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会社の現預金に「悪い増え方・良い減り方」はない

会社の現預金に「悪い増え方・良い減り方」はない

会社の現預金について、「悪い増え方・良い減り方」はありません。現預金が増えるのは、すべからく良いことであり、減るのはすべからく悪いことです。というお話をしていきます。

目次

現預金が尽きれば、会社はおしまい。

会社の「現預金」は、なくなっては困るもの。現預金が尽きれば、会社はおしまいです。ゆえに、社長は「現預金の増減」に注目する必要があります。

では、その現預金の増減について。「悪い増え方・良い減り方」はありません。つまり、現預金が増えるのは良いことであり、減るのは悪いことだ、ということです。

これを聞いて、「いやいや、悪い増え方・良い減り方だってあるんじゃないの?」と、おもわれるかもしれません。

そこで、現預金の「良い増え方・悪い減り方」を確認してみることにしましょう。悪い増え方・良い減り方などないと、気づくことができるはずです。


現預金の良い増え方

利益が増える

現預金が増えることに関してはすべて、「良い増え方しかない」と言っても過言ではありません。

その最たるケースが、「利益が増えることによって、現預金が増える」です。利益が増える、つまり、儲けることは会社の目的でもあります。目的を果たすことで、おカネも増えるのは「理にかなっている」とも言えるでしょう。

というわけで、「利益が増えて現預金が増える=現預金の良い増え方」に異論がある人はいないものと考えます。もし、異論があるとすれば「借入をして現預金が増える=現預金の良い増え方」でしょう。

借入をする

銀行からおカネを借りれば、たしかに現預金は増えます。でも、借金も増えるのだから、良い増え方とは言えないだろう。そうおもわれるかもしれません。

ですが、ウラを返せば、「借金も増えたが、同じだけ現預金も増えている」のですから、その借金はないのと同じです。つまり、借入をした「瞬間」であれば、良いも悪いもありません。

借入が悪いものになるのは、借りたおカネを「ムダ使い(=利益が増えないことにおカネを使う)」したことにより、返済できなくなったときに限られます。

それはそれとして、借入をすることで「銀行からの信用」を得られることも忘れてはいけません。借金できるということは、「それだけの信用がある」という証でもあります。だとすれば、「借入をして現預金が増える=現預金の良い増え方」だと言ってよいでしょう。

資産を処分する

ほかにも異論がありそうなものとして、「資産を処分して現預金が増える=現預金の良い増え方」が挙げられます。

たとえば、資金繰りが厳しいので、使っていなかった土地を売却した… というようなケースです。これにより、たしかに現預金は増えるものの、資産を処分しなければならないのは望ましいことではない。だから、これは「現預金の悪い増え方」だと。

ところが、使っていなかった土地を持ち続けたところで、所有コスト(管理費や固定資産税など)がかさむだけです。結果として、現預金が減り続けることになります。

また、仮に使っている土地だったとしても、資金繰りが悪くなるような使いかたをしているのであれば、売ってしまったほうが、その後の現預金の減少を抑えられることもあるでしょう。

せっかく買ったものを売るのに、躊躇する社長は少なくありません。気持ちはわかりますが、「資産を所有し続けて現預金が減る」のは、「現預金の悪い減り方」にあたるものです。

「持たざる経営」という言葉もあります。資産を「積極的」に処分することも検討してみましょう。


現預金の悪い減り方

自己資金で資産を購入

会社の持続・成長には「投資」が欠かせません。設備への投資もあれば、人材への投資もあります。また、自社商品の開発・改善といった投資もあるでしょう。

その投資の「原資」は大きく2つ、「自己資金」と「借入」とがあります。このうち、自己資金で投資をする場合には、その分の現預金が減ることはわかるでしょう。これにより、資金繰りの悪化が起きるわけです。

これを聞いて、「いやいや、投資効果によって回収すればよいでしょう」と、おもわれるかもしれません。たしかに、投資とは投資効果(利益)を期待するものですから、「いずれ」はおカネを回収できることが前提です。

ところが、実際には「すぐ」に回収できるわけではなく、回収までにだいぶ時間がかかることもあります。結果、資金繰りが悪化したうえに、手元の現預金が少なくなると、融資が受けにくくなるのはデメリットです。

