コロナがすっかり過去のものとなりつつある、いまこそコロナの教訓を忘れてはいけない。ということで、銀行融資について、コロナの教訓とはなんだったのかをまとめます。要確認です。
同じ失敗・同じ苦労をしないために。
きょうは、2023年10月31日。コロナのことも、すっかり過去のものとなりつつある「いま」です。それはそれで良かったね、というハナシではあるものの。
こと銀行融資については、いまこそコロナの教訓について考えるべきときだといえます。災厄は忘れたころにやってくるものでもあり、また同じ失敗・同じ苦労をしないためにも、せっかく得られた教訓を忘れないことです。とはいえ…
はて、コロナの教訓ってなんだったっけ?ということもしれませんので、本記事では、そのあたりをまとめてみることにします。おもなところでは次のとおりです↓
- ふだんから、お付き合いをしておく
- どこから借りるかに気をつける
- 救済はいつかおわりを迎える
それではこのあと、順番にお話をしていきます。
いまこそ忘れてはいけないコロナの教訓
ふだんから、お付き合いをしておく
脱コロナを迎えて、業績が回復している会社も増えています。とても良いことです。が、そのいっぽうで、業績が回復したことにより、手元のおカネが増えて「繰り上げ返済」をする社長が増えています。
おカネはあるのに、利息を払い続けるなんてもったいない。だったら、先に返してしまおう!みたいな。たしかに、それもひとつの考え方ではありますが、コロナの教訓を忘れないことです。
コロナ禍にあっては、銀行に「審査・受付待ちの行列」ができました。文字どおりの「行列」です。ピーク時ともなると、審査・入金まで数ヶ月待ち…
このとき、スムーズに融資を受けられたのはどのような会社だったのか?もはや言うまでもありませんが、ふだんから銀行とお付き合いを深めていた会社です。
そういった会社は、銀行のほうから融資の提案があり、銀行もすでに会社の情報を持っているので、余計な手間や時間をかけることなく、スムーズに融資をすることができました。
これに対して、ふだんから銀行とお付き合いがない会社(借入がない、あるいは少ない会社)は、銀行もイチから情報を取らねばならず、手間や時間がかかります。
すると、優先順位が下がり、結果として後回しにされている会社が散見されました。
と、ここまで聞いて。それでも「繰り上げ返済」をするのですか?という話です。繰り上げ返済によって、銀行とのお付き合いが切れたり、浅くなれば、次の有事にはまた後回しにされてしまうかもしれません。あらためて、肝に銘じておきましょう。
わたしは、いちど借りたら返さないことをおすすめしています。
どこから借りるかに気をつける
コロナ禍では、特別な融資制度が設けられました。いわゆる「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」です。
銀行にとってはノーリスク(会社が返済できなければ、信用保証協会が肩代わりしてくれる)の融資であり、「我先に!」とセールスをかけた銀行・支店がありました。
セールスをかけられた会社も、「それは助かる!」と二つ返事で応じるケースがあったわけですが。問題は、その銀行・支店が、自社にとってのメインバンクだったのか?という点にあります。
ゼロゼロ融資は、銀行にとっては「おいしい」融資です(ノーリスクだから)。どの銀行も、できることなら自行で扱いたいと考えます。
この点、メインバンクは「当然、ウチで借りてくれるだろう」と考えているものですが、気がつけば、関与先が別の銀行からゼロゼロ融資を受けていたとなればどうでしょう?
実際、「コロナ関連の融資をメインバンク以外の銀行から受けた会社は3割」とのデータもあります。このなかには、メインバンクの怒りを買ったケースが少なからずあるはずです。
ふだんから支援をしているのになぜ、ゼロゼロ融資に限って、いままで取引もなかったような銀行から受けてしまうのか…許せん!という、メインバンクの気持ちを社長は察するべきでしょう。
もし本当に、メインバンクの怒りを買えば、メインバンクを失う可能性もあります。「おいしい」融資については、どこから借りるかに気をつけましょう。ちなみに、制度融資などもおいしい融資にあたります。
救済はいつかおわりを迎える
コロナ禍では、ゼロゼロ融資があったと前述しました。いうなれば、国による「救済」です。ところが、いつまでも救済されるものでもありません。救済はいつかおわりを迎えます。
世の中は脱コロナですし、現状、救済の目玉ともいえる「コロナ借り換え保証」の制度も、2024年3月で終了とアナウンスされているところです。
にもかかわらず、いつまでも救済があるとは考えないようにしましょう。困ったら、また助けてもらえるとは考えないようにしましょう。救済を頼りすぎれば、コロナの二の舞いになりかねません。
少し長い目で見れば、これから先は、「金利高・借入難」が待っています。救済よりもむしろ、会社にとっては苦難の道です。
いまよりも借入金利が高くなり、同じおカネを借りるでも負担は大きくなるでしょう。銀行は、融資を引き締めることから、会社を見る目も厳しくなり、融資は受けにくくなるでしょう。
そのあたり、社長は少し先にも目配りしながら、いまどうするか・いまなにができるかを考える必要があります。いまの状況であれば(コロナが再拡大しなければ)、コロナに関する救済がおわるのはまもなくです。
まとめ
コロナがすっかり過去のものとなりつつある、いまこそコロナの教訓を忘れてはいけない。ということで、銀行融資について、コロナの教訓とはなんだったのかをまとめてみました。
災厄は忘れたころにやってくるものでもありますから、また同じ失敗・同じ苦労をしないように、あらためて確認をしておくのがよいでしょう。
- ふだんから、お付き合いをしておく
- どこから借りるかに気をつける
- 救済はいつかおわりを迎える