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ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ

ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ

コロナが残した負の遺産「ゼロゼロ融資」の返済に苦しむ会社があります。対応策のひとつである「借り換え」ができるとしたら、そのために必要なモノは何なのか? についてのお話です。

目次

無条件に利用できるものではない。

コロナ禍で多くの会社が利用した実質無利子・無担保の融資、いわゆる「ゼロゼロ融資」の借り換えについて、政府の検討が進んでいます(2022年10月21日現在)。

ゼロゼロ融資は、据え置き期間がおわったあとに「返済困難」となる会社の増加が危惧されているところであり、借り換えはひとつの対応策(解決策ではなく)になるものでしょう。

とはいえ、もし借り換えができるようになったとしても、無条件に利用できるものではありません。言うまでもなく、「借金は返すことが大前提」だからです。つまり、返済できるかどうかもわからないのに借り換えはできない、ということになります。

そのあたりをふまえて、「ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ」は次のとおりです↓

ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ
  • 事業再構築
  • 銀行の伴走支援
  • 銀行選び

それではこのあと、順番に確認していきましょう。


ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ

事業再構築

事業再構築というと、「事業再構築補助金」をイメージされる社長もいることでしょう。同補助金は、過去最大規模で実施されている補助金であり、多くの会社が利用しています。

その事業再構築補助金の対象は、「新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する会社」です。

キーワードを上げるのであれば、「思い切った」というところでしょうか。コロナを乗り切った会社と、そうでない会社の違いの1つに「既存事業への依存度」が挙げられます。

新型コロナがもたらした「あたらしい生活様式」に対応できず、売上が激減し続けたのは、既存事業への依存度が高い会社。つまり、事業再構築ができなかった会社です。

いっぽうで、思い切った事業再構築に踏み切った会社は、あらたな売上を生み出しました。既存事業への依存度が低い会社です。たとえば、リアル店舗での販売からネット販売への転換が挙げられます。

また、「商品・サービス」自体を見直す、まさに「思い切った」転換をした会社もあったわけですが、それは「コロナ禍」に限ったハナシなのか? といえば、けしてそうではありません。

世の中で「勢いがある」と言われる会社を見ていると、思い切った事業再構築に先んじて取り組んでいることがわかります。共通点としては、従来の「本業」というくくりのなかにとどまらないことです。

もともとの事業ばかりではなく、その周辺事業、ときには新分野にまで事業の幅を広げています。

みなが知っている例を挙げれば Amazonです。もともとは本のネット販売が主流でしたが、いま取り扱っているモノは本だけにとどまりません。また、ネット販売ばかりではなく、クラウドサービスでは世界一のシェアを誇ります。さらには、金融や保険事業にも取り組んでいます。

もはや、Amazonの本業・業種を聞かれても答えようがないほどです。

などと言うと、「ウチは Amazonのような大企業ではない」と思われるかもしれませんが。会社の規模は関係なく、それぞれに会社にとっての事業再構築というものはあるはずです。

いまは、変化が速い時代であり、以前よりも「事業再構築(し続ける)の必要性」が高まっていると言ってよいでしょう。ゆえに、銀行もまた「事業再構築」に注目をしています。

事業再構築の視点を持っている会社(社長)は、持続性・将来性を評価できるが、事業再構築の視点を持たない会社(社長)は、持続性・将来性に不安がある… という見方であり、結果として「融資の受けやすさ」に影響するところです。

銀行が、ゼロゼロ融資の借り換えに応じるとすれば、融資先の「事業再構築への取り組み状況」が1つのポイントになるでしょう。自社の「事業再構築に対する考え方」や「具体的な取り組み」について説明できるように、整理をしておくとよいでしょう。

銀行の伴走支援

最近ではよく耳にするようになった「伴走支援」とは、言い換えると「融資先の事業支援 + 事業性評価による融資」です。

まずは、「融資先の事業支援」について。文字どおりではありますが、融資先の事業(本業)を銀行が支援するということです。銀行の支援と聞くと、「融資」をイメージするかもしれませんが、ここでいう支援は必ずしも融資ばかりではありません。

たとえば、融資先に合った売上先や仕入先・外注先などを紹介する「ビジネスマッチング」や、経営・財務コンサルティング、補助金申請支援、事業承継支援などが挙げられます。

こういった支援によって、融資先の事業の持続・成長をうながす。結果、融資先といっしょに銀行もまた持続・成長できるよね、というのが「狙い」です。

また、従来のように「融資」ばかりの支援では、この低金利の世の中では、銀行もやっていけません。事業支援による「手数料収入」を、銀行は稼ごうとしているという一面もあります。

