることにすぎない。
- 商工業の世界では誰もが盗む。わたしもずいぶん盗んだものだ。肝心なのは、いかに盗むかである。
- 一人の作家から盗むと盗作だが、たくさんの作家から盗むと研究になる。
- 君がたった1人の影響しか受けていなければ、君は「第2の○○」と呼ばれるだろう。だが、100人から盗んでしまえば、「君はオリジナルだ」と言われるのだ。
- 何かを”オリジナル”と呼ぶやつは、十中八九、元ネタを知らないだけなんだ。
- オリジナリティとは何か?バレない盗作である。
- 私たちから取ってほしい。まずは盗んでみてほしいんだ。なぜなら、結局は盗みきれないからだ。盗めるのは、私たちが与えたものだけだ。君はそれを自分のスタイルに取り入れ、自分のスタイルを見つけていく。誰だって最初はそうだ。そしていつか、誰かが君から盗む日が来る。