半自動コーヒー抽出器具「クレバーコーヒードリッパー」のレビューです。おすすめポイントとイマイチなポイントをまとめます。
いまさらなんて、言わせない。
こんにちは、コーヒー好き税理士のモロトメジョーです。きょうも、コーヒーしてますか?
お待たせしました、久しぶりのコーヒー記事です。えっ、別に待っていない… そんな淋しいことは言わないでほしい。でも大丈夫、きょうも元気に記事を書いてまいります。
内容は、コーヒー器具のレビューです。で、レビューするのは「クレバーコーヒードリッパー」になります。知っている人からすると、「えー、いまさら?」とおもわれるかもですが。
いつなんどき、コーヒーライフを始める人がいるかもわからないのですから、「いまさら」はありません。というわけで、さっそく始めていきましょう!
クレバーコーヒードリッパーって何?
冒頭からフツーに、「クレバーコーヒードリッパー(以下、クレバードリッパー)」と言っていましたが。知らない人からしたら、何じゃそりゃ? というハナシでしょう。
なので、まずはサクッと概要から。クレバードリッパーとは、いわゆる「コーヒードリッパー(ハンドドリップするときに使うやつ)」のひとつです。
2009年、台湾の E.K.Int’l社から発売されました。クレバードリッパーのキャッチコピーを、わたしなりに言わせていただくのであれば「半自動コーヒー抽出器具」です。
ハンドドリップで使われるドリッパーは、手動のイメージがあるものとおもいます。ドリッパーに対して、ドリップポット(やかん)でゆっくりとお湯を注ぎ入れる… みたいな。
ところが、クレバードリッパーは違います。ドリッパー内に、一気にお湯を注ぎ入れたら、あとはじっと待つだけです。そのあと、サーバー(カップ)の上にのせると、美味しいコーヒーが一気に流れ落ちる… という「しかけ」になっています。
つまり、手動でありながら(お湯を一気に注ぐ)、手動ではなく自動な部分(待つだけ・一気に流れ落ちる)もあるわけで。ゆえに、「半自動コーヒー抽出器具」と名付けたしだいです。
さらには、「しかけ」としてだけではなく、「味わい」の面でも特筆すべきものがあり、そのあたりは後述します。なにはともあれ、唯一無二のユニークなドリッパーなのです。
クレバードリッパーの使い方
レビューをする前に、クレバードリッパーのイメージをつかむため、使い方を確認しておきましょう。先に、おすすめポイントやイマイチなポイントを知りたい方は、読み飛ばしてください。
なお、クレバードリッパーには、LサイズとSサイズとがあります。わたしが使っているのはLサイズです。クレバードリッパーで推奨されるレシピは、以下のとおりとなります↓
- ドリッパーにペーパーフィルターをセット
- コーヒー粉を入れる(33g)
- 沸騰後少し冷めたお湯(約96℃)をドリッパーに注ぐ(530ml)
- フタをして3〜6分ほどお好みで待つ
- ドリッパーをサーバー(カップ)に載せる
- コーヒーが一気に流れ落ちて終了
以上です。とくに難しいことなどはありません。それが、クレバードリッパーの良さでもあるわけですが。
それではこのあと、クレバードリッパーのおすすめポイントやイマイチなポイントを確認していきましょう。
クレバードリッパーのおすすめポイント
しかけが面白い
クレバードリッパーのおすすめポイント、まずはその「しかけ」の面白さにあります。
クレバードリッパーの底には「あるギミック」がほどこされているのです。底にはシリコンの「弁」が付いています↓
ドリッパーをテーブルなどに置いている状態だと、その弁は重力で下がってフタになるため、お湯を注いでも溜まっていくだけで、抜けていくことはありません。漏れそうだけど、まったくもって漏れません。
ところが、下から底を押し上げると、弁も一緒に押し上げられて、底にスキマができます。これにより、ドリッパーのなかに溜まったコーヒーは一気に流れ出ることになります。
底を押し上げるためには、ドリッパーをサーバー(カップ)の上に載せればOKです。コーヒーがダーッと流れ落ちるようすは面白く、クレバードリッパーのおすすめポイントだと言えます。
技術が要らない
クレバードリッパーの使い方は、前述しました。ひとことで言えば、お湯を注いで待つだけです。ハンドドリップのように、繊細にお湯を注ぐ必要もありません。
お湯の注ぎ方について、〇回に分けて、〇mlずつ注ぐとか、難しいことを考える必要もありません。ダーッと雑にお湯を注いだとしても、問題は無しです。
あとは、一応、時間をはかって、時間になったらドリッパーをサーバーに載せるだけ。そういう意味では、ハンドドリップが素人の人でも心配はいらないでしょう。
というように、技術や知識を要しないのは、クレバードリッパーのおすすめポイントの1つです。
味の再現性が高い
素人の人でも心配ない、とか言うけれど。だったら、素人でない人には不向きな器具なのか? といえば、けしてそういうわけでもありません。
なぜなら、クレバードリッパーには「味の再現性が高い」というおすすめポイントがあるからです。この点で、一般的なハンドドリップは繊細であり、再現性を高めるのは至難のワザとなります。
すると、違う豆で飲み比べをするときなどは、味わいに違いがあっても、豆の違いなのか、淹れ方の違いなのかがわかりません。
でも、クレバードリッパーがあればどうでしょう。前述したとおり、技術が要らないうえに、使い方は決まっているのですから、淹れ方のブレは小さくなります。
これは、大きなメリットになるだろうとおもうのですが、いかがでしょうか。
ちなみに、クレバードリッパーはメーカー推奨の使い方(説明書あり)のほかにも、ユーザーごとにいろいろな使い方(レシピ)があるようです。素人以外でも楽しめるポイントでしょう。
味わいは、基本的にあっさりめ?