それから、もうひとつが「事業性評価による融資」です。事業性評価とは、「決算書の良し悪しや、担保・保証の有無に依存せず、事業の内容や将来性も評価して融資をしよう」という考え方になります。

事業の内容や将来性を評価するなど、あたりまえじゃないか? と、おもわれるかもしれませんが。過去をふりかえれば、銀行融資は、決算書の良し悪しや担保・保証の有無にだいぶ依存をしてきたのです。

そこで、金融庁が銀行に対して、事業性評価による融資を推し進めています。銀行は、事業性評価に取り組まざるをえない状況にある、ということを覚えておきましょう。

ではここで、ゼロゼロ融資の借り換えに話を戻します。ゼロゼロ融資の借り換え制度を利用するには、「銀行の伴走支援」が要件になると言われている点に注目です。

この点で、すでにある「伴走支援型特別保証制度」が参考になります。同制度は、コロナの影響を受けた会社が利用できる融資制度(信用保証協会の保証付き融資)であり、まさに、銀行の伴走支援が要件です。

具体的には、銀行の確認を受けた「経営行動計画書」が必要であり、融資が実行されたあとも、同計画をもとに、銀行のモニタリングを受けることになります。

したがって、「会社は経営行動計画書をつくれるのか? モニタリングに耐えられる経営管理体制を整えられるのか?」が、ポイントになります。これは、ゼロゼロ融資の借り換えにおける伴走支援についても、同様(あるいは同等)と考えてよいでしょう。

また、銀行が事業性評価をするためには、会社が銀行に対して、「事業性評価に必要な情報」を提供できるかどうか? というポイントもあります。つまり、事業の内容や将来性に関する情報を、いかにして提供するか。

具体的なツールとして、おすすめなのが「ローカルベンチマーク」です。経済産業省が提供しているツール(Excelファイル)であり、事業性評価に関する情報を、端的にまとめることができます。

以上をふまえて、ゼロゼロ融資の借り換えを必要とするのであれば、銀行が伴走支援しやすい「環境づくり」に取り組むようにしましょう。環境がなければ、銀行の支援を受けられない可能性が高まります。

銀行選び

さいごに、もうひとつ。ゼロゼロ融資の借り換えには、「銀行選び」も重要です。つまり、会社は、どの銀行に借り換えを求めるのか? ということになります。

借り換え制度さえあれば、どこだっていいじゃないか? と、おもわれるかもしれませんが。前述したとおり、銀行は「伴走支援」という負担を強いられます。

ただ借り換えればいい、ということではなく、融資先の事業支援、計画のモニタリング、事業性評価… どれも、時間と手間がかかるものばかりです。しかも、融資先は「業績の回復が遅れている、資金繰りが厳しい会社」が前提になります。

時間と手間をかけてなお、リスクがある会社なのですから、銀行にとって「割がよい融資」とも言えません。結果として、借り換えに対する取り組み姿勢は、銀行によって差が生じるものとおもわれます。

借り換えに積極的な銀行もあれば、消極的な銀行もあるだろう、ということです。その差を、会社は見極めて、銀行選びをする必要があります。「どの銀行でも変わらない」と考えていると、せっかくの制度も利用できなくなる可能性があるので気をつけましょう。

なお、各銀行の取り組みについては、銀行が公表している「ディスクロージャー誌」などの情報が参考になります。

基本的に、ネットで公表していますから、取引銀行の情報については確認をしておくとよいでしょう。事業性評価の取り組み件数や、事業支援の取り組み件数なども公表されています。銀行ごとに差があることを、数字で把握できるはずです。

また、最終的には「銀行担当者」しだい、ということもあります。いまの担当者が、伴走支援や事業性評価に対して、どれだけ理解があるか、どれだけ積極的かという点も、銀行員ごとに差があるところです。

担当者の差は、支店長の差でもありますから、取引銀行ごとの担当者や支店長の状況も確認しておきましょう。借り換えに限らず、銀行融資を受けるうえでは「銀行選び」が大切です。


まとめ

コロナが残した負の遺産「ゼロゼロ融資」の返済に苦しむ会社があります。

対応策のひとつである「借り換え」ができるとしたら、そのために必要なモノは何なのか? についてのお話ししてきました。

借り換えは無条件にできるものではないこと、借り換えを利用するためには「必要な考え方・必要な行動」があることを理解しておきましょう。

ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ
  • 事業再構築
  • 銀行の伴走支援
  • 銀行選び
ゼロゼロ融資の借り換えができるとしたら必要なモノ

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