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社長はChatGPTに訊くのもいいけど銀行員に訊くのはもっといい

社長はChatGPTに訊くのもいいけど銀行員に訊くのはもっといい

銀行融資について、ChatGPTに訊くのもいいけれど。社長であれば、銀行員に訊くのはもっといいよね。なぜなら、そのほうが大きなメリットがあるから。というお話です。

目次

ChatGPTが劣る、というわけではない。

ことし(2023年)に入り、お役立ちツールに急な仲間入りをしたのが「ChatGPT」です。社長のみなさまは、お使いでしょうか。

いや、まだ実は使ったことが… というのであれば、いますぐに試してみましょう。継続的に使うかどうか、どのように使うのか以前に、まずは「触ってみる」ことが大切です。百聞は一触にしかず。

それはそれとして、社長が銀行融資について学んだり、調べたりするのにも、ChatGPTを使うことはできます。ChatGPTにいろいろと訊いてみる、というのもいいでしょう。

いいのですが、銀行員に訊くのはもっといい。少なくとも、「現状」では、ChatGPTよりもメリットが大きなところもありますよ。じゃあ、そのメリットとはなんですか? というのであれば、次のとおりです↓

銀行融資についてChatGPTよりも銀行員に訊くメリット
  • 無料で学べる
  • 人となりが伝わる
  • 関係性が深まる

それではこのあと、これらのメリットについて解説していきます。銀行融資の受けやすさにつながるところですから、銀行融資を必要とする会社の社長は押さえておきましょう。

銀行融資についてChatGPTよりも銀行員に訊くメリット

無料で学べる

ChatGPTは無料で使うこともできます。が、より「有効」で、より「効率的」な回答を ChatGPTから得たいのであれば、有料プラン(ChatGPT Plus)を利用するのがよいでしょう。

なぜなら、有料プランだと、各種のプラグイン機能を使うことができるから。プラグイン機能とは、平たくいうと、ChatGPTの「強化ツール」のようなものです。その種類もいろいろ。

なので、ChatGPTを利用するのであれば、有料プランがおすすめ! という、ChatGPTのくわしいお話をしたいのではなくて。

そんな有料プランをもってしても、銀行員に訊いたほうがいい。と、言える部分があります。まず、銀行員に訊く分には「無料」です。ちなみに、ChatGPTの有料プランは「月 20ドル」。円安のいまは、けっこう高いなぁと感じるかもしれません。

ところが、いつも会っている銀行担当者に何かを訊くのに、おカネをとられることはないでしょう。にもかかわらず、銀行員から学ぼうとはしない社長が少なくないようです。

それって、もったいないですよね。と、わたしはおもっています。わたし自身、銀行員の方とお会いする機会があれば、直接的な話(融資の相談)だけではなく、お話を訊くようにしています。

たとえば、銀行員による融資先の見方とか、最近の融資の傾向とか、その銀行や支店の方針とか方向性とか。このあたりは、銀行員ごと、銀行・支店ごとの差があったりもするので、今後も ChatGPTからは学びづらいことでもあるでしょう。

銀行員も忙しいので、あまり時間をかけて訊くようなことは避けなければいけませんが。相手の表情なんかも見ながら、迷惑にならないていどであれば、親切に教えてくれることは多いものです。

というように、無料で、より有効かつ、より効率的に回答をえられる、そんな機会を逃すのはもったいない。ぜひ、「銀行員に訊く」ということを習慣にしてみましょう。

人となりが伝わる

社長は、銀行担当者にいろいろと訊いてみるといい、という話をしました。いろいろ訊くということは、その内容を通じて、社長自身の「人となり」が相手(銀行)に伝わりやすくなるのがメリットです。

銀行は、会社に融資をするときでも、会社だけを見ているのではなく、その会社の社長のことも見ています。中小企業にあっては、「会社=社長」が銀行の見方であり、「ヒトを見て貸せ」と教えられているのが銀行員です。

ゆえに、社長は、銀行から「社長自身」のことも見られていると、理解しておきましょう。

この点で、銀行は社長の「人となり」にも注目をしています。どんな考え方をする社長なのか、どんな主義主張があるのか、どんな価値観を持っているのか、どんな性格の人間なのか、などなど。

そのあたり、社長が訊く内容も人それぞれでしょうから、銀行員は「社長の人となり」をつかみやすくなるはずです。

人となりがよくわからないよりは、わかる社長のほうが、銀行員としても融資を検討しやすくなるのは言うまでもありません。よくわからない相手よりも、わかる相手のほうが貸しやすい、みたいな。

もちろん、人ととなりに問題があるようではいけませんが、そうでない限りは、人となりを伝える意味でも、いろいろと訊いてみるのがよいでしょう。直接的な話(融資の相談)ばかりでは、伝わらないこともありますので。

なお、ChatGPTが優秀だとしても、いくら ChatGPTに訊いたところで、社長の人となりが銀行に伝わることはありません、あたりまえですが。じゃあ、やっぱり、銀行員に訊いてみたら? ということでもあります。

関係性が深まる

ザイオンス効果(単純接触効果)は、ご存知でしょうか。心理学者のロバート・ザイオンスさんが提唱した心理効果で、「接触する回数が多ければ多いほど、その接触相手に対する評価や好感度が上昇する」という傾向をいいます。

では、社長が銀行担当者に対して、いろいろと訊く習慣があったとしたらどうでしょう。安直ではありますが、ザイオンス効果によってメリットが得られるのでは? とも考えられますよね。

これから先の将来はともかく、いま現在における銀行融資については「ヒト(社長)対ヒト(銀行員)」の要素が強く残っています。

表面的には、会社対銀行の取引ではあるものの、実際には「ヒト対ヒト」によるところが少なくない。IT全盛、AI活況の時代にあってもなお、いまはまだ「ヒト対ヒト」が大事なのです。

だとすれば、社長がザイオンス効果に頼るのも悪くありません。とくにいまは、以前に比べて、銀行側が会社との接点を減らしてもいますから、接点が多い社長に対して、銀行員が相対的に高い好感を持つこともあるでしょう。

ただし、銀行側が会社との接点を減らそうとしている以上、銀行員に手間や時間をかけさせるようなことは逆効果です。銀行員の数を減らすことで、銀行員1人1人の負担が増えているような銀行もあります。

そこへきて、社長が「接触を増やそう」とすれば、銀行員からは嫌がられることになりかねません。なので、銀行担当者には会社に来てもらうばかりではなく、ときには、社長のほうから銀行に出向くなど、銀行員の手間や時間に考慮しつつ、接触頻度を高められるとよいでしょう。

結果として、銀行との関係性が深まれば、より融資が受けやすくなります。

まとめ

銀行融資について、ChatGPTに訊くのもいいけれど。社長であれば、銀行員に訊くのはもっといいよね。なぜなら、そのほうが大きなメリットがあるから。というお話でした。

ChatGPTが、銀行員(人間)に劣るということではありませんが。少なくとも、現状では、銀行融資についてChatGPTに訊くよりも、銀行員に訊くほうが、融資の受けやすさにつながる要素が多いと考えます。

    銀行融資についてChatGPTよりも銀行員に訊くメリット
    • 無料で学べる
    • 人となりが伝わる
    • 関係性が深まる
社長はChatGPTに訊くのもいいけど銀行員に訊くのはもっといい

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