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今後の銀行対応に必須の書類「試算表・資金繰り表・経営計画書」それぞれの役割

今後の銀行対応に必須の書類「試算表・資金繰り表・経営計画書」それぞれの役割

会社が融資を受けるにあたって、今後の銀行対応に必須の書類が「試算表・資金繰り表・経営計画書」です。必須といえる根拠として、それぞれの書類の役割についてお話をします。

目次

今後の銀行対応に必須の書類とは?

会社が銀行から融資を受けるうえで、必要な書類はいろいろありますが。今後の銀行対応をに「必須」だと考えられる書類が、「試算表・資金繰り表・経営計画書」の3点です。

これを聞いて、「いやいや、それらの書類がなくても借りられるし」とおもわれるかもしれません。あるいは、「なにをいまさら、前から重要な書類だろう」とおもわれるかもしれません。

が、これから先に、銀行から融資をスムーズに受け続けるためには、それらの書類が必須の状況に変わりつつある。それらの書類の重要性が、以前にも増して高まっている。というのが、わたしの考えです。

その根拠として、「試算表・資金繰り表・経営計画書」それぞれの「役割」を確認していくことにします。いまできていなければ書類を準備する、あらためて書類の内容を見直すきっかけにしていただければ幸いです。


「試算表・資金繰り表・経営計画書」それぞれの役割をあらためて

試算表

試算表とは、いうなれば、決算書の「毎月バージョーン」です。決算書が1年に1度つくらなければいけない書類なら、試算表は1月に1度つくるべき書類だといえます。

にもかかわらず、けして少なくはない会社が、試算表を毎月はつくっていないのが現状です。そんな試算表の役割は、ひとことで言えば「タイムリーな業績把握」にあります。

決算書だけをつくることに比べれば、試算表をつくることで、よりタイムリーな業績を把握することが可能です。ではなぜ、タイムリーな業績把握が必要なのか?

銀行対応に関して言えば、「銀行はできるだけ最新の業績を知りたいから」ということになるでしょう。最悪1年前の業績よりも、できれば先月の情報を見て、銀行は融資の可否を検討したいのです。

ゆえに、試算表が大切なんだ。というハナシであれば、それは以前からそうなんだというハナシです。加えて、いま試算表がより必須だといえる理由があります。

それは、「経営者保証無しの融資(社長の連帯保証が無い融資)」です。現状、新規融資の3割ていどは、経営者保証無しの融資だというデータがあります。以前に比べるとだいぶ増えました。

これをさらに加速させようというのが、金融庁のいまの考えです。とはいえ、なんでもかんでも経営者保証無しで融資をしていたのでは、モラルハザード(社長が借金を軽視する)を起こしかねません。

そこで、1つの「目安」として、「経営者保証に関するガイドライン」があります。そのガイドラインに示されているのが、「財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保」です。

ここから、「適時適切な情報開示」が、経営者保証無しの融資を実行する目安になることがわかります。逆に、適時適切な情報開示ができなければ、経営者保証無しの融資は困難になるわけです。

もうお気づきのこととおもいますが、適時適切な情報開示の「手段」として、試算表が挙げられます。試算表の役割は「タイムリーな業績把握」であり、適時適切な情報開示そのものです。

だったら、ウチは別に経営者保証ありでいい。と、考えるのであれば早すぎます。なぜなら、経営者保証無しの融資ばかりではなく、融資そのものが受けにくくなる可能性があるからです。

さきほど、金融庁は「経営者保証無しの融資」を加速させようとしている、と前述しました。この点で、金融庁は各金融機関に「経営者保証無しの融資」の実行実績の開示を求めています。

ここでもし、経営者保証ありの融資ばかりしていると、その金融機関は「融資全体に占める、経営者保証無しの融資の割合」が下がってしまう… だったら、経営者保証ありじゃないと融資ができない会社(=試算表をつくっていない会社)への融資は控えよう。というのは、ありうるハナシです。

ちなみに、試算表をつくっていない会社というのは、総じて「どんぶり勘定・場当たり経営」であり、銀行融資が欠かせない会社だったりもします。早めにあらためていきましょう。

資金繰り表

続いては、資金繰り表です。資金繰り表の役割は、「おカネの増減状況を明らかにする」ことにあります。

資金繰り表は、資金繰り実績表と資金繰り予定表とに分かれますが、実績表の対象は「過去」、予定表の対象は「将来」という違いがあるだけです。いずれにせよ、資金繰り表が見ようとしているものは、おカネの増減状況であることに変わりありません。

