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以前よりも資金繰り表を銀行から求められるのはなぜか?

以前よりも資金繰り表を銀行から求められるのはなぜか?

脱コロナを迎えたいま、銀行から資金繰り表を求められるケースが増えています。それはなぜなのか?知らずに、資金繰り表づくりを放置していると、銀行からそっぽを向かれることになりかねません。

目次

ややもするとフシギにおもえる。

脱コロナを迎えたいま(2023年10月26日現在)、会社が融資を受けるにあたり、以前よりも資金繰り表を銀行から求められるケースが増えているというハナシがあります。

ややもすると、売上が戻ってきた会社も多く、資金繰り表など見なくても「おカネがある・おカネが増える」ことはわかるだろう?と、フシギにおもわれるかもしれませんが。

とにもかくにも、銀行が以前にも増して、資金繰り表を見たがっているのはまちがいないでしょう。実際に、「いまは資金繰り表の確認が欠かせない」という銀行員の声も聞いています。

ではなぜ、以前よりも資金繰り表を銀行から求められるのか?その理由を知ることが、資金繰り表づくりのきっかけになったり、資金繰り表をつくり続ける動機にもなるはずです。

というわけで、確認をしておきましょう。次のとおりです↓

以前よりも資金繰り表を銀行から求められる理由
  • コロナ融資の返済本格化
  • 会社の利益有無の二極化
  • 社長の管理姿勢の二極化

このあたりを知らないまま、資金繰り表づくりを放置していると、銀行からそっぽを向かれることになりかねませんので気をつけましょう。

以前よりも資金繰り表を銀行から求められる理由

コロナ融資の返済本格化

コロナ禍における融資、いわゆる「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」の返済がピークを迎えている、というハナシはニュースなどでご存知のことでしょう。

2023年夏〜2024年春にかけて、当初の据置期間がおわり、返済がはじまる会社が多くあるわけです。これにあわせるかのように、企業の倒産件数も増加傾向にあります。

といった状況を見れば、銀行が警戒するのは当然です。銀行の警戒とは、「貸したおカネを返してもらえないかも」というものであり、「おカネ」の心配にほかなりません。

では、会社の「おカネ」に関する情報をまとめたツールとは…?そう、資金繰り表です。資金繰り表を見ることで、これまでのおカネの動き(実績)や、これからのおカネの動き(予定)を知ることができます。

いっぽうで、決算書や試算表を見るだけでは、おカネの動き(なぜ増えて、なぜ減るのか)はわかりません。だから、銀行は会社に資金繰り表を求めて、おカネの動きを確認したいのです。

したがって、以前よりも資金繰り表を銀行から求められているのは、銀行が抱く「警戒感」のあらわれであることを理解しておきましょう。その警戒を解くことができなければ、どうなるかはいうまでもありません。

今後もスムーズに融資を受けたいのであれば、資金繰り表をつくること。いちどつくっておしまいではなく、毎月、更新し続けること。いつ銀行に求められても、すぐに提示できるようにすることが大切です。

会社の利益有無の二極化

冒頭でもふれたとおり、脱コロナを迎えて、売上が戻ってきた会社も少なくありません。インバウンド回復による、売上増加のニュースなどは典型例です。

そういった会社が、売上増加、ひいては利益増加とともに資金増加をしているのであれば、資金繰り表の位置づけもそれほど高くはならないはずだ、との考え方もあるでしょう。

ところが、売上増加や利益増加を果たしている会社ばかりではありません。コロナの影響を引きずり、いまだ売上・利益が回復しない会社もあります。コロナがもたらした変化に、対応しなかった・対応できなかったような会社です。

もちろん、これからがんばって対応していくこともできますが。それにはやはりおカネが必要なのであり、そのおカネが足りないから、前述したように倒産が増えてもいるわけです。

つまり、世の中はコロナを経て、より二極化が進みました。利益を出せる会社(=おカネを増やせる会社)と、利益を出せない会社(=おカネを増やせない会社)の二極化です。

となると、銀行は「利益を出せる会社」とお付き合いをしたいと考えます。この点、先々の資金繰り表をつくっている会社であれば、将来の利益の有無、将来のおカネの有無を検証する材料にできるでしょう。

これに対して、「資金繰り表はありません」となると、将来の利益・おカネの検証をする材料がないので、慎重・堅実を信条とする銀行は、「じゃあ、お付き合いはやめておこう」となるのもむべなるかなです。

なお、同じおカネを借りた会社でも、かたやおカネを使い果たし、かたやおカネが残っている会社があります。では、おカネを使い果たしてしまったのはなぜなのか?その原因をあきらかにするためにも、資金繰り表(実績資金繰り表をつくる)は役立ちます。

社長の管理姿勢の二極化

コロナ禍で借りたおカネが残っている、売上が戻って、利益も増えている会社があるとして。それでも銀行が、資金繰り表の位置づけを下げることはないでしょう。

なぜなら、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ような社長を、銀行は嫌うからです。今回のコロナ騒動はこれで幕引きかもしれませんが、ネクストコロナが起きる可能性はあります。

感染症以外にも、自然災害や経済・政治の変化による景気悪化などに、会社が巻き込まれることはあるわけです。だとすれば、次の危機に備えて、社長が資金繰りを管理するのは当然でしょう。

資金繰り表づくりとは、資金繰りの管理における「一丁目一番地」です。コロナの教訓をえたのにもかかわらず、資金繰り表をつくらずにいる社長は、銀行から管理姿勢を疑われるものと考えておきましょう。

そういう意味では、「会社の利益有無」と同様に、「社長の管理姿勢」もまた二極化しているといえます。「資金繰りの管理ができる・できるようになった社長」と、「この期に及んでもできない・しようとしない社長」の差がはっきりしたということです。

もちろん、後者の社長の会社が、銀行から融資を受けるのは難しくなります。

ちなみに、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」も一事が万事です。コロナ禍で進めたテレワークやオンライン化も、気がついたら元に戻している会社があります。売上が戻ったからといって、環境まで戻す必要があるのかどうか。

戻すこと自体が間違いではありませんが、なんとなく戻しているようだと、いっそう二極化が進みます。意外と、銀行はそういった「会社の姿勢」にも目配りしていることは覚えておきましょう。

まとめ

脱コロナを迎えたいま、銀行から資金繰り表を求められるケースが増えています。それはなぜなのか?という理由についてお話をしました。

このあたりを知らないまま、資金繰り表づくりを放置していると、銀行からそっぽを向かれることになりかねませんので気をつけましょう。

以前よりも資金繰り表を銀行から求められる理由
  • コロナ融資の返済本格化
  • 会社の利益有無の二極化
  • 社長の管理姿勢の二極化
以前よりも資金繰り表を銀行から求められるのはなぜか?

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