ハンドドリップって、なんだか難しい… とおもわれるかもしれません。が、初めてのハンドドリップでさえも、美味しいコーヒーを淹れるコツについてお話をしていきます。
知っているか・いないかだけ。
こんにちは、コーヒー好き税理士のモロトメジョーです。きょうも、コーヒーしてますか?
さて、ハンドドリップ(プアオーバー)と聞くと、「なんだか難しい…」というイメージをお持ちの方もいるでしょう。たしかに、奥深い世界であるのは間違いありません。
が、ちょっとしたコツを知っているだけで、初めてのハンドドリップでさえも、美味しさをUPすることは可能です。というわけで、きょうはそのコツをご紹介していきます。こちらです↓
- 直前に豆を挽く
- お湯は冷まして
- 少しは蒸らして
- 中心付近に注ぐ
- 一気に注がない
どれも、けして難しくはありません。知っているか・いないかだけだ、と言ってもよいでしょう。というわけでぜひ、コツを押さえて、より美味しい一杯を淹れていただけたら幸いです。
初めてのハンドドリップでさえも美味しいコーヒーを淹れるコツ
直前に豆を挽く
はじめに、もっとも大事なコツをお伝えします。それは、コーヒーを「粉(挽いてある)」で買うのではなく、「豆」で買う。これだけで、美味しさは「段違い」に変わります。
そもそも、コーヒーは「空気(酸素)」にふれると酸化がすすんで劣化する、ということを覚えておきましょう。開封した瞬間から、劣化がはじまるのです。
この点で、豆よりも粉のほうが激しく劣化します。粉は豆に比べて、圧倒的に表面積が広いからです。
ちなみに、開封後にコーヒー本来の美味しさを保てる期間は、「豆であれば1ヶ月、粉であれば1週間ていど」が目安になります。1週間で飲みきれない場合には、迷わず豆を選びましょう。
それはそれとして、粉は「時間単位」で劣化が進みますから、コーヒーを淹れる直前に「豆を挽く」のが一番です。
豆を挽くなんてメンドーだ… と、おもわれるかもしれませんが。一般家庭でもお手軽に使える「ミル(グラインダー)」はあります。
おすすめは「手動」です。自動のミルも悪くはありませんが、「価格(安いのはイマイチ)」や「お手入れ(タイヘン)」、「スペース(場所を取る)」のが問題です。
ミル選びについては、こちらの記事も参考にどうぞ↓
お湯は冷まして
コーヒーを淹れるには「お湯」が必要です。そこで、お湯を沸かしたらすぐにハンドドリップ! というのは「NG行為」です。それだけでコーヒーをマズくしてしまいます。
沸騰したてのお湯は、コーヒーを淹れるには熱すぎるのです。苦味や雑味といった「余計な成分」まで抽出される原因になります。これがよくありません。
では、どのような温度がよいのか? といえば。厳密には、「豆の種類や鮮度、焙煎度などによる」ということになります。
それでも、ざっくりと目安をしめすのであれば、「深煎りの豆の場合は 80〜85℃くらい、中煎り〜浅煎りの場合は 85〜90℃くらい」といったところです。
となると、「温度計」が必要になります。いちばん便利なのは、温度調節できる電気ケトルでしょう。いっぽうで、100均でも売っている「料理用の温度計」を使うのでもかまいません。
わたしは、ドリップポットと温度計のセットで、こちらを使っています ↓
より美味しく淹れるために、注ぎやすいドリップポットを使うのもおすすめです。
少しは蒸らして
お湯が適温になったら、いよいよ、ドリッパーにお湯を注ぎます。このとき、「蒸らし」を忘れないようにしましょう。蒸らすことで、コーヒーの美味しさをより引き出すことができるからです。
コーヒー粉には、たくさんの穴が空いています(目には見えませんが)。その穴のなかにはガスが含まれているため、いきなり大量のお湯を注ぐと、穴がガスで塞がれて表面積が狭くなり、じゅうぶんな抽出ができません。