具体的には、月初の現金預金残高からスタートして、その月の入金・出金の明細があり、月末の現金預金残高を計算する、というのが資金繰り表の計算の流れです。

ではなぜ、その資金繰り表が銀行対応に必須の書類なのか? もはや言うまでもなく、銀行にとっては「返済してもらえるおカネがあるかどうか」が重要な関心事だからです。

売上があるか・利益があるかも大事ではありますが、それらがなくても、おカネさえあれば返済してもらうことはできます。だから、銀行はまずおカネであり、資金繰り表を確認したいのです。

というハナシもまた、いまに始まったことではありません。ただし、いまが以前と違うのは、多くの会社の「借入残高」が以前よりも多い状態にあることです。

新型コロナという未曾有の事態をへて、多くの会社が借入を増やし、かつてないほどの借入を抱えている… ほんとうに返済できるのか? ということが問題にもなっています。

ゆえに、銀行は以前にも増して、融資先の資金繰りが気になっている、というのがいまの状況です。にもかかわらず、「資金繰り表はつくっていません」というのでは、銀行から積極的な支援を受けづらくなることは目に見えています。

もちろん、社長自身にとっても「返済できるかどうか、資金ショートを起こさないか」は大事なことなのですから、資金繰り表はあってしかるべき書類です。

少なくとも向こう6ヶ月、できれば向こう1年分の資金繰り予定表を作成するようにしましょう。そのうえで、毎月の試算表ができた段階で、資金繰り表を1ヶ月分更新していきます。

こうして、いつでも資金繰り表を確認できる会社に対して、銀行は安心を感じるものです。管理能力・管理意識が高い社長との評価にもつながりますから、銀行からの支援がより受けやすくなります。

資金繰り表は以前から重要な書類ですが、以前にも増して重要性が高まっていることを理解しておきましょう。

経営計画書

さいごに、経営計画書です。前述した試算表や資金繰り予定表よりも難易度が高く、割合で言えば、ほとんどの会社がつくっていない書類だと言ってよいでしょう。

そんな経営計画書の役割は、「事業の将来性をはかる」ことです。と聞いて、「?」とおもわれたかもしれませんが、これはあくまで「銀行対応」から見たときの役割ということになります。

いま銀行の世界では、「事業性評価」がトレンドです。事業性評価とは、決算書の良し悪しや担保・保証の有無に依存せず、事業の内容や将来性も評価して融資をしましょう、という考え方を言います。

この点で、「事業の内容や将来性」をはかるのに、経営計画書が役に立つわけです。逆に、経営計画書がないと、銀行は融資先の「事業の内容や将来性」をはかりづらくなります。はかる以前に、事業の内容自体がわからない… ということにもなりかねません。

なにしろ、決算書はもちろん、前述した試算表や資金繰り表を見ても、事業の内容(だれに・なにを・どのように売るか)は書いていないからです。ところが、経営計画書を見れば、事業の内容に加えて将来性までが見えてきます。

ちなみに、経営計画書というと「数値計画」をイメージする人が多いですが、実はそれだけではありません。経営計画書は、経営理念・方針、外部環境・内部環境の整理、経営戦略、経営課題、行動計画など、記載項目は多岐に渡ります。

それらの情報から、銀行は融資先の「事業の内容や将来性」をつかみやすくなるのです。が、ただただつかんでおしまいではありません。計画である以上、計画が実行されているかどうか? も銀行が注目するポイントです。

計画どおりに実行されていれば、以後も、その会社がつくる計画を信じてもらうことができます。いっぽうで、計画どおりに実行されなければ(いわゆる、画餅の計画書)、以後、その会社がつくる計画書は信じてもらいづらくなることは覚えておきましょう。

だから、計画は「現実的」な視点でつくる必要があり、立てた計画(行動計画)に沿って、行動をすることが大切になります。

銀行がそんなところまで見ているのか? といえば。これまではともかく、これからは「よく見られる」ものと考えておいたほうがよいでしょう。

前述した「事業性評価」と並び、「伴走支援」もまた、いまの銀行のトレンドだからです。伴走支援とは文字どおり、銀行が融資先に伴走しながら支援をする姿勢をいいます。銀行はただ融資をするのではなく、融資先の事業支援にも関わることで、融資先といっしょに成長しようという姿勢です。

その「融資先の事業支援」という点で、経営計画書の実行確認(モニタリング)が行われる機会が増えるものと考えます。

ちなみに、計画と実績の対比を行うためには、試算表が必須です。繰り返しになりますが、「タイムリーな業績把握」は試算表の役割であり、ここでもまた、試算表の重要性が高まっていることがわかります。


まとめ

会社が融資を受けるにあたって、今後の銀行対応に必須の書類が「試算表・資金繰り表・経営計画書」です。必須といえる根拠として、それぞれの書類の役割についてお話をしてきました。

いまできていなければ書類を準備する、あらためて書類の内容を見直すきっかけにしていただければ幸いです。

今後の銀行対応に必須の書類「試算表・資金繰り表・経営計画書」それぞれの役割

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