コーヒーと言えばカフェイン、カフェインと言えばコーヒー。そんなカフェインについては、ちまたに誤解が絶えません。というわけで、わたしがその誤解をといてまわります。
コーヒーと言えばカフェイン。
こんにちは、コーヒー好き税理士のモロトメジョーです。きょうも、コーヒーしてますか? というわけで(どういうわけで?)、カフェインの誤解に関するお話です。
コーヒーと言えばカフェイン、カフェインと言えばコーヒー。そんなカフェインにまつわる都市伝説はそこかしこです。なかには、まるでカフェインが「悪のカタマリ」であるかのような… 言うなれば「カフェインの誤解」について、このあとわたしがといてまわりたいとおもいます。
では、そもそも、どんな誤解があるのかというと、おもなところではこちらです↓
- 脱水を引き起こす
- 睡眠を邪魔する
- 中毒性がある
- 栄養素ではない
- 体内に残る
- 脂肪燃焼を助ける
- 妊娠中に避けるべき
- 脳細胞を殺す
- ハイパーアクティブを引き起こす
それでは、このあと順番に確認していきましょう。
ちまたで言われるカフェインの誤解
脱水を引き起こす
カフェインには利尿作用があるので、しばしば、脱水を引き起こすと考えられがちです。ところが、適量のカフェイン摂取であれば、影響は限定的であることがわかっています。
つまり、カフェインが含まれる飲み物(たとえば、コーヒーや紅茶)であっても、適量であれば、脱水を引き起こすことはなく、むしろ、水分補給としての効果を発揮するということです。
いっぽうで、大量のカフェインを摂取すれば、利尿作用が強くなり、脱水症状(頭痛、めまい、口渇、疲労感、尿量の減少)のリスクが高まる可能性があります。
なので、適量を守ることは重要です。この点で、1日のカフェイン摂取量は400mg(約4杯のコーヒー相当)以下に抑えることが推奨されています。
睡眠を邪魔する
カフェインには覚醒作用があります。なので、睡眠の質が下がる! といったハナシはよく見聞きするところです。が、カフェインは摂取から4〜8時間(個人差)で半減します。
ですから、適切なタイミングで飲めば、夜の睡眠に大きな影響を与えることはありません。つまり、カフェインは「摂取のタイミングが重要」というわけですね。
なので、日中に眠気を抑えたいときや、注意力を上げたいときなどは、良いタイミングだと言えます。これに対して、夕方以降は入眠を妨げたり、睡眠の質が低下する恐れがあるため、悪いタイミングだと言えます。
摂取したカフェインが半減するまでの時間には個人差があるので、いろいろと試しながら、じぶんに合ったタイミングを見つけてみましょう。
中毒性がある
カフェインには、たしかに中毒性がありますが、通常の摂取量が人体に有害な影響を与えることはありません。ただし、大量に摂取すれば、心拍数の上昇、不安感、震え、胃の不快感、頭痛といった中毒症状を引き起こす可能性があります。
適量を守り、じぶんに合った量を見極めましょう。適量には個人差がありますが、一般的には、1日あたりのカフェイン摂取量は 400mg以下が推奨されています。
適量のカフェイン摂取に「中毒性」はありませんが、「依存性」には注意が必要です。長いあいだカフェインを摂取していた人が急に摂取をやめると、離脱症状(頭痛や疲労感、イライラ、集中力低下、抑うつなど)が現れることがあります。
カフェインの摂取量を減らすのであれば、徐々に減らすようにしましょう。
栄養素ではない
たしかに、カフェインは栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質など)ではありません。ですが、カフェインが含まれる飲み物や食品を摂取することで、身体面、知的面、感情面のパフォーマンスを改善することが可能です。
例えば、適度なカフェイン摂取は、注意力や集中力を高める効果があります。仕事や勉強をする際に、コーヒーや紅茶を飲むことで、集中力を維持する助けとなるでしょう。
また、運動前のカフェイン摂取によって、持久力が向上し、疲労感が軽減されたという研究結果もあります。ただし、過剰摂取(中毒症状にいたる)にはじゅうぶんな注意が必要です。
体内に残る
カフェインが体内に蓄積されるのを心配する人がいます。でも、その心配はいりません。カフェインは、肝臓によって代謝され、尿として体外に排出されるからです。
カフェインの半減期は4〜8時間(個人差)で、この時間が経過すると、摂取したカフェインのおおよそ半分が体外に排出されることになります。