肝心の味わいはどうなのか? というと。一般的なドリッパー(お湯を溜め込まないタイプ)に比べて、味わいはあっさりめ。みたいなことが言われています。
ひとことで言うと、「浸透圧」が理由なのですが。メンドーな説明はさておき、結論として、クレバードリッパーのようにお湯を溜め込むタイプ(浸漬式、と呼びます)は、あっさりめにしあがるのですね。
いっぽうで、一般的なドリッパー(透過式、と呼びます)は、浸漬式よりもしっかりめの味わいとなります。が、実際にやってみると、必ずしもそういうわけでもありません。
同じ豆を使って、クレバードリッパーと、HARIOのV60とで飲み比べてみたところ、一般的なドリッパーであるV60のほうがあっさりめにしあがりました。見た目の色合いとしても、若干差が出るほどです↓
クレバードリッパーは、お湯を注いだあと4分ほど待ってみたのですが、それが長かったのでしょう。待ち時間の調整しだい、といったところです。
ただ、いちどベストな待ち時間を見つければ、前述したとおり再現性が高いので、いつもじぶんの好みの味わいのコーヒーを淹れられるようになるでしょう。
取り扱いがラク
クレバードリッパーは、器具自体の取り扱いもラクちんです。
特段の準備作業も必要ありませんし、使いおわったあとも、ドリッパー内のコーヒーかすをペーパーフィルターごと、ゴミ箱にポンッと放り込んで、水洗いをするだけです。
説明書にも、「洗剤は使わないように」と書いてありますので、水で手洗いするだけにしておきましょう。
半自動のクレバードリッパーに対して、全自動のコーヒーメーカーもありますが。コーヒーメーカーの定期的なお手入れというのも、それはそれでメンドーなものです。
取り扱いがラクなのは、クレバードリッパーのおすすめポイントと言ってよいでしょう。
クレバードリッパーのイマイチなポイント
デカいわりに出来上がりが少ない
さきほど、クレバードリッパーの使い方の説明をしました。
Lサイズのクレバードリッパーの場合、530mlのお湯を注ぎますが、お湯が粉に吸われますので、できあがりの量は 400ml〜450mlくらいです。はい、これがイマイチなポイント。
なにがイマイチかって、できあがりの量に対して、ドリッパーがデカいのです。
一般的なドリッパーであれば、注ぐそばからお湯は底から抜けていくのですが、クレバードリッパーはそれがありません。ゆえに、いちどに多くのお湯を溜め込まねばならない。その分だけ、ドリッパーのサイズをデカくしなければいけない。
結果、一般的なドリッパーと比べると、とてつもない大きさになります↓
これって、しまうのタイヘンよ。ウチには 10個以上のドリッパーがあるので、スペースを取られるのはデメリットになります。
ちなみに、Sサイズの場合には、360mlのお湯を注いで、できあがりは 270ml〜300mlくらいです。2人分にしては少ないかなぁ… ということだとLサイズになってしまいます。
台形のペーパーフィルターが要る
クレバードリッパーは、いわゆる台形型ドリッパーです。ドリッパーの底が尖っているのではなくて、平たくなっているタイプ。なので、台形型のペーパーフィルターを必要とします。
とくに、専用のフィルターである必要はなく。わたしは、カリタの103を使っています↓
とはいえ、一般的なドリッパーはどちらかというと、先が尖っているタイプが多いようにおもいます。わたしが持っているドリッパーも、尖っているほうが多く。その場合、ペーパーフィルターは台形型ではなくて、円すい方になります。
となると、わざわざ台形型も用意するのはナンですし。さらに言うと、クレバードリッパーのLタイプは、通常の台形型フィルター(2〜4人用)よりも大きいフィルター(4〜7人用)となるので、結局、クレバードリッパーのためだけに使うペーパーフィルターを購入することにはなります。
このあたりは、イマイチなポイントと言えるかもです。
比較的お値段は高め
クレバードリッパーは、サイズが2つあるのに加えて、カラーバリエーションもあって、値段はマチマチです。
それでも、最低価格で言うと、Lサイズが 2,800円くらい。Sサイズが 2,400円くらい。一般的なドリッパーであれば、500円くらいで買えたりすることを考えると、お値段は高めです。
なので、前述した「おすすめポイント」との兼ね合いで、コスパをどう見るかということになるでしょう。
耐久性が気になる
クレバードリッパーの「しかけ」として、底にはシリコンの「弁」があることはお話ししました。ネットを眺めていると、「長く使うことで、弁の締まりが甘くなる」との報告があります。
長く使うとはどれくらいのものなのか…? 1日に何回使うかで変わってもくるでしょうから、なんとも言えません。
また、ちょっと手をすべらせて落としたら、ギミックが壊れてしまった… とのハナシもあります。一般的なシンプルなドリッパーと比べると、耐久性は気になるところですね。
お値段が高めであるだけに、よけいに気になります。
まとめ
半自動コーヒー抽出器具「クレバーコーヒードリッパー」をレビューしました。
抽出面で言えば、素人にも、素人以外にもおすすめできるドリッパーです。その他おすすめのポイントについては、記事に書いたとおりでいろいろあります。
たた、いっぽうで、イマイチな点もあるわけで。そのあたりも記事に書きましたから、比較検討をする際の参考にしていただければ幸いです。
個人的には、総合的に見て「買い」のドリッパーかとおもいます。