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なぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?

なぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?

借りやすいはずの保証付き融資さえ受けられない会社が、以前よりも増えているものと推測します。ではなぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?その理由をまとめてみました。

目次

借りやすい融資であるはずなのに。

「なぜ、融資が受けられないのか?」という相談があります。さらには、「なぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?」という相談もあります。

つまり、保証付き融資とは「借りやすい融資」であるはずなのに、どうして、その保証付き融資が受けられないのか?ワケがわからない…という社長がいるのです。

この点、以前よりも、そういった社長が増えているものと推測します。実際に、保証付き融資さえも受けられない会社が増えているはずだ、と考えているからです。

ではなぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?おもな理由は次のとおりです↓

保証付き融資さえも受けられない理由
  • 枠がいっぱいだから
  • 資金使途が悪いから
  • プロパー融資がないから

それではこのあと、順番に解説をしていきます。

保証付き融資さえも受けられない理由

枠がいっぱいだから

冒頭でも言ったとおり、保証付き融資は「借りやすい融資」です。なぜなら、会社が返済できなくなったときには、信用保証協会が肩代わり(代位弁済)をしてくれるため、銀行のリスクは軽減されるから。

とはいえ、保証付き融資には「枠」とも呼ばれる限度額があります。一般保証・無担保であれば、8,000万円まで。これは「制度上の限度額」であり、実際には、会社の規模や状況によって、それよりも少なくなることもあります。

以上をふまえて、多くの会社が「枠いっぱい」まで借りているのが現状です。コロナをへて、資金繰りが悪化したために、保証付き融資を利用した、枠いっぱいまで借りています。

さらには、いわゆるゼロゼロ融資として、一般枠以外の「特別枠」まで使って借りている状況です。据置期間を設定していた場合には、返済も進んでいませんから、枠は埋まったまま…

これでは、保証付き融資を受けたくても受けられないのは当然でしょう。では、どうしたらよいのか?会社の規模を大きくする、利益を増やすことによって枠を伸ばすか、返済をすることで枠を空けるほかありません。

そのいずれもができていないということになると、保証付き融資を受けるのは難しいのは必然です。まずは、その「しくみ」と「理屈」を理解しておきましょう。理解できていない社長はいるものです。

資金使途が悪いから

では、まだ枠が空いている場合、それでもなお、保証付き融資が受けられないのだとしたらどうでしょう?それは、資金使途(借りたおカネの使いみち)が悪いからだと推測されます。

銀行がイヤがる資金使途が、「赤字補てん」です。借りたおカネを、赤字の穴埋めに使われたのでは、貸したおカネを返してもらえるアテがありません。だから、赤字補てんのために貸したくはないわけです。

が、コロナの後遺症や、最近の物価高・人件費高騰もあいまって、赤字が続いているような会社であればどうなるか。融資を受けたいといえば、銀行や信用保証協会からは「赤字補てんか」とおもわれることでしょう。

また、脱コロナの過程で「代位弁済」が増えています。コロナの悪影響を引きずったまま、経営改善がままならず、資金ショートを起こしてしまう会社が増えているのです。

それを見た信用保証協会がなにを考えるか?当然、「より慎重に審査をしなければ」と考えるでしょうし、結果として、会社は保証付き融資が受けにくくなります。

以前は、保証付き融資なら、わりとカンタンに受けられたのに、最近はそうもいかなくなってきた。保証付き融資を断られた、というハナシを見聞きする機会も増えました。

そういう意味では、社長は、保証付き融資に対するイメージを、以前までとは変えたほうがよいでしょう。保証付き融資だから借りられる、という状況ではありません。

プロパー融資がないから

保証付き融資が受けられない会社に、共通している理由はまだあります。それが、「プロパー融資がないから」です。つまり、保証付き融資でしか借りられていない、ということになります。

保証付き融資は借りやすい融資だ、といいました。ゆえに、自社の業績が良いときでも悪いときでも、借りやすい保証付き融資ばかりを借りている会社はあるものです。

いっぽうで銀行は、保証付き融資ですからリスクがありません(あったとしても、責任共有制度の20%だけ)。融資先のいざというときにも、積極的にリスクをとろうとはしなくなります。

これに対して、プロパー融資(信用保証協会の保証がない融資)をしている銀行は、100%リスクを負っていますから、融資先のいざというときにも、つぶれてしまったりしないように、支援を検討することになるわけです。

したがって、信用保証協会は「プロパー融資を受けていない会社=銀行の信用・支援がない会社」と見ているし、「プロパー融資を受けている会社=銀行の信用がある・支援がある会社」とも見ています。

そのうえで、プロパー融資を受けていない会社には、信用保証協会としても積極的には支援がしづらく、プロパー融資を受けている会社には、信用保証協会としても積極的に支援がしやすくなる。この理屈もまた、社長が覚えておくべきことの1つです。

業績が良いときは、プロパー融資を受けるチャンス。保証付き融資でラクをせず、銀行に対してはプロパー融資を相談して(ときには交渉して)、プロパー融資の残高を増やしていきましょう。

まとめ

借りやすいはずの保証付き融資さえ受けられない会社が、以前よりも増えているものと推測します。ではなぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?その理由をまとめてみました。

自社にあてはまるものがないか、確認してみましょう。放っておくと、資金繰りに支障をきたすことになります。

保証付き融資さえも受けられない理由
  • 枠がいっぱいだから
  • 資金使途が悪いから
  • プロパー融資がないから
なぜ、保証付き融資さえも受けられないのか?

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