というわけで、ドリッパーに少量(コーヒー粉の量よりも少し多いくらい)のお湯を注いだら、まずはしばらく待ちましょう。諸説ありますが、数十秒から1分くらいが目安です。
なお、ガス抜きの観点からは、ペーパーフィルターは「リンス(事前に湯通し)」しないほうがよいとされています。
リンスしたペーパーフィルターは、その水分でドリッパーと密着するため、側面からのガス抜きが難しくなるからです。
いっぽうで、リンスしていないペーパーフィルターだと、ドリッパーとペーパーフィルターとのあいだに「すき間」ができるため、側面からも効率的にガス抜きできます。
中心付近に注ぐ
ハンドドリップでお湯を注ぐときには「の」の字を描きながら、というのはよく聞くハナシではないでしょうか。その理由は、湯を粉にまんべんなく行き渡らせるためです。
ドリッパーの真上から、お湯を「の」の字に注ぐことで、ドリッパー上層部の粉面にお湯がかかります。さらに「の」の字に注ぎ続けることで、ドリッパー内部の粉がかき混ぜられる、という「しくみ」です。
このとき、あまり「の」の字を大きくしすぎないようにしましょう。粉を混ぜすぎることになり、雑味が出やすくなったり、にごりが出やすくなったりするからです。
これに関連して、もっともやってはいけない「NG行為」が、ドリッパーの端にまでお湯をかけること。つまり、ペーパーフィルターにお湯がかかるほど「の」の字を大きくする、これはいけません。
なぜなら、湯が「まったく粉にふれないまま」に、サーバー(あるいはカップ)へと落ちてしまうからです。こうなると、単純に「薄いコーヒー」になってしまいます。
ドリッパーの端っこ(壁面)に張り付いたコーヒーを落としたくなるものですが、そこはグッとこらえましょう。イメージとして、「の」の字の大きさは 500円玉くらいです。
一気に注がない
ドリッパーにお湯を注ぐ際、一気に注ぐ。つまり、お湯を連続的に注ぎ続ける… というのも1つの方法ではありますが。断続的に注ぐ方法も試してみましょう。そのほうが美味しい、ということがあるからです。
端的に言えば、お湯を連続的に注ぎ続けたコーヒーは「薄く」なります。逆に、断続的に注いだコーヒーは「濃く」なります。よって、お湯を一気に注いだコーヒーは、「薄くてマズい」と感じる可能性があるわけです。
もちろん、好みの問題もありますし、あえて「あっさり・スッキリ」なコーヒーを淹れるために、お湯を一気に注ぐというケースもあるでしょう。それはそれ、です。
では、断続的に注ぐとしたら、具体的にはどう注げばよいのか? コーヒー抽出の世界チャンピオン・粕谷哲さんが推奨する「4:6メソッド」があります。
くわしくはググっていただければ、ですが。カンタンに言うと、まず「4割」のお湯を注ぎ、残りの「6割」のお湯を1〜3回で注ぎます。
6割のお湯を何回で注ぐかは、薄く淹れたいか・濃く淹れたいか? です。回数が少ないほど薄くなることを理解しておきましょう。
お湯を1回に多く注げば、それだけ速く、お湯は粉を通過していくことになります。湯量が多ければ、その分だけ水圧がかかり、お湯は速く落ちるからです。
いろいろ試してみて、じぶん好みの注ぎ方を見つけられると、コーヒーはより美味しくなります。
まとめ
ハンドドリップって、なんだか難しい… とおもわれるかもしれません。というわけで、初めてのハンドドリップでさえも、美味しいコーヒーを淹れるコツについてお話をしてきました。
どれも、けして難しいことではありません。コツを押さえて、より美味しい一杯を淹れていただけたら幸いです。
- 直前に豆を挽く
- お湯は冷まして
- 少しは蒸らして
- 中心付近に注ぐ
- 一気に注がない