代謝の速さは個人差があるので、カフェインの影響は人によりけりです。遺伝的な要因によっても、カフェインの代謝が速い人と遅い人がいます。代謝が遅い人は、同じ量のカフェインを摂取しても効果が持続しやすいため、摂取量やタイミングに気をつけなければいけません。
脂肪燃焼を助ける
カフェインが脂肪燃焼を促進する、という研究があります。ですが、科学的に確認されている証拠はないようです。
いっぽうで、カフェインは一時的に基礎代謝を上げ、エネルギー消費が増加する、という報告はあります。また、カフェインには運動時の持久力や疲労感を軽減させる効果があるため、運動量の増加によって脂肪燃焼が促進される、ということはあるでしょう。
なので、カフェイン摂取と運動を併用することで、脂肪燃焼効果を高めることはできるかもしれませんが、カフェイン摂取だけで脂肪燃焼効果を期待するのは難しいとおもわれます。ラクして痩せる道はない、ということですね。
妊娠中に避けるべき
妊娠中のカフェイン摂取は避けるべき、とのハナシはよく見聞きします。ただし、適量であれば、大きな問題はないとの見解もあります。
この点で、英国食品基準庁(FSA)は、妊婦の1日あたりカフェイン摂取量は 200mg以下を推奨しており、ウラを返せば、そのくらいまでのカフェインであれば影響は少ないということです。
また、カナダ保健省(HC)は、1日最大 300mgまでを推奨しています。健康な成人は、1日最大 400mgまでを推奨されていることを考えると、妊娠中にカフェイン摂取量を減らしたほうがよいのはたしかです。
ただ、1滴も摂取してはいけない! と神経質になるまでのものではなく、市販のカフェインレスコーヒー(微量のカフェインは含まれている)を利用することなどは検討してもよいでしょう。
脳細胞を殺す
カフェインが脳細胞を殺す、といった恐ろしいハナシがあるようです。が、そのような事実は確認されていません。カフェインで脳細胞が死ぬ、ということはないわけです。
しかしながら、カフェインの摂取量が過剰になると、神経細胞の機能が低下することがわかっています。
そもそも、カフェインは中枢神経系の刺激物質であり、アデノシン受容体と結合することで、神経伝達物質の放出を促して覚醒感を高めます。これにより、適度な摂取量であれば、カフェインは集中力を高めたり、短期的なパフォーマンスを向上させる効果があるのです。
ところが、カフェインを過剰摂取すると、アデノシン受容体の過剰刺激によって、神経伝達物質がバランスを崩し、不安や興奮、不眠といった症状を引き起こすことがある、とされています。
再三の繰り返しになりますが、過剰摂取には気をつけましょう、ということです。
ハイパーアクティブを引き起こす
カフェインの摂取が、ハイパーアクティブ(過活動症)を引き起こす、という主張については、いくつかの研究があります。とはいえ、決定的な科学的証拠は得られていないようであり、カフェインによって、だれもが必ずハイパーアクティブになるわけではありません。
ただし、カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒感を高める作用があることから、カフェイン耐性が低い子どもについては注意が必要です。つまり、子どもによっては、カフェイン摂取によって、一時的に興奮状態や過活動症状があらわれることがあります。
この点で、カナダ保健省は、4~6歳は1日 45mg以下、7~9歳は 65mg以下、10〜12歳は 85mg以下を目安として公表しています。成人(400mg以下)に比べるとだいぶ少ないですね。
これは、カフェインが脳の発育に影響を与える可能性を考慮してのこと。子どもについては、ハイパーアクティブよりも発育の影響から、カフェイン摂取を控えるのがよさそうです。
まとめ
コーヒーと言えばカフェイン、カフェインと言えばコーヒー。そんなカフェインについては、ちまたに誤解が絶えません。というわけで、わたしがその誤解をといてまわりました。
カフェインに関する誤解が少しでも晴れたようであれば幸いです。カフェインとうまく付き合いながら、いっそうすばらしいコーヒーライフを楽しみましょう!
- 脱水を引き起こす
- 睡眠を邪魔する
- 中毒性がある
- 栄養素ではない
- 体内に残る
- 脂肪燃焼を助ける
- 妊娠中に避けるべき
- 脳細胞を殺す
- ハイパーアクティブを引き起こす