であるならば、投資をする前(資金繰り悪化前・現預金の減少前)に融資を受けて、そのおカネで投資をするほうが、将来的には望ましいという考え方があります。

それに、投資は必ずしも成功するわけでもありません。成功が前提であり、いずれはおカネを回収する前提なのですが、あくまで「前提」であって、前提が崩れることもあります。するとやっぱり、資金繰りが悪化して、融資を受けにくくなるのは先ほどの話と同じです。

したがって、「自己資金で資産を購入して現預金が減る=現預金の悪い減り方」という考え方も理解しておきましょう。

利益が不十分

利益が不十分な場合にも、現預金は減ることになります。わかりやすいケースで言えば、「赤字」です。

たとえば、売上が 1,000万円、費用が 1,200万円だとすれば、利益はマイナス 200万円。200万円の赤字であり、200万円の現預金が減ることになります。

また、利益が出ていても、つまり黒字の場合でも「利益が不十分」ということもあるでしょう。たとえば、利益が 100万円出ていても、借入金返済が 300万円であれば、現預金は 200万円減ることになります。この場合、100万円の利益では不十分です。

これに関連して、「過度な節税」には注意しなければいけません。「利益が出ると税金を払わなければいけない… それなら、利益を減らそう」と考える社長がいます。

たしかに、利益を減らせば税金は減りますが、利益を減らすために費用(支出)を増やすのであれば、税金が減った以上におカネが減ることになるのが問題です。

さらには、利益が減ることで銀行から融資を受けにくくもなります。節税で手元の現預金が少ないうえに、融資も受けられないのでは「ダブルパンチ」です。

利益が不十分であることは、現預金の「とても悪い減り方」だと覚えておきましょう。

運転資金の確保が不十分

それなら、利益がたくさん出てさえいればよいのか? というと、そうでもありません。

売上が増えると、ふつうは「売掛金」や「棚卸資産」が増えるものだからです。そのどちらも、「いずれおカネになるのを待っている状態」のものであり、増えれば増えるほど資金繰りは厳しくなります。

したがって、売上が増えると同時に(できればそれ以前に)、売掛金や棚卸資産が増える分のおカネを確保しておく必要があります。自己資金で難しい場合には、銀行借入です。

というように、売掛金や棚卸資産の増加を理由にした借入を「増加運転資金の借入」と呼び、銀行が積極的に融資をするケースの1つになります。

ところが、「売上が増えているのだから、資金繰りだってよくなるはずだ」と勘違いしている社長はけして少なくありません。最悪の場合は黒字倒産ですから、くれぐれも気をつけましょう。

借入金の返済しすぎ

繰り上げ返済をしようとする社長がいます。繰り上げ返済自体が悪いわけではありませんが、繰り上げ返済によって、現預金が減りすぎるのであれば問題です。

現預金が減りすぎるとは、現預金の残高が「平均月商(年間売上高 ÷ 12ヶ月)の1ヶ月分未満」というのが、1つの目安になります。すると、資金ショートを起こす可能性が高まります。

少しでも借金を減らしたい、利息を減らしたい、という気持ちはわかりますが、それで資金ショートを起こしていたのでは本末転倒です。資金ショートを起こさないまでも、少ない現預金が原因で、資金繰りに時間を取られるのでは、社長が本業(経営)に集中できません。

だったら、また借りればいい。そうおもわれるかもしれませんが、そのときに銀行が貸してくれるかどうかはわからないものです。資金繰りが厳しい会社にはとくに、銀行は融資を躊躇します。

借入金の返済しすぎは、現預金の悪い減り方になりうることを理解しておきましょう。


まとめ

会社の現預金について、「悪い増え方・良い減り方」はありません。現預金が増えるのは、すべからく良いことであり、減るのはすべからく悪いことです。

もしかすると、現預金の悪い増え方・良い減り方だってあるのではないか? と、おもわれるかもしれませんが。本記事のお話が、ご参考になるようでしたら幸いです。

会社の現預金に「悪い増え方・良い減り方」はない

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