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良い融資条件をかなえるためのコツ

良い融資条件をかなえるためのコツ

銀行から同じ融資を受けるのでも、「条件」の良し悪しがあります。というわけで、良い融資条件をかなえるためのコツを押さえておきましょう。のちのちの資金繰りに影響するところです。

目次

融資を受けられさえすればいい、わけでもない。

会社は、銀行から融資を受けられさえすればいい、というわけでもありません。同じ融資を受けるのでも、「条件」の良し悪しがあるからです。もちろん、条件はよいほうがいい。

というわけで、本記事では「良い融資条件をかなえるためのコツ」について、お話をしてみます。社長がどのように考え、どのように行動すれば、融資条件は良くなるのか?次のとおりです↓

良い融資条件をかなえるためのコツ
  • 希望を伝える
  • 少額で依頼する
  • 決算書を良くする

それではこのあと、順番に解説をしていきます。コツを知らずにいれば、融資条件が悪くなり、のちのちの資金繰りに悪影響が出るかもしれません。ぜひ、コツを押さえておきましょう。

良い融資条件をかなえるためのコツ

希望を伝える

融資条件とは、具体的にいうと、金額、返済期間、返済方法、金利、担保や保証などです。たとえば、多くの社長が望むこととして「金利」があります。金利は低ければ低いほうがいい。

では、この点、銀行に伝えているのか?といえば、何も伝えていない社長は少なくありません。「金利を下げて」と言えば、融資が受けられなくなるかもしれない恐怖もあるでしょう。

あるいは、人の好い社長ほど、何だか言い出しにくい…なんてことがあるかもしれません。いずれにせよ、こちらの「希望を伝える」ことができなければ、金利が下がることはないものです。

なぜなら、銀行は「金利が高いほうがいい」と考えているから。なので、こちらが何も言わなければ、下げる動機も道理もないわけです。これは、金利以外の融資条件についても変わりません。

たとえば、担保。会社は、担保は外してほしい。でも、銀行は担保がほしい。ですから、こちらが黙っていれば、やはり、担保が外れることはありません。銀行のほうから「担保を外しましょう」などと言ってくれることはまずないのです。

というわけで、まずは、「希望を伝える」ことからはじめましょう。

とくにおすすすめをしたいのは、「信用保証協会の保証がない融資(プロパー融資)」を希望することです。銀行はリスクを避けるため、「信用保証協会の保証付き融資」ありきで考えます。

こちらが何も伝えずにいると、保証付き融資ばかりになってしまうのは当然です。自社の業績が良いときなど、タイミングをはかって、希望(プロパー融資)を伝えていきましょう。

少額で依頼する

会社にとっての良い融資条件は、銀行にとっての悪い融資条件にあたります。たとえば、「経営者保証を外してほしい」という会社の希望について、銀行はリスクを感じるものです。

銀行からしてみれば、経営者保証があるほうが、リスクを小さくできるからにほかなりません。ゆえに、そうそう会社の希望どおりにはいかない…ということにもなるわけです。

では、どうするか?少額で依頼するのは、1つのコツです。つまり、借入額を少なくする代わりに、経営者保証を外してもらうよう依頼をします。これなら、銀行のリスクを軽減できるでしょう。

プロパー融資を希望するときにも同じです。まずは、少額の借入でプロパー融資の「実績」をつくることを優先します。実績ができると、次回以降はその実績が「信用」になるため、プロパー融資が受けやすくなるのです。

また、実績を重ねることで、徐々に金額を増やしていくこともできます。なので、はじめはまず、「少額で依頼する」ようにしてみましょう。良い融資条件をかなえやすくなるはずです。

なお、この考え方を応用すれば、「金額(少額)」以外の材料でも、良い融資条件を引き出すことができます。たとえば、「金利は少々上がってもよいので、経営者保証を外してほしい」などと依頼することは、その一例です。

これは、「融資条件のすべてを、いちどに良くすることはできない」ということを意味しています。融資条件は、欲張らずに1つずつ、良くしていくように考えるのがよいでしょう。

決算書を良くする

さいごのコツは、決算書を良くすることです。いやいや、そんなのあたりまえでしょう。と、おもわれるかもしれませんが。決算書を良くするにも、「銀行目線」が重要になります。

いっぽうで、銀行目線が欠けている社長もいるので、注意が必要です。たとえば、「自己資本比率を良くしたいから、繰り上げ返済をしよう」といった考えは、銀行目線が欠けています。

繰り上げ返済をすれば、たしかに自己資本比率は高くなるでしょう。ですが、その変化はわずかであるケースが多く、それより何より、預金残高の減少のほうが気になる…ケースが多いものです。

銀行からすれば、預金残高は「安全性」の大事な目安になります。極端を言えば、いくら赤字であっても、預金残高が多ければ会社はしばらく潰れません。返済も続けてもらえます。

ところが、繰り上げ返済をして、預金残高が少なくなれば、その分だけ安全性は下がるのです。自己資本比率がわずかばかり良くなったところで、いざというときの足しにはなりません。

だとすれば、会社にとって良い融資条件をかなえることは難しくなってしまいます。逆に、預金残高が多ければ、銀行は安心ですから、良い融資条件をかなえやすくなるものです。

いざというときに大事なものは、おカネ。自己資本比率や利益も大事ではありますが、いっぽうで、おカネ(預金残高)も見逃してはいけないことを覚えておきましょう。

つまり、決算書を良くするとは、できるだけ預金残高を増やすことでもあります。決算が近づいてきたら、「できるだけ預金残高を増やすにはどうしたらよいか」を考えてみましょう。

たとえば、売掛金を積極的に回収するとか、できるだけ在庫を減らすとか、不動産の処分を検討するとか。預金残高の「最大化」に挑戦してみることをおすすめします。

まとめ

銀行から同じ融資を受けるのでも、「条件」の良し悪しがあります。というわけで、良い融資条件をかなえるためのコツを押さえておきましょう。のちのちの資金繰りに影響するところです。

良い融資条件をかなえるためのコツ
  • 希望を伝える
  • 少額で依頼する
  • 決算書を良くする
良い融資条件をかなえるためのコツ

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